2011-06-23(Thu)
菅直人のエセ脱原発にだまされるな! 8月解散にむけて (加筆あり)
先日、天木直人氏のブログに共感して、「8月電撃解散・エセ脱原発総選挙」の可能性を書いた。
それを裏付けるかのような事態が続き、ついに17日の夕刊フジの大見出しに 「菅は延命の“大天才”だ!『脱原発で解散』恥知らずシナリオ」 とあいなった。
今では、多くの人が、菅直人の「脱原発解散・総選挙」を、ほぼ規定の路線と認識している。
が、そう認識している人の中でも、やはり「甘い」と言わざるを得ない人が多いように、私には思われる。
以下、私の想像を書き連ねてみる
面倒なので、文体は断定型で書くけれども、すべて「かもしれない」とか「もしかしたら」に過ぎないことは、言うまでもない。
■■
まず、これからの菅直人の動きの特徴を二つあげる
一つは、相当思い切った人事やパフォーマンスで、「脱原発」らしさを演出する ということ。
これは、菅直人の脱原発が偽物だと思っている人には、えっ もしかしたら本物? と思わせるくらいのことをやる。
もう一つは、新エネルギーを全面に出して大騒ぎする ということ。
新エネ=脱原発かのような錯覚を利用して、菅本人の口からは決して脱原発とは言わない。
この線に沿ってこれからの流れを想像してみる。
■■
まず明日の月曜日。ちまたでは、内閣改造があるのではと噂されている。
内閣改造は、いきなりは行わない。それでは、パフォーマンス効果が薄いからだ。
主立った面々に打診していることをリークして、噂と報道で騒然とさせる。
福島みずほ氏に入閣要請することもあり得る。
権力欲にとりつかれた周辺の圧力を福島氏がはねのけられるかどうか、微妙なところだ。
もし、拒否されたとしても、福島氏に入閣要請したとなれば、「菅は本気だ」ということになる。
亀井静香氏の副総理は、ありうるかもしれない。
反菅であっても、本音は原発推進であれば、OKなのである。
亀井氏は地下原発推進議連の顧問であるから、充分資格はある。
地下原発推進議連ということならば、驚天動地、鳩山由紀夫氏の入閣も無くはない。
菅延命の立役者でもあり、小沢氏にたいする言い訳もできる。
小沢氏への言い訳という意味では、小沢グループの1期生を数人政務官に入れるくらいのことはするだろう。
むしろ、それで切り崩そうという魂胆だ。
サイボーグ女史のような強力な人はおいといて、次の選挙心配してるような人を取り込む。
現在の執行部や閣僚で、間違いなく棄てられるのは、枝野と岡田、それに海江田。
枝野は、これまでの菅政権の顔だから、イメチェンするためには絶対変える。
これまでの災害対応の遅れは私の力不足でした みたいなことを言わされて、菅本人がやめていないのに、菅内閣の愚策の責任を取るような格好で辞めさせられる。
総選挙を画策する以上、岡田を変えるのは当然。
なにせ岡田は、選挙に負けるための幹事長なのだから。
これまでの、民主党を壊すための菅政権ならば岡田幹事長でよかったけれども、今度は菅は選挙に勝つつもりだ。
だから、ぜったいに岡田は変える。
都合よく、刺し違える とか言っているから、うまいことだまして、辞表を出させるだろう。
幹事長になるのは、仙谷だ。
ペテンの上にペテンを重ねるような総選挙で、複雑に絡み合う関係を操作できる人材は、おそらく他にないだろう。
菅は仙谷を切るとかいっているが、ここ一番で腹芸のできる役者を棄てるとは思えない。
仙谷を残すことでマイナスイメージはあるが、仙谷にも脱原発をうそぶかせれば、カバーできるという読みだろう。
海江田は、菅政権での原発推進の象徴として、無残に切り捨てられる。
今日発表した「原発再稼働の要請」にしても、切り捨てるワルのイメージを大きくするためのやらせに過ぎない。
海江田にすれば、言われたとおりに再稼働要請したのに、悪逆非道の汚名を着せられて切り捨てられることになる。
自業自得とはいえ。
大連立を前提にした選挙戦にするかどうか。
これも、大きな問題だ。
解散総選挙をする以上は、大連立は表に出さないと見る。
