2016-09-04(Sun)

保革の溝の次は、世代の溝  ~憲法フェス@大阪のことなど

ここ数年で、保革の溝が小さくなってきたことは、多くの人が感じていると思う。

小沢さんと志位さんが仲良くなったり、大阪でもバリバリ革新の社民党・服部良一さんと、バリバリ保守の生活・渡辺義彦さんが、何かとタッグを組んで動くことが多くなった。

安倍晋三のがあまりに酷すぎるから、と言う理由もあるけれども、食わず嫌いをやめて直接話をしてみたら、意外と考えていること同じやんか、という現象もある。
いずれにしても、これまで長年にわたって、日本の問題、生きにくい問題、にそれぞれの立場からまじめにアプローチしてきた人が、お互いの立場を理解し始めたように思う。

私自身、2013年からずっとこれを意識して動いてきたので、まだまだ端緒とは言え、すごくウレシイ限りである。

ところが、ここに来て世代間の溝、とも言うべき問題が急浮上している。

簡単に言えば、ここ数年の間に社会問題に関わり始めた比較的若いひとたちから、政治や運動のベテランにたいして、「あんたらのやり方じゃ、こんな結果しか残せないじゃん」というかなり強烈なアンチテーゼが突きつけられている。

なるほど、「こんな結果」」になってしまっているのは確かなので、ベテランは腹を立てながらも正面切って文句も言えない、という微妙な関係ができつつあるように、私の目には映る。

それがかなり鋭く可視化されたのが、シールズと既存運動の間の軋轢であったし、今回の三宅洋平と安倍昭恵の問題だったりする。
前者は運動のスタイルをめぐる対立だったが、後者はもっと根本的で、ものの見方全般に関わってくる。
つまり、これまで運動というのは、基本的に「敵vs味方」の関係の中で築かれてきた。
何が敵で何が味方かは、時々刻々変わることはあっても、少なくとも目の前の事態は、その枠組みの中で理解されてきた。
しかし、三宅氏が提起したかったことは、そもそも「敵vs味方」という関係自体がないんだ、ということだった。

私はその考えには同意しないが、しかし、彼がそういう意図で、あえてメガトン級の破壊力をもつ安倍昭恵という素材をぶつけてきたのだろう、ということは理解できる。
そして、三宅氏の意図した通り、これまで普通すぎて可視化されてこなかった、「敵vs味方」という関係の有無、そういう認識の是非が、問題として急浮上することになった。

安倍政治に反対している人の中では、保守革新を問わず、筋金入りの人はほぼこうした三宅氏の提起について、ボロカスに批判している。これは、私の回りでもそうだし、間にはさまってヒーヒー言っている人も何人もいる。
一方で、長年関わってきたのではない人たちの中では、三宅氏の提起は非常に新鮮に受け止められ、新しい潮流の始まりとして大歓迎されている様子もまた、私の回りで見ることができる。

どちらが良い悪いではなく、その両者をどうやって、相互理解へ結びつけるのか。
それは、保革の溝を埋めていったように、それなりに時間をかけて、人と人が話し合わなければ、一朝一夕でできることではない。

かなり胃の痛い作業ではあるけれども、それを諦めてしまえば、喜ぶのは誰か、目に見えている。
なんとか溝に橋を架ける作業を続けていかねばならない。

■■

憲法フェス@大阪 は、私はかってにそのためのイベントだと位置づけている。

9/9東京 9/10名古屋 9/11大阪 と続く憲法フェスは、基本的に三宅洋平事務所が仕切っている。
東京と名古屋はすべて三宅事務所の手配で実施されるように聞いているが、大阪は私たち地元の実行委員を作ってウルサいくちばしをはさんでいる。

三宅氏のファンやニューウェーブの人たちだけで盛り上がってしまっては、私は価値が半減だと思うからだ。
なかなか交わる機会のない、政治や運動のベテラン組と、関心はあっても運動なんてダサいと思っていたようなニューエイジとが出会う場になれば、これは画期的な企画になる、私はそう考えた。

ただ、三宅氏本人も、彼を批判している人たちも、今のところ共通の土台に乗ってみようという気があまりないようで、どこまで私の意図が実現されるかは、まったく見えないけれども、少なくとも、マルシェや会場で出会う、普段顔を見たことのない人たちと会話することは、お互いにとって価値のあるものになると信じている。

