2017-04-21(Fri)

【森友疑獄事件】いろんな思惑が入り乱れているが 諦めてはいけない

このところ森友事件の記事を書かなかったので、今日は書いておこう。

政府と財務省、国交省は、何がおきようと、どんな傍証を突きつけられようと、絶対に資料は出さない。ご指摘は当たらない と言いつづける、と方針を決定し堅持している。
2月~3月の時点では、マスコミも「上」から解禁されて報じまくっていたが、4月6日の米中会談(とその最中のトマホーク攻撃)を境に、ピッタリと報道は陰を潜めてしまった。

「上」つまり米国側の意向が変わったのである。
現在の「上」は二つに分裂している。従来の軍産共同体に主導されたハンドラーズと、おそらくは統一協会ルートを使ったトランプ系の意向と。しかし、トランプが少なくとも行動の上では「好戦的」になったことで、軍産側と方向性が一致した。
その方向は、アジアにおいては北朝鮮に強烈な圧力をかける ということだ。

北朝鮮に本気で圧力をかけるためには、本当は無能すぎる防衛大臣は交代させたかっただろうし、ファナティックに触れる危険がある安倍ではなく、冷静な判断ができる総理に変えておきたかったはずだが、日本の野党の不甲斐なさを見て、「こりゃダメだ。しばらくは安倍で我慢するか。」と思ったのだろう。

そうこうしている内に、北朝鮮との対峙が本格化してきた。こうなってくると、当面はアベが退陣して国内がガタガタしてもらっては、どっちの「上」も困る。
かくして、日本国民は、千載一遇の機を逸してしまった。

それにしても、もし北朝鮮の核問題がトランプの狙い通り一定の解決をしたときは、いよいよ安倍晋三はお役御免になる可能性はまだある。
トランプは、大きな目的のためには他のことを平気で踏みつぶす酷いヤツではあるから、核を中止させるためには、拉致問題は「解決済み」ということで決着させてしまうかもしれない。安倍も、そう決められたら飲まざるを得ない。
そうなったら、安倍晋三の足下は崩れる。

念のために断っておくと、「そうなったらいい」と私の意見を言っているわけではない。
可能性の議論をしているだけなので、誤解の無いように。

拉致問題と差し違えという理不尽な形であれ、もし安倍政権が勝手に窮地に陥ったら、迷いなく溺れる犬は叩かねばならない。
そういう展開が、この数ヶ月のあいだに転がっていく可能性は、無いとは言えないのだ。
そのためにも、森友問題は決して諦めずに、追及し続けなければならない。



数億とか数十億というお金の単位は、政治の世界の話を聞いていると感覚が麻痺してしまうが、トンデモナイ巨額である。
森友がもらうはずだった8億2千万にしても、加計学園が今治でもらった96億円にしても、ものすごい額だ。

どのくらいすごいかというと、大企業の純利益を見ればわかる。
例えば、サッポロビールホールディングス。7千数百人の社員が1年間働いて、昨年の純利益が94億円だ。
8億円だって大変だ。有名どころでは、ムシューダでおなじみのエステーが社員860人で9億円、あの独占商売で有名なムサシだって、社員540人で7億円である。

これだけの金額を、しかも働いた人と会社から搾り取った税金を、権力を持った政治家と官僚どもはこともなさげにサラッとお友達にプレゼントしてしまうのである。

このような腐敗はもちろんこれまでも行われてきた。
国鉄分割民営化などその典型例であるが、しかし、少なくとも大義名分だけは整えて行われた。
 (敗北の20年から
しかるに、安倍政権になってからのやりくちは、あまりにも杜撰。
独裁者の驕りが余すところなくあらわれている。

その意味で、やはり森友疑獄事件は、スルーしてはいけないのである。
加計学園の問題は、より規模は大きいし、錬金システムの本丸に近いだろう。しかし、いかに無茶でも一応の合法性は整えている。
森友事件は、その点であきらかな違法がある。
森友で無理ならば、他のネタをいくら突っ込んでも、ヌルヌルかわされるだけである。



とはいえ、本当にトランプの北朝鮮戦略が功を奏して、安倍晋三使い捨てのシーンが訪れるのかどうかは、非常に不確定ではある。

それは、どうやら軍があからさまにトランプに逆らっているからだ。
このニュースなど、静かなクーデターではないかと思える。

韓半島に向かっていなかった?「カールビンソン・ハプニング」
2017.4.20 東亜日報


トランプが知っていてブラフをかましたという説もあるが、こんなすぐにバレることではブラフになるどころか、笑いものになるのが落ちである。しかも、中国は衛星で空母の位置は確認している可能性が高いので、全部わかっていたかもしれない。

これはむしろ、米軍がトランプに面従腹背したということではないのか。
命令違反こそしないけれども、わざと寄り道をして、時間稼ぎをしたあげく、その情報を大統領府に上げなかった。

もともと戦争したいはずで、好戦的になったトランプと利害が一致したはずの米軍が、なんでそんなことをするのか。
米軍は、確実に勝つ、しかも自国民の犠牲が最小限の戦争をしたいはずだ。しかし、トランプのやり方は彼らには読めない。
最悪、カールビンソンと韓国、日本に配備された部隊だけでドンパチやれと言われた日には、反撃を完全に封じることはできずに韓国や日本に被害が出るばかりか、自分たちも捨て石にされてしまう。

おそらくはそれにビビって、山場である4月25日までには朝鮮半島沖に到着しないように、回り道をしながらゆっくりゆっくり進んでいるのだろう。
このような軍の離反が、これからもあからさまになっていくと、トランプは窮地に立たされ、対北朝鮮戦略も破綻するかもしれない。
そうなると、すべてはもとの木阿弥で、安倍晋三のような従米と極右の鵺(ヌエ)が、国の財産をバリバリ食い物にしながらまだまだ生き延びていく可能性が高まる。

どっちに転んでも楽観はできないが、今は小さい力でも、「自分たちの力」を手放さないように、問題に取り組んでいきたい。




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なんでボクは家を設計るんだろう  明月社のいえづくり 14

13 からつづく

 高知県T町の第三セクターの店を大阪に出店するために奮闘したわけだけど、この経験でボクが一番骨身に染みたのは、予算管理の厳しさだった。工程もキツかったけれど、工程以上に誤魔化しようがないし、工程の沙汰もカネ次第というところもあり、やはり予算の重さと言ったらなかった。

 このときにつかんだ「極意」が、予算圧縮は1/100から、ということ。たとえば、100万円圧縮したかったら、1万円の項目を目をさらにして探し、削れないか、変更できないか 頭をひねる。それより大きい金額の項目だけではネタ切れになってしまうし、小さい過ぎるといくらチリツモといっても限度がある。やはり目標額の1/100くらいを狙うのがいい。
 そして、標準的な見積であれば、内容を少し変えながら減額できるのは2割まで。最初からギリギリに切り詰めた見積だったり、逆にユルユルだったりする場合はそのかぎりではないが、フツウはそのくらいと思っておいたら間違いない。念のため、あくまで減額であって値引きではない。値引きというのは内容を変えずに値段だけ下げることで、要するに工務店の粗利を圧縮すること。減額というのは、工務店の利益率はあまり下げずに、内容を支障のない範囲で変更して値段を下げること。工事は何も変更しないけど仕入れ先を変える、建物の仕様は変えずに施工方法だけ変える、仕様も少し変える などなど。

 工務店の粗利をあまり圧縮すると、倒産するか手抜きするかの二者択一に追い込んでしまうので、ちょっとオマケの範囲をこえた値引きは結果的に建物にとってもよくない。もちろん、工務店との信頼関係がはっきりしていない時は、相見積もりをとったりする必要はあるけど。

 相見積もりをとろうが、信用できる一社で特命だろうが、最初の章に書いたけれど見積が一発でOKになることはない。もう断言してもいい。必ず予算をオーバーするので、この減額の作業は避けて通れない。設計者にとっても工務店にとっても、もちろん施主にとっても決して楽しい作業ではないだけに、「必ず通る道だよ」ということは協調しておきたい。設計中は絶好調に盛り上がっていた気分が、減額になると絶対に下がっていく。それは心の片隅に置いておいてほしい。

 もうひとつ、お値段を考えるときに大事なのは、ライフサイクルコスト。多くの人はウン十年の住宅ローンを組んで工務店に支払うわけで、少なくともその期間にかかる総額を考えなくては意味がない。もちろん金利もそうだし、それ以外にも家のメンテナンス費用や電気代などのランニングコストもある。たとえば、断熱をよくして電気代が毎月5千円安くなったとすると、30年で180万円になる。断熱に余分にかかる費用は1/3程度ならば、建築費は上がってもライフサイクルコストは120万円安くなっている。
 外壁や屋根についても、30年はノーメンテナンスですむならば、100万円以上総額では安上がりだ。そんなこんなで、総額で検討すれば仕様をあげることで安上がりにすることもできたりするので、あまり見積金額だけに目をつり上げないことだ。
 
 この章では山の話の続きを書こうと思ったのだが、なにやらコストの話になってしまった。それぐらい三セクの店作りではコストの圧縮が大変だったということなので、ご容赦ねがってもう少しだけ補足を書いておく。

 建築のどの部分でコストが大きく変わるかというと、外壁と窓だと思う。窓のサッシは、木製にしたいとなると何百万単位で高くなるけれども、アルミの既製品を使う限りはそれほどの差はできない。問題は、やはり外壁だ。一番安いサイディングと、ボクがよく使う「そとん壁」という材料との差で50~100万くらい変わる。タイルなんか貼ると差額は100万は軽く超えてしまう。とはいえ、外壁は家のイメージをほとんど決定づけてしまう材料なので、どうしてもコストダウンしなければならないときは非常に悩ましい。できるならば、他のものはあきらめても、外壁はグレードダウンしないことをお勧めしたい。

 家の中で大きな金額といえば設備だ。キッチン、ユニットバス、洗面台、便器。ここは、実用第一にビシッと割り切れば、数十万円は節約できる。キッチンの引き出しのレールだけはキッチンの寿命にかかわるけど、それ以外はバサッと割り切ってもいいと思う。営業上手の住宅メーカーは、こういうところでグレードの高いものをつかってお客さんを夢見心地にするのだろうけど、営業下手のボクははっきり言っちゃう。住宅設備はそれなりのメーカーのものなら大差ない。構造、外壁、床、壁 という一番大事なところにこそカネを使うべきだ。

 てなことで、話がそれてしまったが、次こそは山の世界での大騒動に進みたいと思う。

15 へつづく

※明月社のホームページを大改造!家にご興味のある方は一見を → 木の家プロデュース明月社

2017-04-13(Thu)

【森友疑獄事件】改めて問題を整理する

森友疑獄事件ほど、登場人物がことごとくキャラ立ちまくっている事件も珍しい。

籠池夫妻、安倍晋三、安倍昭恵、松井一郎、橋下徹 というメインキャスト
悪代官の迫田国税長官、自動消去の佐川理財局長、笑顔が寂しい谷査恵子 などの官僚たち
寿司友の田崎史郎、風呂友を自慢する山口敬之 など安倍挺身隊の面々
木村真、菅野完、上西小百合、追及側もキャラの強さでは負けていない
一番影が薄いのが、国会でぬるい追及をやっている野党議員だったりする。

