2017-08-02(Wed)

なんでボクらの暮らしは楽にならないんだ? を図解してみた

アベノミクスで、なるほど求人倍率は1.5倍を超えた。失業率も2.8%だという。実質賃金も、少しは上がっている。

でも、株価が高騰し、大企業が空前の利益を上げている割には、景気がいいという実感はない。
むしろ、なんだか暮らしはどんどん苦しくなっているような気がする。

なんでこんなことになるのか。
その原因は、「お金を貯め込んで使わないから」だ。
貯めると言っても、われわれ庶民がせっせと貯金するようなケチな話しではない。

巨大なダムは3種類ある。
対外資産
大金持ちの個人資産
企業の内部留保

一度ダムに入った金は、チョロチョロとしか流れてこない。
経済を潤すことなく、税金も庶民と比べてべらぼうに低い税率しかかからない。
ここには書き切れなかったが、タックスヘイブンに逃げ出したものは、税金ゼロである。

そこにどうやってカネが溜まっていくのか。
言葉ではややこしいので、図解してみた。

今日は図を書くだけで手一杯なので、これ以上の解説はまた後日。
ぜひ、じっくりと眺めてみていただきたい。

20170802.jpg


■■お知らせ■■
自由党兵庫県連を準備する会 第2回目準備会

日時:8月20日(日)13:30~16:30(予定)
場所:兵庫勤労市民センター 2F 第1・2会議室
(前回と同じ建物の別室)
JR兵庫駅北向かい(快速が停車します)
   https://www.kobe-kinrou.jp/shisetsu/hyogo/index.html
議題:1.自由党について知ろう。
    2.県連をつくるために必要なこと。
ゲスト:自由党大阪府連代表 渡辺義彦元衆議院議員

■質問を募集します。
自由党について聞きたいことがある方は、前もってこちらにお寄せ下さい。 kashimajuku@hi-net.zaq.ne.jp(加島)
事前に渡辺さんにお伝えしておきます。
勿論当日でも結構です。
■参加確認
予定が分かっている方は、上記のアドレスに参加・不参加のご連絡をお願いします。
前回よりも広い会議室を用意しておりますので、お誘い合わせの上お越し下さい。
当日の急な参加も大丈夫です。



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2017-07-29(Sat)

あらためて「労働組合」を考える

連合のテイタラクを見て、「労組なんて嫌いだ」という人が、私の回りには結構いる。とくに保守リベラルの人に多いように思う。

たしかに、労働貴族とかダラ幹(堕落した幹部)の実態を知っていればいるほど、こんな連中消えてしまえ と思う気持ちはわかる。
とくに昨今の連合は、原発を推進し、過労死法案を後押しし、カジノ推進候補を応援するという、ほぼ自民党応援団になっているのだから、労組なんてクソだと言われてもしかたない。

こうしたダラ幹のおかげで、日本の労働組合加入率は17%にまで落ち込んだ。
社員が1000人以上の大企業はまだしも44%だが、100~1000人は12%、100人未満はなんと0.9%だ。

戦後の推移を見るとこんな感じらしい

20170729-1.png
(独立行政法人労働政策研究・研修機構 より)

このグラフでほぼ横ばいになっている1980年代から昨年までを、民間(規模別)・公務員にわけたものが下の表だ。

20170729-3.png
総務省統計局 企業規模別単位労働組合数及び組合員数 より抜粋)

細かい数字はともかく、激減しているのは公務員と民間の中小零細であり、民間の大企業はむしろ増えている ということがわかる。
ちなみに、中小零細企業には、日本の労働者の7割が働いている。

昔の公務員労組は、例えタテマエでも「日本の労働組合を牽引する」という気概があったが、べつに労働運動しなくてもそこそこ賃上げが保証されているし、滅多にクビにもならない身分に気が付いて、労働組合なんて入る人がいなくなっちゃった ということなのだろう。

中小零細の場合は、会社そのものに体力が無くなってしまったことが大きい。
余裕があるときはストでも団交でもやって賃上げさせられたが、最近の中小零細は、そんなことされたらホントに潰れてしまうところが多いはずだ。消費税を搾り取られ、元請けには値切られ、海外との競争が激化し、高度経済成長の頃の余韻は、まったくない。

データで見ても労働分配率は小さな会社ほど高いので、平均すれば中小企業の社長がケチなわけではない。

20170729-5.png
(内閣府資料より)

さらに、小さな会社で一度消滅した労組を復活させるのは、かなり大変だ。
目立ちすぎてしまって、露骨な嫌がらせだってあるだろう。そこまでして労組に入ろうという人がいないのも理解できる。

世界的に見るとどうだろう。

20170729-2.png
(社会情勢データ図録 より)

やはり、世界的に見てもかなり組織率は低いほうだ。
上位のアイスランドや北欧諸国が、新自由主義の侵略をなんとかしのいで危機を乗り切ってきたことは、非常に特徴的だ。

以上からわかることは、日本の中小企業や公務員は、世界で最低レベルの労組加入率だということ。
公務員はともかく、日本の労働者の7割をしめる中小零細に勤める人たちは、世界でもっとも孤立した人たちなのである。



その結果、どういうことがおきているか。

20161210-1.png



たしかにリーマンショックからの回復基調と、アベノミクスの効果もわずかに出ており、ここ数年は求人倍率は上がっている。
数日前には1.51倍でバブル期超え なんていうニュースも流れていた。

しかし、そのわりには賃金の上昇は微々たるものだ。

20170729-4.jpg

とくに2015年、2016年の実質賃金が急上昇しているのは、アベノミクスのインフレ目標が逆にデフレに戻ったことが原因だ。
物価が下がったので、実質賃金が高くなった。

