2018-11-06(Tue)

枝野氏の万年野党宣言

真理は少数にあり

いえ、極小野党の自由党を応援してるからこんなことを言ってるんじゃないんです。
もっとずっと前、2005年のこのブログの記事のタイトルです。
よかったら、上の文字をクリックすると飛んでいくので読んでみてください。

私だって「何でもかんでも多数がいい」と思ってるわけじゃないんです。
それでもやはり、次の枝野さんの発言は納得できないし、厳しく批判しないわけにはいきません。

立憲民主・枝野代表、統一名簿は「訳がわからない」
2018.11.2 TBS


 立憲民主党の枝野代表は、来年の参議院選挙で違う政党の候補者を同じ比例代表の名簿にまとめる「統一名簿」構想について、「訳がわからない」と述べ、否定的な考えを示しました。
(略)
また、枝野氏は「二大政党論は間違っていた。最悪の路線をとってきたと反省している」とも述べ、他の野党との合併や合流はしないと改めて強調しました。

(引用以上)

「真理は少数にあり」と言いながら、なんで私は枝野さんのこの発言を批判するのでしょうか。
簡単です。
「政治は真理を実現するものじゃない」 からです。

純粋な方ほど「政治で理想社会を実現するんだ!」と思ってらっしゃるようですが、私はそんな過剰な期待はさらさら持っていません。
政治も、選挙も、民主主義も しょせんは「妥協の技術」 にすぎません。
それでいいんじゃないですか。

だって、真理は少数にあるんです。
つまり、いろんな少数のグループに、いろんな真理があるんです。ひとつじゃない。
それなのに、ひとつの真理を追求したら、他の真理は犠牲になりますよ。
そうならないように、そこそこのところで妥協するための技術が、民主主義なんじゃないですか。

妥協の仕方を知らないということは、民主主義者ではない ということです。
野党第一党の代表が、民主主義を理解しておられない ということに、愕然としています。



さらに 二大政党制についてです。
これまた、大きな誤解があります。

二大政党というのは、正義と悪の闘い では全然ありません。
ココ大事です。

ロクでもない政党A と ロクでもない政党B の闘いなんです。
ただし、ロクでもない政党でも、少しはマシなことをやらないと下野させられる。だから、ちょっとは良いこともする。
これが二大政党制です。

自民党だって、簡単に政権交代させられるとなれば、安倍ちゃんほど超弩級の酷いことはできません。
少しは国民生活にも目を向けざるをえなくなります。
官僚組織も、しょっちゅう政権交代していれば、自民党にばかりいい顔をできなくなります。

皆さんもよくお分かりの通り、はっきり言って国会議員の○○%は「自分の議席が第一」の人ばかりです。
圧力がかかれば簡単に裏切ります。
原発も増税も辺野古も戦争法も、今安倍ちゃんがやってる酷い政策のほとんどは、とっかかりは民主党政権だったのですから。

それでも、あんな腐れ外道の民主党政権でも、政権交代しないよりはしたほうが、ず~~~といいんです。
冷静に見れば、民主党政権の「善政」は数多くあります。「腐っても政権交代」なんです。

しょせんこの程度のことなんだ、ということを、2012年当時は、私も理解していませんでした。
陸山会弾圧では小沢さんに後ろから石を投げ、自滅的に消費増税を決め、3.11の直後に原発を再稼働させるなんて、どうにもこうにも許しがたいと思ったし、その思いは今でも変わりません。あんときの民主党執行部の面々は、今でも絶対に許せない。

でも、しょせんその程度のものなんですよ。
8割腐ってても、2割美味しければいいじゃん てことです。
今の安倍ちゃんは、10割腐って毒ガス噴き出してますからね。



まあ、あえて極端な書き方をしてますけど、要するに二大政党制というのはそういうことです。
二大政党制でないとどうなるかというと、ヨーロッパに多い少数の連合による政権です。
ドイツもイタリアもスペインも、政党はたっくさんあります。それらば、合従連衡して政権を組むわけです。

で、枝野さんは、どっちもイヤだと言ってるわけです。
これは、キツい言い方になっちゃいますが
「万年野党宣言」
じゃないんですか。

きっと読者諸姉諸兄の中には、立憲民主党に期待をしておられる方も多いと思います。
これは、揶揄でも皮肉でもなく、枝野さんが何をしたいのか、万年野党宣言でないとしたらどういうビジョンを持っているのか、教えてください。



立憲民主党は、大事な大事な野党第一党です。
それは私もよく理解しています。
だからこそ、こんなことを書いているんだということを、ぜひともご理解ください。

一部の自由党に近い人たちの中には、とにかく枝野憎しで発言されている方も散見しますが、私の意図はそんなことではありません。本当に。
立憲民主党を応援している方々が、やっぱり政権交代は必要なんじゃないか と言う声を枝野さんに届けてほしいんです。

安倍ちゃんの暴走は、「声を上げる」程度では止まりません。むしろ、反対されると勢いがつくようです。
辺野古の埋立は、圧倒的な沖縄の民意を踏みにじって進められています。
原発はどんどん再稼働され、福島第一原発は被曝労働を強制しながら止めどなく放射能を垂れ流しています。
貧困問題は命の問題です。ただちに影響があるんです。

どんなに「訳の分かる」政策を並べても、安倍ちゃんの暴走を止められなかったら ただの遠吠えです。
その間に、尊厳を奪われ、命を奪われている人たちはどうなるのでしょうか。

統一名簿は、最大公約数に過ぎません。
ものすごく緩い政策しか出せないでしょう。消費税を5%にしようとか、原発即時ゼロなんて絶対に打ち出せない。
それでも、今のままより、100倍いいと思いませんか。

安倍ちゃんは一切聞く耳を持ちませんが、枝野さんはそんなことないでしょう。
「大きな音だね」なんて言わないと信じています。
それぞれの真理はしっかりと抱きながら、最大公約数の政権交代を、ぜひとも目指してください


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2018-10-31(Wed)

いわゆる徴用工裁判について

昨日はリベラル諸氏の怒りを買うようなことをあえて書きました。色々ご批判はあろうかと思いますが、正しいとか間違いだではなく、「ではどうするか」という議論の一助になれば幸いと思っています。

今日は違う話題に触れてみます。
マスメディアが 「徴用工裁判」と報じている件です。

新日鉄住金が敗訴、韓国で戦時中の徴用工裁判 日韓関係は「無法」状態に
2018年10月30日 日経ビジネス


日本中のマスメディアは、産経から朝日までこのような主張一色に染まっています。
なにせ1965年に締結された日韓基本条約と、それに付随する日韓請求権協定に、明確に文言があるからです。
上記の記事から引用すると

 日韓請求権協定では日本が韓国に有償・無償合わせて5億ドルの経済支援を与える見返りに「両締結国及びその国民の間の請求権に関する問題が(中略)完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する」と明記した。
 そのうえ「締結国及びその国民の(中略)すべての請求権であって、同日(署名日)以前に生じた事由に基づくものに関しては、いかなる主張もできないものとする」と念を押してある。
(引用以上)

ということです。

では、最近保守派の色を強めている私めとしてはこの論調に同調しそうに見えるかもしれませんが、あに図らんや。
1965年という、この条約が締結された年を私は問題に感じます。
つまり、この条約が交渉され締結されたのは、李承晩と朴正煕という軍事独裁政権だったと言うことです。

この条約ならびに協定に、韓国国民の意思は一ミリも反映されていません。
実態的にも、形式的にも。

民主主義を標榜するのであれば、軍事独裁政権との間に締結された条約については、無効ではないとしても、見直しが必要なのは明らかです。

私が頭の反対側で想定しているのは、日米安保条約と地位協定です。
軍事占領された状態で交渉・締結された条約や協定は、抜本的に見直しされるべきです。

同様に、軍事独裁政権との間の条約や協定も、両国民の意思を反映させる形で、改定されなければなりません。

もちろん、手続き論としての問題はあろうかと思います。
現在の条約をいきなり反故にしてゼロから再交渉ということは、あまりにも非現実的です。
ただ、韓国の三権の中の司法が、独裁時代の行政が決めたことに異を唱えたという意味では、おかしなことではありません。
これをきっかけとして、日韓両国民のあいだで、独裁時代の協定について再度考えはじめるべきなのです。

※ツイッターをとおして、この記事を教えてもらいました
 なるほど、こういう仕組みだったのですね。
 コイズミや安倍晋三が重用した柳井俊二が言ってるのですから、動かしようがないですね。

徴用工問題、文在寅大統領の発言はおかしくない!
日本の外務省も「個人の請求権は消滅していない」と答弁していた
2018年8月20日 リテラ




そうした原則論はおさえたうえで、もうひとつ生臭い話をすると、韓国の最高裁がこういう判断をするほどに、日本の影響力は低下しているということです。

かつては、アジア経済の中で日本を無視することは、良くも悪しくもできませんでした。
政治的にも、アメリカの代理人の様な顔(実際は奴隷頭)をして、ブイブイ言わせてきたのです。
そうした、札びらと虎の威で押し通すこれまでのやりかたが、まったく通用しなくなったということのあらわれでもあるのです。

嫌韓嫌中ネトウヨの星であるはずの安倍晋三が、習近平に膝を屈した日中会談は象徴的でした。
もしかしたら、あの光景を見て、韓国最高裁の判事は、この判決を下す最終的な決断をしたのかもしれません。

この点については、私は一部のリベラル諸氏のように「ざまあみろ」と喜んではいられません。
生活がかかっています。
日本経済がどんどんアジアで置いてきぼりになり、実体経済が悪化していくようなことはあっては困ります。

国民に分配される仕組みをつくるという前提で、私は国益は守るべきだと思います。

その意味でも、一刻も早く安倍政権は倒さねばなりません。

野党のみなさん。
お願いですから、自らの正義を振りかざすのをやめて、本気で政権交代を目指してください。




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2018-08-25(Sat)

あえて火中の栗を拾う 玉木雄一郎の発言について

国民党の代表選をめぐって、玉木候補の発言が炎上しています。

「申し訳ないがまずは共産党は除いて」国民民主・玉木氏
2018年8月23日 朝日


国民民主党・玉木雄一郎共同代表(発言録)