いろいろ裏事情はあるにせよ、ワイドショー的に取り上げたくなるネタではあったはずだ。
しかし、ここにきて、急速に報道が減っている。というか、ほぼ無くなった。
北朝鮮問題もあるが、それ以上に、新ネタが尽きてきたと言う問題もある。

官邸の圧力もあるのだろうが、やはりテレビ的には新しいネタが無いと、そうそう番組はつづかない。
谷査恵子のFAXがらみの話以降、目立った新ネタが出ていないのは事実だ。

なぜ、出てこないのか。それははっきりしている。官僚が出さないからだ。
なにせ、自動消去装置まで「発明」して、徹底的に情報公開をネグレクトしている。
この異常なネグレクトこそが、官僚が組織ぐるみで犯罪を行ったことの証左ではあるが、なにせ何もネタが出てこないので、国会では何もできない状態に陥っている。

その挙げ句が、あの厚労委員会での「森友を言うなら強行採決」というトンデモない事態となった。

森友関連質問を封じる「強行採決」の異常事態
2017.4.13 東洋経済


自民が森友追及され逆ギレ強行採決
2017.4.12 リテラ


民進党の柚木議員が最後に追及したのは
「財務省のデータが6月に入れ替わる予定。このままでは証拠隠滅、消失の可能性がある。一言で結構だから総理から森友学園と財務省の交渉記録データ復元を指示してほしい」
ということであり、データを出せというあたりまえすぎる、ものすご~く控えめな発言だ。
これに対して、自民党の丹羽委員長は答弁すら拒否して、挙げ句の果てに、委員会の議題であった介護保険関連法改正案を、日程を無視していきなり強行採決してしまったのである。

財務省のコンピュータをハッキングでもした日には、たぶん本当に内閣がいくつも吹き飛ぶような情報が入っているのだろう。
内部告発を企てようものなら、東京湾ベイエリアにぷかぷか浮かぶことになるのだろう。
日本にスノーデンはいないから、このまま巨悪の真実は葬られてしまうのだろうか。



以前も書き上げた森友疑惑一覧を再掲する、(1-④を追加)

1.安倍昭恵ルート
① 財務省に口利き 谷FAX
② 100万円寄付
③ 随行公務員の選挙運動
④ 梶田私学審会長と旧知の仲

2.財務省・近畿財務局ルート
① 大阪音大を断って森友学園に特命
② 契約前に超低額の一時貸し
③ 定借賃料値引き
④ 審議会を経ない売却
⑤ 10年分割払い
⑥ ゴミ処理の実施の査定せず
⑦ 契約に至る書類を処分
⑧ 嶋田課長補佐「姿隠せ」電話
⑨ 買い戻さずに丸ごと転売を許可??

3.国交省・大阪航空局ルート
① 関西エアポートに移管した後に戻す
② 地中ゴミ8億円の見積り作成
③ サスティナブル補助金6千万

4.会計検査院ルート
① 財務省の書類破棄にコメントせず
② 値引きの査定なしにコメントせず

5.大阪地検特捜部ルート
① 市議と市民が告発するまで動かなかった

6.維新(大阪府)ルート
① 強引かつ超特急の認可適当
② 借地上の校舎を認可
③ 阿部元府議の深い関わり
④ 議員を動員して塚本幼稚園の宣伝
⑤ 本認可より前に補助金648万
⑥ 見返り献金疑惑
⑦ 森友補助金不正を見逃してきた

7.維新(業者)ルート
① 7億、15億、23億 契約
② 藤原工業が維新に献金
③ 維新府政で 藤原工業大量受注
④ 顧問弁護士(酒井康生)紹介(後に裏切り)
⑤ 小学校の土地建物を31億で売却??

8.豊中市ルート
① 土地契約前に建築関連申請の受理・認可

このなかで、現在出ている情報だけで、確実に「不正」と断定できるのは、赤文字の二つだけだ。
で、6-② 借地上の校舎を認可 については 橋下徹が自ら認めて 「ミス」だと言い張っている。
さすがワル知恵の第一人者である橋下は、言い逃れできないところだけは真っ先に認めて、それは忖度でも不正でもなく「ミス」でした と言ったのだ。

もちろん、維新と自民と籠池が一体になって進めていた森友事件だから、「ミス」ではなく「不正」であることは明白だが、しかし、その証拠を出せと言われると、なにせ情報はむこうが隠匿しているのだから、難しい。
それをわかった上で、「ミス」でした。これから気をつけま~す、と言ってのける橋下の神経はやはり大したものだ。

ではもう一つの 3-② 地中ゴミ8億円の見積り作成 はどうか。
これについては、はっきりと大阪航空局の担当者の不正を暴くことができる。
こちらの青木泰さんの記事の3ページ目を参照されたい

【森友問題】地中深部ごみは「存在しない」との報告書
2017.4.12 BusinessJournal


当ブログの過去記事も参考になると思う

 8億円のゴミはやっぱり無い 図解その3

大阪航空局は、以下の資料を作っている

1回目のゴミ処理費 1億3176万円 の見積
2回目のゴミ処理費 8億1900万円 の見積

そして、それぞれの根拠となる調査がある
1回目 「地下構造物状況調査業務報告書(OA301)平成22年1月」大阪航空局が実施
2回目 「M学園小学校新築工事 地盤調査報告書 平成26年12月」森友学園が実施

これらを厳密に工学的につきあわせれば、どうやっても8億の見積は不正であることが証明されるはずだ。
上の青木さんの論考でも詳しく書いてあるし、共産党の宮本議員も国立の研究機関である産総研に資料を持ち込んで「地層的にゴミはあり得ない」という回答を得ているそうだ。

問題は、追求の仕方だ。

宮本議員も、そこまでやっておきながら、「ゴミはないことは証明された」と言い切って終わってしまっている。
言うだけで終わっては意味がない。

1.土木、建築、地質学のオーソリティと弁護士を集めて検討委員会を作る。

2.委員会で「ゴミはあり得ないし、それは自明である」という学術的に権威のある報告書を作る。

3.報告書をもとにして、8億の見積を作った大阪航空局の担当者を証人喚問する。

4.自民党が証人喚問に抵抗するならば、背任罪で告発する。

5.担当者へは、あくまでも「誰に命じられたのか」を追及する。

6.芋づる式にできるだけ上部へ迫っていく


いまの膠着状態を打開できる突破口は、ここしか無いと思う。

籠池総裁が、驚愕の事実を証拠付きで暴露しないかぎり、これ以外のネタはすべて、官僚の情報隠匿と、安倍晋三らの厚顔無恥によって封じられてしまう。



とは言え、資料を出させるにしろ、大阪航空局を攻めるにしろ、国会を空転させるくらいの覚悟を持たなければ、できるわけがない。
国会が言論の府であるのは、言論が通用するかぎりにおいてだ。安倍政権のように言論が意味をなさない相手には言論だけでは全く無力である。
しかるに、あのトンデモ強行採決に対してさえ、本会議の採決を1日送らせただけで、明日からの審議には応じているのが今の野党の実態だ。空気も読まず忖度もしない根性のある議員がもう少し多ければ・・・ 山本太郎がせめて50人国会にいれば・・・

そう思いながら、むなしさも感じつつ、しかし「これしかない」ということは 書いておこうと思う。




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なんでボクは家を設計るんだろう  明月社のいえづくり 9

8 からつづく

 視界に一番入ってくるのは壁だから、木の家である以上壁は木を貼るべきではないか。ボクも最初はそう思って、壁中に木を貼ったこともあった。これでOKの場合もたしかにあるが、どうしても山小屋風になってしまうのは避けられない。その風情があう家もあればあわない家もある。全部屋に貼ろうとするとコストの問題もある。いくら節有りの木でも貼るための大工手間はかかる。ひとつのお勧めは、部屋の四方に貼るのではなくて一面だけ木の壁にするという方法。壁自体をデザインにすることもできる。また、板を縦に貼るのもいい。横に貼るよりひと手間余計にかかるけれども、引き締まった印象になるので玄関や勉強部屋などにむいていると思う。

 明月社の家の床は基本的に杉の無垢板を使っている。必要や要望があれば他のものを使うこともあるけれども、とくになければオール杉の木。機能的な面は後のほうで書くので、ここでは省略。せっかく床を無垢の木にしたら忘れちゃいけないのが幅木。幅木というのは壁の一番下の床に接している部分。たいていは高さ6cmの木目のものが貼ってあるはずだ。ビルなんかだとビニールのこともある。ここを床に合わせて本物を使っておかないと、ものすごく違和感が出てしまう。というか床の無垢材がだいなしだ。ぜひ気をつけていただきたい。ちなみに明月社の家では幅木は6cmではなく4.5cmだ。ケチっているのではなくてこのちょっとした違いが空間を引き締めるから。幅木がない空間もきれいだけれども掃除機のヘッドが当たる部分なので無しにするのはお勧めしない。

 ひとくちに「木」と言ってもデザイン的には多種多様、樹種も多いし同じ樹種でも見え方が違うし色をつけるかどうかもある。樹種については圧倒的に「杉推し」である。日本の山にたくさんあって値段も安いということもあるけれども、なんといっても見ても触っても優しいからだ。新築の時はまだ色が若くて落ち着かないけれども、数年たって日に焼けると実にいい感じになる。
 杉に限らずどんな木でも、製材の仕方によって柾目と板目というものがある。まっすぐにほぼ平行の木目が並ぶのが柾目。ウネウネとしたいわゆる木目っぽいのが板目。1本の丸太から柾目のほうがちょっとしか取れないので高級ということになっている。実際に壁や天井に使ってみたこともあるけれどもかえって良くできたプリントのように見えたりして面白みに欠ける気がする。いかにも木らしさを感じるのは板目のほうだ。

 柾目でも板目でも、節のある材とない材がある。もちろん節がない材は長年よく手入れされてきた樹の丸太からしか取れないし、その丸太の中でも割合は少しだから値段は高い。つまり柾目の無節は最高級で板目の節ありが一番安い。必然的に節あり板目を多用することになる。節については好き嫌いがかなりあるようだ。節がある方が木らしくて好きという人もいれば、目に見つめられているみたいで怖いという人もいる。ボクも実はやたらと節が多いのは好きではない。1枚(3~4m)の板に小さめの節が2個くらいだとちょうどいい塩梅だ。値段も無節ほどは高くない。このくらいの程度を上小節(じょうこぶし)略して上小(じょうこ)というので憶えておくと便利。「床は上小でお願いします」なんて言うと「このお客さんはよく知ってるな」と一目置かれる、はずだ。

 木に色を付けることもよくある。古民家のような焦げ茶色にしたり、少しだけ汚れを目立たなくするように薄い目の茶色にしたり、変わったところでは木目を残した白なんていうのもある。これはペンキを塗るのではない。ペンキというのは表面にしっかりした膜を作って下地の木を見せなくしてしまうので、木の家では基本的に使わない。使うのは木材保護塗料というもの。保護塗料は木の表面に膜を作らないので色はついても木肌は感じられ、もちろん木目は見える。テッカテカの艶も出ないし、触っても木の感じのままである。
 明月社の家でよく使っているのは、色無し(クリアー)の場合はノンシックS、茶系にする場合は柿渋コートGというもの。どちらも柿渋メーカーのトミヤマの製品だ。クリアー塗料を塗ると無色といいながらも実際は木肌は飴色で木目がクッキリして水に濡らしたような色になることが多い。このノンシックSはほとんど濡れ色になることがなく、塗った後もあまり変化がないので気に入っている。柿渋コートGは柿色、古代色、黒色の3色しかないけれども、どれも発色がいいのと施工しやすいうえにお値段も高くないので、色の好みが合えばたいていこれを使っている。ただし両方とも柿渋ではないし天然由来でもなく、珪酸(ガラスの原料)とシリコーン樹脂などが原料である。いずれも揮発性もなく口に入れても毒性はないので(食べたくはないが)問題なしと判断している。