自民党=原発 のイメージが強すぎて、脱原発選挙の意味をなさなくなる。
河野太郎氏のような自民党があと30人くらいいれば話は別だが、現状の自民党との連立は、選挙後にモソモソと持ち出してくる。
■■
7月は、そんなこんなで、菅=脱原発 かのような錯覚を作り出すことに、メディア総出で取り組むことになる。
孫正義と飯田哲也が、今以上にテレビ画面に露出する。
3.11以降、わき起こってきた脱原発のうねりの、半分くらいは、菅のパフォーマンスにだまされ、菅万歳に転じる。
明確な脱原発ではないけれども、漠然と原発に不安を抱いている94%の国民の大多数が、菅直人やるじゃん と思い始める。
また、7月は大節電フィーバーとなる。
火力や水力や自家発電を総動員すれば、そこまで節電しなくてもいいのに、過剰な節電騒ぎを起こさせる。
また、一部ではわざと短兵急な原発停止パフォーマンスをやって、意図的に社会的なパニックを引き起こす。
影響の大きすぎる東京や大阪ではなく、どこかの地方都市が狙い撃ちにされるだろう。
そこへ、菅はすっ飛んでいって、復旧に努めるパフォーマンスをすると共に、「エネルギー転換のために、耐えてほしい」などと涙ながらに演説する。
こうしたパフォーマンスの効果を調べるべく、毎週のように世論調査が行われ、菅直人の人気はうなぎ登りに上昇していく。
以上、これが表側
■■
裏では、仙谷が候補者選びと、連立にむけてうごめき回る。
選挙中は脱原発とか言いながら、選挙が終わったら、ケロッと前言を翻すような厚顔無恥な候補者を、厳選していく。
原発推進でも、馬鹿正直な候補者はダメ。
まず、社民党を取り込む。
組織票のこともあるが、それ以上に「脱原発」のイメージを決定的なものとすることができる。
入閣まではできなくても、選挙協力までははまちがいなく持ち込む。
公明党を取り込むのは簡単。
勝ち馬に乗る習性があるのだから、ちょとくすぐれば容易に乗ってくる。
自民とは、複雑な交渉になるだろう。
つまり、うまく敵になってもらう必要がある。
だから、表向きは対決姿勢を表しながら、裏で選挙協力ということになる。
具体的には、小沢グループの選挙区に、「脱原発候補」を立て、共倒れさせる。
複数候補は小沢氏の持論でもあるので、小沢氏も文句言えないだろうという読みだ。
だが、まったく準備期間がないところで複数候補をやれば、組織票に勝る自民党候補に有利なのは言うまでもない。
そして、裏で大連立を考えるに当たって、最大の障害は首相候補だ。
自民も民主も脱原発も、全部納得させられる候補なんているのか??
それが、いる。
ここ大阪に。
しかも、ウチのすぐ近く。
言うまでもない、橋下徹 だ。
4月の大阪府議会議員選挙で、各候補者は目立った政策もなく、ただ橋下の写真をポスターに貼っただけで、40%の得票率、過半数の議席を獲得した。
このすごさは、目の当たりにしたものしかわからないかもしれない。
本当に、橋下の個人の人気だけで、どこの馬の骨かもわからない府議候補が、これだけの票を集めてしまったのだ。
もちろん、周到なマスコミ対策による効果はある。
が、それを含めて、橋下徹という人間は、計算高いのである。
良く言えば、読みが深い。
フツウに言えば、ずる賢い。
我が吹田市などは、自民党が橋下にすり寄って、市長選は元自民党の府議が橋下派の候補になり、それを自民が応援するというかたちで圧勝。
この橋下徹・大阪維新の会が、近畿ブロックの比例代表で出てくるだろう。
もちろん、橋下には、選挙後の大連立下での首相の座を約束する。
自民も民主も、近畿ブロックでは橋下応援態勢をとり、マスメディアも、例によって連日のように橋下追っかけを始める。
11月に大阪ダブル選を唱えていた橋下は、適当な候補を見繕って放り出し、「日本のために、断腸の思いで出馬することに決意しました」などとほざく。
ダブル選はダブル選でも、衆議院と大阪府知事のダブル選になり、まあ当然のように橋下派の知事候補が当選する。
橋下の狙い通り、辛坊治郎が出るのかどうか。辛坊治郎に橋下のような野心があるのかどうかが鍵だろう。