 国民民主党代表選が終わったら(参院選に向けた野党)総合選対を、申し訳ないがまずは共産党は除いて立ち上げて、完全な事前調整をして候補者を立てる。共産とは事後交渉の中でご理解をいただきながら、野党全体として少しでも議席を増やすよう(共産候補の擁立撤回を)判断いただくことも必要だ。

 共産が唯一見ているのは立憲民主党だ。立憲との関係があれほど衆院でも密になっているにもかかわらず、これほど共産が(候補者を)立てているのは、場合によっては、昨年の衆院選から比べると共産はすでに戦略を変えてきているのではないか。立憲とも、実は協力をしないことにかじを切る可能性もある。(23日、ネット討論会で)

(引用以上)

言うまでもなく、「申し訳ないが共産党は除いて」の部分に、リベラル諸氏が猛烈に反発、批判、罵倒の限りを尽くしているようです。
私も、この見出しを見たときは、なんちゅうこと言うんや!と びっくりしました。
「自分の発言が、どう捕らえられるのか」 と反芻してから発言する習慣がないのでしょうか?
もしそうだとしたら、政治家としては困ったものです。

ただ、私は、罵詈雑言を浴びせるリベラル諸氏と同じ意味で批判しているのではありません。
神経を逆なでする文言をとりあえずスルーして、発言の中身だけを判読してみれば、間違ったことは言っていないからです。

ああ、これでまたこのブログの読者さんが減るのかあ と思いつつ あえて火中の栗を拾うつもりで 続きを書きます。

理由はみっつあります。

ひとつめは、マスメディアとリベラル諸氏は 「共産党排除!」という意味に解して批判しているのですが、肝心の共産党からはなんの反応もないということです。少なくとも、私の見る限りでは共産党の赤旗や国会議員は、まったく玉木氏のこの不届きな発言に言及はありません。

ふたつめ、事前調整だろうが事後調整だろうが、共産党以外の野党の腹の中は 「共産候補の擁立撤回を判断いただく」には違いがない、ということです。
現実的に、野党統一候補として共産党候補を立てるということは、どの党も考えていません。

おそらく、共産党自身がそれは承知しているはずですが、問題は如何にして共産党の面子を潰さずに、共産党が比例票を集めやすい形で調整を行うかということです。
共同選対を組んでおいて、「ウチの候補はゼロです」と共産党自身に言わせるのでしょうか。
全国の共産党員にむかって、党本部が「調整の結果ゼロでした」と言わせるのですか?
それが、どんなに共産党にとって酷なことで、ダメージが大きいか、想像できますか?

実際の選挙運動になれば、共産党の活動量は他を圧倒します。
にもかかわらず、候補はゼロ。
はじめからそれがわかっていて、やる気になれますか?

お互いに予定候補を立てながら、ギリギリの選択で共産が譲り、他党候補が共産候補に大いに感謝することで、共産党の太っ腹も示され、大義が立つというものでしょう。
私は、昨年総選挙の大阪9区で、まさにその光景を目撃しました。

そしてみっつめ。共産以外の党から共産党への感謝も敬意もないということです。
とくに、立憲民主党は、候補を下ろしてもらったという意味でも、選挙運動を担ってもらったという意味でも、共産党のおかげで当選できた候補がたくさんいるはずです。
本来なら、自民党が公明党に頭が上がらないのと同じような関係なのですが、およそそういう気配は感じられません。
共産党から求められている相互推薦に関しても、黙殺したままです。

私の住んでいる大阪では、参院は4人区とはいえ票数では自民と維新に野党は圧倒されていて、最近は2:2:1の票数がほとんど固定化されてしまっています。
野党の現職は共産党のたつみコータロー議員であり、この一議席を死守するのが当然かと思いきや、なんと立憲は候補を立てるのだそうです。いくら複数区とは言え、あまりに非現実的な方針です。
立憲の比例票を集めるために、共産の現職を共倒れで落とすという意味にしか私には見えません。
(一人区で共産党をおろすためのバーターなのかもしれませんが、もしそうだとしてもその程度の信頼関係しかないということです。)

共産党は立憲に支持層を切り崩されている危機感があり、立憲は相互関係ではなくオイシイとこ取りを続けたい。
そんな煮詰まった関係である以上、事前調整が難航するのは目に見えています。
このへんが、玉木発言の後半部分です。

結論は、1人区は共産党におりてもらい、なおかつ選挙協力はしてもらう、という虫のいい話なのです。
これは、どの経路をたどっても、変わりません。
玉木発言に激怒している諸姉諸兄も、最後のイメージは同じでしょう。
その意味では、関係者だけの席での発言ならば、玉木氏の発言はごく普通のことを言っているだけです。
ただ、その虫のいい話を、玉木氏が無神経にメディアに公言してしまったので、あわてて激怒しているのではないか、とも見えるのです。



とは言え、玉木氏の発言は、あまりに無神経で不用意であったことは確かです。
なんでこのタイミングでやらかすかなあ とイラッときたのは間違いありません。

このタイミングとは、言うまでもなく 沖縄県知事選挙が目前に迫っているということです。

沖縄県知事選 態勢構築へ動き加速 佐喜真氏 維新に推薦願い 玉城氏 小沢氏が情勢確認
2018年8月25日 琉球新報

 県政与党の候補者選考を進めてきた「調整会議」から出馬要請を受けた玉城氏は、所属する自由党の小沢一郎代表が24日、情勢把握のため急きょ沖縄入りした。小沢氏は呉屋守将金秀グループ会長、調整会議の正副議長と新里米吉県議会議長、大城紀夫連合沖縄会長らと面談し、沖縄の政治情勢や選挙戦の取り組み方について意見を交わした。

 小沢氏は記者団に「非常に熱心に誠意を持ってデニー君を推していることは確認できた。国政の政治上の問題が懸かった選挙であり、中央の政党にもきちんとした決定をしてもらわないといけない」と述べ、選挙支援の態勢を判断した上で玉城氏の出馬について党の結論を出すとした。

 一方で翁長県政の継承を取り巻く環境について「非常に厳しい戦いになる。市町村選挙の状況もあるし、何よりも政府与党が死にものぐるいの選挙戦を繰り広げる。単にムードだけでは勝てないという認識は皆さんも持っていると思う」と引き締めを図った。

(引用以上)

まさに そういうことです。

沖縄の選挙であっても、これは安倍政権が総がかりで沖縄に侵攻するのに対して、どれだけ日本中が束になってたたかえるかと言う選挙戦です。

沖縄を孤立させてしまえば、凶暴でありかつ札束を振り回す安倍政権の猛攻に、沖縄の人たちも諦めが広がってしまうかもしれません。
本土の私たちにできるのは、「本土もまとまって真剣にオール沖縄を応援している」という姿勢を届けることです。
次の国政選挙では、これまでのように安倍の好き放題にはさせないよと、「野党が勝てるかもしれない」リアリティを見せることです。

そんなタイミングで、玉木氏が無神経な発言をし、それをマスコミが「それいけ」とばかりに取り上げて、リベラル諸氏が国民党攻撃に血道を上げる。
もう、やめてくれ!!! と叫びたい気持ちです。
冷静な相互批判ができずに、感情的にぶったたくのでは、ネトウヨと同じじゃないですか。

自分と違う意見だからこそ、あんまり感情的にならずに慎重に検討するという作法を、日本のリベラリズムの中にもぜひ取り入れてください。
衷心よりお願いする次第です。

追伸: 本記事の主旨は、共産党を含む共同選対を形成することに反対しているわけではありません。もし共産党が、共産党にとっては茨の道を選択するのであれば、その決断に敬意を表します。

追伸2:共産党に対するリスペクトが欠けているのは立憲だけではありません。そもそも、玉木氏がこんな台詞を言ってしまうのは、共産党に対する配慮がすっぽり欠落しているせいですから。

追伸3:立憲や国民は、沖縄では影響ないでしょ というご意見は間違っています。昨年総選挙での比例票、立憲9.5万、希望8.4万であり、共産7.6万、社民7.1万よりはるかに多いのです。




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2018-07-29(Sun)

辺野古新基地 埋立承認撤回を支持する署名運動を!

20180729-1.jpg
政府・国民に突き付けた怒りと、沖縄の未来 翁長知事「新基地造らせない」
2018年7月28日 沖縄タイムス


 「美しい辺野古を埋め立てる理由はない」。名護市辺野古の新基地建設阻止に向け、埋め立て承認の「撤回」を表明した沖縄県の翁長雄志知事は、万全ではない体調から声を振り絞るように語った。「撤回」を明言してから約1年4カ月。会見では、三十数年の政治人生を振り返りながら「今後もあらゆる手法を駆使して新基地は造らせない」と改めて強調。アジアや日本の中で沖縄のあるべき姿を説き、新基地建設を強行する政府や容認する国民に「怒り」を突き付けた。
(引用以上)

ひとつ前の記事でも書いたけれども、本土の私たちには「翁長さん頑張れ」では済まない責任があります。
そう、野党がバラバラのまま選挙に負け続けた責任です。
結果として沖縄を孤立させ、オール沖縄の団結力にまで負の影響を与えてしまいました。

ついに翁長知事が辺野古埋立撤回を指示 2018.7.27

翁長知事がいよいよ撤回の準備を始めたということは、私たちにとっても、重大な問題を突きつけられているということです。

それは 「米軍による日本の占領を許すのかどうか」 ということです。

間違えないでください。駐留ではありません。占領です。
日本が主権をもって拒否権を行使できるのであれば、それは駐留です。
しかし、今の在日米軍に対し日本は形式的にも現実的にも拒否権がありません。
これは、占領という言葉以外に、表現する言葉はありません。

本土の私たちが、「まあ遠い沖縄だから仕方ないよね」と言ってしまうのかどうか、そこに日本が主権をもたない、すなわち民主主義も三権も茶番でしかない植民地に甘んじ続けるのかどうか がかかっています。