 ペンキのように調色するのは難しいので色の選択肢は少ないだけに色の取り合わせで悩むこともあまりないけれども、とにかく木目をきれいに残して艶を出さないことが、木を塗装する時のデザイン上のキモである。いくら無垢の木でもウレタン塗装とかWPC加工などは、原材料は木であってももはや木ではなく、光を反射し手足に触れるのはウレタン樹脂だ。
 余談だが、最近のよくできた木目シートの木目は職人の手書きだそうだ。本物の銘木を見ながら人の手で原画を描いているらしい。これをスーパーリアルの芸術作品と見るのか、ただの偽物と見るのか・・・。その手の製品を目の前にすると、職人さんには申し訳ないがやはり芸術作品には見えないのだが。

10 につづく

2017-04-12(Wed)

教育勅語で戦争に行けるか

森友事件ですっかり有名になった教育勅語の暗唱だが、読まずに論じるのもオカシイので、全文を読んでみようと思う。

WIKIBOOKSの<ふりがな付き>を引用する

教育ニ関スル勅語

朕(ちん)󠄁惟フニ(おもうに)我カ(わが)皇祖皇宗(こうそ こうそう)國ヲ(くにを)肇󠄁ムルコト(はじむること)宏遠󠄁ニ(こうえんに)德ヲ樹ツルコト(たつること)深厚ナリ(しんこうなり)
我カ(わが)臣民(しんみん)克ク(よく)忠ニ(ちゅうに)克ク(よく)孝ニ(こうに)億兆(おくちょう)心ヲ一ニシテ(しんをいつにして)世世(よよ)厥ノ(その)美ヲ(びを)濟セルハ(なせるは)此レ(これ)我カ國體(こくたい)ノ精華ニシテ敎育ノ淵源(えんげん)亦(また)實ニ(じつに)此ニ(ここに)存ス(ぞんす)
爾(なんじ)臣民(しんみん)父母ニ孝ニ(ふぼに こうに)兄弟ニ友ニ(けいていに ゆうに)夫婦󠄁相和シ(ふうふ あいわし)朋友相信シ(ほうゆう あいしんじ)恭儉己レヲ持シ(きょうけん おのれをじし)博󠄁愛衆ニ及󠄁ホシ(はくあい しゅうにおよぼし)學ヲ修メ業ヲ習󠄁ヒ(がくをおさめ しゅうをならい)以テ智能ヲ啓󠄁發シ(もってちのうをけいはつし)德器ヲ成就シ(とっきをじょうじゅし)進󠄁テ公󠄁益ヲ廣メ(すすんでこうえきをひろめ)世務ヲ開キ(せむ/せいむ をひらき)常ニ國憲ヲ重シ國法ニ遵󠄁ヒ(つねにこっけんをじゅうし こくほうにしたがい)一旦緩󠄁急󠄁アレハ義勇󠄁公󠄁ニ奉シ(いったんかんきゅうあれば ぎゆうにほうじ)以テ(もって)天壤無窮󠄁ノ皇運󠄁ヲ扶翼󠄂スヘシ(てんじょうむがいのこううんをふよくすべし)
是ノ如キハ(このごときは)獨リ(ひとり)朕󠄁カ忠良ノ臣民タルノミナラス(ちんがちゅうりょうのしんみんたるのみならず)又(また)以テ(もって)爾(なんじ)祖先ノ遺󠄁風ヲ顯彰スルニ足ラン(そせんのいふうをけんしょうするにたらん)

斯ノ(この)道󠄁ハ實ニ(じつに)我カ皇祖皇宗ノ遺󠄁訓ニシテ(いくんにして)子孫臣民ノ俱ニ(ともに)遵󠄁守スヘキ(じゅんしゅすべき)所󠄁(ところ)
之ヲ古今ニ通󠄁シテ謬ラス(あやまらず)之ヲ中外ニ施シテ悖ラス(もとらず)朕󠄁爾臣民ト俱ニ拳󠄁々服󠄁膺シテ(けんけんふくよう して)咸(みな)其德ヲ(そのとくを)一ニセンコトヲ庶󠄂幾󠄁フ(こいねがう)

明治二十三年十月三十日
御名御璽(ぎょめい ぎょじ)

(引用以上)

う~ん これでも何言ってるのかわからん。
なので、同じサイトの<1940年文部省による現代語訳>を読んでみる

朕が思うに、我が御祖先の方々が国をお肇めになったことは極めて広遠であり、徳をお立てになったことは極めて深く厚くあらせられ、又、我が臣民はよく忠にはげみよく孝をつくし、国中のすべての者が皆心を一にして代々美風をつくりあげて来た。これは我が国柄の精髄であって、教育の基づくところもまた実にここにある。

汝臣民は、父母に孝行をつくし、兄弟姉妹仲よくし、夫婦互に睦び合い、朋友互に信義を以って交わり、へりくだって気随気儘の振舞いをせず、人々に対して慈愛を及すようにし、学問を修め業務を習って知識才能を養い、善良有為の人物となり、進んで公共の利益を広め世のためになる仕事をおこし、常に皇室典範並びに憲法を始め諸々の法令を尊重遵守し、万一危急の大事が起ったならば、大義に基づいて勇気をふるい一身を捧げて皇室国家の為につくせ。かくして神勅のまにまに天地と共に窮りなき宝祚(あまつひつぎ)の御栄をたすけ奉れ。かようにすることは、ただに朕に対して忠良な臣民であるばかりでなく、それがとりもなおさず、汝らの祖先ののこした美風をはっきりあらわすことになる。

ここに示した道は、実に我が御祖先のおのこしになった御訓であって、皇祖皇宗の子孫たる者及び臣民たる者が共々にしたがい守るべきところである。この道は古今を貫ぬいて永久に間違いがなく、又我が国はもとより外国でとり用いても正しい道である。朕は汝臣民と一緒にこの道を大切に守って、皆この道を体得実践することを切に望む。

(引用以上)

まあこれならだいたいわかるし、戦前の文部省の訳だから、意味を勝手に変えていることはないはずだ。
文中の言葉で一箇所だけ 宝祚(あまつひつぎ)の御栄 てのがよくわからん。調べてみると「宝祚」というのは皇位という意味だそうで、原文だと「皇運󠄁」の部分なので、「天皇家が栄える運命」てなことになろう。

これの何が問題かは 多くの人が論じているのでここでは繰り返さない。
それよりも、書いておきたいのは、戦後になってから「教育勅語って素晴らしい!」と言っている籠池総裁やら稲田朋美やら安倍晋三やらの信奉している現代語訳についてだ。
国民道徳協会とかいうところの訳で、明治神宮のHPにあるのでかなり一般的に使われている。中身は以下のとおり。

 私は、私達の祖先が、遠大な理想のもとに、道義国家の実現をめざして、日本の国をおはじめになったものと信じます。そして、国民は忠孝両全の道を全うして、全国民が心を合わせて努力した結果、今日に至るまで、見事な成果をあげて参りましたことは、もとより日本のすぐれた国柄の賜物といわねばなりませんが、私は教育の根本もまた、道義立国の達成にあると信じます。

 国民の皆さんは、子は親に孝養を尽くし、兄弟・姉妹は互いに力を合わせて助け合い、夫婦は仲睦まじく解け合い、友人は胸襟を開いて信じ合い、そして自分の言動を慎み、全ての人々に愛の手を差し伸べ、学問を怠らず、職業に専念し、知識を養い、人格を磨き、さらに進んで、社会公共のために貢献し、また、法律や、秩序を守ることは勿論のこと、非常事態の発生の場合は、真心を捧げて、国の平和と安全に奉仕しなければなりません。そして、これらのことは、善良な国民としての当然の努めであるばかりでなく、また、私達の祖先が、今日まで身をもって示し残された伝統的美風を、さらにいっそう明らかにすることでもあります。

 このような国民の歩むべき道は、祖先の教訓として、私達子孫の守らなければならないところであると共に、この教えは、昔も今も変わらぬ正しい道であり、また日本ばかりでなく、外国で行っても、間違いのない道でありますから、私もまた国民の皆さんと共に、祖父の教えを胸に抱いて、立派な日本人となるように、心から念願するものであります。

(引用以上 文字色は筆者が変更した)

赤文字にしたからお分かりのように、原文で「公󠄁ニ奉シ以テ天壤無窮󠄁ノ皇運󠄁ヲ扶翼󠄂スヘシ」、文部省訳で「皇室国家の為につくせ。かくして神勅のまにまに天地と共に窮りなき宝祚の御栄をたすけ奉れ。」 となっていた部分が 「国の平和と安全に奉仕」になってしまっているのである。

なんと言うことだろう。
明治神宮や安倍晋三たち日本会議の面々は、天皇の地位なんてどうでもいいのだろうか。
天皇が栄えることなんて バッサリ切り捨ててしまうんやなあ すごいね。
この人たちは、尻尾も切るけど イザとなったら担いでいた頭も切っちゃうんだ。
いやはや 天皇さえ切り捨てる人たちなんだから、籠池総裁などいとも簡単に尻尾切りされるのはあたりまえだ。

ネットで公開されている他の現代語訳も見てみたけど、HPに日の丸掲げた人たちの訳は、みんな「国」とか「公」になっていて、皇室を助けよ とかぜんぜん書いていない。あきれかえってしまった。

勅語すなわち天皇の言葉を改ざんしてニセ勅語で国民をダマしてる稲田や安倍たち日本会議の連中こそ、教育勅語で再教育した方がいいんじゃないか。
「へりくだって気随気儘の振舞いをせず、人々に対して慈愛を及すようにし、学問を修め業務を習って知識才能を養い、善良有為の人物となり、進んで公共の利益を広め世のためになる仕事をおこし、常に皇室典範並びに憲法を始め諸々の法令を尊重遵守し」
まったく、人に読ませる前に、自分で読んでみろ。



もちろん、まず第一の問題は 「勅語」であること。つまり、天皇が国を治めている と言う前提が問題なのだが、それはさておき、教育勅語万歳の連中が、実は勅語を改ざんしていたという衝撃の事実は、もっと国民に広く知られるべきだ。

その上で、一体ぜんたい何で教育勅語を復活させようとするのだろうか。
リベラルの人たちは、戦前教育だ、戦争準備だ と口を揃える。
もちろん、そういう空気は濃厚に感じるのだが、私はどうも違和感を憶えている。

元の教育勅語であっても、改ざんされた勅語であっても、これを毎日暗唱すると、本当に戦争に行ける若者ができるだろうか。
別の言い方をすると、こんな陳腐な言葉を暗唱しないと、戦争できないのだろうか。

最近何十年間で、一番戦争をしているアメリカでは、教育勅語のごときものはない。
それどころか、自由と民主主義のために戦争をやり、保守よりリベラルのほうが戦争が好き という現象があたりまえのようにある。
ナチスや大日本帝国のようなファナティックな集団がやる戦争は、戦争の中のごく一部に過ぎない。多くの戦争は、もっとビジネスライクに遂行されていく。