そんなこんなで、かなりスったモんだしながらようやく決まった 憲法フェス@大阪の内容について、私なりの紹介をしたいと思う。
ただし、ギリギリまでは内容や時間の小変更はありえるので、あらかじめご了承願いたい。

メイン会場 中崎町ホールhttp://www.nakazakichohall.com/" target="_blank" href="http://www.nakazakichohall.com/"> http://www.nakazakichohall.com/
    地下鉄谷町線 中崎町駅前  梅田からも徒歩10分

ここは元小学校の敷地で、180人のホール、もう少し小さい教室、900㎡くらいの広い庭があり、地元の祭りやバザーの他、FM局のイベントやコンサートなど結構大きなイベントにも使用されている。
終日借りられるので、11時から20時半まで、べったりフェスをすることになった。

街宣会場 JR大阪駅御堂筋北口

シールズ関西の街宣などでは、ヨドバシカメラ側に街宣車を停めて、駅に向かって話していたけれども、今回は駅側にステージカーを直づけして、目の前でトーク&ライブという形になる。
なにが画期的かというと、この場所へ車両を停めての街宣は、実は大阪府警初なのである。

現職議員の名前を出したのが功を奏したのかどうか分からないが、なぜか曾根崎署が好意的に対応してくれて、何回か足を運んで交渉した結果、なんとか認められた。
まあ、「認める」もなにも、基本的人権にいちいち規制をするな という話なのだが、日本一基本的人権に疎いと言われる曾根崎署にしては、なかなかのことではあった。

■■
中崎町ホールでのスケジュール

11:00 オープン
20店舗近くのマルシェ(出店)が並ぶので、BGMを聴きながら、ぶらぶら。
休憩場所もたぶん作るはずなので、出会った人たちと、色々話をしてほしい。

12:00 トークセッション
最初は大阪メンバー中心で、これまでの「護憲」とはひと味ちがう憲法談義を。
生活・渡辺義彦さんをファシリテーター(話をふる係)として、パネラーには若手弁護士の小谷成美さん(あすわか)、緑の党・長谷川羽衣子さん、関西の諸運動の要とも言える服部良一さん(社民党)、その風貌は三宅さんの影武者かと言われている高尾洋平さん(三宅事務所)、そしてわれらが山本太郎さん。

自民党の改憲草案は悪いよね と言う話を延々としても、聞く人にとってはあまり面白くない。憲法フェスなんぞに来る人は、はなから自民党の改憲草案は悪いと思ってるわけで、目から鱗にはなりにくい。
そこを、どれだけ超えた議論ができるか、注目である。

12:40 休憩 音楽
BGMを担当してくれるミュージシャンによる ミニコンサート

13:10 トークセッション 再開
このトークは、半屋外で行われる。(前半からずっと)
ホールの軒下にステージを設け、大テントにイスを置きつつ、マルシェでうろうろしている人たちも含めて聞いてもらおうという試み。
パネラーの皆さんは、ざわざわした中でのトークなのでやりにくいとは思うけれども、これも新しい試みと思って、ぜひチャレンジしていただきたい。

13:50~14:20音楽
ミュージシャンによる ミニコンサート

14:30 街宣に移動
梅田街宣に行きたい人は、ぞろぞろと移動

15:00 不思議なクニの憲法 上映
街宣に行かない人は、なんと 今話題のこの映画を 無料!で見ることができる。
(うらやましい)

17:10~40 やさしいヨガ
トークセッションを聞いて、映画を見て、かなり肩が凝ってきた頃なので、ちょっと体をほぐす。
頭を使うだけじゃなく、耳から聞くだけでもなく、五感を使ってみようという試み だったりするのかも。
そこまで考えたわけじゃないけど。

18:30 夜の部 ここだけ500円
最初30分はミュージックby三宅洋平。 あと90分は太郎さんと三宅氏でトーク。
内容は二人のお任せなので、不明。
一応私からは、タブー無しのQ&Aをやってよ、とリクエストしているけれども、保証の限りではない。