もちろん、これまでもこの問題はずっと存在し続けてきました。
しかし、いよいよ目の前に匕首のように突きつけられたとき、曖昧な回答は許されません。

すでに、鳩山民主党政権がマッチポンプで、県外移設をぶち上げた挙げ句に自ら屈服したことで、一度目の裏切りは犯してしまっています。
鳩山氏個人は反省しているようですが、日本国民に「沖縄に押しつけていいのか」という本質を突きつけておきながら、「しかたないよね」というコンセンサスに落とし込んでしまった罪は、個人で反省して済む問題ではありません。本土の日本人を「卑怯者」に誘導してしまったのですから。

ただし、鳩山氏の「県外移設」は、少なくとも「米軍を受け入れる限りは、日本中で負担しなければならないものを、沖縄に押しつけているんだ」という自覚は促したことは間違いありません。
それまでは、漠然と「沖縄に基地が多い」という知識だったものが、「自分たちの代わりに押しつけている」という現実を多くの国民に意識させることになりました。

しかも押しつけているものが、「米軍による占領」なのです。
この国の根幹を他国に鎖でつながれているという情けない現実。
鎖でつながれて自由を失っているのは日本中すべて同じですが、直接鎖を掛けられて血を出しているのが沖縄なのです。

鳩山氏が「県外移設」と言う以前と比べれば、そうした現実が少しは本土でも意識されるようになったとは思うのです。
しかし同時に、突きつけるだけ突きつけておいて、さっさと辺野古に舞い戻ってしまったために、「押しつけて良いのか」と少しだけ考えはじめた国民は 「まあ仕方ないか」に落ち着いてしまいました。



今、翁長知事がおそらくは命がけで埋立承認撤回に立ち上がりました。

翁長さんはじめ、オール沖縄の第一の主張は明確です。
「沖縄だけに押しつけるな」 ということです。
それが、イデオロギーよりアイデンティティーとして、保守革新をこえて、主張してきたことです。

米軍は全部出ていけとか、日米安保を破棄せよ とは言っていません。
そういう主張の人も、安保は必要だという人も、右から左までが団結したのがオール沖縄の力だったのです。
翁長さん自身、もともと自民党の方であり、今でもれっきとした保守政治家です。

鳩山民主党によって不完全燃焼で中毒になりかけている本土の国民が、この翁長知事の提起に対して、またも「仕方ないよね」になってしまえば、もやは日本人に「占領からの脱却」を目指す気力は出てこないでしょう。
「内心忸怩」「スネに傷」 いつまでもそこから脱出できない国民は、永遠に属国の民として主権と自由を手にすることなく生かされていくのです。

歴史を無かったことにねつ造して「内心忸怩」から脱出しようとしているのが、極右やネトウヨの類です。
しかし、いくら無いと言っても、あったことは消せないので、彼らもまた、永遠に奴隷となる運命です。
というか、それを望んでいるのでしょう。

「内心忸怩」「スネに傷」 からの脱出とは、現実にある責任を自覚して、自らの意思を表明することだと私は考えています。
その意味では、「謝罪」ではなく「責任」です。
犯罪を犯した当事者は「謝罪」が必要ですが、立場上その歴史を負っている人に「謝罪」はおかしいと思います。
ワイツゼッカーが1985年の演説「荒れ野の40年」でも、断罪と責任は明言されていますが、謝罪ではありません。

だから「ごめんなさい」と謝罪するのではなく、沖縄に米軍を押しつけてきた本土の責任を自覚することが必要なのです。
そして、沖縄に掛けられた鎖は、実は自分たちみんなを縛っているんだということを理解すれば、日本人の意識も少しずつ変わってくるでしょう。
(だから、鳩山氏の提起は実に大きなものだったのです。結局ダメダメでしたけど。)

今の日本人が異常に政治に無関心なのは、縛られているという自覚がないからです。
それなりに食っていける上に、縛り付けられる痛みは沖縄に押しつけているから、自覚しないで済むのです。
しかし、「沖縄に押しつけて良いのか?」と面と向かって問いかけられると、「そりゃアカンよね」となるか「(内心忸怩で)仕方ないよね」になるか、択一を迫られます。

いや、「迫られます」ではなく、迫るべきです。



オール沖縄はこの数年、選挙では非常に厳しい結果を突きつけられています。
名護市長選挙で、あの稲嶺進さんが当選できなかったことは衝撃でした。

そんな中で、10月には那覇市長選挙、11月には県知事選挙が迫っています。

もういちど「イデオロギーよりアイデンティティ」でオール沖縄が結束して戦うためにも、私たち本土の声が必要です。
それは、遠くから「頑張れ~」という声ではなく、野党と市民が本土でも団結して「沖縄に押しつけてはいけない」という声を上げることです。
それも、パラパラと散発的にやるのではなく、国民運動としてはっきりと目に見える形で取り組まなくては多くの沖縄県民の目には映りません。

具体的には、署名運動がいいと思います。
というか、それしかない。

政権に圧力をかける意味での署名運動は私はあまり賛成できません。
いまやゲシュタポと化した内閣情報調査室に、政権への抵抗者名簿を渡しているようなものだからです。
平和な国では署名もいいでしょうが、ゲシュタポ同然の情報機関が政権を防御しているようなこの国で、ご丁寧に名簿を差し出すなんて、あり得ないです。
私が北村滋だったら、署名は全部データベースにして、2回出てきたら要注意、3回出てきたらマーク対象にしますよ。

「日本版CIA」、首相演説ネタや石破氏発言まで官邸へ
2018年7月27日 朝日


ではなぜ、署名運動をすべきなのかというかというと、あくまでも「賛同署名」であり、提出先は沖縄県庁だからです。

そして、駅頭やスーパーなど、人が集まるところで無差別に声をかけて、相手の目を見ながら訴えることができるという意味では、署名運動は優れています。
本土の日本国民ひとりひとりに、緩やかに かつ はっきりと迫ることができます。

「沖縄に押しつけていいんですか」 と



くれぐれも勘違いしないでいただきたいのは、どうせやるんなら あれも入れよう これも入れよう と他のテーマを盛り込まないことです。
改憲とか安保とか安倍退陣とかモリカケとかとか 相乗りは一切なし。

あくまでも国民運動として、思想信条右左はおいといて、「沖縄に押しつけたらアカンよね」という一点で運動しなければダメです。
いつものように、「あの党はあれがダメ」、「これを言わないと一緒にできない」、「これは受け入れられない」 そんなことをウダウダと繰り返していては、翁長知事とオール沖縄の決断が本土から崩れていきます。

何度も言いますが、立憲民主、国民民主、共産、社民、自由 の5党は少なくとも全党が乗ってもらわないと、国民運動の形にすらなりません。はじめから分裂運動になってしまいます。
そこに、市民派地方議員や市民運動から連合まで、「自分が正しい」と思うことを一回脇に置いて、
イデオロギーよりアイデンティティー で沖縄の決断に賛同する 「沖縄に押しつけちゃダメでしょ」 署名運動をするのです。

どうですか。

いろんな団体が思い思いに集会やデモをするよりも、翁長さんや沖縄の人たちの目にはハッキリと本土の意思表示が見るのではないでしょうか。
本土の日本国民も、デモや集会には縁遠い人でも、スーパーの店先で署名を呼びかけられたら、そりゃ「沖縄に押しつけちゃダメよ」って考えるきっかけになりますよ。

とりあえず知事選までの3ヶ月間、100万人署名運動 というのが現実的ではないでしょうか。

署名嫌いの私でも、これだったっら一所懸命に暇を見てやらせてもらいます。
だれでもどこでも、ちょっと時間があればできるのも良いところです。
テーマを一点に絞れば、日常の人間関係の中でも持ち込みが容易です。

やりましょうよ。

明日から各方面の方々に提案してみたいと思います。
賛同いただける方は、ご自分の周囲の影響力のありそうな方を説得してみてください。




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2018-07-25(Wed)

キレイゴトの白々しさをどう克服するか 野党共闘をめぐって (その1)

大阪に住んでいると他の地方の人とは政治に関する感覚がちょっと違うものになります。
「維新」というモンスターがいつも目の前にいるからです。

あの橋下徹が政界デビューしたときの暴風は、ナマで体験した人と、ニュースで聞いた人では印象が全然違うと思います。
そして、政治の現場にかかわると、もっと強く感じるのが、橋下引退後の維新の強さです。
強さというか、人気が衰えない。

全国的な維新の得票に関する分析は、はるさんの「はる/みらい選挙プロジェクト(情勢分析ノート)」に詳しいので、そちらを見ていただくとして、はるさんの分析ノートからお借りしたこの象徴的な分布図を見れば、異様さは一目瞭然です。

20180725-1.jpg

(2017年衆院選精密地域分析Part9 はる/みらい選挙プロジェクト(情勢分析ノート)より)

全国平均では2%に満たない支持率で、得票率でも6%程度なのに、大阪に限っては40%の得票率をずっとキープしています。
都構想の住民投票の時のように、自公と共産党はじめとする野党系が共闘すればどうにか勝てるけれども、自公だけではなかなか勝てない。まして、野党共闘ではぜんぜん歯が立たないというのがこの数年の現状です。
選挙のおよその得票比率を見ていると、維新:自公:野党共闘=2:2:1 という感じです。

橋下徹という人気者が消えた後でも、なぜ維新は強いのか。私たちの間でもよく議論になります。
ひとつには、橋下人気の絶頂期に、膨大な地方議員を生み出し、その議員の活動量が多いということがあるようです。

風で生まれた議員は地元意識が低くて、地元をほったらかしにしたまま任期を過ごし、風が吹き止んだ2回目の選挙には落選する、というパターンはどこかで見た風景ですが、良くも悪しくも維新は何らかの地元活動をやっているようです。
そして、首長選挙や国政選挙になると、強制的に駆り出されて動き回るので、公明党を除く他の政党の活動量を圧倒しているのではないか、と見る意見が多いです。

しかしそれだけでは、自公にもほとんど負けない理由が、いまひとつ分かりません。

■■

なにせ、もともと維新の専売特許だったヘイトや暴言は、いまや安倍自民党の十八番になっており、たとえば杉田水脈のように維新から自民に鞍替えして水を得た毒魚のように「活躍」している人もいます。
神戸ではそういう事例はあるのに、本拠地である大阪では、どっと維新から自民に流れていくという現象はおきていません。