戦争の形態も大きく変わっている。事前の情報戦でおおかたの趨勢は決まってしまい、ミサイルやレーダーで軍対軍の正規戦はほとんど決着が付いてしまう というのが イラク戦争などでの様相だ。
ある意味、早く決着が付きすぎるので、軍や軍需産業には面白くない。そこで生み出されたのが、「テロとの戦い」である。
アルカイダやイスラム国のようなゲリラ戦部隊を育成し、マッチポンプでいつまででも永続的に戦わせる。

イスラム国のような部隊として日本も育成されるのだとしたら、たしかに教育勅語やらなにやらで洗脳して、狂信的な国民部隊にする必要はあるかもしれない。アジアでは北朝鮮がそういう位置付けで「大切」にされてきたわけだが、言うことを聞かなくなった金正恩を潰して中国に合邦させ、その代わりに日本を「悪の枢軸」として復活させる??
いや、今のところ、そこまでの動きは感じない。



むしろ、教育勅語は、大事なことを隠すための煙幕に使われているのではないか と言う気がする。
だいたい、教育勅語万歳と言ってる輩ほど、実は勅語を信奉してるわけじゃなくて内容を改ざんしているのだから。
国粋主義の煙幕で隠すものは、その正反対のものであろう。つまり 売国主義である。

いわゆる売国奴!という罵声の意味ではなく、国の財産を格安に売り渡すことが 文字通りの売国主義である。
森友学園や加計学園ももちろん売国なわけだが、規模はそんなものではすまない。
日本の公有、私有の資産が、ごっそり売り渡されていく。いや、正当な対価を受け取らないのだから、売国ですらないのかもしれない。

プールされている預貯金や保険はもちろん、道路や水道などのインフラや、建物、病院などの施設などなど、あらゆるものがあらゆるルートを開設して流れ出していく。
すでにGPIFの140兆円あまりのうち40%は海外に行ってしまった。
JA(農林中金)の60兆円も7割近くが外貨に変わっている。
貿易黒字の400兆円も海外に置きっ放しでアメリカの経済を潤している。

外貨になっても戻せばいいじゃないか、などと口にすると、橋本龍太郎のようにスキャンダルがわき出して失脚する。

インフラや設備も、竹中平蔵さんが大絶賛するコンセッション方式でどんどん国民の手から奪われていく。

20170412-1.png

この絵をみて、あれ?と思った方も多いだろう。

そう、森友も加計学園も この方式の一環なのだ。
あれらは安倍マターだったせいで、あまりにも極端な優遇がされて問題になったけれども、しかし、氷山の一角に過ぎないのだ。
外資を含めた、何でも思い通りにする大資本に、国民の資産はどんどん切り渡されている。

その売国主義の、目くらましが、極右ゴッコであり教育勅語なのではないか。

私にはそう見える。




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なんでボクは家を設計るんだろう  明月社のいえづくり 8

7 からつづく

 そんな設計の仕方の是非はともかく、デザインというものをハッキリと意識させてくれる経験になったのは確かだった。デザインという言葉も日本語化する際にどうやらかなり意味を狭くしてしまったようだ。そもそも「設計」は英訳すればDesignなわけで、企画からプランから外観の見た目まで、すべてがデザインだ。しかし、日本でデザインというとほぼ「見た目」の部分を指していて、本来はデザインというよりもデコレーションというべきなのかもしれない。というような理屈はちょっとおいといて、ここではデザインといえば狭義のデザインのことにしておこう。

 店舗の仕事をすることでこの狭義のデザインに正面から取り組むことができたのは、今から思うと貴重な経験だった。住宅の場合は店舗デザインのようなアプローチはしないけれども、それでもやはりデザインは単なる結果論、なりゆき任せというわけにはいかない。毎日毎日視野に入っても気分のいいデザインは、惰性だけではできないからだ。
 デザインについては文字であれこれ書くのはかなり難しい。それでも言えることがいくつかあるので、参考までに書き留めておく。よく言われるのは「3色以上使わない方がいい」ということ。ボクは少しアレンジして「1シーンに3色以上使わない方がいい」と思っている。これは無難に正しいとおもう。何かを目立たせたいときも、逆に何も目立たせたくない時も、3色までにしておくのは正解だ。1シーンというのは、ある生活パターンの視界という意味で、必ずしも一部屋の中という意味ではない。ふた部屋続きで使うことが多ければふた部屋分だし、対面キッチンに立ってリビングを見ている状態のように、ひと部屋の中でもある方向を向いている場合は部屋の一部ということになる。

 近似色には要注意だ。おおざっぱに言えばどれも「白」になるような色でも、薄いグレーと薄いベージュとか、薄いブルーと薄い黄色など、違う系統の色が並ぶとたいがい違和感を感じるので、慎重に避けるようにしたほうがいい。できれば家具までふくめて、こうした色のコントロールができると「ああデザインされているな」と感じられるようになる。
 色の取り合わせにも、合う合わないがある。いろいろ理屈もあるようだが、ボクがやっている一番簡単なやり方は「薄目で見る」ことだ。店舗デザインを始めたころに一番悩んだのがこの色の取り合わせだった。なにせ原色や黒などもふくめて、これまで使ったことのなかったような色をどんどん使わなくてはならない。最初は判断できずにオロオロと試行錯誤をしているときに、ふと目が疲れてきて眼鏡をはずした。すると、不思議や不思議 これとこれがいいと「ピン」ときたのである。どうやら「色以外のものを見ない」ということがポイントらしいと気が付いた。ハッキリ見ていると、色も見ているけれども色サンプルの材質や模様などもどうしても目から脳に入ってしまう。その雑音を消してやると、「ピン」とくるのだ。いちいち眼鏡をはずすのも面倒なので、普段は薄目で見るようにしている。
 色を見る時は当然ながら光に気をつけなくてはならない。とくにショールームなどでキッチンなどを見る時、そこに点いている照明の色を考えておかないと実際に家に設置した時はかなり印象が変わることがある。ショールームのライティングは、実際以上に豪華に見せようと仕掛けられている。そこまで意図的でなくとも、照明の光と自然光、照明の電球色と昼白色でもぜんぜん色が変わる。持ち歩けるサンプルがあれば、窓から入る自然光で見てみるようにしたほうがいい。

 外壁に使う材料は、もっと激しく光の影響を受ける。日向と日陰、太陽の高さや角度によって、見え方はまったく変わる。外壁材については、棟上げをしたタイミングで現場にサンプルを用意してもらい、実際の角度に置いてみて検討すべきだ。よくあるサイディングの場合はさほどの違いはないかもしれないが、塗り壁の場合は凹凸が大きいので変化も大きい。明月社の家で一番よく使う「白州そとん壁」という材料は、塗り壁の中でも陰影が強くでるので、何色か用意して必ず現場での確認を行うようにしている。
 窓サッシも外壁では目立つ要因だ。最近は多くの家で「シャイングレー」(メーカーによって名称は違う)というようなやや茶系のシルバーが使われている。茶色はちと時代遅れ風だし、黒は目立ちすぎるし、白は安っぽくなるし、白っぽいシルバーは好き嫌いがあるので、どうしても無難なシャイングレーが多くなる。明月社の家でもシルバー対シャイングレーが1:2くらいでやはりシャイングレーが多い。気をつけたいのは、このシャイングレーは光の当たり方で玉虫色のように見え方が変わるということだ。正面から太陽が当たるとシルバー、薄明かりだとベージュ、日陰になるとグレー。これもサンプル板で確認しておいたほうがいい。
 家の形によっては屋根も色が目立つ場所である。何色がいいかは家によって変わるので、これは一概に言えない。屋根の色を見る時の注意点は、光を反射させて見るということ。普通に見るよりかなり明るく見えるはずだ。屋根の選定の仕方については、また項を改めて書くことにする。

 なお、色とはちょっと違うけれども、本物の木の隣にプリントの木目なんていうのは、絶対にやめてほしい。最近の木目プリントはすごく進化しているので、正直ボクも間違えることがある。でも、隣に本物があるとさすがにその違いはハッキリしている。プリントの偽物さが際立ってしまう。ご予算の関係で木目プリントを使う場合は、近くに本物を使わないとか、焦げ茶のプリントにして木目を目立たせないとかの配慮が必要だ。

 明月社の家は木の家なので、やはり本物の木をどうやって見せるかはデザイン上の重要なポイントになる。まず木を見せるというと真壁にするかどうかが問題になる。真壁というのは柱の表面を部屋の中に見せている状態で、柱は壁面よりも1.5センチほど飛び出している。和室はだいたいこのタイプ。これに対して、柱の外側(部屋内側)に石膏ボードをバーンと全面貼りしてしまうのが大壁。これだと柱は壁の中に入ってしまうので見えなくなり、壁面は真っ平。最近の家はほとんどがこの作り方だ。
 木の家を名乗る以上、真壁を採用するのが本筋なんだけれど、明月社の家では和室以外はほぼ大壁にしている。理由は使いやすさとコストにある。真壁は壁面から柱が飛び出しているので、家具を置いたりするのに何かと不便である。デザイン的にも柱のピッチに家具の大きさや置き場所をあわせてやらないと不格好になってしまい制約が大きい。壁に凸凹があるので掃除もちょっと面倒。しかも、柱を一本一本見せるには材料代も大工の手間もかかるのでコストアップになってしまう。そんなわけで、全ての部屋を真壁にすることはしていない。
 その代わりに、大きな梁を見せるようにしている。梁は柱と柱の間に掛け渡して上の階の床を支えているので、幅が12センチ高さは30センチを超えてかなり見応えのある大きな材料になる。これが3尺とか1m間隔でリビングの天井にずらっと並んで見えるのが、明月社の家の特徴とも言える。実はキレイに並べるのは構造的に難しい時もあるのだけれども、自分で構造計画もやっているのでそこはクリアーしている。

9 につづく
2017-04-05(Wed)

【森友疑獄事件】決定的に追い込むためにはどこを攻めるべきか

野党のぬるい追及のおかげで、とっくに辞任必死のはずの安倍晋三クンはのらりくらりと逃げ回り、それどころか共謀罪の審議入りだという。
閣僚は軒なみ辞任級の不祥事をやらかしながら、恬として恥じることなく、にやにやしながら「謝罪」のマネをするだけ。
内閣支持率も5%前後減っているとはいえ、まだ50%以上をキープしている。

これだけの大疑獄事件を、しかも当事者の籠池サイドが手のひらを返して情報提供しているにもかかわらず、なぜ追い込むことができないのか。

もちろん、最大の理由は安倍政権の厚顔無恥、傲岸不遜の度合いが、10年前とは桁違いになっているということではある。どんな不祥事だろうが、「問題ない」「あたらない」と言い切り、あまつさえ閣議決定までしてしてしまう。
まさに、全国民に向かって黒いカラスを白と言い切るのが 今の安倍政権だ。

それにしても、黒いカラスは国民の目にも黒く見えている。だから、内閣支持率とは別に、森友事件については圧倒的多数が「おかしい」と回答している。当然である。

にもかかわらず 国会で政権を追い込むこともできず、支持率を危険水域まで下げることもできないのは なぜなのだろうか。



攻める側の最大の弱みは、野党第一党が民進党だということだ。
民進党は、民主党時代の裏切りを懺悔して、国民に土下座し、野田をはじめとした戦犯を放逐しないかぎり、なにを言っても、どんなことをしても、決して今以上の支持は得られない。そしてそんなことは金輪際しないだろう。
そもそも、前の記事で書いた通り、今以上の支持をとる気もない。10%前後の支持率と議員数に安住しながら、安倍政権の左足としてしっかり支えていくつもりだ。

それでも、これだけ毎日毎日追及し、マスコミもそれなりに取り上げ続けているのに、なぜダメなのか。

それは、詰め切れないテーマと 詰め切れるテーマを切り分けないからだ。
今、問題になっているテーマを羅列してみよう

1.安倍昭恵ルート
① 財務省に口利き 谷FAX
② 100万円寄付
③ 随行公務員の選挙運動

2.財務省・近畿財務局ルート
① 大阪音大を断って森友学園に特命
② 契約前に超低額の一時貸し
③ 定借賃料値引き
④ 審議会を経ない売却
⑤ 10年分割払い
⑥ ゴミ処理の実施の査定せず
⑦ 契約に至る書類を処分
⑧ 嶋田課長補佐「姿隠せ」電話
⑨ 買い戻さずに丸ごと転売を許可??