案外、そこまで言って委員会でワーワーやってるのが楽で良いと考えているかもしれない。
近畿ブロックの第2位候補だったら出るかもしれない。
とにもかくにも、こうして、裏では大連立と、その統一候補首相と言うべき橋下徹の擁立が決まっていく。
■■
そして、8月6日。
広島の原爆犠牲者慰霊祭・平和記念式典において、「核エネルギーから新エネルギーへの転換」を高らかに宣言するのである。
もちろん「核エネルギーの廃絶」とは、絶対に口にしない。
そして、東京に帰った直後、菅直人は衆議院を解散する。
脱原発とは、一言も口にせずに「脱原発」総選挙をやらかすという 前代未聞のペテンの始まりだ。
あの希代ののペテン師小泉純一郎でさえ、郵政民営化と口にせずに選挙をしたわけではない。
まあ、本当のことを言わなかったのは同じだが。
脱原発の文化人とやらが、大挙して菅の応援に駆けつける。
グリーンピースあたりが、どこまで真相を見抜けるか、危なっかしいことこの上ない。
坂本龍一、田中優、加藤登喜子、などなど、まじめな人だけに、だまされないように願いたいが・・・
かくして、雪崩的大勝利を収めた菅直人は、救国内閣と銘打って、自民公明との連立を表明。
同時に、統一首相候補として、橋下徹を指名する。
当面は社民党も連立内閣に入れておくが、次第に脱原発のウソを表面化させ、新エネの開発はするけれども、原発は減らさないことを知って連立離脱。
そのように、しむけられる。
小沢派は、「脱原発候補」を刺客にされ、大量に共倒れ。
一気に勢力を減らす。
■■
こんなシナリオにならないためには、菅の「エセ脱原発」が偽物であることを、徹底的に暴くしかない。
ますゴミは、これからは菅万歳なエセ脱原発文化人を大量に登場させる。
中には、純粋に脱原発が実現するんだ♪と信じている人もいる。
そんな人たちのウソを暴くのは、原発推進との戦いよりも、何倍も困難だ。
これはまさに、少し前までの「地球温暖化」に異を唱えることに似ている。
エコだエコだと言いながら、まじめな人たちが無自覚に原発推進を担ってきた。
今また、同じ人々が、脱原発だと言って、原発温存に手を貸すことになる。
困難だけれども、それしか道はない。
この大ペテンの弱点は、敵の中でも理解している奴は少ない、ということ。
肝心の民主党内でも、小沢派の切り崩しは少しできたとしても、逆に「まじめな原発推進派」からはそっぽを向かれる。
要するに、なかなか足並みがそろわない。
これは、統一候補として用意されている橋下徹と、菅直人の関係にも見られる。
この二人、おそらくそりが合わない。
菅は橋下に足下をすくわれるという恐怖感をもっているし、橋下は菅のことをただの馬鹿だと思ってる。
そこで菅は、橋下にかわる候補として、馬淵澄夫を立てようとしている。
たしかに、耐震偽装事件ではがんばった男であるし、実行力もある。
感覚的には、悪い人材ではない。押し出しも強い。
実を言えば、本稿でもかつて馬淵首相論を書いたことがある。
ご記憶の方もおられよう。
しかし、馬淵は「優秀なモーレツサラリーマン」なのである。
親分がいて、始めて動く。
ここ数年、その親分を決めかねていたことが、民主党内であまり派閥色を強くしない結果になっていた。
しかし、国交大臣だった前原の下で副大臣をやり、あろうことか代表戦で菅支持を表明して後釜大臣に座ったあげく、八ッ場ダムの「中止の中止」で、一気に党内での信用を失った。
また、私を含めて、これまで支持してきた人々から、総スカンを食らった。
一時はブログも炎上したらしい。
その後、問責決議で国交大臣を辞めさせられ、現在は原発担当の首相補佐官になり、東電に対する窓口になっていたはず。
東電からの情報がいい加減なのは、この人の責任もあるはずなんだが、全然表に出てこない。
いくら何でも、いまさら首相候補は無理だろうと思うが、本人はたきつけられたらしく、その気になっている。
メルマガでも、東京原発のことなどかいて、ニワカ脱原発になろうと必死だ。
こうやって、敵がもめてくれればくれるほど、こちらは助かる。
しかも、橋下が出てくるよりは、馬淵を立ててきた方が、100倍助かる。