創業メンバーはもともと自民党を割って出たわけで、大阪自民党と大阪維新は恨みつらみがたまっているのは確かです。しかし、金魚の糞のように生み出された多くの地方議員は、議員になれれば何でもいいという類も少なくないわけで、今のように安倍一強であれば自民に流れてもおかしくはないはずです。
ところが、大阪ではそうはならず、むしろいまだに維新が自民を圧倒しています。

ここでふと考えてしまうのです。野党共闘の大前提は、「政権交代の受け皿ができれば、有権者はそちらを選択する」という考えですが、さて、果たして、それは正しかったのか? と。

大阪では政権をとる可能性などまったくない地域政党が、自公に勝ち続けているわけです。となると、有権者は「政権交代によって政策が実現する」というリアリティだけで投票行動しているわけではないのでは と思えてくるのです。

維新が突如として現れて大阪を席巻した印象のある2011年春の統一地方選挙を思い起こしてみましょう。
あのときは、候補者のポスターには橋下徹の写真がどど~んと写っていて、端っこのほうに小さく本人の写真もでてますという感じでした。
吹田や西宮ではニセ維新、つまり公認でも何でも無いのに勝手に維新を名乗ってダントツトップ当選するなんてこともありました。
西宮維新とは、かの有名な号泣議員・野々村竜太郎のことですが・・・

とにかく、政策も人物もなにも関係なく、「維新」「橋下」という看板さえついていれば上位独占だったわけです。
たぶん、猫が出ても杓子が出ても通ったと思います。

それにしても、なんでここまでの人気になったのか。
その要諦はおそらく、「インモラルなホンネ」 だったと私は考えています。

「モラルを破ってホンネを言いたいけど、さすがにそれはできないよなあ」 と思っていた人たちに、平然とモラルを蹴破って薄汚い人間の本性をむき出しにしてみせたわけです。
いちばん激しくたきつけられたのは、「末端の公務員への嫉(ねた)み」でした。
リーマン後の不況下で苦しむ人たちにむかって、末端公務員が最低限の安定を確保していることへの嫉みそねみ恨みを煽動したのです。

ポイントは高級官僚ではなく、一般庶民と同じレベルの生活をしつつ、でもちょっとだけ安定している末端公務員をターゲットにしたことです。一般庶民にしてみれば、高級官僚の豪勢な生活は、あまりに自分たちの現実とかけ離れているので、「うらやましい」とは思っても 「嫉ましい」とは感じられません。
(同時に、末端を叩いている限り、維新も権力からにらまれることもありません。)

嫉みそねみ恨み のような感情は、たとえ心の中にあっても表に出してはいけない というのが多くの人が持っているモラルです。
それを、真っ正面からぶちこわして、ホンネをぶちまけていいんやで とやったのが橋下であり維新だったのです。

こうした維新の動きは、おそらく計算ずくだと思いますが、国政における民主党の裏切りと軌を一にしました。
2010年に菅直人がマニフェスト違反の消費増税を言い出して参院選で敗北。
2011年に3.11がおき、管と野田は十分な対応をせずに事態は深刻化。
さらに、2012年には野田はあろうことか原発を再稼働。
こうした民主党の裏切りと支持者の怒りを見越して、維新は大阪の民主票を根こそぎ奪っていきました。
大阪市議には民主党ゼロ。府議に1名 というまさに根こそぎという言葉でしか表現できない悲惨な結果となりました。

「キレイゴト言った挙げ句に裏切る民主党よりも、汚いホンネをぶちまける維新のほうが良い」
この感情は、大阪に深く根付いてしまったのです。

注意すべきは、維新は自民から割れた政党ですが、自民票を持っていったのではなく、むしろ反維新の民主の票を根こそぎに持っていったのです。
維新の議員はみずから「ゆ」党だとか言ってますが、投票している人たちは野党だと思って投じているのです。
つまり、全国的には、2009年に民主党に投じた人たちの過半は棄権に回っていますが、大阪では多くが維新に行ってしまったということです。

■■

こうして振り返ってみると、維新が「ホンネ」と思われて支持される一方で、反維新の野党はどう思われているのか、見当がついてきます。
「キレイゴト」「タテマエ」「白々しい」
たぶん、そのような印象を濃淡はあるにせよ思われているのではないでしょうか。

共産党が長い歴史と抜群の認知度と組織力をもち、どっからみても庶民にはオトクな政策を掲げながら、なぜ支持を伸ばせないのか、と言う問題も、おそらくは同じことなのではないかと思うのです。
年配の人は「共産主義怖い」とか言う人も多いかもしれませんが、若い人で「共産党は日本を共産主義にしようとしている」と思っている人なんているのでしょうか。

古典的な「共産主義怖い」ではなく、むしろ、そこはかとなく漂う「キレイゴト感」と、それとセットの「決められた台詞言ってる感」こそが、イイコト言ってるはずの共産党の支持に固い天井がある理由なのではないでしょうか。
もちろん、人のことをとやかく言っている場合ではないです。自由党も他の野党も様々な市民運動も私個人も、同じことを顧みなくてはならないと思うのです。

戦争に行って殺し殺されを実体験した人たちが社会の中心にいた1960年代くらいまでの「戦争反対」は、多くの日本人にとって「キレイゴト」どころではない、切実なホンネだったでしょう。
しかし、これがバブルをこえて戦中世代がほとんど引退した21世紀に入ると、「戦争反対」ですら徐々にタテマエ感が漂うようになってきます。心の底からの共感と言うよりも モラル上「反対しなければならない」もの という感覚に変わっていきます。

だから、世論調査と投票行動に 非常に大きな違いがでてくるのです。
戦争法案に反対ですか と聞かれれば「反対」と答える人が、選挙では戦争準備をする党に投票するのです。
モラル上は反対だけど、口に出せないホンネでは賛成(あるいは「仕方ないじゃん」) ということです。
今の自民党の圧勝を保証しているのは、案外秘密投票なのかもしれません。

「正論」を吐く野党に対して、せせら笑って下品にヤジを飛ばす安倍晋三の支持率が40%もあることは、大阪で維新が40%の得票をすることと、相似形です。
下品なのに40%ではなく、下品だから40%なのです。

だから、たとえ野党共闘がうまくまとまって、政権交代の受け皿ができても、「キレイゴト」を並べているうちは勝てないのではないか、私はそう危惧しています。
言うまでもないですが、安倍晋三や維新のように下品の極みで行け、と言っているのではありません。しかし、「キレイゴト」のしらじらしさを乗り越えないと、本当に有権者の腹に響く言葉にならないと思うのです。

ではどうするべきなのか。

今日は時間が無くなりましたので、次回に続きを書きたいと思います。


■■お知らせ

朝鮮戦争休戦65周年
「東アジアに平和を!7.27キャンドル行動」
―休戦協定を平和協定に!日朝の対話を!


7月27日(金) うつぼ公園
18:30~ 
◆キャンドルで人文字(PEACE)
19:20~
◆御堂筋ピースパレード

主催:7.27キャンドル行動実行委員会

自由党のノボリを探してきてください。
電池入りのキャンドルを20本用意しています。




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2018-07-19(Thu)

7月27日 朝鮮戦争休戦65周年キャンドル行動@大阪

7月27日に、朝鮮戦争休戦65周年キャンドル行動が、大阪はうつぼ公園で開催されます。

私が生活フォーラム関西のみなさんに呼びかけた文章を、そのままこちらにも転載します。

ぜひ、万障繰り合わせのうえ御参加ください。

****************************

「戦後民主主義」として後生大事に護られてきたものが、実は沖縄占領と朝鮮戦争という犠牲の上に成りたっていたということは、みなさまご存じの通りです。

そんな宗主国から与えられた甘い汁に満足するのではなく、自分たちの手足で自分たちの国を作らなくてはならない、というのが自由党に結集する私たちに共通する思いではないでしょうか。

この7月27日は、朝鮮戦争が休戦して65年目の日となります。

他者の犠牲の上ではなく、堂々と誇りをもって生きていくために、一刻も早く朝鮮戦争を終結させ、過去の過ちはしっかりと精算することが肝要です。
朝鮮戦争の終結と精算なくして、日本の真の独立はないと言えるでしょう。

一部リベラル勢力からは蛇蝎のごとく嫌われている米国トランプ政権は、その見かけとは裏腹に、世界の警察をやめるべくアジアの安定に向けて動いているようです。
朝鮮戦争を終結に、今ほど近づいたときはありません。

しかし、北朝鮮への敵愾心を煽ることで延命を図りたい安倍政権は、日朝会談への道筋を立てることすらせず、むしろ米朝韓が進めようとしている戦争終結を妨害しようとしているのではないかとすら思われます。
このままでは、日本は蚊帳の外どころか、ひとりアジアの孤児となる危険性すら感じます。

休戦65周年の日に、私たち日本国民の意思を表明することは、とても重要なことではないでしょうか。

7月27日(金) 18:30 うつぼ公園

キャンドルでPEACEの一文字をつくるイベントがあります。

20180719.jpg

筆頭呼びかけ人は いつもお世話になっている服部良一さんです。

生活フォーラム関西としても賛同し、キャンドル20本を引き受けています。
自由党のノボリ旗を探して来てください。キャンドル(電池式)をお渡しします。

こぞっての御参加をお待ちしております。




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2018-07-18(Wed)

ネルソン・マンデラ生誕100周年に思う

今日は、ネルソン・マンデラさんの生誕100周年だそうです。

今から28年前、獄中から釈放されたマンデラさんは世界を行脚され、日本にもやってきました。
大阪では扇町プール(当時は大きな客席のある屋外プールでした)で、歓迎の集会がひらかれ、私もひと目お顔を見ようと駆けつけたのを覚えています。

私は高校の時(40年くらい前)の社会科のグループ学習で南アフリカを担当し、アパルトヘイトについてもずいぶん資料を探しました。
しかしそのころは大きな図書館にもほとんど資料はなく、国会図書館に行ってもは高校生は入れてくれず、南アフリカ領事館にも行ったけれども、もちろんアパルトヘイトのことなど欠片も教えてくれませんでした。