3.国交省・大阪航空局ルート
① 関西エアポートに移管した後に戻す
② 地中ゴミ8億円の見積り作成
③ サスティナブル補助金6千万

4.会計検査院ルート
① 財務省の書類破棄にコメントせず
② 値引きの査定なしにコメントせず

5.大阪地検特捜部ルート
① 市議と市民が告発するまで動かなかった

6.維新(大阪府)ルート
① 強引かつ超特急の認可適当
② 借地上の校舎を認可
③ 阿部元府議の深い関わり
④ 議員を動員して塚本幼稚園の宣伝
⑤ 本認可より前に補助金648万
⑥ 見返り献金疑惑
⑦ 森友補助金不正を見逃してきた

7.維新(業者)ルート
① 7億、15億、23億 契約
② 藤原工業が維新に献金
③ 維新府政で 藤原工業大量受注
④ 顧問弁護士(酒井康生)紹介(後に裏切り)
⑤ 小学校の土地建物を31億で売却??

8.豊中市ルート
① 土地契約前に建築関連申請の受理・認可

今私の頭の中にあるだけでも、これだけの疑惑がひしめいている。

これらのなかで、絶対的にグーの音が出ないところまで詰められる話はどれか。

最近話題なのが 1-① と 1-② だが、残念ながらこれも 黒いカラスを白と断言されてしまうとそれ以上の証拠を突きつけられない弱みがある。
谷FAXは、谷査恵子が個人的にやったことだ(行政文書ではない)と閣議決定した。安倍昭恵と谷査恵子の道義的な問題はあるとしても、行政文書であるとか公務であるとかの証明をしないかぎり、「口利き」でこれ以上攻めることは難しい。

選挙応援にしても、街宣車のドライバーは労務者であって選挙運動にならなのと同じ理屈で逃げられてしまうと苦しい。秘書が「島尻をお願いしま~す」とか言っている録音が出てこないかぎり、これ以上詰め切れない。裁判になって、証言者が出てくれば可能性があるが、それでも末端の職員の公務員法違反で終わってしまう。
肝心の安倍昭恵は、「お気の毒です 祈ります」とか言って、平然と温泉やらスキーやらに出かけていくのだろう。

その他も、ことほど左様に、現場の担当職員が、辛抱たまらずに造反しないかぎり決定的な証拠が出てこない。
7の維新(業者)ルートは、支払いが止まったことでボロボロ情報が出てくるかと思ったが、なんと、31億で土地建物を売りに出しているという上西小百合情報があり、これが本当ならば金の切れ目が縁の切れ目とはならず、31億に釣られているかぎり情報は出てこない。




こんなことができるとすれば、買戻権がある財務省も許可をしているということであり、疑獄事件はあらたなステージ、より大きなステージに移行したということだ。
なにより、ここで「皆さんお困りですね。私が買ってあげましょう。」と登場してくる白馬の王子が出てくれば、それこそが黒幕である可能性が高い。
それが、これまで名前の出てきた○○学園などの安倍友なのかどうか、大注目しなければならない。

しかしこれも、支払い停止→任意売却 という理屈は通るので、決定的な不正で責めることができない。
では、詰め切れるのはどこなのか。
それは、私がこれまで何度も書いてきた 3-②の8億円のゴミはない ということだ。

 8億円のゴミはやっぱり無い 図解その3

財務省ルートのなかに「8億円値引き」の項目がないことを不審に思うかもしれないが、8億円の値引きは財務省が決めたのではない。国交省・大阪航空局が経験は無いけれど「知見」を活用して見積もった金額だ。
そして、それは 完全に虚偽である。

ここだけは、同じ大阪航空局がやった2009年の調査結果と、2015年の見積資料を国政調査権ですべて開示させ、技術的に専門家を集めて検証すれば、絶対に8億円分のゴミはない ということが 地質学的に、物理的、足し算引き算的な明確さで証明することができる。
ここを、絶対的な足場として押さえておかないと、いくら数ばかり疑惑を並べても、厚顔無恥な安倍政権には蛙の面にションベンということになる。

大阪航空局の不正見積を押さえた上で、なんとかして現場担当社から、「それは財務局からの指示だった」という言質をとることだ。
責任者を責めても効果は無い。あくまでも担当社をおさえて、「○○からの指示だった」という証言の連鎖をとっていくのだ。
上から攻めると、安倍昭恵と谷査恵子のように、上は下をあっさり切り捨てて、下のものは弁明の場すら与えられない。

籠池サイドや上西小百合が、維新(業者)ルートの決定的なネタを、出し惜しみせずに暴露すれば状況は変わるけれども、少なくとも現時点で明らかになっている範囲では、決定的に追い込めるのは社会科ではなく理科なのである。


ただし、国会の外での世論に向けては、安倍昭恵を中心に責めていくべきではないかと思う。
安倍晋三の別働隊として、責任のない総理名代というきわめて都合のいいポジションである安倍昭恵の活動は、安倍晋三の活動の重要な部分を支えてきたと考えられる。

少しでも支持率を下げ、安倍の資金活動を鈍らせ、ポスト安倍の動きを活性化させ、安倍のフラストレーションを局限化するために、もっとも効果的なのが、アッキード事件化することだ。
安倍昭恵を証人喚問せよ というスローガンでいい。



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なんでボクは家を設計るんだろう  明月社のいえづくり 4

3 からつづく

 蟻害を最小限に食い止めるためには、土台に毒を塗っておきたいのは山々だ。しかし明月社の家では、数年前までは防蟻剤という薬剤は使わなかった。防蟻剤が農薬であり揮発性だということが最大の問題点だった。防蟻剤の人間への毒性と、シロアリ被害とを天秤にかけて、使わない方がいいと判断した。防蟻剤だけでは完全には防げないこと、保証も5年しかないこと、今は安全と言われていてもいつ「危険でした」と法律が変わるか分からないこと(実際にそういうことがあった)、などから防蟻剤は使わずに点検をまめにしてもらうように住む人にお願いしてきた。
 ところが5年ほど前からホウ酸系の防蟻剤が公式に認定されるようになり、昨年には保証がつかないかわりに安価な製品も登場したので明月社でもこれを使うことにした。ホウ酸は揮発性がないので、直接口に入れない限りは人間への害はなく、効き目も5年どころか半永久的だ。劣化しやすい建材部品については初期の保証は大事だが、ホウ酸系防蟻剤は経年劣化がほとんどない。しかも5年間の保証など家の寿命から考えるとあまり意味がないので、保証よりはコストを優先している。考え方としては従来通り点検を第一にして、補助的にホウ酸系防蟻剤、ということ。
 先ほども書いたとおりシロアリは乾燥に弱く水気を好むので、雨漏りとの相性は非常に「良い」。雨漏りして湿った木材ならば、土台どころか柱を喰い進んで2階の床下をボロボロにして、さらに屋根下まで進撃する。築150年の古民家を再生した時にボクはこれを目の当たりにして、シロアリの凄まじさを実感した。リスクが減ったからといって何十年もほったらかしにするのはヤバい。

 耐久性でもうひとつ無視できないのが内部結露だ。これも一昔前の家は、まったく対策がなされていなかったので、知らないうちに壁の中がボロボロなんてことも珍しくはなかった。そもそも内部結露とは何か。家の中の湿気が冷たいものにぶつかって水滴になるのが結露。冷たいビールを入れたコップとか、寒い日の窓ガラスとかに水滴がつくあれ。断熱が悪いと壁の表面に結露してカビが生えるなんてこともよくある。この結露が、目に見えない壁の中にできてしまうのが内部結露だ。なにせ見えない場所なのでたちが悪い。
 いわゆる木造モルタルの古い家のリフォームなどでは、壁をはがしてみたら見るも無惨という光景もたくさん見てきた。10年くらい前はボクの著書をふくめて、家造り本のほとんどが内部結露に警鐘を鳴らしていた。そのお陰か、近年は内部結露のリスクは以前に比べて格段に小さくはなっている。ほとんどの家に外壁通気層が設けられるようになったからだ。サイディング壁であればほぼ100%、モルタル壁でもよほど無知な工務店でない限り通気層を作っているはずだ。各種メーカーも対応製品を開発している。
 内部結露は、室内の暖かい水蒸気が内壁を透過し、断熱材を通り抜け、外気に接して冷たくなっている外壁材の裏側に到達した時におきる。昔は外壁材の内側=壁の中だったので、カビだらけどころか土台や柱まで腐ってしまう恐怖の内部結露だった。それを防ぐために、外壁の裏側に約1.5センチほどの隙間(外壁通気層)をつくって、室内から侵入してきた水蒸気を逃がす構造になっている。まだまだ完璧ではないが、昔のようにいきなり冷たいモルタルに水蒸気がぶつかるような酷い状態ではないので、基礎コンクリート、集成材、雨漏り などに比べると内部結露のリスクは小さくなったと評価している。

 では、最近の家では室内の水蒸気はどんなルートを旅しているのだろうか。室内側の仕上げ材で多いのはビニールクロス。これも最近は透湿性のものが増えているので水蒸気はかなり透過する。明月社の家では内装は和紙か漆喰が多いので、無条件で水蒸気はスルーである。次にぶつかるのは石膏ボード。この材料もかなり湿気をよく通すので、すぐにその裏側=壁の中に到達する。壁の中にあるのは断熱材で、最も多いグラスウールは綿状なので水蒸気を遮ることはないが、内側に貼ってあるポリエチレンのシートは水蒸気を通さない。断熱材の内側で冷たくないので、ここで水蒸気がせき止められれば内部結露はおこらない。しかし、実際の現場を見れば分かるのだが、目で見てもわかるほど隙間はできてしまうので、実際はかなりの量の水蒸気が通過していく。するといよいよ断熱材の外側、すなわち冷たい世界に到達する。そこにそびえ立っているのは構造用合板=ベニヤ板である。これは壁を密閉するように貼ってあるので、かならず水蒸気はベニア板にぶつかることになる。
 ここが実はグレーゾーンだ。ベニヤ板が水蒸気を通しやすいのかどうか、結露するほど冷たいのかどうか、これは微妙なところだ。水蒸気の通しやすさ(透湿性)は、ビニールよりははるかに通すけれども、石膏ボードに比べるとかなり通しにくい。断熱材の外側だからもちろん冷たいけれど、さらにその外側に通気層と外壁材があるので少しはマシだったりする。よって、すごく寒い日に石油ストーブを焚いたりなべ物をすると結露するかもしれないが、小春日和で大量の水蒸気を出さなければ結露しないかもしれない。厳密には専用のソフトで計算してみないと分からないほど、微妙な線なのである。