いずれにしても、このスキを突くためには、菅の向こうずねを狙いすまして蹴飛ばすしかない。
小沢派は、団結して明確な党内グループを結成し、党のマニフェストとは別に、グループの公約を掲げるべし。
そこでは、明確な脱原発のタイムスケジュールと、増税反対のスキームを明示する。
そして、それに対する菅の対応を暴く。
明確な脱原発と、増税反対 この二つを柱にして、団結して選挙に臨めるかどうか
ここに、小沢グループが生き残り、起死回生の策を打てるかどうかの分かれ道になる
■■
菅の弱点の二つ目は、財界の信頼がない、ということ。
もともと信用のない菅直人が、「これはペテンの脱原発で、本当は推進なんですよ。信じて下さい。」と言ったって、そう易々と信じられるものじゃない。
財界というのは、やはり自分の業界や会社というものに責任があるので、同じ程度のワルであったとしても、政治家ほど無責任にはなれないはずだ。
マイケルグリーンあたりが仲介すれば別なのだろうが、これはこれで目立ちすぎて困る。
一世一代の大ペテンは、一朝一夕で準備できるもんではない。
もともと信頼の薄かった財界を取り込むには、あまりに時間がなかったのである。
一例として、岡田克也が再生エネ法案について経団連に協力を求めたが、袖にされたという話がある。
だいたい、岡田にこうしたネゴをやらせた時点で破談するのは目に見えてるだろう と私でも思うのに、それをやらせてしまうのが、敵のぎくしゃくさ加減なのであるが。
その後の話は表には出ていないが、おそらく、点検中の原発再稼働と引き替えに、再生エネ法への協力を取り付けたのではないか。しかも、中身はこっそり骨抜きにする密約を含めて。
しかし、これはエセ脱原発で行きたい菅直人にとって、痛手になった。
内閣改造で海江田に詰め腹切らせようかと思っていたら、ネット討論での自分の発言までばれてしまった。
このままでは、味方につき始めたグリーンピース系の人々は離れていく。
土俵際の魔術師は、こんどはどんなペテンでごまかそうかと、今夜は考えて込んでいるだろう。
■■
もう一つ、菅のスキを突くための戦術は、もちろん、本当の世論だ。
菅のペテンは、ペテンは全てそうだけれども、だませる ということが前提になっている。
ところが、なんだか思ったほどの効果が出ていないとなると、とたんに自信喪失して、右往左往し始める。
そうなればしめたもんだ。
どんなきっかけでもいいから、菅の脱原発がペテンであることを暴き、その証拠を開示し、だまされないぞ という意思表示をすること。
できるだけ、菅の目に触れるように、ちらちらと視界の端にちらつくように。
決して、いける という確信を与えないように。
最後の最後の人間の感性を信じて。
PS.人の良い日本在住老男若女にお願い
古今東西、庶民の自己主張には 「迷惑」「暴力」との悪罵が投げつけられる
多くの、善男善女はここで、びびってしまう。
しかし、それでは、敵の思うつぼ
地獄への道は善意に敷き詰められている というではないか
(もとの意味はちょっと違うけど・・・)
ちょうど良い案配の見本があったので、転記しておく
こういうのが、「迷惑」を装った言論弾圧だ
(以下コメント欄から引用)
いくら原発反対でも、暴力は暴力です。いかなるものも正当化はされないと思います。まして、このデモで新宿に買い物に出た人や住宅街の近隣住民はせっかくの休日を台無しにされました。多くの人が集まったから成功という考え自体が奢りにしかみえません。迷惑をかけられたひとたちは金輪際このような活動に賛同しないでしょう。自分達の自己満足に陶酔したデモなど成功とは言いがたい。思想とか意識の高さとかそんなものではない。シンプルに不快なものは不快。ただそれだけだと思う。
(引用以上)
この手のものの特徴は、自分の考えを明らかにしないこと。
つまり、あたかも第三者を装うこと。
その上で、迷惑を被った人は云々 と書き連ねる。
どうせ書いているのは、沿道で日の丸振っていた、ザ行っとく会とかなんとか言う連中だろう