そんなこともあって、マンデラさんは私の中では伝説の人でした。
そのマンデラさんが、27年間の獄中から解放された今、何を話すのだろうと私はワクワクしながら扇町に向かいました。
(その時会場で配られたバンダナ。だいぶ色あせたけど今でも持っています。)
20180718.jpg
ところが、マンデラさんが語ったのは、ほとんど「南アフリカに経済支援を!」という要請でした。
不当弾圧に怒り、人種差別の撤廃と黒人の解放を叫ぶことを期待していた人たちには、聞きようによったら、な~んだつまらない、とも聞こえかねないほどに、勇ましくもなく、カッコよくもなかったのです。
でも、そのとき私が感じたのは、獄中から出てきたばかりなのに南アフリカの人民の今を必死に考えるマンデラさんのすごさでした。

アパルトヘイトを撤廃して新しい国作りをするために、絶対に必要な経済援助。
(ちなみにマンデラさんは、日本政府(海部政権)に32億円の援助を要請したそうですが、残念ながら日本は「世界で最初に援助を断る」国になってしまいました。)
自らの恨みを晴らすことよりも、どうしたら国民が幸せになれるのかを考え抜いた答えが、白人を追放することではなく融和によって経済発展を目指すことだったのです。

あのときマンデラさんが、復讐に燃えて黒人の解放を叫んでいれば、それは正義だとは思いますが、南アフリカは内戦状態になり各国も干渉して泥沼状態になっていたかもしれません。
それが国民の幸せなのか、マンデラさんは獄中で悩みに悩んだのではないでしょうか。

正義よりも優先することがある。
それは 国民の生活 である。
それを教えてくれたのがマンデラさんだったと 私は思っています。

誤解のないように書いておくと、正義を捨てろと言っているのではありません。
自らの正義は主張しながらも、正義を100%貫徹するのではなく、違う「正義」を持つ人たちとも妥協の道を探りつつ、まずは国民の生活が成り立つことを優先すべきだ ということです。

もうひとつ。
「国民」というのは 奴隷ではない ということです。
隷従させられた民は 国民ではありません。(かつての日本では臣民と言われました)
等しく「国民」であること、これも 国民の生活 の不可欠の要素です。

■■

ふりかえって今の日本、マンデラさんとは対極の政治家が権力を握りしめ、それに対峙すべき野党もマンデラさんとはほど遠い人たちが大勢を占めています。

長くこのブログを読んでくださっている方はお気づきかもしれませんが、私は2011年3月以来、極端に書くことが少なくなってしまいました。
津波と放射能という圧倒的な破壊力と、そこから国民を守らなければならないはずの政治の無能。そして、悲痛な願いの言葉が、政治に届かないという無力感。
それまでは、毎日でも気軽に書くことができていたのに、キーボードを叩くのが本当に辛くなってしまいました。

あれから7年たって、いままた西日本水害の惨状を目の当たりにしています。
3.11の民主党の対応もひどかったけれども、それに何重も輪をかけてひどい安倍政権の対応。
7月5日午後2時の気象庁がおこなった緊急会見を見て、安倍晋三は「これで災害がおきれば、しばらくは野党の追及をかわせるぞ」と喜んだのでしょう。
だから、その夜に赤阪自民亭に出席し、良い気持ちで酒を喰らっていたのです。

非常災害対策本部の設置をわざと遅らせたのも、災害が小さなものではドサクサに紛れてカジノ法案を通してしまうことができないからでしょう。
安倍晋三にとって、カジノ法案は生命線です。なぜならば、世界で唯一自分を守ってくれるトランプへの不可欠のワイロだからです。
自らの延命以外にはまったく関心のない安倍晋三は、自然災害はニュースを独占して国民の目をくらませてくれる天恵だと思っている。彼の言動を見れば、そうとしか考えられません。

体が震えるほどに怒りがこみ上げます。
何をやっても、どんなにひどいことをしても、「問題ない」とひとこと言えば許されてしまう安倍晋三。
なんだよ 何やってもぜんぜん平気じゃん。ひーひひひひ。
その高笑いが耳の中でこだまして、昨夜からあまり眠れません。

それにしても、一応は国会も法律もあるこの日本で、なんでここまで傍若無人の独裁が許されるのでしょうか。

理由は二つです。

■■ <1>選挙に勝つから。

なんで選挙に勝つのか。これも理由は二つ。

① 野党がバラバラだから
バラバラな政党に自分の生活を預けよう とは思いません。当然です。
ヨーロッパのように小政党が毎回連合する習慣があれば別ですが、日本では凸凹感の強い政党連携には不安感が強く、国民は自らの生活をかけようとは思わないのです。

② 野党の政策が「生活が第一」じゃないから
そもそも、民主党が消費税を上げたことが、野党負け続けの大原因です。
当時の幹部が頭を坊主にまるめて「間違っておりました」と国民に土下座するのが、大前提です。
そのうえで、2009年マニフェストを思い出して、バラマキでもいいから国民の生活が第一の政策を、具体的に発表することです。
すぐには野党がひとつにはならないでしょうから、共同政策を大々的に打ち出すのです。
もちろん、西日本水害をふくめたこれまでの大災害へ生活再健も、その筆頭課題です。

この二つをやれば、小沢一郎さんが言うように、次の選挙では絶対に勝てる と私も確信できます。
なにせ、あれだけ投票率が低かったにもかかわらず、得票数だけ見れば与野党はほぼ拮抗しています。
自民公明に維新とこころまで入れても 比例の得票率は52%にすぎません。

候補者の一本化だけでも少しは効果がありますが、2009年には民主党に投票したけど、裏切られたのでもう投票には行かない という約2000万人の人たちに響くためには、さきほど書いた①と②を実行しなければなりません。

あの政策ではあの党はダメだ とか、いつも国会でジャマする とか 野党内でゴチャゴチャ言っている方々は、マンデラさんの凄まじい決断を思い起こしてください。
アパルトヘイトを推し進め、自分を27年間も獄中に閉じ込めた国民党(NP)と連立して、新たな国作りをはじめたのですよ。

いま改めて、「国民の生活が第一」というスローガンを思い出すべきは、安倍政権ではなく野党各党、とくに「一緒にやるのはイヤ」とダダをこねている方々です。
安倍政権に「国民の生活が第一」を思い起こせと百万遍言っても通じるわけがありませんが、野党の皆さんならば、少しは分かってくれるのではないかと 最後の期待をしているのです。



幸か不幸か、アベノミクスでアホほど円を刷りまくってきましたから、財源論はウルサく言わなくても、ブタ積みになったり対外資産として大企業の利ざや稼ぎになったり、超富裕層の金融資産になったりしているしているカネが数百兆円あります。
これの本の数%を市場で動かすように誘導(半強制)すれば、日本の経済は息を吹き返します。

当面の復興予算は、まったくの無用の長物を即刻中止すれば、数兆円捻出できます。
それは、リニア新幹線と イージスアショア です。
他にもあるでしょうが、とにかく被災地支援は緊急を要します。直ぐに止められることから手を付けることです。
(リニア新幹線を止めるには、かなり面倒な権利関係が発生するのは承知ですが、それでも本質的に国民は何も傷つきません)

全国社会福祉協議会のホームページに、ボランティア募集の一覧が出ています。

被災地の災害ボランティアセンター等の状況
◆12府県の58市町で災害ボランティアセンター設置


ニュースでは限られた地名だけが何回も報じられますが、これほど広範囲で被害が出ています。
これ以外にも、まだ危険でボランティアに入れない地域もあるようです。

これに対して、安倍政権の対応は

矢継ぎ早発表もポーズ 安倍政権の被災地支援は中身空っぽ
日刊ゲンダイ  2018年7月18日


予想通りとはいえお粗末な限りです。
だいたい、自衛隊とボランティアだけに頼り切りということがおかしい。
ただ(定額)で使えるものだけ使って、カネの掛かることはやらないということですよ。

全国から作業員を雇って、熱中症にならないように1時間ごとに交代で投入すれば、劇的に状況は改善します。
浄水場の修復も、まずは政府が費用を補償して最優先で進めなくてはならないはずです。

とりあえず生きていける状態にするのに、おそらく数百億円はかかるでしょう。
それくらい、リニアとイージスアショアで、余裕で賄えます。

野党は、こうした救済策を、今すぐ共同で発表していただきたい。

「国民の生活が第一」

悲惨な災害になってしまった今だからこそ、あらためて思い起こしてほしいのです。


■■ <2>日本の政治勢力で唯一トランプにすり寄ったから

安倍政権の強さの根源は、トランプが当選した直後に、これまでのいわゆるジャパンハンドラーズの系統からバッサリと梶を切ってトランプにすり寄ったことです。
ものすごい賭けでもあり、ある意味で慧眼です。

これまで従米一本槍だった日本国内は、「他の国のことなんて知らないぜ」「アジアは勝手にやれば」「アメリカは世界の警察なんてやってられるか」的なトランプのやり方に、右から左まで、口をそろえて反対しました。
そんななかで、ただ一人、安倍晋三は統一協会のツテをたよってトランプに駆け寄り、ぺろぺろと靴をなめたのです。

2016年末の時点では、当選したとは言え本当にトランプが政権を維持できるのかも不透明な段階ですから、あれでもしトランプが失脚していたら、安倍政権も従来のジャパンハンドラーズと官僚組織によって完全に葬られていたでしょう。
しかし、安倍は賭に勝ち、トランプはジワジワと足下を固め、今や再選を伺う勢いになりつつあります。

これを、日本の左翼リベラルは、悪と悪が手を組んで最悪だ と捕らえているようですが、そんな見方しかできないとしたら、それは政治ではなくおとぎ話です。
野党が政権交代を目指すのであれば、米国政権との関係を抜きにものを考えることはできません。
明日にでも属国を辞められるのならいいですが、官僚組織も政治家も経済界も、がっちり従米ネットワークで固められているこの国が、政権交代したくらいでガラッと変わるものではありません。

であるならば、どこで話をつけるのか、どこまで妥協するのか、どこでトランプを喜ばせて納得させるのか、は冷徹に判断しなければなりません。
野党だからと言って、トランプに悪罵を投げかけていればいい というのはあまりにも無責任で、そもそも政権とる気がないのがバレバレです。