 そこで、明月社の家ではベニヤ板の代わりにモイスという板材を使っている。シックハウスの心配がない上にベニヤ板の2~3倍の水蒸気を通すので、関東から西ではほぼ内部結露のリスクはない。わずかにあったとしても材料自体が一時的に吸収して、昼になってから乾燥すると考えられる。しかもこの材料は鉱物質なので腐ることもない。ベニヤ板よりも少し割高ではあるが、この材料を使うメリットは大きい。モイスについてはあらためて詳しくお話しする機会があると思う。
 ちなみに、ベーパーバリアといって断熱材の内側のビニールシートを、まさに水も漏らさぬように隙間なく貼ってしまう工法もある。しかし、水蒸気は水よりも粒子は小さく、水も漏らさぬよりもさらに厳密な施工が要求されるうえ、「家は動く」という原則を思い出せば、台風や地震などでいつ隙間ができるかわかったものではない。ここでも鉄壁の防衛ラインではなく、受け流す考え方のほうが長期のリスクは小さいと言える。
 このあたりが、木造住宅の「好い加減」なのである。

■一人前になるまで

 設計事務所を移ってやっと仕事をさせてもらえたボクだったが、世はバブル崩壊。建築や不動産に関わる仕事はつるべ落としの夕日のようだった。電話帳ほどの厚みがあった求人広告誌はやがて週刊誌よりも薄っぺらくなった。勤め先の事務所もご多分に漏れず、日を追って仕事が少なくなり、ついには資料整理の日々が続くようになった。またしても焦燥に身を焦がすことになる。卒業した学校は短大だったので、一級建築士の試験を受けるためには4年間の実務経験が必要だった。卒業したのが三十二歳だから受験できるのは早くても三十六歳。それまでに十年間の遅れをできるだけ取り戻しておいて、一級の資格を取ったら一人前の顔をしてやろうと考えていた。

5 へつづく

2017-03-25(Sat)

森友疑獄事件のカネの流れ

私はずっと書いているのは、森友事件の本質は カネの流れだ ということ。

最初は、だれも得をしないこの事件が不思議でならなかった。
神社本庁の怨念だろうかとか 色々考えてみたけれど、このニュースをみてやっと本質がわかった気がした。

狙われる公益法人 脱税・マネーロンダリングの隠れみのに
2015.12.12 産経関西版


マイナンバー制度では、個人資産への監視が強まることから「公益法人を隠れみのにしたマネーロンダリング(資金洗浄)の動きが加速するのでは」との懸念も出ている。
(引用以上)

NPO法人などの税制が厳しくなって、今や宗教法人と学校法人がマネロンの温床となっているのだ。
「学校法人 脱税」とかで検索してみると、実にかぐわしい話がいろいろと引っかかってくるので、お暇な方は研究してみていただきたい。

中でも、学校建設は巨額の資金が一度に動くので、マネロンしたいむきにとっては絶好の機会と言うことになる。
少子化なのになんであっちこっちで学校が作られるのか という疑問の答えでもあるのだろう。
森友事件は、そうした「いつもの」スキームのなかの一つだったと思われる。

私の思いつくかぎりで、このスキームでの流れを図式にすると 以下の通りだ。

20170325-1.jpg

三つの契約書の数字の意味もだいたいこういう意味から出てきたのだろうと想像して書いてみた。
原価7.5億円だとすると、あの建物はよく見れば相当のやっつけ仕事だということになるが。

こうした絵を、財務省理財局長を筆頭に、政官「學」が一体になって推し進めてきたけれども、今年の2月8日に図の右上の部分がバレて大騒ぎになり、左側のマネーの供給が止まってしまった。
結果、森友は藤原工業に4億円しか払えず、このスキーム自体はとりあえず破綻した。
しかし、宙ぶらりんになった土地建物を、「救済」するという名目で新たな○○学園が名乗りを上げるかもしれない。
そうなったら、マネロン機構の復活ということになる。



森友事件そのものは、どこかの地点で幕引きとなるだろう。
副島隆彦氏の「森友事件は終わった。誰も捕まらない。安倍政権が倒れて、昭恵と逃げる、だけのことだ。」という見立てが だいたい合っているような気はする。

ただ私は、副島氏ほどシニカルに捕らえてはいない。例え中途半端な安倍辞任であっても、そのまま自民党政権継続であっても、いち市議の行動に端を発して、政官の悪事の一端が垣間見え、日本中が大騒ぎになって、安倍が辞任し、昭恵も信用を失う という事態は決して悪い事態ではない。
きわめて限定的かもしれないが、今のニッチもサッチもいかない日本人の状況を考えれば、それでも上出来だ。

あくまで限定的で中途半端だということはわかった上で、大きな経験と受けて止めていいのではないか。
そのためにも、運動的には、安倍晋三と昭恵の責任を追及することだ。
徹底的な(ウソではない)「印象操作」をやって、安倍夫妻の信用を落とせるだけ落とすことだ。



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2017-03-21(Tue)

【森友疑獄事件】国税庁長官・迫田英典こそが巨悪の元締め

森友疑獄事件は、あまりに話がややこしくて、マニアックに追いかけている私のような者はべつとして、一般の人にはかなり分かりにくい話になっている。

教育勅語と日本会議、私学審議会と大阪維新と松井知事、8億円値引きの国交省と財務省 安倍夫婦の寄付と印籠 ぜんぶつながっているとはいえ、しかもどれもこれも相当オオゴトであるにもかかわらず、バシッとしたインパクトになりきれていない感がある。

それは、「悪者」が明確ではないからだ。
悪者を作り上げてバッシングする橋下流とでも言うべきやり方が良いかどうかはともかく、やはり一般の人の目には「悪者」がはっきりしていないと、受け止め方がボヤッとしてしまうのは否定できない。
悪者でないのに悪者に仕立て上げるとか、小悪人をスケープゴートでぶったたくのはよろしくないが、本当の悪党がいるのならば、吊して叩くのに遠慮は要らないはずだ。

もちろんこれは、証拠を積み上げて詰めていくほうの話ではなく、全国の関心を集め、現政権の支持率を下げるための作戦の話である。

この事件の当初は、籠池総裁という異形の悪党がいたので、だれの目にも印象は鮮明だった。しかし、籠池総裁が尻尾切りされ、それに刃向かう姿勢を見せていることから、単純に悪党としては見にくくなってしまった。
安倍昭恵の関与は明白ではある。自らすすんで印籠になって便宜供与する「最強の私人」は、まったくもって卑劣な女性であると思うけれども、しかし主役級ではない。

菅野氏やマスコミの論調も、松井知事の責任を問う方向になっている。大阪府の私学審議会での「認可適当」は、どうみても超強引であり、しかもそれを 俺は知らんと言い張る松井の傲岸不遜は、たしかに悪党にふさわしい。
実際にカネに関わる部分は、どうも維新系が仕切っていたのではないか という疑惑もいろいろ出てきている。


今日の21日で、藤原工業の振り出した手形が落ちなかったようなので、これから恨み骨髄の下請け業者から、どばどば情報リークが出てくるだろう。
その意味でも 維新と松井を叩いておくのは正解だ。

ただ、大阪ではその意味が実感できるのだが、全国的に「維新を叩くべし」「松井を叩くべし」というモチベーションが共有できるのかというと、そこはちょっと疑問なのである。
橋下・松井というキャラクターに対するイメージも、維新に対する心証も、大阪と全国ではかなり違う。大阪人の維新に対する支持も恨みも、どっちも他地方の人にはなかなか伝わらない。
だから、やはりメインキャストは ちょっと違うのかなという気はする。

そこで登場するのが、この男である。

20170317-2.jpg

国税庁長官・迫田英典

日本中から血のにじむ税金を巻き上げている張本人。
このドラキュラ迫田、副島隆彦氏に言わせると「タックステロリスト」迫田が理財局長だった時、色々と工夫をこらして森友疑獄のシナリオライターをつとめ、その功績で国税庁長官に就任した可能性が高いのである。

福島のぶゆき議員 「(総理に)1年で5回も会った理財局長は迫田だけで、他は1回か2回。しかも予算関連だから理財局長と主計局長とコンビで入るのが通例なのに、迫田は官房長と事務次官と入っている」

辻元清美議員「当時の迫田理財局長は役人なのに答弁に出てこない。籠池泰典だけではなく、(安倍と同じ)山口県出身の迫田を参考人招致すべき」



つまりこういうことだ。
森友疑獄はほんの氷山の一角で、こいつらは次から次へと、国有財産を「合法的に」横流しして、その上がりを巧妙に環流させているのではないのか。

そして、そのプレーヤーは日本会議のなかからプロジェクトごとに選抜され、関連する現場の役人は「それ系の案件」だなと忖度したり斟酌したりして、全力で通すようにしなければならない という暗黙の共通認識があるのではないのか。

また、学校建設が都合が良いのは、補助金という形で税金を注ぎ込めるし、寄付金というかたちでマネーロンダリングもできる。
何十億円も優遇された学校法人から、利得の割合に応じて後から還元させれば、税金もアングラマネーも見事に関係者のポケットに収まることになる。

日本だけでも20兆円はあると言われているアングラマネーの資金洗浄に学校法人などの公益法人が使われることは もやは常識らしい。以下は1年以上前の記事である。

狙われる公益法人 脱税・マネーロンダリングの隠れみのに
2015.12.12 産経


何とかしてドラキュラ迫田を守ろうとする財務省の姿勢をみていると、どうやら迫田こそが「それ系」の手配師であり、実務の元締めなのではないか。
そして、日本会議のネットワークとは、全国津々浦々に張り巡らされた「それ系案件」実行部隊の組織でもあったのではないか。
氷山の全容がおぼろけにでも見えるようにするためには、迫田のこれまでの行動を徹底的に洗うことが必要だろう。

その巨大な国会犯罪を暴くために、迫田英典を、証人喚問すべきだし、私たちも写真付きでどんどん宣伝するべきだ。

そして、その元締めと同郷のよしみを通じ、実行部隊の日本会議の精神的支柱ともいうべき人物こそが、安倍晋三内閣総理大臣である。安倍晋三という印籠があったからこそ、「それ系」は効力をもって進められていった。その見返りは、なぜか一強の絶対権力だ。まさに、「それ系」の印籠であることが、安倍晋三の権力の源泉なのではないか と私は本気で疑っている。

そして、そのような国家犯罪は、かなり有能なプロデューサーがいなければ完遂できない。
それこそが、ドラキュラ迫田だ ということを証明することが、本当に日本を揺るがす疑獄事件の始まりになる。

迫田を吊せ!
この声が、全国の隅々で税金を巻き上げられて泣いている人々の口からうめきのように漏れ出てくる時、日本は変わり始めるだろう。



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2017-03-18(Sat)