全産業の合計でこれだから、中小零細はもっと効果は薄い。
過半数の労働者とその家族が中小零細の給料で暮らしているのだから、「なんで人手不足なのに給料上がらないんだ??」と感じているはずだ。

いぜん、こんな記事を書いた。
→ 人手不足なのに給料が上がらない不思議(なぜ世界3位の経済大国が貧乏になるのか 2)

が、その時に書き落としていた重要な要素が、「労働組合」だ。
あまりにも労働者が弱すぎるのだ。

このままでは、完全雇用になっても 賃金は低く抑えられたまま という経済学の常識をぶちこわすような事態になる可能性が高い。
人手不足は、給料を上げずに、過酷な労働だけを強いるものになる。

連合のダラ幹に頼るのではなく、自分たちの命をまもるために、あらためて労働組合ってものを考え直してみる必要がある。
腐った民進党に頼らずに自分たちの政党を作らなくてはならないのと同じ。
それと呼応して、新しい労働組合が必要だ。



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自由党兵庫県連を準備する会 第2回目準備会

日時:8月20日(日)13:30~16:30(予定)
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2017-07-19(Wed)

「安倍辞めろ」の先にあるもの ~戦争を防ぐための経済政策を考えよう~

いよいよ今度の日曜日(7月23日)に、松尾匡さんの勉強会がある。

生活フォーラム関西としては始めて本格的な経済についての勉強会だ。
「安倍辞めろ」の大合唱はもちろん極大化させなくちゃならないが、であればあるほど、「その後どうすんの?」という国民の疑問にちゃんと答えられなくてはならない。

政治ってのは、いかにして国民がメシを食っていけるか ということだ。
その方向性を示すのが政策であり、その政策を選ぶのが選挙。

戦争だって 「戦争好きですか、嫌いですか」 と聞かれて 「戦争好きです」と選択するわけではない。
「戦争しないと食っていけない」という言葉を信じてしまうから戦争になる。
別の言い方をすれば 「戦争以外の食っていく方法」をガッツリ提示できないから戦争になる

だから、「安倍辞めろ」「政権交代!」を叫ぶ以上は、絶対に「どうやって食っていくのか」を考えて、人々に説明できるようにならなくちゃいけない。
それ抜きに、ただただ政治の腐敗を糾弾すると、それはファシズムにつながる可能性が大きいということを、過去の歴史は教えている。

そういう問題意識で、「この経済政策が民主主義を救う ー安倍政権に勝てる対案ー」を上梓された立命館大学の松尾匡さんのお話しをぜひお聞きしたいと思っていた。
生活フォーラム関西で提案したところ是非やりましょうと言うことになり、事務局に奔走していただいて勉強会が実現する運びとなった。

松尾匡さんが主張されるポイントは三つあると私は理解している。

一つは、アベノミクスの金融緩和は間違いではない。むしろ反緊縮政策であって、欧米では左翼リベラルが主張している方法だ。

二つ、インフレターゲットは正しい。自国通貨と中央銀行があれば円や国債の暴落は起きない。

三つ、アベノミクスは投資先を間違えているうえに、不足している。短期の成長と長期の成長を分離して考えるべし。

これまでのアベノミクス批判に慣れている私たちの耳には、にわかに入ってきにくいところがある。
実際、あるメーリングリストでこの勉強会のお知らせをしたところ、「安倍政権をほめてはいけない」という返信をいただいたりして、ああ道は遠いなあ と感じたこともある。

私とても 松尾さんの言われていることのすべてが「なるほど」と思っているわけではない。
しかし、「反緊縮の経済政策が必要だ」ということを正面から提起する松尾匡さんの基本姿勢は、断然支持したい。

そんなわけで、お時間のある方はぜひ勉強会に来ていただきたい。
質問時間をた~ぷりとっているので、納得できない方は存分に質問をしてもらいたい。

なお、会場準備の都合があるので、ぜひ予約してきていただけると助かります。

安倍自民党政権に打ち克つための、
『私たちの経済政策』勉強会

■日時 : 7月23日(日)13:30~16:30
■場所 : 大阪市立福島区民センター 301会議室
 大阪市福島区吉野3-17-23 TEL:06-6468-1771
 地下鉄/千日前線「野田阪神駅」下車 ・阪神電車/「野田駅」下車
アクセス:https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
■講師 : 松尾匡 立命館大学経済学部教授
*現在、京都にて山本太郎氏×ひとびとの経済政策研究会で、
  「全てのひとびとのための経済学講座」(全4回)を開講中。
*リベラル派が今最も傾聴したい、注目の経済学者です。

■参加料 : (生活フォーラム関西会員)500円、 (一般参加)1000円
──────────────────────────────
〈 生活フォーラム関西:連絡先 〉
メール:sforumkansai@yahoo.co.jp
〈 入会申し込み 〉
ブログ:http://seikatu-forum.blog.jp/ 画面右側から
又はhttps://ssl.form-mailer.jp/fms/f8dadd89365979
──────────────────────────────


※なお、私も以前に関連して記事をシリーズで書いたので、リンクを貼っておくので、お目通しいただけたら幸いである。
とくに、その1で書いた「貿易黒字が日本を貧しくする」という観点は、重要だと思っている。別の松尾さんたちの勉強会で質問したけれども、さらっとあしらわれてしまったので、できたら今度の勉強会でしつこく聞いたみたい。

なぜ世界3位の経済大国がどんどん貧乏になっているのか(その1)

人手不足なのに給料が上がらない不思議(なぜ世界3位の経済大国が貧乏になるのか 2)


「大企業は税金を払っていない」は本当か検証してみた(なぜ世界3位の経済大国が貧乏になるのか 3)

金が天下を回らない件(なぜ世界3位の経済大国が貧乏になるのか 4)

効果の小さい成長戦略(世界3位の経済大国がなぜ貧乏になるのか 5)