トランプとしても、これほどに真っ黒で不正の塊のような安倍晋三よりも、もっとまともな交渉相手がでてくれば、そっちの方がマシだなと思うでしょう。
CIAも冷静に分析しているはずです。野党がまとまれば、安倍政権は崩れる と。
いまは安倍晋三が唯一のポチなので、しかたなく保護している米国ですが、より安定した交渉相手が登場すれば、そちらに乗り換えることになります。
そうなれば、安倍晋三は贈収賄罪か斡旋利得罪で塀の向こうにサヨウナラです。

なのに、安倍の延命を許しているのは、結局、野党が対米政策で安倍晋三に負けているのです。

トランプが好きでも嫌いでも、対米従属がイヤでもなんでも、国民の生活を預かる政治家であるならば、米国との関係を築くことは第一級の課題です。
「国民の生活が第一」 は、まさにここにおいて真価を発揮します。

あちらは「アメリカファースト」
こちらは「国民の生活が第一」
お互いに主張して妥協する。
もちろん属国は不利ですが、少しでもマシにする。
そういう覚悟と準備を、野党こそがしなくてはならないのです。

マンデラさんも、長くアパルトヘイトの南アフリカを支援してきた国々をまわり、経済支援を要請しました。
本来ならば、支援ではなく賠償を請求してもいいくらいのものです。
しかし、これから国を作らなくてはならないマンデラさんは、激情をおさえて支援を要請して回ったのです。

最後にマンデラさんの言葉を

   何事も成功するまでは 不可能に思えるものである
                       ネルソン・マンデラ




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2018-07-09(Mon)

よく国を治めるものは まず水を治める

春秋時代に斉の管仲という宰相が桓公に箴言したとか言われていることわざ。

この数日間、とくに西日本に住んでいる人たちはこれをひしひしと感じているはずです。

このたびの西日本大水害は、まだ全容がつかめていません。
NHKをはじめとしたマスコミの報道も、取材に入ることのできた場所の映像を繰り返し流し、同時多発でおきている水害の様相はまったく伝えることはできていません。

大手マスコミといえども、津々浦々にくまなく特派員を置いているわけではないので、ある程度はしかたのないことでしょう。
やはり問題なのは、規模の大小はあれど、毎年毎年くりかえし自然災害に見舞われているこの国の行政が、いつもいつも後手後手に回るということです。

現場の役場や消防や警察の職員は、もちろんギリギリの頑張りをしてくれています。
しかし、大災害になれば、そんな現場の必死の頑張りだけではどうにもならない、ということこそが、これまでの大災害の教訓ではないでしょうか。

とくに、今回のような範囲で見るならば東日本大震災を上回るような広域災害については、即座に国が乗りだして情報収集と支援のリソースを配置しなくては、助かる命も助からないということがおきてしまいます。

そもそも、防災担当大臣という名称の大臣が禄を食んでおり、国土強靱化を叫ぶ首相が政権を握っているのです。
いくら50年に一度の大雨といえども、ここまでの被害になってしまった責任ということが問われるでしょう。
50年ごとにこんな被害が起きて良い訳がありません。



まず、大雨が予想された時点から、実際の対策にはいるまでの問題です。

およそのことしか分かりませんが、気象庁と自治体レベルでは、それなりに早いめの対応をとっていたようです。
5日(木)午後2時の段階で「記録的な大雨になる可能性がある」という異例の会見を、気象庁は東京と大阪で同時に開催しました。
記録的大雨で気象庁が異例の会見 警戒すべき地域は
2018/07/05 MBSニュース

少なくとも、行政に関してはここが災害対策のスタートラインです。

政府関係者も、さっそく災害対策本部の準備にかかるかと思われたその夜、驚くことがおきました。
20180709-1.jpg

7人の死刑執行にサインしたばかりの上川法務大臣がニコニコと出席しているのもカルトなみの怖さですが、気象庁の異例の発表を知らないはずのない安倍首相や小野寺防衛大臣が、災害対策なんかどこ吹く風で総裁選対策で楽しく酒飲んで騒いでいたのです。

さらに、本当に被害が顕在化して特別警報が続々と出された6日になっても災害対策本部は作らず、もう多くの街が水没してしまった7日になってから、ようやく非常災害対策本部という首相がトップでは”ない”組織を作りました。
しかも、完全に二日酔いの状態でしたから、6日夜も首相公邸でしこたま飲んでいたようです。
挙げ句の果てに、対策会議をわずか15分やっただけで、昼前にさっさと自邸に帰ってしまったのです。

これは本当に怖いことです。
なにが怖いかと言えば、この国の指導者は 「災害を防ごう」という気持ちがない と言うことだからです。
災害対策は、災害が起きて、ひどいことになって、ニュースでさんざん騒がれてからおもむろに、エラそうに、いかにもやってやってるぞという態度でやることであって、被害が出る前から準備するようなことじゃない と心から思っているということです。

本心ではなくても、災害時には対策しているポーズをとらなくちゃいけない、と思っていれば、いくらなんでもあの気象庁の会見の後に楽しい飲み会はやらないでしょう。
彼らは、安倍さん本人を筆頭に、とんでもない被害が出るまでは、対策なんてできないよ と本気でフツーに考えているのです。
被害が確定してから激甚災害に指定してやれば、被災者には感謝されるんだから、なんか文句ある?ということです。

ちなみに、激甚災害に指定してもらって補助金を受け取るためには、地元の自治体は膨大な書類を用意する必要があります。
激甚災害指定が、本来なら地元民の支援に向けるべきマンパワーを奪うものだと言うことは意外と知られていません。

それはともかく、自然災害は人気取りのチャンス くらいにしか思っていない人たちが指導者であることは、日本に暮らす上で恐怖です。



さらに、あの国土強靱化はどこいっちゃったの? ということです。

2014年に大々的に始まった国土強靱化計画の大きな項目として ちゃんと「異常気象等による市街地等の浸水」 があります。
5年以上もの年月をかけ、その間には昨年の九州北部豪雨による大災害を防げなかったという負の経験もふまえつつ、いったい何をしていたのでしょうか。

たしかに、ハザードマップを作ったり、自治体が避難指示などを出すためのシステムをつくったり、ソフト面ではある程度のことはしていたようです。ただ、そのあたりの実務はすべて自治体がやっていることであって、大層に国土強靱化とぶち上げたにしてはお粗末です。

今回の大規模な水没は、河川の堤防決壊で起きています。
全国の堤防そのものを、文字通り強靱化していれば、被害程度は桁違いに小さくなっていたはずです。
そうしたカネの掛かることには手を付けてこなかったのが、国土強靱化計画だったようです。

あんなにカネを摺りまくったアベノミクスなのに、一番役に立ちそうな防災対策には、チョロッとしか使わなかったんですね。
発表されている一覧表を見ても、「成果」の欄には推進とか策定とかばっか書いてあって、国土強靱化というイメージとはずいぶん違うなあと感じるでしょう。

20180709-2.jpg

アメリカ様から兵器を買いまくったり、公的資金で株を買いあさったりする代わりに、本気でカネを使って国土強靱化をしていれば、雇用も生まれるうえに災害の被害は確実に減っていたはずなんです。
このことは、野党のみならず、圧倒的多数の地方自治体首長と膨大な中小ゼネコンをかかえる地方の自民党も、党中央を激しく突き上げなければならないはずです。



とにもかくにも、今もまだ行方不明の人が100人近くいます。
膨大な家屋が住めなくなっています。
インフラもズタズタです。

これを個人や地方自治体の自己責任にしてしまっては、自然災害の国である日本は成り立ちません。
たとえそれが安倍晋三の総裁選に向けたパフォーマンスだとしても、とにかく最善の策をとらせなくてはなりません。

私は、政治家がちょっとくらい汚職をしたくらいでは、さほど腹は立ちません。
モリカケのような極端なことをやるからトンデモナイ ということになりますが、少しばかりの身内びいきをやったくらいは、政治家失格の本筋ではないと思っています。

本当に怖いのは、政治家に「国民を守ろう」という気持ちがない ということです。
守り方が正しいか間違っているかは、この際おいといて、そもそもそういう気持ちがない。
これが、政治家として最低最悪です。
そして、そういう政治家が強力な政権を握って離さないのは、この世の地獄です。

かつて、「国体」を護るために国民を道具にした政治家がこの国を地獄にしました。
いま、自らの権力を「国体」と考える政治家が、同じことを繰り返そうとしています。

直前に十分な警告があったにもかかわらず、西日本大水害を防ぐことはできませんでした。
すくなくとも、この国の政府は、酒は飲んでも対策は何もしませんでした。

せめて、これからの救援と復旧のために、できる限りのことを、具体的に要求していかなくてはなりません。
そしてもし、それにも言を左右にして逃げ回るようならば、命を守るための最後の手段は、政権交代です。

そのためにも、野党はバラバラのテイタラクを脱して、一致して復興のための手段を提示すべきときです。

民主党政権が崩壊した原因は 公約違反の消費増税と、災害に際しての無策と隠ぺい=「ただちに影響はない」だったと私は思っています。
民主党の流れをくむ野党は、その負の経験を深く反省し、心を入れ替えて国民を守る主体となっていただきたいと願っています。




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2018-06-29(Fri)

日本、16強入りで賞金約13億2000万円を獲得

いやあ~ 昨夜のサッカー なんとも後味が悪かったですねえ。
ワールドカップの歴史に残る試合になるでしょうね。
勝っていれば遅延行為で反則だろうけど、負けてるから反則にすらならない。
サッカーとしては最低だけど、プロ(職業人)としてはきわめて合理的で頭脳的な判断 ということでしょう。

日本、16強入りで賞金約13億2000万円を獲得
2018.6.29 スポーツ報知


日本人は喜んで決勝トーナメントで応援するでしょうが、世界中を敵にしてしまったのも確かです。
これから数年間は、日本以外で開催される国際大会はすべてアウェイであり、オリンピックでも他国の人は誰も開催国を応援してくれないということです。

当然ながら全世界にブーイングは鳴り響きましたが、実は昨日は昼間にもブーイングがおきていました。
サッカーに比べるとずっとずっと小さなブーイングですが、私たちの暮らしにはサッカーとは比べものにならないくらい影響の大きなブーイングでした。