それにしても、こんな手法が通用するのは、日本だけなんだろうなあ きっと。
それを裏付けるかのような事態が続き、ついに17日の夕刊フジの大見出しに 「菅は延命の“大天才”だ!『脱原発で解散』恥知らずシナリオ」 とあいなった。
今では、多くの人が、菅直人の「脱原発解散・総選挙」を、ほぼ規定の路線と認識している。
が、そう認識している人の中でも、やはり「甘い」と言わざるを得ない人が多いように、私には思われる。
以下、私の想像を書き連ねてみる
面倒なので、文体は断定型で書くけれども、すべて「かもしれない」とか「もしかしたら」に過ぎないことは、言うまでもない。
■■
まず、これからの菅直人の動きの特徴を二つあげる
一つは、相当思い切った人事やパフォーマンスで、「脱原発」らしさを演出する ということ。
これは、菅直人の脱原発が偽物だと思っている人には、えっ もしかしたら本物? と思わせるくらいのことをやる。
もう一つは、新エネルギーを全面に出して大騒ぎする ということ。
新エネ=脱原発かのような錯覚を利用して、菅本人の口からは決して脱原発とは言わない。
この線に沿ってこれからの流れを想像してみる。
■■
まず明日の月曜日。ちまたでは、内閣改造があるのではと噂されている。
内閣改造は、いきなりは行わない。それでは、パフォーマンス効果が薄いからだ。
主立った面々に打診していることをリークして、噂と報道で騒然とさせる。
福島みずほ氏に入閣要請することもあり得る。
権力欲にとりつかれた周辺の圧力を福島氏がはねのけられるかどうか、微妙なところだ。
もし、拒否されたとしても、福島氏に入閣要請したとなれば、「菅は本気だ」ということになる。
亀井静香氏の副総理は、ありうるかもしれない。
反菅であっても、本音は原発推進であれば、OKなのである。
亀井氏は地下原発推進議連の顧問であるから、充分資格はある。
地下原発推進議連ということならば、驚天動地、鳩山由紀夫氏の入閣も無くはない。
菅延命の立役者でもあり、小沢氏にたいする言い訳もできる。
小沢氏への言い訳という意味では、小沢グループの1期生を数人政務官に入れるくらいのことはするだろう。
むしろ、それで切り崩そうという魂胆だ。
サイボーグ女史のような強力な人はおいといて、次の選挙心配してるような人を取り込む。
現在の執行部や閣僚で、間違いなく棄てられるのは、枝野と岡田、それに海江田。
枝野は、これまでの菅政権の顔だから、イメチェンするためには絶対変える。
これまでの災害対応の遅れは私の力不足でした みたいなことを言わされて、菅本人がやめていないのに、菅内閣の愚策の責任を取るような格好で辞めさせられる。
総選挙を画策する以上、岡田を変えるのは当然。
なにせ岡田は、選挙に負けるための幹事長なのだから。
これまでの、民主党を壊すための菅政権ならば岡田幹事長でよかったけれども、今度は菅は選挙に勝つつもりだ。
だから、ぜったいに岡田は変える。
都合よく、刺し違える とか言っているから、うまいことだまして、辞表を出させるだろう。
幹事長になるのは、仙谷だ。
ペテンの上にペテンを重ねるような総選挙で、複雑に絡み合う関係を操作できる人材は、おそらく他にないだろう。
菅は仙谷を切るとかいっているが、ここ一番で腹芸のできる役者を棄てるとは思えない。
仙谷を残すことでマイナスイメージはあるが、仙谷にも脱原発をうそぶかせれば、カバーできるという読みだろう。
海江田は、菅政権での原発推進の象徴として、無残に切り捨てられる。
今日発表した「原発再稼働の要請」にしても、切り捨てるワルのイメージを大きくするためのやらせに過ぎない。
海江田にすれば、言われたとおりに再稼働要請したのに、悪逆非道の汚名を着せられて切り捨てられることになる。
自業自得とはいえ。
大連立を前提にした選挙戦にするかどうか。
これも、大きな問題だ。
解散総選挙をする以上は、大連立は表に出さないと見る。
自民党=原発 のイメージが強すぎて、脱原発選挙の意味をなさなくなる。
河野太郎氏のような自民党があと30人くらいいれば話は別だが、現状の自民党との連立は、選挙後にモソモソと持ち出してくる。