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2017-02-03(Fri)

従米から自虐に進化した安倍晋三

トランプ様に叱られて、われらが安倍晋三君はアワアワ言い訳しながら、許してもらうためのお土産の準備に余念が無い。

アベノミクスというペテンのミソは、言うまでも毎年80兆円もの「円」の大量発行であり、その必然的な結果としての円安だ。
それを頭ごなしに否定された安倍晋三は、絶体絶命のピンチだ。
円安の原因である異次元緩和を止めたとたん、株は下落し、年金基金の大損は顕在化し、アベノミクスは誰の目にも破綻する。

その恐怖のあまり、とんでもないことを思いついた。

公的年金、米インフラに投資 首脳会談で提案へ
2017/2/2 日経新聞


当のGPIFもびっくりして否定しているが、そんなことお構いなしに、安倍晋三は我々の年金を米国に貢いでしまう。
もう、常識も法律も通用しない。米国様の命令と、自分のぼろ隠しのためなら、なんでもやる。

以前から「日本は米国のATM」と言われてきたけれど、誰の目にも明らかになる。
アベノミクスの破綻よりは、むき出しの従米、隷従があらわになることの方を選んだ。
目の前の経済状況だけ格好がつけば、あとは何をしても国民の大半は文句を言わないだろう と言う判断だ。

まあ、戦後の選挙結果を見ればそう判断されても仕方ないところはある。

安保闘争が日本中を揺るがした1960年も、1969年も自民党は圧勝している。
原発が爆発した翌年の2012年も もちろん自民党圧勝だ。
自民党が敗れたのは、バブル崩壊後の1993年と、リーマンショック後の2009年だけなのだから、安倍晋三の判断は日本の実情に基づいている。

だから、何があっても、どんな(国民の)犠牲を払っても、それが経済ショックとして顕在化しない限り安倍晋三はアベノミクス劇場の幕を下ろさない。すなわち、円の大量増刷をやめない。

その代償として、トランプへの山盛りの献上品を差し出すのはもちろんだ。
先に書いた、年金基金をアメリカに投資する≒差し上げる というのもそうだ。

米に70万人雇用を提案へ 首相、投資で50兆円市場を
2017.2.3 東京新聞


昔は日本は51番目の州だなんて言われたが、もはや州ですらない。そんな上等な扱いじゃない。
日本人が稼いだカネを、どんどんじゃんじゃんアメリカに持っていて、アメリカの雇用を支える。これは「奴隷」ではないか。
それを、もう隠しもせず、堂々とやるという。

安倍晋三とその仲間たちが忌み嫌う 「自虐」そのものだ。



トランプもわかっているだろうが、日本に対して円安を非難することには、大きな矛盾がある。
円安ドル高になるのは、円を使ってドルを買っているからだ。
そのドルの中には、米国債を買っているドルもたくさん含まれている。

日本が最大の米国債保有国に-中国は元相場下支えで大幅減
2016.12.16 ブルームバーグ


中国の元も、元安になりすぎないように米国債を売っているのだから、その理屈はまちがいない。
日本も、円安を是正するのであれば、世界一持っている米国債を売る、ということになるはずだ。

しかし、トランプが中国敵視の態度を公然ととるのは、この米国債の大量売却のためではないかと思われる。
「通貨が安すぎる」と文句を言いながら、「米国債を売るな」というのは、どうしようもない矛盾なのである。

本来ならば、
「円が安すぎる」 と言われたら
「よろこんで!」 と言って、130兆円くらい持ち腐れにしている米国債を景気よく売り払えばいいのだ。

円は上がってトランプは喜び、日本国内では経済対策や貧困対策や災害復旧や教育費や、内需と生産をしっかりと作り出す政策をとるための資金を得ることができて日本国民も喜ぶ。
しかし、トランプは円を下げて 米国債は売るな と無理難題を押しつけてくるのだ。

米国債のみならず、GPIFだろうが異次元緩和だろうが、日本の円を米国に持っていってドルに替えて投資すれば、ドルは上がってしまう。
この矛盾をトランプはどうするつもりなのだろう。

これについては、昨年11月に書いた

カモネギ安倍晋三が貢いでくるものを予想する(2016.11.17)

ミソは、クロスボーダースキームである。
円を持っていってドルに替えると円が下がってドルが上がってしまうので、日本国債をそのまま米国に持っていく。そして、受け取った側はその日本国債を担保にして資金を調達する。
このように、外国債を担保にするやり方を、クロスボーダースキームという と日銀のHPにも書いてある

このやり方は、今はかろうじて国内でおとなしく取引されている日本国債が米国市場に大量に放出されることになり、投機の対象になり、いずれ日本の財政は大騒ぎになる。ただでさえ、異次元緩和で日本国債は非常にリスキーな状態なのだから。
しかし、アメリカファーストのトランプにとって、そんなことは知ったことじゃない。
そして、自虐首相の安倍晋三にとっても、日本の混乱など、自分の任期を過ぎていればどうでもいいことなのだろう。

目の前の経済がボロボロになるまでは、どんな悪政にも目をつぶる日本国民は、そこまで行けば腰を上げるのだろう。
今ならまだ、そこまでの悲惨を味わわずにすむ道が残されている。米国債を売り、対外資産を持ち帰り、円高になっても内需でそれなりに慎ましく食っていける国をつくる道がある。
しかし、そうではない自虐の道を、この国の首相は選択し、国民はギリギリまでそれを支える。

私たちにできることは、破局が見えてきた時に、どのような準備と選択を用意できるか だ。
そのためには、思い込みや正義感だけで騒ぐだけでなく、冷静に方向性を見極めることが必要だ。