姑息すぎ! W杯にぶつけて高プロ法案を“強行採決”! 労働者のニーズはでっち上げで、本当は「経団連の要望」だったのに
2018.6.28 リテラ
 

数年後には密かに法律が改正されて、誰でも働かせ放題 になるでしょう。
派遣労働を解禁したときと まったく同じパターンです。
派遣解禁で日本人の所得はどんどん下がり、働き方改革で定額働かせ放題 というわけです。

ただし、一部で巻き起こったブーイングは、こんな最悪カイカクを強行採決した安倍政権に対してではありませんでした。

「高プロ」採決させた国民民主に「裏切り者」の罵声 
2018年6月28日 田中龍作ジャーナル


そうです。採決に反対しなかった、国民民主党に対してだったのです。
リベラルのみなさんほど国民党ぎらいではない私でも、さすがにこれはアカンやろ!と思いました。

参院の野党第一党である国民党が、委員長解任決議案に反対し、平穏な採決に賛成してしまった。
「連合も最初は高プロに賛成してたもんなあ。」「やっぱり国民党は裏切り者なんや。」
と、この問題に注目していたほとんどの方が思ったことでしょう。


この裏切り採決から数時間後、西野ジャパンの「頭脳プレー」が炸裂しました。
私の頭の中では、西野監督と国民党がダブって見えました。
なぜなら、どちらも、目の前の結果に対してはきわめて合理的な判断をしていたからです。

今の安倍政権は、どんな抵抗をしようが通すと決めた悪法は100%通します。
そのことには、ブーイングしている方も異論はないでしょう。
国民党に罵声を浴びせる立憲などの議員とても、7月22日の会期末まで3週間以上もフィリバスターを続けることはできないでしょう。
どの野党も、法律が通ることは分かった上で、その過程をどうするか という選択をしているのです。

であるならば、採決に応じる代わりにひとつでも付帯事項を付けさせる方が、わずかでもマシだという国民党の言い分も、合理的ではあるのです。
頭から湯気を立てておられる諸姉諸兄におかれましては、なかなか理解しにくいかもしれませんが、良い悪いではなく、目の前の結果に対してだけ考えれば、合理的です。

もちろん、西野ジャパンとは結果得られる大きさが違います。
西野ジャパンはイエローカード2枚分で決勝進出ですが、国民党はわずかな付帯決議に過ぎません。
しかしそれでも、目の前の結果だけを、「どっちがマシか」で考えるならば、どちらもきわめて合理的です。

ただし、こんなことがおきるならば、合理的な指揮官も違う選択をしたかもしれません。
決勝に進出しても、日本中が卑怯なサッカーをした日本代表に愛想を尽かして、だれも応援しなくなる。
体を張って採決を引き延ばせば、日本中で100万人の連帯デモが巻き起こる。

現実は、そうではありません。
最低のサッカーでも、決勝に行ければほとんどの日本人は納得していますし、渋谷のスクランブルは狂乱騒ぎでした。
これまで野党が審議拒否を貫いても、フィリバスターと牛歩で抵抗しても、ほとんどの国民は無関心です。

そうした現実をふまえた上で、「どっちがマシか」を考えれば、西野監督も国民党も、やはり合理的だったのです。



勝てたはずものを、寝返ったせいで負けた、というのならば、それは本当の裏切りです。

それはまさに、政権をとった民主党が消費増税に寝返ったのがそれにあたります。
また、少し地味ですが、2011年6月の菅内閣に対する不信任決議にあたって、鳩山由紀夫氏が突然ひっくりかえしてしまったのも、今から思えばあきらかに裏切りです。
(鳩山さんは かならず後で「ダマされた」と言いますが、同じ言い訳を何回使うんでしょうねえ。)
じつはあれが、日本の分水嶺だったと、私なんかは思っています。

あの時に、「裏切り側」におられた方々が、今はあっちとこっちに別れて「裏切り者!」と言っている、と私には見えてしまいます。
申し訳ないですが、私は執念深いんです。

しかも裏切ろうが裏切るまいが、結果は大差ない という圧倒的な少数同士の争いです。
後から書くように、国民党の判断は間違っていると私も考えていますが、湯気を立てて激怒はしていません。
それをするタイミングは、7年前に過ぎ去ってしまったからです。

今は、残念ながら、少数同士の争いではなく、「少数」から脱却することを考えなくてはなりません。
だからといって、なんでもかんでも「共闘」すればいい とも思いません。
共闘しても「少数」なんですから、むしろ「効果的な少数」になることを考えてもいいのです。

徹底抗戦の姿を見せることが、はじめは少数でも多くの支持を得られるのであれば、あえて無理な共闘はしないほうがいいわけです。
国民党は維新と同じ「ゆ党」枠にいれてしまって、それ以外の立憲、共産、社民、自由 だけで最大限の抵抗を繰り広げるのがただしい戦略ということになります。

しかし、現実はどうでしょうか。
国会において、もっとも過激に戦っている山本太郎を擁するわれらが自由党は、ついに支持率0%になってしまいました。
太郎さんが街宣をやれば、通りがかりの人が足を止めて人垣ができます。
知名度は国会議員中でもトップクラスです。
内閣総理大臣に面と向かって「貴方が膿です」と言ってのけ、鋭い質問を毎週毎週くりだし、フィリバスターや牛歩も一人でもやりきる山本太郎の党が、支持率0%です。

選挙を一回休んでしまったのだから仕方ない、と思いつつも、正直言って私もこの結果はショックでした。
しかし、結果は結果。現実は現実です。
ではどうするか、と考えるしかありません。

2009年には政権交代が実現したのに、その立役者の小沢一郎と徹底抗戦王の山本太郎の党が0%。
ここからわかることは、「国民は政策で選択するんじゃない 実現される政策で選択しているんだ」 ということ。
どうみても実現可能性のなさそうな政策なんて、見向きもしない。

絵に描いたオイシイ餅よりも、口に入る苦い団子のほうがいいのです。
たしかに、苦い団子は腹を壊すでしょうが、絵に描いた餅は餓死します。

別の見方をすると、選挙というのは、支持されるから勝つのではありません。
「勝つかもしれない」と思うから支持されるのです。

いかに「勝つかもしれない」と思ってもらえるか。
その意味で、少数がバラバラ では絶望的ということです。
絵に描いた餅でも餓死しないほどの、裕福なリベラル層ばかりではないのです。この国は。



では、国民党の判断は正しかったのか。
あの判断を批判するべきではないのか といえば、やはり批判されるべきだと思います。

それは、あの西野ジャパンの最低のサッカーが批判されるべきなのと同じです。
だって、あんなサッカーを子どもが真似したらどうするんですか?
すくなくとも西野ジャパンは今後は 「子どもたちに夢を与えたい」とかは言えないですよね。

「勝手なことするなら、俺たちも勝手にやらせてもらうぜ。ガチャン」という枝野さんが大塚さんにかけた電話もどうかと思いますが、国民党も「政権交代」を本当に目指しているのならば、野党全体をどうやってまとめるのか、という視点が必要です。
これをやったら、野党は決裂する ということは、合理的な思考はできる国民党なのですから、分かっていたはずです。
それでも採決に応じてしまった、というところが問題なのです。

採決に応じたこと自体よりも、野党の決裂が分かっていたのにやってしまった、ということの問題です。
もし仮に、西野ジャパンの選手の中に、ぜったいにあんな最低の戦術は許せない という人が半分くらいいたとして、それを分かっていながらあの判断をしたとしたら、これは西野監督の判断は合理的 とはいえません。
チームはバラバラになってしまい、決勝に残ってもろくなたたかいはできないでしょう。
ほぼ全員が理解してくれる と思ったからあんなことをやったのです。

しかし、野党はそうではありません。
国民党の「合理的」な判断は、野党間のみならず、支持者や市民運動にまで、修復しがたい亀裂を作ってしまいました。

これまで私は、市民運動のひとたちにも立憲の議員さんにも、機会のあるたびに「国民党とも話をしなくては」「勝てる形を作らなくては」ということを言いつづけてきました。
しかし、昨日のあの対応では、ちょっと限界を感じてしまいます。

国民党の「こ」と言っただけで、こっちまで裏切り者扱いで、はじき飛ばされてしまいそうです。
そんな「自分は正しい」というリベラル感覚が、少しずつ変わってきたかなあと思っていた矢先に、国民党にあんなことされると、元の木阿弥。どうしていいのか分かりません。

とは言え、大多数の国民の目には、高プロが強行採決された意味も映っていないでしょうし、まして何党が何をしたかなんて、知ったことではないでしょう。
ただ、「なんだかまた野党がもめてるよ」くらいの印象です。



2009年には民主党に投票したけど、それ以降は投票にいかなくなった人が 約1500万人。

何があっても、野党に投票してくれる人が約2500万人。

どっちを向いて政治をするんですか ということ。

2500万のパイの奪い合いをしている場合じゃないんです。
たしかに、昨年の総選挙では、この票だけでも自公の票を上回っていました。
ただ、バラバラだったという一点で、大負けしてしまいました。

なので、なおさら2500万のほうに目線が行くのですが、私は違うと思います。
注目すべきは、声を拾うべきは、1500万人のほうです。

「実現できるかも」と思えば、ふたたび腰を上げてくれる1500万人に意識を集中すれば、自ずと方向は出てくるはずです。
パイの取り合いでギスギスしているのがバカらしい ということが分かるはずです。

1500万人が納得してくれる動きになれば、これまで入れ続けてくれた2500万人は着いてきてくれるはずです。
そのためには、合理的な判断をできる冷静さも必要ですし、ブーイングを受けるようなことはしないという「気持ち」の入った判断も必要です。

どれだけの人を説得できるかわかりませんが、私はこれを言い続けていこうと思います。




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2018-06-14(Thu)

在日米軍撤退というリアルを日本人は受け入れられるか

朝鮮戦争の終戦が、指呼の間に迫ってきました。

もちろん、抵抗する勢力は米朝はもちろん、日韓はじめ周辺国にもガンコにこびりついていますから、まだまだ予断は許さないとは言うものの、このまま進展すればかなり早い段階で68年間も続いている朝鮮戦争は終結します。