■■
7月は、そんなこんなで、菅=脱原発 かのような錯覚を作り出すことに、メディア総出で取り組むことになる。
孫正義と飯田哲也が、今以上にテレビ画面に露出する。
3.11以降、わき起こってきた脱原発のうねりの、半分くらいは、菅のパフォーマンスにだまされ、菅万歳に転じる。
明確な脱原発ではないけれども、漠然と原発に不安を抱いている94%の国民の大多数が、菅直人やるじゃん と思い始める。
また、7月は大節電フィーバーとなる。
火力や水力や自家発電を総動員すれば、そこまで節電しなくてもいいのに、過剰な節電騒ぎを起こさせる。
また、一部ではわざと短兵急な原発停止パフォーマンスをやって、意図的に社会的なパニックを引き起こす。
影響の大きすぎる東京や大阪ではなく、どこかの地方都市が狙い撃ちにされるだろう。
そこへ、菅はすっ飛んでいって、復旧に努めるパフォーマンスをすると共に、「エネルギー転換のために、耐えてほしい」などと涙ながらに演説する。
こうしたパフォーマンスの効果を調べるべく、毎週のように世論調査が行われ、菅直人の人気はうなぎ登りに上昇していく。
以上、これが表側
■■
裏では、仙谷が候補者選びと、連立にむけてうごめき回る。
選挙中は脱原発とか言いながら、選挙が終わったら、ケロッと前言を翻すような厚顔無恥な候補者を、厳選していく。
原発推進でも、馬鹿正直な候補者はダメ。
まず、社民党を取り込む。
組織票のこともあるが、それ以上に「脱原発」のイメージを決定的なものとすることができる。
入閣まではできなくても、選挙協力までははまちがいなく持ち込む。
公明党を取り込むのは簡単。
勝ち馬に乗る習性があるのだから、ちょとくすぐれば容易に乗ってくる。
自民とは、複雑な交渉になるだろう。
つまり、うまく敵になってもらう必要がある。
だから、表向きは対決姿勢を表しながら、裏で選挙協力ということになる。
具体的には、小沢グループの選挙区に、「脱原発候補」を立て、共倒れさせる。
複数候補は小沢氏の持論でもあるので、小沢氏も文句言えないだろうという読みだ。
だが、まったく準備期間がないところで複数候補をやれば、組織票に勝る自民党候補に有利なのは言うまでもない。
そして、裏で大連立を考えるに当たって、最大の障害は首相候補だ。
自民も民主も脱原発も、全部納得させられる候補なんているのか??
それが、いる。
ここ大阪に。
しかも、ウチのすぐ近く。
言うまでもない、橋下徹 だ。
4月の大阪府議会議員選挙で、各候補者は目立った政策もなく、ただ橋下の写真をポスターに貼っただけで、40%の得票率、過半数の議席を獲得した。
このすごさは、目の当たりにしたものしかわからないかもしれない。
本当に、橋下の個人の人気だけで、どこの馬の骨かもわからない府議候補が、これだけの票を集めてしまったのだ。
もちろん、周到なマスコミ対策による効果はある。
が、それを含めて、橋下徹という人間は、計算高いのである。
良く言えば、読みが深い。
フツウに言えば、ずる賢い。
我が吹田市などは、自民党が橋下にすり寄って、市長選は元自民党の府議が橋下派の候補になり、それを自民が応援するというかたちで圧勝。
この橋下徹・大阪維新の会が、近畿ブロックの比例代表で出てくるだろう。
もちろん、橋下には、選挙後の大連立下での首相の座を約束する。
自民も民主も、近畿ブロックでは橋下応援態勢をとり、マスメディアも、例によって連日のように橋下追っかけを始める。
11月に大阪ダブル選を唱えていた橋下は、適当な候補を見繕って放り出し、「日本のために、断腸の思いで出馬することに決意しました」などとほざく。
ダブル選はダブル選でも、衆議院と大阪府知事のダブル選になり、まあ当然のように橋下派の知事候補が当選する。
橋下の狙い通り、辛坊治郎が出るのかどうか。辛坊治郎に橋下のような野心があるのかどうかが鍵だろう。
案外、そこまで言って委員会でワーワーやってるのが楽で良いと考えているかもしれない。
近畿ブロックの第2位候補だったら出るかもしれない。