■■「家づくり」のほうのお知らせ■■

2月19日(日) 木の家完成見学会

場所:堺市北区東浅香山 (地下鉄北花田から徒歩15分)
開始時間: ①11時  ②14時30分

お名前・ご住所・電話番号・希望回 を記載の上
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2017-02-01(Wed)

トランプにとどめを刺されるアベノミクス

アベノミクスに何本の矢があったのか、もう忘れてしまったけれど、一番太いのは黒田バズーカであり、円を刷りまくったということ。

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(Tyunの株式サバイバル日記さんより)

20170201-2.jpg
(週刊エコノミスト より)

こんだけ円を増やして、安くならないわけがない。いくら恥を知らない安倍や黒田でも、さすがに「知りませんでした」とは言うまい。

これを「為替操作」と呼ぶのか、「意図的に円安にした」と言うのか、言い方の違いはあれど、実質的に同じことだ。
2年前には、安倍自身がこう言って 円安の成果を自慢している。

首相、円安のプラス効果を強調
2014/12/5 日経新聞


「民主党政権時代に戻していいのか。円高で根っこから仕事がなくなる」と訴えた。民主党が過度な円安を誘導したとしてアベノミクス批判を強めていることを念頭に、円安のプラス側面を強調した。
(引用以上)

このときは円安に誘導していると批判されても、「誘導なんてしてません」」とは答えていない。
「円安万歳」と自らの成果として自慢しているのだ。
今さらどう言い訳しようと、アベノミクスが円安誘導であったことは、世界の常識である。

さて昨夜、ここにトランプ砲が炸裂した。

「日本は何年も円安誘導」 トランプ氏が批判
2017/2/1 日経新聞


米国の貿易赤字や企業流出の要因は「他国の資金供給(money supply)と通貨切り下げだ」と指弾した。トランプ氏はさらに中国と日本を名指しして「市場で通貨安誘導を繰り広げている」と批判した。

(引用以上)

相手が中国や韓国だったら「内政干渉だ。円安何が悪い。」とふんぞり返るのだろうが、米国様だとそうはいかない。
そんなことしてません と言い訳にならない言い訳に必死だ。
2月10日の首脳会談では、こってり絞られて、異次元緩和終了のゴングを鳴らされるのだろう。

アベノミクスは、異次元緩和でこしらえたマネーで株価をつり上げて、あたかも経済成長しているかのように見せかけている芝居に過ぎないから、異次元緩和を絞ったとたんにその地金がむき出しになる。
国民の所得が減りつづけているところに、見せ金まで無くなったら、一気に経済が縮小する。

「そんなことになったら、フォードもGMも買えなくなっちゃうぞ」と逆に脅しをかけるくらいの政治家が一人でもいればいいのだけれども、安倍政権にそんなタマはいない。

程度や速度がどのくらいになるかは予測不能だが、いずれにしても、トランプのアメリカファーストがアベノミクスを吹き飛ばすのは間違いない。
これまでアベノミクスをさんざん批判してきた我々は、これをどう評価し、どう対処するのか。トランプ憎さのあまり、アベノミクス擁護に回るのか。トランプ砲に便乗して、ここぞとばかりにアベノミクスを葬るのか。あるいは・・・

このところ、トランプ叩きの勢い余って、これまで批判してきたモノを擁護する人が増えてきた。
オバマはすっかり正義の味方だし、(トランプを批判した)ゴールドマンサックスを「知性」と評価するリベラル評論家まで。

さて、アベノミクスはどうなるか。
私たち自身が試される。



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2017-01-11(Wed)

効果の小さい成長戦略(世界3位の経済大国がなぜ貧乏になるのか 5)

1万円の大根と、1万円の牛肉。どっちが経済効果が大きいか?

なんとなく想像できると思うけど、牛肉のほうが大きい。
牛肉よりも、鉄鋼はもっと大きい。

なぜかというと、こういう仕組みらしい

20170111-2.jpg
(日経4946.comより)

同じ一万円のものを作るにも、その原材料を何段階も生産するものは「1次波及効果」が大きく、そのために給料がたくさん支払われて消費が増えると、こちらは「2次波及効果」ということになる。

もろもろの価値観はちょっと脇においといて(捨てはしないけど)、景気を良くすることだけを考えると、経済波及効果の大きい産業が成長した方が、それだけたくさんの仕事が増えて、給料もアップするように思える。

では、どういう産業が波及効果が大きいのか、政府の統計から拾ってみた

20170111-4.jpg

詳しく知りたい方は、こちらをどうぞ
http://www.soumu.go.jp/toukei_toukatsu/data/io/011index.htm

これは1次波及効果だけを産業別に計算したものなので、2次効果は入っていない。
サービス業の場合は2次波及効果の比率が大きいのだが、そこまで調べられなかったので、とりあえずこのデータで見てみる。

表の順番は、1次波及効果の率に相当する影響力係数の大きい順である。
そして、一番右の欄は、波及を誘発した絶対額とその順位。
産業分類の名称に黄色くなっているのは、最近、高成長している分野。
業界別 伸び率(過去5年)ランキング 1-50位 (平成25-26年版)より)
一番左は、安倍内閣の新成長戦略で「成長分野」に指定されているもの。

一見してわかるのは、波及効果の率がいいものは、額が小さくてしかも高成長分野は少ないということ。
新成長戦略の指定分野にいたっては、ほとんど無い。
要するに、モノを作らないので、1次波及効果が非常に低くなっている。

そうなると、給料をしっかり払ってもらって、2次波及効果に期待するしかないのだが、前にも書いたように、生産は増えて求人倍率は上がっているのに給料は下がり続けている。
→ 人手不足なのに給料が上がらない不思議

給料を下げることでサービス業の売り上げを上げているから、2次波及効果は思ったほどは期待できない。
社員は同時に消費者でもある、ということを、最近気が付き始めているようだが、でももうこのスパイラルからは抜け出せなくなっているのが、日本の企業体質だ。