【森友疑獄事件】 ミス?  大阪維新の逃亡作戦を検証する

森友疑獄事件のなかで、一方の当事者であった大阪府と大阪維新が、なんとか逃げ切ろうとしている。

このお二人の顔を見ただけで その日一日気分が悪くなるのでできるだけ見たくないのだけれど、しかたなく毎日ツイートなどチェックしているのだが、ある時点からあきらかに発言の流れが変わった。
その時点とは

大阪 松井知事 森友学園の小学校 認可答申の背景に国の要請
3月14日 NHK


大阪府の松井知事は13日、「当時、国からは国有地の売り渡しを審議会にはかるため、小学校の認可の見込みを発表してくれと言われた。国の担当者が大阪府教育庁の私学課に何度も足を運んでいた」と述べ、府の私学審議会が答申をまとめたのは、国有地の売却を早く進めたい国の要請を受けたものだったという認識を示しました。
(引用以上)

私のように顔も見たくないと思っているような人間でなくても、このニュースを見た瞬間に 責任のなすりつけあいだな と感じたことだろう。

そして、ここから 松井知事と橋下徹前知事との 異様なかけあいツイートが始まる
あまり目にしたくない方も、我慢して見ていただきたい。




















さあ、ここまでの彼らの言い分をまとめると

・本来NGの借地の上の校舎を認めたのは期間内売買契約だったから。
・財務状況を確認しなかったのは大阪府のミス
・それは財務状況を確認しない審査体制がわるい
・審査体制を見直さなかったのは自分たち(新旧知事)のミス、失態
・今後は見直します
・大阪府は国から圧力を受けていた
・上級官庁からの要請であり圧力ではない

という感じであろう。

もっとコンパクトにすると

①審査体制を見直さなかったこと「だけ」は自分たちのミス。

②国から要請はあったけど、それを「圧力」とは言いません

ということだ。

ギリギリまで自分たちの責任を削りに削って、もっともダメージのない、法的にも道義的にも罪に問われない部分に絞りきって、「責任を自ら認める」ことで、あたかも潔いかのように演出する。
いかにも、橋下氏らしい作戦の組み方である。

ミス という言い方で、「意図はない」「故意ではない」ということを、必死に主張している。
本当に ミス なのかどうか。 ここが、橋下氏と松井知事、しいては大阪維新について究明しなければならないポイントだ。

党として号令をかけて塚本幼稚園に見学に行き、大宣伝をさせた大阪維新。
異例づくめの認可を進めてきた橋下前知事と松井知事が指導する大阪維新。
この大阪維新が、意図や故意をもって 組織的に「森友疑惑事件」に関わっていないのかどうか。

お二人の掛け合いツイートを見るにつけ、この包囲網が狭まってくることに恐怖し、なんとかして逃げ切ろうという「意図」を感じてしまうのは私だけなのだろうか。


内部事情を知る上西小百合議員のこのツイートの意味を、もっと着実に追っていく必要があるのではないか。

しかも、橋下氏が「国の圧力」と言うことで、雰囲気的に国に責任を押しつけながら、かたや松井知事は「圧力とは表現しません」」と逃げ道を作り、実は「お国に刃向かうつもりはございません」という恭順の姿勢を示している。
なにせ、現役の府知事が 国のことを「上級官庁」と言うのだから。 地方自治体と国は対等の関係であるのに、当の府知事が「上級官庁」とへりくだっている。もう 何をか言わんやである。

20170318-2.jpg100万円寄付疑惑は、たしかに大きな話ではあるが、違法性のない寄付で、しかも昭恵夫人がかってにやった責任ということで、もっとも軽いダメージで安倍晋三が逃げ切るための道具にされるリスクもある。
もし退陣と言うことになっても、影響力を残して後継を指名する形で退陣するのか、石持て追われるのかによって、これからの日本の行く末は大違いだ。

だからこそ、100万円スクープをものにした菅野完氏が、あの会見で迫田英典(国税局長)と松井知事の顔写真を掲げたのである。
100万円スクープだけに頼るのではなく、財務省ルート、国交省ルート、大阪府&維新ルート をきっちり洗っていく必要がある。


■■
予定されている市民集会等

● 「瑞穂の国小学院」と「日本会議」
 日時:3月19日(日)午後2時~4時
 場所:豊中市立中央公民館視聴覚室(阪急・曽根駅下車東へ3分)
 協力金:300円
 お問い合わせ:瑞穂の国小学院問題を考える市民の会
   TEL/FAX 06-6844-2280



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2017-03-17(Fri)

【森友疑獄事件】 安倍の100万円寄付もすごいけど、このネタも実はすごい

いきなり赤旗の引用から

貸し付け 事前に伝達 宮本岳議員 森友疑惑 新資料示す 衆院財金委
2017.3.16 しんぶん赤旗


 宮本氏が明らかにしたのは、財務省近畿財務局が豊中市に提出した「承諾書」と書かれた1枚の文書。国有地開発について豊中市に森友側との協議を認めたものです。貸し付け契約について、森友側が目指していた小学校の新設について審査する大阪府私学審議会と、土地処分を審査する財務省国有財産近畿地方審議会の「答申を得た後で行います」と明記。籠池理事長の本名「籠池康博」の直筆のサインがあります。「承諾書」は2014年6月30日付。私学審議会の答申(15年1月)や国有財産近畿地方審議会の答申(同2月)の半年以上前に貸し付け契約の見通しを学園側に伝えていたことになります。
 財務省の佐川宣寿理財局長は「地元自治体との事前相談の事例はいくつもある。特別なことではない」と言い訳しました。
(引用以上)

これについては、私も以前から疑問におもい、2/18の記事でも書いていた

 安倍晋三記念小学校(瑞穂の國小學院)は国有地を勝手に使用していたらしい件

20170317-1.jpg
国財審議会で一応の認可が出る何ヶ月も前から、現場に看板が掛かっていたのはよく知られている。
あの看板はタダの飾りではなく、森友学園が豊中市に条例に基づく申請をだし、その審査を進めるためのものなのだ。

条例はふたつあって
○豊中市中高層建築物等の建築等に係る紛争の予防及び調整等に関する条例
○豊中市土地利用の調整に関する条例

豊中市の場合どちらを先に出すのかは聞いていないが、だいたいどこの市でも同じような手続きがある。
そして、条例に基づく申請を、他人の土地を勝手に使ってできるはずがないのだ、本来は。

佐川理財局長は、例によって霞ヶ関文学で微妙に言い方を変えて誤魔化しているが、これは「事前相談」ではない。
あくまでも、条例に基づく正規の申請であり、それをうけての審査と認可である。
こんなことが、まったく赤の他人の土地でできるわけがない。もし、豊中市が勝手にやったら行政訴訟ものだ。

あまりに不思議なので、豊中市議の木村真さんたちに聞いてみようと思いながらなかなかその機会がなかった。
で、今日やっと 瑞穂の國記念小學院を考える会の集まりに顔を出すことができ、そこで共産党の山本いっとく市議と話をすることができた。

聞いてみてビックリ、なんと昨日その話を宮本たけし議員が国会で質問してる とのこと。
冒頭の記事にある通り、山本さんたち共産党豊中市議団の引き出した情報だ。
ああ、もっと早く相談していればよかったなあ と思いつつ、ようやくこの話が表沙汰になったことに安堵した。

共産党サンには 佐川局長に対して「条例に基づく申請行為は 自治体との事前相談に当たるのか」と突っ込んでもらいたい。
そして、「申請行為も特別なことではない」というのであれば、その具体例を挙げさせることだ。

もし本当に、「国財審議会も通っていない段階で 条例に基づく申請を国が承諾する」 なんてことを他でもやっているのであれば、それこそ、さらなる疑獄事件の始まりである。
まってましたとばかり、新たな追及を始めればいい。

答えるも地獄、答えないも地獄の境地に 佐川局長には立っていただこう。



100万円ショックは、本当にすごい話しだ。
なんとかして安倍の首を取りたいものだ。

しかし、明確な物証のない話は、なかなか首根っこを押さえるのが難しい話でもある。
民進党が、籠池総裁の証人喚問と引き替えに、もう一方の当事者である安倍晋三も証人喚問せよ と頑張るくらいの根性があればまだしも、ポーズだけのヘタレばっかなので、その望みはない。

何度も書いているが、追及には、(良い意味での)印象操作と、確実な証拠の積み上げ の2面が必要だ。
印象操作は「100万円」でつかみはばっちりだが、証拠の積み上げはまだまだ弱い。

その意味で この「承諾書」の話は、かなり決定的なネタである。
「承諾」をした担当当事者を引っ張り出し、順繰りに「おおもと」をたぐること。
いきなり大物から攻めると、「部下がやった」という言い訳の連鎖で、担当社が追い詰められて、最悪の場合自殺者が出たりする。

上から行くのではなく 下から攻める。
「上司に言われました」という言い訳の連鎖で、おおもとをたぐり寄せるのだ。

まずは、「承諾」をした財務局の担当者と、8.2億円の見積をした航空局の担当者と、認可適当に誘導した大阪府私学課の担当者 この3人を承認喚問すべきだ。

ついこの間まで「チーム籠池」として安倍晋三記念小学校の設立運動を盛大にやっていた妖怪ども。教育再生会議とかいう仮面を被って暗躍している 自民・維新とそのバックボーンを、白日のもとに引きずり出す。
安倍の首はとりたいけど、敵は安倍晋三すら「尻尾切り」してくるかもしれない。尻尾ではないにしろ、いくつかある頭のうち一個は泣く泣く切り捨てるという判断をする可能性はある。
あくまでも、最終目標は 安倍晋三をふくむ妖怪集団をあぶり出すことだ。

そのためにも、100万円は最大限騒ぐとともに、地道な証拠の積み上げを大事にしなければならない。

■■
予定されている市民集会等

● 「瑞穂の国小学院」と「日本会議」
 日時:3月19日(日)午後2時~4時
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2017-03-16(Thu)

【森友疑獄事件】ついに裏側が見え始めた

籠池総裁が、外国人記者クラブの会見を中止して、その足で菅野完氏の自宅へ向かった。

人と人との関係は、摩訶不思議である。そして、主義主張や表出される言葉だけではない、信頼関係なのだなと思う。

菅野氏を各社が囲んでいるところを、FNNが全編動画公開している。
私は、息をするのも忘れて見入ってしまった。

籠池氏 会見延期の理由は
2017.3.15 FNN


いつまで公開されているかわからないので、とりあえず私のブログなんて後回しにして、速攻で見ておくことをお勧めする。

籠池総裁は、いよいよ腹をくくったようだ。
彼と、その媒介を任された菅野氏を、なんとかして守らなくてはならない と思っていたら、さっそくこんな速報が

「籠池氏が閣僚との金銭授受明かす用意」
2017.3.15 FNN


森友学園の籠池理事長と15日に面会したジャーナリストの菅野 完氏が、15日午後、報道陣の取材に応じて、籠池氏との面会の内容を一部明らかにした。
菅野氏によると、籠池理事長は、小学校の建設をめぐって、金銭の授受を含む、ある国会議員とのやりとりについて、明かす用意があるとの態度を示したという。
菅野氏は、その実名を明らかにしていないが、これまでに、国会でも答弁している現役の閣僚だと話している。
(引用以上)