とにもかくにも、こうして、裏では大連立と、その統一候補首相と言うべき橋下徹の擁立が決まっていく。
■■
そして、8月6日。
広島の原爆犠牲者慰霊祭・平和記念式典において、「核エネルギーから新エネルギーへの転換」を高らかに宣言するのである。
もちろん「核エネルギーの廃絶」とは、絶対に口にしない。
そして、東京に帰った直後、菅直人は衆議院を解散する。
脱原発とは、一言も口にせずに「脱原発」総選挙をやらかすという 前代未聞のペテンの始まりだ。
あの希代ののペテン師小泉純一郎でさえ、郵政民営化と口にせずに選挙をしたわけではない。
まあ、本当のことを言わなかったのは同じだが。
脱原発の文化人とやらが、大挙して菅の応援に駆けつける。
グリーンピースあたりが、どこまで真相を見抜けるか、危なっかしいことこの上ない。
坂本龍一、田中優、加藤登喜子、などなど、まじめな人だけに、だまされないように願いたいが・・・
かくして、雪崩的大勝利を収めた菅直人は、救国内閣と銘打って、自民公明との連立を表明。
同時に、統一首相候補として、橋下徹を指名する。
当面は社民党も連立内閣に入れておくが、次第に脱原発のウソを表面化させ、新エネの開発はするけれども、原発は減らさないことを知って連立離脱。
そのように、しむけられる。
小沢派は、「脱原発候補」を刺客にされ、大量に共倒れ。
一気に勢力を減らす。
■■
こんなシナリオにならないためには、菅の「エセ脱原発」が偽物であることを、徹底的に暴くしかない。
ますゴミは、これからは菅万歳なエセ脱原発文化人を大量に登場させる。
中には、純粋に脱原発が実現するんだ♪と信じている人もいる。
そんな人たちのウソを暴くのは、原発推進との戦いよりも、何倍も困難だ。
これはまさに、少し前までの「地球温暖化」に異を唱えることに似ている。
エコだエコだと言いながら、まじめな人たちが無自覚に原発推進を担ってきた。
今また、同じ人々が、脱原発だと言って、原発温存に手を貸すことになる。
困難だけれども、それしか道はない。
この大ペテンの弱点は、敵の中でも理解している奴は少ない、ということ。
肝心の民主党内でも、小沢派の切り崩しは少しできたとしても、逆に「まじめな原発推進派」からはそっぽを向かれる。
要するに、なかなか足並みがそろわない。
これは、統一候補として用意されている橋下徹と、菅直人の関係にも見られる。
この二人、おそらくそりが合わない。
菅は橋下に足下をすくわれるという恐怖感をもっているし、橋下は菅のことをただの馬鹿だと思ってる。
そこで菅は、橋下にかわる候補として、馬淵澄夫を立てようとしている。
たしかに、耐震偽装事件ではがんばった男であるし、実行力もある。
感覚的には、悪い人材ではない。押し出しも強い。
実を言えば、本稿でもかつて馬淵首相論を書いたことがある。
ご記憶の方もおられよう。
しかし、馬淵は「優秀なモーレツサラリーマン」なのである。
親分がいて、始めて動く。
ここ数年、その親分を決めかねていたことが、民主党内であまり派閥色を強くしない結果になっていた。
しかし、国交大臣だった前原の下で副大臣をやり、あろうことか代表戦で菅支持を表明して後釜大臣に座ったあげく、八ッ場ダムの「中止の中止」で、一気に党内での信用を失った。
また、私を含めて、これまで支持してきた人々から、総スカンを食らった。
一時はブログも炎上したらしい。
その後、問責決議で国交大臣を辞めさせられ、現在は原発担当の首相補佐官になり、東電に対する窓口になっていたはず。
東電からの情報がいい加減なのは、この人の責任もあるはずなんだが、全然表に出てこない。
いくら何でも、いまさら首相候補は無理だろうと思うが、本人はたきつけられたらしく、その気になっている。
メルマガでも、東京原発のことなどかいて、ニワカ脱原発になろうと必死だ。
こうやって、敵がもめてくれればくれるほど、こちらは助かる。
しかも、橋下が出てくるよりは、馬淵を立ててきた方が、100倍助かる。
いずれにしても、このスキを突くためには、菅の向こうずねを狙いすまして蹴飛ばすしかない。