結局、1次波及効果の率も額も大きな自動車産業に、頼りっきりの実体が浮かび上がるのだが、トランプ政権がもうすぐ成立すると、ここが直撃されるわけで、国内で循環できる他の成長分野を作らなければ、タダでさえよろしくない日本の経済はガタガタになる。

ではどこをどうするのか
野党の政策に決定的に欠けているのは、そうしたところだろう。
だから、いくら偽物でも、新成長戦略とか言っている安倍晋三のほうがマトモに見えてしまうのだ。

このあたりは、私ももう少し詰めて勉強してみようと思う。



こんなすごいサイトがあったので紹介

 経済波及効果が大きい産業はどれか?(地域経済ラボラトリ-)

こちらはちゃんと2次効果まで計算されている。
ランキング順になっていないのでちょっと見にくいけど、貴重な資料である。



これまでのシリーズ

なぜ世界3位の経済大国がどんどん貧乏になっているのか(その1)

人手不足なのに給料が上がらない不思議(なぜ世界3位の経済大国が貧乏になるのか 2)

「大企業は税金を払っていない」は本当か検証してみた(なぜ世界3位の経済大国が貧乏になるのか 3)
金が天下を回らない件(なぜ世界3位の経済大国が貧乏になるのか 4)


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2017-01-10(Tue)

金が天下を回らない件(なぜ世界3位の経済大国が貧乏になるのか 4)

金持ちが金を使えば下々も潤うはず というのが、竹中平蔵たちが唱えたトリクルダウンという説だった。

貧乏人から見るとこの理屈自体が屈辱的だけれども、考えてみれば「金を持っている人間が金を使う」と言うことは、たしかに経済を動かすことになる。

「金持ち」を単純に大富豪みたいに思うから屈辱なのであって、金を使う権限のあるもの、と考えれば、理屈jじたいは間違いではない。
大富豪の消費だけでなく、金融機関が企業に融資して、融資された企業がそれで事業を起こし、給料を支払い、儲かった金を再投資する、ということがグルグルぐるぐる高速回転すれば、確かに景気はよくなる。

もちろん、そんなに高速回転させても、それにみあった需要があるのか?という問題はあるが、とにもかくにも、今のような給料が下がり続け、中小企業がどんどん苦しくなり、多くの国民の生活が圧迫されていく時代には、高速回転で景気がよくなるのは、望ましいことに思える。

では、金を使うべき人たちは、ちゃんと金を使ってるだろうか。
それを示す指標を 「マーシャルのK」 というらしい。

マーシャルアーツとK1の対決みたいな名前だが、もちろん格闘技とは関係ない。
これを考えるときには、逆数にしたほうが分かりやすい。(1÷「マーシャルのK」ということ)
この逆数のことを 貨幣速度 といい、「出回っているお金が、1年に何回使われるか」 を表している。

たとえば、10万円持っている米屋の親父が、隣の肉屋で1万円の買い物をしたら、0.1ってことになる。
年に10回買いに行けば 1.0 だ。
こんどは、肉屋の女将さんがその売り上げで隣の米屋で年に10万円の買い物をしたら、あわせて2.0 ということになる。

これを日本全国規模で計算したものが、貨幣速度。
で、その逆数がマーシャルのK てやつになる。
つまり、数が大きいほど、金持ちは金を使わずに無駄にため込んでいる、ということになる。

この数字の日本とアメリカでの推移を見ると、下記の如し

20170110-1.png
(独法経済産業研究所 HP)

アメリカでは出回っている金が、年に2回近くも使われるが、日本では半分くらいしか使われずに死蔵されていることが分かる。



そもそも、日本で出回っている金はいくらあるのだろうか。

これのことを マネーストック という。
なにやらいろいろ小難しい定義があるようだが、一般的に用いられているM3というもので考えると、およそ1000兆円ほどになる。
1000兆円もの金が出回っているのに、使われたのは約半分の500兆円強だったという話。
(この使われた総額が名目GDP)

これがどうやら、景気が良いと言われながら全然景気よくないという、不思議な現象の正体のようだ。
金はある。有りあまるほどある。でもそれが、中小零細企業まで回ってこない。

じゃあ、使われていない金はどこで何をしているんだ??
いくらなんでも、1000兆円という金が、タンス預金になっていることはないだろうし。

そこでちょっと調べてみると、「豚積み」 という容易ならざる言葉が出てきた。
なんだ 豚ってのは。

これは、銀行が自分の金を日銀に預けっぱなしにしておくこと らしい。
注意したいのは、銀行の自分の金であって、お客さんから預かっている金ではない。
銀行が企業として儲けた金のほう。

銀行が、銀行の銀行である日本銀行に、自分の金を預けている金額は、こうなっている。

20170110-2.png
(大和総研 HPより)

日銀に預けていること自体は問題ではない。
預けている金を裏付けにして、銀行はお客さんに融資するのだから、これはこれで無いと困る。
それはグラフの青いところまでであり、問題は赤い部分が激増していることだ。
赤い部分は、融資の裏付けではないのに無駄にため込んでいる金、すなわち豚積みということで、ざっと220兆円ほどある。

もちろん銀行も貸し出しをぜんぜん増やしていないわけではないが、日銀がせっせと発行している金の大部分は貸し出しには活かされていない。

20170110-3.png
(大和総研 HPより)

このグラフにある「預金残高」というのは、豚積みのほうではなくて、銀行がお客さんから預かっているほうの預金。
預かるほうはどんどん増えているのに、貸し出しは少ししか増えていない。その差額が預貸ギャップで、これがまた230兆円もある。