■■
梅田街宣 街フェス について

15:00 大阪駅北にステージカー登場
コンテナの横がガバッとあくやつ。こんなイメージ
img15.jpg
(実物とは違います。って書くまでもないか)

長期予報ではちょうど15時ころから小雨がふるかも、なので、これならば屋根もついているし、聴衆も(ほんとはダメだけど)JRの屋根の下に逃げ込める。
中身は、これも太郎さんと三宅氏に完全おまかせ。

ゲストミュージシャンは、BOREDOMS(ボアダムス)のEYヨ(アイ)という人で、なにやらこの世界ではとっても有名な人らしい。
私はまったく不案内なのでこうしてふりがな付けないと読むこともできないが、知っている人は「すげ~」と言っていた。

17:00 ステージ終了後 写真撮影
聴衆とツーショット(またはスリーショット、もしくは4ショット)を撮って、SNSで拡散してね というやつ。
憲法フェスという試みを、できるだけ知ってもらうため。

おわったら、またてくてく歩いて 中崎町へ


と、こんな感じの一日になる。

■■
とにもかくにも、これまで関わってきた様々な企画は、だいたいこんな感じになるだろう、という予想が付いたけれども、今回は、やってみなけりゃわからない。

私としては、三宅氏に文句言いたい、あるいはもう愛想尽きた、とおもっている運動のベテランの方にこそ、いったいどういう世界が拡がっているのか、見に来てほしい。
それをそのまま受け入れろ ということではなく、これまでの自分たちの世界と違うモノを、自分の目と耳と五感で確かめてみてほしい。

私自身、いろいろと鬱屈を残してまま準備にいそしんではいる。
が、じつは、なにが飛び出してくるのか、楽しみでもある。

憲法フェス@大阪

2016年9月11日(日)

https://www.facebook.com/kenpofes.osaka/

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対立とは

対立を無くしましょう。
三宅氏のようなスタイルのイベントはもう何年も前から全国各地で行われてきたように思います。
応援演説に立った冨田さんなども同じ流れの層だと思いますし、山本太郎さんも勿論同じ。

三宅氏と昭恵夫人の件を問題だと至らしめているのは、その概念を受け入れる事が出来ないベテラン勢の内面の問題なのかもしれません。

実は、問題ですらない事を問題だと定義付けしているのは、それを許容する事が出来ない受け取り側の観念の問題であり、いや、そんな筈はないの言えば言うほど、その観念が代え難い強力なものだと分かります。

世界を変えるには我々自身が変わる事が最短の実。

勿論、ベテラン勢からは受け入れ難い反論があるのでしょう。

それが山本太郎さんの足を引っ張るなという良く散見する意見に垣間見える気がします。

山本太郎さんの足を引っ張っているのは、実は三宅氏ではなく、そうした古い観念に囚われている国民です。

何故なら、山本太郎ご本人が、どうしても当選させたいと強力に推した人物が三宅氏なのですよ。

山本太郎氏は三宅氏が誰とでも分け隔て無く、対話できる人物だからこそ推したのでしょう。

山本太郎氏の足を引っ張るというならば、三宅氏か、それとも三宅氏の新しいスタイルを受け入れ難い国民か、どちらかは明らかでしょう。

三宅氏は、選挙時の訴えをそのまま実行しているだけであり、頓珍漢なベテラン勢からの批判に折れるようなら、私は逆に支持を取りやめます。

何故なら、選挙時の訴えと違うから。ですので、今のままの在り方で良いと思いますし、変わらなければならないのは、かれを批判する国民側でしょうね。

公約守っている候補を批判するなら初めから支持しなければ良いのですから。

この意見に反論があるならば、一歩引いて自らの固定された観念を疑うのも一つの方策かとは思いますね。

No title

三宅洋平君には山本太郎君の足を引っ張ることになるのだけは避けてほしい。問題はこのフェスくらいなもんだけで、それが出来るかだよな。
一般人には見えないだろうなァ、、。
そこが一番の心配だわ。
ということで、問題はフェスなんかに来ない「普通」の人々との懸け橋をどうするかだよね?
「普通」でも反自民的な人は居るわけで、そういう人が山本太郎に投票してくれたから、彼は当選できたんだよね。これ誤ると取り返しのつかないことになるよ。特に東京はヤバい、、。
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