籠池総裁 大丈夫だろうか。冗談抜きで、身の安全が心配だ。

さて、籠池総裁の爆弾は発表を待つとして、現時点でもかなり「裏側」が実感できるようになってきた。

まず、小學院建設の工事費が、15億円のうち11億円が未払い という話。

私は、建設資金の15億とか20億とか言われる資金の出所を、ずっと疑問視して、ブログでも書いてきた。
ところが、この未払い報道が本当ならば、そもそも「資金はなかった」ということになる。

4億円だけ払っているとすれば、寄付金とこれまでに貯め込んできた補助金の範囲である。仮に7.5億だったとしても大幅に足りないし、フツウに建てれば15億かかるのはずだから、まったく問題外である。
いくら籠池総裁が情熱を込めて小學院を作っても、開校できないのははじめからわかっていたということになる。

籠池総裁のインタビューでのやりとりを見ていれば、思想的なことは別として、金銭や経営などの常識的な判断がぜんぜんできない人ではなさそうだ、ということはわかる。
げんに、これまで幼稚園と保育園を経営してきたのだから、11億も未払いのままで建物の引き渡しがされるとは考えないだろう。

ちなみに書いておくと、建築工事中の建物は誰のものかというと、元請けの工事会社である藤原工業のものだ。最後に引き渡しの手続きをするまでは、どんな工事でもそういうことになっている。
だから、莫大な未払いがあるうちは 森友学園は小學院の建物を自分のものとして登記することもできないし、使うこともできないのである。

これを逆から見れば、裏側が透けて見えてくる。

経済的な常識のある人が、自己資金も融資もなしで建設を進めるとしたら、「何か別の保証」があった ということだ。
「まかせておけ」という背景がないかぎり、いくら情熱が昂じていたとしても、11億もの欠損をわかって進めるはずがない。

その背景とは何か
まず、大きな枠組みとしては、ゲンダイの記事で取り上げられていた 日本教育再生機構大阪 である

森友問題の原点 安倍・松井・籠池を結びつけた団体の正体
2017年3月10日 日刊ゲンダイ


日本教育再生機構は、愛国心教育を徹底し、歴史修正主義的な育鵬社の教科書を使うことを主張する団体だ。理事長は八木秀次麗沢大教授。安倍政権を支える「日本会議」のメンバーで、安倍首相の教育政策のブレーンだ。諮問機関の「教育再生実行会議」でも委員を務めている。八木氏自身も籠池理事長と交流があり、森友学園が運営する塚本幼稚園で講演を行ったこともある。
(引用以上)

そして、この機構の大阪支部が、2012年にこのようなシンポジウムをやっている

動画ダイジェストを公開! ~2/26 教育再生民間タウンミ―ティングin大阪 大阪・教育基本条例の問題提起とは!~ 安倍元首相と維新・松井大阪知事が “教育で連携確認” そこで何が語られ、何が確認されたのか?

これが直接のキッカケかどうかはわからないが、この流れの中から 「安倍晋三記念小学校設立運動」として小學院建設が企画され、集団として進められていったのでないか。籠池総裁は、そのなかで、自らリスクをとったということだ。
彼自身の口からも 「私がやらないで誰がやる」という趣旨の発言が何回もある。

ただし、彼も自分一人でやるとは思っていなかっただろう。運動全体で、許認可も資金も補助金も面倒を見てくれるものだと思っていただろうし、実際にそうやってつい最近までは進んできた。

「運動」の一環として 大阪府は無理やり認可を進めたし、国交省と財務省は強引に土地の払い下げをやってしまった。
一人の責任では、とてもじゃないが恐ろしくてできないようなことを、「みんなで渡れば怖くない」でやってしまった。
そして、「みんな」であることの象徴というか、印籠が 安倍昭恵名誉校長だった。

私は、この背景について、ゲンダイの記事を読んだ段階では、確信はできていなかった。
しかし、どうやら本当に融資がないらしいということと、下記のニュースの中の発言を聞いて、もう間違いないと思った。

森友・籠池夫妻“音声”を独自入手、稲田氏との関係は?
2017.3.15 TBS


「私の方もずっと保守という方々と親しくさせてもらって。でも今回は保守の人は誰も助けに来なかった。これは重要な問題。一部の人は助けてくれた。他はぴたっと。大変なことやなと」(塚本幼稚園修了式の音声 森友学園 籠池泰典理事長)
(引用以上)

日本会議の側も、この冷たい仕打ちだ

籠池泰典氏は6年前に日本会議退会
2017.3.14 産経


籠池泰典理事長が平成23年1月に同団体を退会していたことを明らかにした。13日付で超党派の保守系議員でつくる「日本会議国会議員懇談会」に加盟する各議員に通知した。
(引用以上)

今年の2月17日には
「同氏(籠池氏)は本会の「運営委員」として名前は連ねておるものの、「代表・運営委員」という役職はありません。」
と声明を出していたのに、なんとびっくり、6年前に退会していたというのだ。退会した者が、運営委員になるのか?日本会議は。



そして、稲田朋美の 異常な答弁である。

事実は事実としてさらっと流しておけば、違法でも何でもないことを、頑なに否定し、「失礼なことされた」とまで言ってしまうものだから、墓穴を掘った。

副園長はたしかに稲田朋美が嫌いだといっているので、本当に失礼なこともあったのかもしれない。
だとしたら、そんな相手に 表彰をしたのだろうか。
現役の大臣に、大嫌いな相手に表彰状をださせるようなことができるのは 一体誰なのだろうか。

反対に、実際は籠池夫妻と昵懇だったとすれば、それを墓穴を掘るほど感情的に隠すのはなぜか。
ここに至って、この指摘が実感をもってくる。




椿原泰夫氏はもと高校教師であり、まさに教育再生運動のど真ん中であろう。
ここを掘っていくと、いわば 「安倍晋三記念小学校設立運動」の関係者がぞろりと出てくるのだろう。

冒頭にでてきた爆弾の正体が 稲田朋美なのかどうかはわからないが、すくなくとも、彼女の政治的生い立ちが「安倍晋三記念小学校設立運動」のメンバーのまっただ中にある ということは間違いなさそうだ。

もちろん虚偽答弁自体も問題だが、この疑獄事件の裏側に直結した存在だという意味で、稲田朋美にはスポットライトが当てられなければならない。



そして、教育再生機構大阪のもう一方の立役者である おおさか維新。
なにせ会長は 維新の遠藤敬であるし、あのシンポジウムのパネラーは、安倍晋三と松井一郎である。

上西小百合議員はこのように指摘している




橋下徹氏と松井一郎のツイッターをみていると、僕たちもちょっとは責任あるけど、ちゃんと制度を変えるから大丈夫で~す 手名感じの掛け合いをやっている。
あくまで形式上の間違いであり、ちょろっと謝ってみせることで、免罪されちゃおう という橋下氏らしい姑息な手段ではあるが、それだけ焦っているということだろう。

籠池総裁が襲われたり脅迫されたりしないかぎり、近日中に炸裂するであろう爆弾情報から、うっすらと見えてきた裏側がどれだけ明らかになるか。単発の贈収賄事件としてみるのでなく、大きな枠組みで理解していかなければ、せっかく覚悟してくれた籠池総裁の意思を活かすことはできない。
幼児のサッカーみたいに、ただボールが転がったほうに走るのではなく、戦略をもって攻め続けよう。


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2017-03-15(Wed)

【森友疑獄事件】財務省理財局長の虚偽答弁

財務省の理財局長は、国会でこのような答弁をした

20170315-1.jpg国有地売却で8億円値引き、審議会に諮らず
TBS News i 2017年3月13日


「この8億円の値引きの金額について、審議会で8億円引きますけどいいですかということは諮ったんですか」(民進党 川合孝典 参院議員)


 「諮ってございません。私ども地方審議会に対しましてはですね、相手方を森友学園にする、それから10年間の定期借地契約を結ぶ、10年以内に森友学園がその国有地を買い受けるということについて、ご審議の上、ご了承いただいております。その上で売却する時の価格につきましては、法令上、適正な価格、時価でということで、不動産鑑定評価に基づきまして売却をしているということでございます」(財務省 佐川理財局長)
(引用以上)

民進党もマスコミも、値引きを諮っていない と言うところだけを取り上げているが、そもそも財務局は、「急転直下 売却することになった」ということについて、ひとつも審議会に諮っていない。

佐川理財局長のいう「10年以内に森友学園がその国有地を買い受ける」というのは、たしかに賃貸契約書にはそう書いてあったのだろうが、2015年2月10日の第123回審議会では、財務省はこのように説明している

「森友学園は、貸付契約後8年を目途に本地を購入する予定 としておりますが、事業用定期借地契約の最短期間は定期借家法により10年と定められておりますので、貸付期間を10年間とする事業用定期借地契約を締結します。」(近畿財務局 立川管財部次長)

ようするに、8年間は借地料を納めてから、時価で販売する、という話。
この後、借地料も時価ではなく、籠池理事長が鴻池センセにお願いしていた通り、かなりお安く(2/3くらい)してあげる近畿財務局だが、そのお安い賃料でも2720万円/年であり、8年払えば2億を超える。それから時価で販売すれば、国庫には2億プラスで入ったことになるわけだ。

そのような枠組みで説明をしておきながら、契約から1年もたたないうちに売却に方針変更するというきわめてイレギュラーな売却だったにもかかわらず、売却することについては審議会に、ひとことも諮っていない。報告すらしていない。

それどころか、近畿財務局のホームページを見る限りでは、売買契約をした2016年6月20日以降に、一度も審議会は開かれていない。
 → 国有財産近畿地方審議会及び旧軍港市国有財産処理審議会

賃貸契約を決めた123回(2015.2.10)から売却直前(2016.6.16)の126回までを斜め読みすると、審議会で審議した物件が売却されたときは結果報告がされている。
当然、森友についても6/20以降に審議会をやれば報告せざるを得ない。報告をすれば、異常売却がバレてしまうので、とりあえず小學院が開校するまでは報告をしないために、審議会自体を開かなかった疑いもある。

そしてもちろん、124回から126回までの議事録に、森友についての審議も報告もひとこともない。

だから、審議会の委員の人たちは、この問題が世に出た時に、まずは値引き云々よりも、「えっ この間賃貸すると決めたばかりなのに、いつの間に売却してたんだ???」と驚いたはずだ。

佐川理財局長は、この大きな方針変更そのものを諮っていないということ、そして、売却した結果報告もしていないこと、を意図的に隠し、あたかも10年以内ならいつでも売却する予定だったかのような言い方をしている。

これは 誰かさんの大好きな「印象操作!」ではないのか。いや、意図的に大事な部分を隠しているというのは、虚偽答弁といってもいいだろう。

民進党も、もうちょっとしっかり突っ込んでもらわないと困る。
なんとなく、世論に乗っかって厳しめの質問をしているふりをしている くらいでは困るのだ。

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郊外楽園プロジェクトの六甲菜園
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おすすめの本
こんな時代だから、お薦めしたい本。アフィリエイトではありません。

自伝的戦後史(羽仁五郎) jidentekisengosi.jpg

おすすめの本 2
日本はなぜ「基地」と「原発」を止められないのか

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おすすめの本 3
日本はなぜ「戦争ができる国」になったのか
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おすすめの本 4
世界超恐慌の正体

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おすすめの本 5
そして、日本の富は略奪される

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おすすめの本 6
コンクリートが危ない

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おすすめの本 7
家を建てる。家づくりはたたかいだ

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