この差額でせっせと国債を買い、その多くを日銀に売り、その代金を日銀に預けっぱなしにして豚積みにしている、というスキームだ。
銀行は、国債の金利と、豚積み預金の金利(どっちも元は税金) で安定収入を得ている、というわけだ。
もちろん、そんな銀行の商売では、金は回転しないし、銀行員以外に何の恩恵もない。

とにもかくにも、銀行の自分の金(豚積み)と預かった金(預貸ギャップ)で、実に500兆円もの金が滞留していることがわかった。
まったく動かないわけではないが、総額1000兆円のうち、半分がきわめて動きの鈍い状態になっているのだ。



しかし、これだけならば、まだマシなのである。

追い打ちをかけるような数字がある。

20161206-2.png

(財務省「本邦対外資産負債残高」より作成)

対外資産 である。
これについては、以前の記事書いたのでくわしくはそちらを見ていただきたい
 →なぜ世界3位の経済大国がどんどん貧乏になっているのか(その1)

資産を持っているのになんで貧乏? と思うかもしれないが、外国に置きっ放しの資産は日本の経済を潤してはくれない。
外国(ほぼ米国)の経済には大いに貢献しているけれど、日本ではまったく回転しない。

純資産にして340兆円ほどが、日本国内の経済にとっては、死蔵されている。
出回っているお金のうち、1/3もの額がお出かけしたまま帰ってこないのだから、苦しくなるのは当然だ。

もうひとつ、経済波及効果という重大な問題があるのだが、それは次回にするとして、ここまでで分かったことは、トランプは非常に合理的だと言うこと。
トランプが、米国で生産しろ、米国に投資しろ、と言っているように、日本の政治家は、日本で雇用を生む生産に投資しろ、と銀行と企業を脅しあげるべきなのだ。



これまでのシリーズ

なぜ世界3位の経済大国がどんどん貧乏になっているのか(その1)

人手不足なのに給料が上がらない不思議(なぜ世界3位の経済大国が貧乏になるのか 2)


「大企業は税金を払っていない」は本当か検証してみた(なぜ世界3位の経済大国が貧乏になるのか 3)




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2016-12-09(Fri)

人手不足なのに給料が上がらない不思議(なぜ世界3位の経済大国が貧乏になるのか 2)

この世に不思議はいろいろあれど、私が不思議でたまらないのは、「人手不足なのに給料が下がる」 という昨今の風潮だ。

私が身を置いている建築の世界でも、震災復興とオリンピックとアベノミクスで金持ちの株が上がったことなどなどが相まって、関東ではかなりの人手不足になっているという話が聞こえてくる。 おかげで建築費が高騰して大変だ とも。

建築ばかりでなく、実際に数字上の人手不足はウソではない

有効求人倍率、25年2カ月ぶり高水準 10月1.40倍
2016/11/29 日経


求人倍率1.4倍というのは、あのバブル景気ピークの1990年~91年と同じだ。

20161210-1.png
(ブラック企業ハローワーク.com さんより)

ところが、あのころのように、猫も杓子もウハウハ調子に乗っている話は聞かない。

たしかに、完全失業率3%で求人倍率1.4倍と言うことは、働こうと思えばいつでも仕事がある状態であり、それなりにアベノミクスが評価されてしまっている原因だろうという指摘も故無きことではない。

しかし、その内容はどうか。
大きな流れは正規が減り非正規が増えているのは一目瞭然だ。

20161210-2.jpg
(総務省統計局)

これだけ非正規が増えれば、平均給与は当然さがっていくのは当然。
やはり、求人が増えて給料が下がる一番の原因はここにある。

そのうえで、ごく最近は違う動きもあるという。

「正社員の有効求人倍率過去最高!」を素直に喜べない理由
現代ビジネス 2016.12.7


アベノミクスの失敗が言われる一方で、安倍内閣が高い支持率を維持しているのは、「身近なところで失業者が出ていない」「働こうと思えば職が見つかる」といった雇用環境に負うところが大きいのだろう。

ただ、雇用環境の好転が、必ずしも家計の懐を潤わせていないという面がある。安倍首相は企業経営者に「賃上げ」を繰り返し求めているが、なかなか給与が増えないのだ。アベノミクスによる大胆な金融緩和で円高が大幅に修正され、輸出企業を中心に企業収益は改善している。

それが給与の増加になって表れれば、国民の幅広い層で景気回復を実感できるようになるのだが、現実にはそうなっていない。
(略)
非正規よりも正規の雇用が増えているのは、正規の方が残業などを求めやすいという人手不足対策の面がある一方、非正規雇用の時給が大きく上昇したことで、非正規雇用が必ずしも割安の雇用形態でなくなってきたことを示している。

もちろん、サービス残業や長時間残業の恒常化など、人手不足と共に労働環境が悪化している面もある。

(引用以上)

流動性の高いパートの時給が上がる → パート雇うより正社員をこき使った方が安上がり → ブラック化

という流れが 人手不足で給料が下がる原因だという。
もうひとつ付け加えるならば、労働組合がほぼ壊滅していることと、長期不況のせいで社員の側が極度に弱気になっていることで、ブラック化しても文句を言えなくなっている、という事情があるだろう。

それ以外によく言われるのが、日本の企業の生産性が低すぎて、いくら仕事が多くても給料をたくさん払うだけ稼げない、という話だ。

なぜ賃金は上がらない?/人手不足倒産の原因
2016年08月29日 ハフィントンポスト


損益分岐点の売上数量がごく小さく、その生産技術を誰でも使うことができて、なおかつ新規参入と退出が自由な分野は、やがて「産業の長期均衡」に到達してしまう。超過利潤がゼロになってしまう。

おそらく介護や警備、牛丼チェーン、引っ越し業などの分野は、長期均衡に近づいている業界なのではないか。競争の激化により利益が薄くなり、人件費を引き上げることができない水準まで生産性が悪化しているのだろう。