小沢派は、団結して明確な党内グループを結成し、党のマニフェストとは別に、グループの公約を掲げるべし。
そこでは、明確な脱原発のタイムスケジュールと、増税反対のスキームを明示する。
そして、それに対する菅の対応を暴く。
明確な脱原発と、増税反対 この二つを柱にして、団結して選挙に臨めるかどうか
ここに、小沢グループが生き残り、起死回生の策を打てるかどうかの分かれ道になる
■■
菅の弱点の二つ目は、財界の信頼がない、ということ。
もともと信用のない菅直人が、「これはペテンの脱原発で、本当は推進なんですよ。信じて下さい。」と言ったって、そう易々と信じられるものじゃない。
財界というのは、やはり自分の業界や会社というものに責任があるので、同じ程度のワルであったとしても、政治家ほど無責任にはなれないはずだ。
マイケルグリーンあたりが仲介すれば別なのだろうが、これはこれで目立ちすぎて困る。
一世一代の大ペテンは、一朝一夕で準備できるもんではない。
もともと信頼の薄かった財界を取り込むには、あまりに時間がなかったのである。
一例として、岡田克也が再生エネ法案について経団連に協力を求めたが、袖にされたという話がある。
だいたい、岡田にこうしたネゴをやらせた時点で破談するのは目に見えてるだろう と私でも思うのに、それをやらせてしまうのが、敵のぎくしゃくさ加減なのであるが。
その後の話は表には出ていないが、おそらく、点検中の原発再稼働と引き替えに、再生エネ法への協力を取り付けたのではないか。しかも、中身はこっそり骨抜きにする密約を含めて。
しかし、これはエセ脱原発で行きたい菅直人にとって、痛手になった。
内閣改造で海江田に詰め腹切らせようかと思っていたら、ネット討論での自分の発言までばれてしまった。
このままでは、味方につき始めたグリーンピース系の人々は離れていく。
土俵際の魔術師は、こんどはどんなペテンでごまかそうかと、今夜は考えて込んでいるだろう。
■■
もう一つ、菅のスキを突くための戦術は、もちろん、本当の世論だ。
菅のペテンは、ペテンは全てそうだけれども、だませる ということが前提になっている。
ところが、なんだか思ったほどの効果が出ていないとなると、とたんに自信喪失して、右往左往し始める。
そうなればしめたもんだ。
どんなきっかけでもいいから、菅の脱原発がペテンであることを暴き、その証拠を開示し、だまされないぞ という意思表示をすること。
できるだけ、菅の目に触れるように、ちらちらと視界の端にちらつくように。
決して、いける という確信を与えないように。
最後の最後の人間の感性を信じて。
PS.人の良い日本在住老男若女にお願い
古今東西、庶民の自己主張には 「迷惑」「暴力」との悪罵が投げつけられる
多くの、善男善女はここで、びびってしまう。
しかし、それでは、敵の思うつぼ
地獄への道は善意に敷き詰められている というではないか
(もとの意味はちょっと違うけど・・・)
ちょうど良い案配の見本があったので、転記しておく
こういうのが、「迷惑」を装った言論弾圧だ
(以下コメント欄から引用)
いくら原発反対でも、暴力は暴力です。いかなるものも正当化はされないと思います。まして、このデモで新宿に買い物に出た人や住宅街の近隣住民はせっかくの休日を台無しにされました。多くの人が集まったから成功という考え自体が奢りにしかみえません。迷惑をかけられたひとたちは金輪際このような活動に賛同しないでしょう。自分達の自己満足に陶酔したデモなど成功とは言いがたい。思想とか意識の高さとかそんなものではない。シンプルに不快なものは不快。ただそれだけだと思う。
(引用以上)
この手のものの特徴は、自分の考えを明らかにしないこと。
つまり、あたかも第三者を装うこと。
その上で、迷惑を被った人は云々 と書き連ねる。
どうせ書いているのは、沿道で日の丸振っていた、ザ行っとく会とかなんとか言う連中だろう
それにしても、こんな手法が通用するのは、日本だけなんだろうなあ きっと。
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