そこで問題になるのが、在韓米軍の問題です。
在韓米軍と言われていますが、あれは正確には米軍を中心とした「国連軍」です。
朝鮮戦争の勃発に対し、1950年の国連決議83号、84号に基づいて編成された国連の軍隊というわけです。

ですから、朝鮮戦争が正式に終戦したら、在韓米軍=朝鮮国連軍は法的には解体しなければなりません。
当然ながら、駐留をつづけることはできません。

もし続けるのであれば、あらたに米韓で条約を結ぶ必要がありますが、文在寅政権がそれに応じるでしょうか。
フィリピンと同じように、韓国軍の基地内に一部居残ることはありうるかもしれませんが、基本的には撤退の方向になるでしょう。

それは、米韓朝の3カ国にとって、共通の利害でもあります。
アメリカファーストのトランプは、もう他国のためにはびた一文使いたくない というのが基本方針です。
武器を使い潰してくれないと困り果てる軍産複合体にとっては無駄こそ命ですが、トランプは無駄金は使いたくないし、その方針にアメリカは賛同して彼を選んだのですから。

韓国にとっては、朝鮮戦争が無いのに米軍を置いている意味がまったくない。
韓国は中国ともそれなりに外交関係を作っており、北と和解すれば、自国軍ですら縮小できるかもしれない。
徴兵制によって若者の能力が阻害されている問題は以前から指摘されており、ひょっとすると徴兵制すらなくすかもしれない。(私の想像だけど)
そんな流れの中で、なんで米軍を置いておく必要があるのか。

しかも、韓国も米軍の駐留経費の70%を負担しています。
これから北朝鮮の開発にむけて多額の費用が発生するというのに、そんなカネを使っている場合では無いでしょう。

そして何より、(日本人は麻痺していますが)、他国の軍隊を自国内に駐留させることは屈辱なのです。
テレ朝の玉川徹が「韓国の左翼は対米自立だから」と言っていましたが、一部の安保マフィアのような利害関係者以外は、右から左まで、みんな米軍には出ていってもらいたいのがホンネ ということです。

北朝鮮にとっての在韓米軍撤退の利益は、これは言うまでもないでしょう。

ということで、トランプが暗殺されるとか、北朝鮮で軍隊のクーデターが起きるとかしない限り、在韓米軍は撤退か大幅縮小ということになるでしょう。



では、在日米軍はどうなるのか、です。

在韓米軍とは別問題だ、という説もありますが、少なくとも密接に連動しているのは間違いありません。
先ほどの 朝鮮国連軍との関係では、在日米軍の基地は朝鮮国連軍の基地でもあるという現実があります。
外務省のホームページに書いてありますが、

キャンプ座間
横須賀海軍施設
佐世保海軍施設
横田飛行場
嘉手納飛行場
普天間飛行場
ホワイトビーチ地区

は朝鮮国連軍が使用できる ということになっています。
日本は朝鮮国連軍と地位協定を結んでおり、在日米軍基地と言われているものは、同時に朝鮮国連軍基地でもあるのです。

でも、在日米軍の駐留経費のほとんどは日本が出しているのだから、トランプも納得するんじゃないのと思うかもしれません。
たしかに、駐留関連経費の93%、3790億円を日本が負担、さらに辺野古新基地建設を含む米軍再編費用などを含めると、なんと6000億円も日本が出しています。

20180614.jpg

在日米軍関係経費(平成30年度予算) 防衛省HP

これ、単発じゃなくて毎年ですからね。ビックリです。
こんだけ日本が出しているのに、トランプはなにが不満なの? というわけです。

でも、よく見てください。
ここにでているのは、駐留経費であって、軍隊そのものの運用費用ではありません。
爆弾やジェット燃料やオスプレイの購入費やカールビンソンの維持費までは、さすがに含まれていません。

単純計算してみると、米軍130万人のうち5万人が在日米軍なので、だいたい4%弱。
アメリカの国防予算は7100億ドルくらいで、その4%は280億ドルくらい。
つまり、在日米軍の軍隊としての運用費は2兆~3兆円くらいかかっているとも考えられます。
あまりにもザックリだけど、駐留関連経費の6000億円はほとんど日本が出していても、それでもアメリカにとってはかなり大きな負担がある、というのは間違いありません。
だからトランプは、「日本がもっとカネを出さないと撤退する」と選挙中から言っていたのです。

もちろん、安倍政権のことですから、出せと言われれば1兆でも2兆でも出すかもしれません。
しかし、60兆円に満たない税収から、毎年何兆円というカネを外国の軍隊に出すのか、と言う問題は、さすがの日本人にも衝撃を与えずにおかないでしょう。

その衝撃は、これまで安倍政権に批判的だった人たちにはもちろんですが、まったく無関心だった人もさすがに「兆円」という話には「?!」と思うでしょうし、何よりもこれまで安倍ちゃんを熱烈支持してきた極右勢力に激震が走ります。
極右の人たちは、当然ながら、自衛隊を国防軍にして予算も倍の10兆円くらいにして核武装も目指そう、と思っています。
ところが、自国軍ではなく、米軍に何兆円も出すとなれば、さすがのヘタレ右翼さんたちも割れはじめるでしょう。
半分はどこまでも米つきバッタを続けるでしょうけれども、半分は安倍ちゃんにはついて行けないということになる。



右翼さんたちの近未来は、だいたいそういう方向になるでしょう。
問題は、左翼とかリベラルです。
もちろん、共産党から国民党まで、野党は何兆円も米軍に出すなんて反対するに決まっています。
そこは疑う余地はありません。
問題は その先です。

本当に 「米軍撤退を歓迎」するのか ということです。

ゼロにはしないとしても、インテリジェンス部門と横田や横須賀の司令部機能を除いて、在日米軍は撤退したいともしトランプが表明したら、左翼から保守リベラルまで居並ぶ野党勢力は、どう反応するでしょう。

言い訳やレトリックはいろいろあるでしょうが、共産党を筆頭にこぞって(事実上)反対するのではないか と私は想像します。
つまり、「在日米軍がいないのなら自主防衛だ」という議論に、現在の左翼は耐えられないからです。

真っ正面から非武装中立を唱えていた時代は、迷いなく米軍は出ていけと言えたわけですが、今では共産党ですら自衛隊は(実質的に当面は)必要と認めてしまっています。

自衛隊をどうする(共産党HP)

社民党は、「違憲状態」というよく分からない言い方をしているが、要するに存在そのものは合憲だが、今のありようは違憲だということのようです。国境警備という任務に限定すれば、当面の武力の保持は認めているように見えます。

社会民主党宣言 Ⅲ(6)

このように、「武力は無い方がいい」けど「武力で国境を守る」という基本姿勢を認めてしまうと、「米軍がいなくなったのだから自衛隊を増強するべきだ」という議論に本質的に対抗できません。
あくまで、テクニカルに「どの程度、どういう戦力が必要か、必要でないか」という話にならざるを得ません。
空母や長距離ミサイルはどっから見ても専守防衛じゃないけれども、それだって、「非武装中立」という単純明快な回答に比べたら分かりにくいことこの上ないわけです。

だから、米軍が本当に撤退してしまったら、「独自武装」勢力に攻め込まれる と言う危機感は、左翼であればあるほど強く持っているはずです。
言い方は悪いですが、米国が言うところの 「瓶のフタ」論に、意識してかどうかは別にして、反対側から依存してしまっている。

日米安保につきまとう「瓶のふた」論
2012.2.11 日経新聞


1990年3月27日付ワシントンポスト紙に日米関係の歴史に残る発言が載っている。「瓶のふた」発言である。在日米海兵隊ヘンリー・C・スタックポール司令官(少将)による次のような発言である。
 「もし米軍が撤退したら、日本はすでに相当な能力を持つ軍事力を、さらに強化するだろう。だれも日本の再軍備を望んでいない。だからわれわれ(米軍)は(軍国主義化を防ぐ)瓶のふたなのだ」。

(引用以上)

むしろ、自衛隊を合憲と言い切ってしまっている保守リベラルのほうが、米軍撤退については明確な態度が取れるでしょう。
自由党については、小沢一郎は「第七艦隊だけで十分」というのが持論ですし、山本太郎はもちろん撤退大歓迎でしょう。
国民党は、自衛隊増強すら言いかねませんから、その分だけ米軍撤退には遠慮せずにすむ。
自衛隊合憲だけど左翼に人気のある立憲は微妙なところで、まだどんな態度をとるか読めませんね。その時の風次第でしょうか。



私自身の持論は

自衛隊は、武器を捨てて「国境なき救助隊」に

2011年に書いたこの記事を、私は今でも変更する気はサラサラありません。
この論は「命をかけて侵略の可能性を極限まで小さくする」部隊は必要だと言う前提に立っている点で、「たぶん侵略はされないよ」という幻想的な非武装論とは違うし、だからといって「最小限の武力ですまそう」という根拠のない専守防衛論ではなくて「武力以外の力を使う」という積極的な防衛論です。

もちろん、政権交代を何回繰り返しても、そう簡単にここまでたどり着けるとは思いません。
しかし、ひとり一人が、「米軍なき日本」をどう生きるのか、どう運営するのか、本当のリアルを想定して議論しなくてはならない時に、その端緒にやっと立ったのです。
「戦争反対」と「政権交代」を唱えてきた人たちこそが、「米軍撤退後」の日本の舵取りをどうするのか、政権交代を果たして1億2千万人の命と財産を預かった時にどうするのか、今、真剣に議論する必要があります。

それをせずに、これまで通りのうやむやのままに「その日」を迎えてしまったら、「独自武装、自衛隊増強、国防軍に」という大きな流れに抵抗できないどころか、内紛の挙げ句に粉みじんに吹き飛ばされてしまうでしょう。

結論なんてでないでしょう、そう簡単には。
それでも、違う意見を聞き、理解し、また理解してもらうという作業を繰り返さなければなりません。
「戦争反対」と、それに責任を持つために「政権交代」しなければならない、という点だけはお互いに信頼し、「独自武装、自衛隊増強、国防軍」という道に対して、そうではない道をどうやって国民に示すのか、議論するときです。

それが、米朝会談によって、日本の我々に突きつけられた問題です。




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