(引用以上)

この著者は他にも色々と指摘しているが、要するに、企業が貧乏暇無しだから、給料も上がらない、と言う理屈だ。

同じ流れで、こんな話もある。

人手不足でも賃金停滞の謎-悲鳴上げるサービス業は生産性に弱点
2016年12月6日 ブルームバーク


問題は、人手不足が生産性の低いサービス業で顕著なことだという。つまり、賃上げに回せる利益が乏しい業種に求人が集中しているということだ。

20161210-3.png
20161210-4.png
(引用以上)

全体として生産性が低いけれど、とりわけ生産性の低い業種に人手不足が集中している というのだ。
逆に言うと、人海戦術でしごとをする業種は生産性が低い、ということなのだろう。

こう言われてみると、なるほどなあ と納得してしまいそうになる。

しかし、こんなデータもある

20161210-5.png
(公益財団法人 日本生産性本部)

水色が労働生産性、濃い青が給料だ。何のことはない、ぜんぜん比例していない。
それどころか、派遣労働が解禁された1998年より後は、リーマンショック時をのぞいて、まるっきり正反対。
むしろ、給料をさげることで労働生産性を上げてきたのではないか。



これまでの色々の指摘をまとめて考えてみると、日本の企業は、給料をさげて利益を確保している。
給料を上げると利益がなくなる。
その状態で仕事はたくさんある。
そういう状態だ、ということだ。

もっとわかりやすく言うと

給料が安いから求人がたくさんある

ということだ。

人件費を上げるととたんに業績が悪化して求人も減る。

なぜそんなことになるのか。
それは、本当の付加価値を生み出していないから。
あるいは、生み出しても海外に流出しているから。
たぶん、その両方だ。

ここではこれ以上の検討は省くけれども、しつこく追求したい方は

なぜ世界3位の経済大国がどんどん貧乏になっているのか(その1)

とか
付加価値って何?  ~貧困の原因を探る 1~
から続くシリーズをお読みいただきたい




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2016-12-06(Tue)

なぜ世界3位の経済大国がどんどん貧乏になっているのか(その1)

まずは、このグラフから

20161206-3.png
FX羅針盤というサイトからお借りしたものに目盛り線を加えました)

赤が貿易収支、青が経常収支、緑が円相場(右目盛り)
経常収支は、ザックリ言うと外国の銀行に預けている金利なども含まれている数字。

普通は、貿易が黒字になる(グラフ上がる)と円は上がりだし、円が上がると貿易黒字は減りはじめる。あるいは、円が上がると貿易黒字は減り、貿易黒字が減ると円は下がる。こうしてバランスがとれる というのが教科書的な説明になる。

輸出して売った代金はドルだから、日本に持って帰る時には両替する。すなわち、ドルを売って円を買うことになる。円は買われるので高くなる。円が高くなると、同じ値段の製品がドルにすると値上がりしてしまうので売り上げが落ちて、輸出が減って黒字も減る。
同じことが、円相場のほうが先行しておきることもある。

いずれにしても、長期的には為替相場と貿易の収支はバランスするはず。
グラフで言うと、若干のタイムラグをおいて逆向きに動くはず ということ。

ところが、実際はそのようにバランスすることはあまりなく、貿易黒字と円相場が同じ方向に動いている時もある。
とくに顕著なのが、2002年から2006年と 2012年から2014年だ。
小泉・竹中時代と、アベノミクス時代である。

この期間に特徴的なことはもうひとつあって、赤線と青線の開きが大きくなっている。

つまり、日本に持って帰らずに、外国の銀行などに預けっぱなしにしている売り上げの金利や配当が増えているということ。
持って帰って円に両替するカネが実際より少ないから、バランスする力が働かなかったということではないか。

このように、日本の国や企業や個人の所有だけれども、海外(主に米国)に預けたり投資したりしているマネーを、対外資産という。
もちろん逆パターンもあるので、日本にある外国人所有のマネーは対外負債。
その差額が、対外純資産 という名前で、これが差し引きして日本が「損」してるぶん。

え?なんで「損」なの?? と私もはじめ思った。
アメリカにあろうとどこにあろうと、儲けた金なんだから。

その疑問はちょっとおいておいて、対外純資産がどのくらい増えているかが、次のグラフ

20161206-2.png
(財務省「本邦対外資産負債残高」より作成)

単位は億円なので、一番上が1000兆円。
で、赤線が対外純資産。

1996年の3倍以上、今年6月末で総額920兆円、差し引きで330兆円もある。
総額でGDPの倍ちかく、差し引きでも3割以上のカネが、海外(主に米国)におきっぱなしになっている。

ではなんで おきっぱなしにすると、日本が貧しくなるのか。
それは簡単なことだ。
金は天下の回りもの だからだ。

つまり、お金は儲けた分を、次々と他に使うから、多くの人の商売が成り立つ。
自分で使わなくても、その国の銀行に預けて、その銀行が他の商売に融資をすれば同じ効果がある。

もし、日本中の人も企業も、みんな超節約をはじめて、稼いだカネは全部タンス預金をしてしまったら、日本経済は秒殺でつぶれる。
あの高度経済成長も、国民に貯金をさせ年金料を徴収し、その金を投融資して実現してきた。
国民ひとり一人は、そんな投資をしているつもりはなかったけれども、じつはそうやってカネを回していた。

ところが、所有権がいくらあっても、国内で投融資できないカネは、ドケチのタンス預金と同じで日本経済にはなんの役にも立たない。所有者には金利が入るからいいかもしれないが、社会全体では燃料切れをおこしてしまう。
では、そのカネは腐っているのかというと、ちゃんと活躍している。そう、米国で。

アメリカは、そうやって他国の他人のカネを集めて、それを投融資することで経済を維持してきた。

20161206-4.png

われわれ庶民感覚では、他人のカネは他人のカネだと思ってしまうけれども、実際は金利さえ払えば他人のカネは自分のカネなのだ。

こうしたアンバランスを崩さないように、小泉・竹中や、アベノミクスは人為的に努力をしてきた。
その結果、国内で回せるはずの330兆円が、消えてしまった。

稼いでも稼いでも、あがりを吸い取られる日本。
中小零細企業が苦しみ、給料が下がり続け、年金の手当もおぼつかない こんな日本に誰がした。
その目星がついたのではないだろうか。

それにしても、米国にそれだけ投資しているのだから、もっと米国に言うことを聞かせることだってできるのではないか? という疑問もある。
そのあたりは、その2 に書いてみたいと思う。




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2015-12-19(Sat)

日本が急速に貧困になる理由

経済は門外漢だが、だからこそシンプルに見えることもある。

こちらのグラフをみてみる

20151219-1.gif

アダム・スミス2世の経済解説 さんが財務省のデータをグラフ化)

ぱっと見ると、「あれ日本は儲けてるじゃん」と思える。
しかし、対外資産とは、日本では使えないお金 という意味でもある。

日本への投資と相殺しない、対外総資産は、昨年(H26)末でなんと 945兆円あまり。
財務省HP

うち、145兆円が米国債。
その他も、すべて米国など外国の企業に投資され、経営に使われている。

持ち主である日本の企業や政府には、金利は配当は入ってくるが、資金そのものを日本国内の企業活動のために使うことはできない。

海外から投資されている分を差し引いた純資産が上記のグラフだ。
それでも350兆円もある。
2004年からの11年間で200兆円増加、毎年約20兆円も積み増してきた。
GDPが500兆円の国で、毎年20兆円近くを対外資産にしてきたのだ。

毎年売り上げの4%を定期預金に入れてしまうような会社は立ちゆくだろうか。
4%ということは、日本の企業の経常利益をほとんど全額定期預金に入れて、引き出せないようにしてしまう、ということだ。
ということは、法人税は、まるまるキャッシュが足りないわけで、一見儲かっているように見える会社も、かなり苦しいということになる。

対外資産を毎年GDPの4%も積み増しするというのは、これと同じようなことだろう。
勘定合って銭足らず、の状態なのである。

海外投資から利子や配当は入るから、これまた帳簿上は景気がいいように見えるけれども、日本国内で仕事を増やしたり給料を払ったりするための資金は全然足りない。

これが最近の10年余り続いてきたことだ。

■■

それにしても、なんでそんなに対外資産を増やしてしまうのか。
政府の外貨準備高は、政治的な判断だから、米ポチ自民党がどんどん増やすのは分からないでも無い。
しかし、民間企業までが何故?

それも答えは簡単だろう。
米国の方が金利が高いからだ。
別の言い方をすれば、日本は決して米国よりも金利が高くならないようにしてきたからだ。

しかも、米国から日本に投資資金が流れないように、日本の景気が良くなりかけるとわざと消費税を上げたりして、景気を減速させてきたからだ。
これは、自民党も裏切り後の民主党もおなじこと。

復興バブルになりかけたところで、唐突に消費税を上げると言い出したわけも、これで理解できる。
普通は、金利が低ければ投資が増えて景気が上向く、ということになっているのだが、日本の場合は、金利が低くても投資が増えすぎないように、意図的に景気は押さえ込まれてきたのである。

20151219-2.png
内閣府 国民経済計算 より)

押さえ込まれた景気のなかで、なんとか稼いだ儲けは金利の高い米国に投資してきたのだから、急激に日本が貧乏になるのは当たり前だ。
企業の帳簿だけは黒字でも、現金が無いのだ。
だから、人件費を削りまくり、結果として企業活動は劣化し、消費は落ち込み、落ち込むからまた人件費を削る、という恐怖のスパイラルで今日に至っている。

■■

コイズミから安倍に至る10年間で、日本はそれまでと別物といってもいいくらい、貧困な国に滑り落ちつつある。
そのレールに完全に乗ってしまっている。

かつての米国は、日本に卵を産ませて、それを搾取するという戦略だった。
しかし、今は違う。

親鳥を潰して、すぐに喰う。
これが、切羽詰まった米国と、それを使嗾する国際金融資本の戦略だ。
日本を存続させるというイメージは、おそらく彼らには無い。

没落した日本には、ふたつのすてきなプレゼントが待っている。

第一弾は、オフショアバランス戦略のなかでの、米中戦争の主戦場になること。
米国も中国も、お互いを直接傷つける戦争はやらない。
台湾~沖縄~日本本土を、戦場として新しいバランスを作ろうとしている。

そうした数年間の戦争の後、プレゼントの第二弾は、世界の核廃棄物処分場だ。
米国をはじめとした世界中の高レベル廃棄物を、地下300mにため込むことを主要産業にして生き延びることを余儀なくされるだろう。

高度経済成長とかバブル景気を知っている日本人からは、あまりの落差に頭がついていけないかもしれない。
しかし、進行している事態はドラスティックである。

そのドラスティックな変化に、バブル以降の世代は漠然とした期待を抱いてしまうのかもしれない。
それが、橋下徹というトリックスターが、どんなに酷いことを公然とやっても人気を保ってきた理由でもあり、安倍の支持率が下がらない理由でもある。

どこまで事態が進行した時に、「えっこんなはずじゃ無かった」と過半の人が思い始めるのか。
私には分からないけれども、それが少しでも早からんことを祈り、できることをするしかない。

来年は、個人的には明るい気分なのだけれども、視線を広げると暗澹たる気分になる。
暗雲のサル年になってほしいと願っている。



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