2008-07-31(Thu)

何はなくとも「くいもん」だ

新聞各紙は、WTO決裂! と大変なことがおきたように書き立ている。

読売は、こんな調子だ。

WTO交渉決裂 農政改革の緩みは許されぬ 
2008.7.31 読売社説

農産品の緊急輸入制限措置の発動要件を巡り、緩和を求めるインドと中国を米国が説得できず、行き詰まった。経済成長が著しいインドと中国の発言力増大と、交渉を主導する米欧の弱体化を示すものだ。
この中で、存在感を示せなかったのが、農業分野の市場開放に抵抗した日本だ。

交渉決裂で、その危機を回避できたと安堵(あんど)する声もある。だが、ひとまず猶予が与えられたに過ぎないと考えるべきだろう。
日本の農業に対する市場開放圧力は今後も止まらない。農業の生産性を向上させ、競争力をつける構造改革が急務だ。


要するに、アメリカの提案に、インドと中国が反対し、日本がちゃんとアメリカの側につかなかったせいで決裂した、と読売は言う。
そして、早いこと日本の農業を自由化しろと。

しかし、農業の側から見ると、こうなる。
詳しい数字が出ているので、少し長めに引用する。

重要品目4%/輸入急増し大打撃 
2008.7.26 日本農業新聞

日本の農業界を激震が襲った。
欧州連合(EU)が、関税の大幅削減の対象から除外できる重要品目の数で「全品目の原則4%」を提案。
重要品目にできなければ関税を約70%削減しなければならない。一方、重要品目になっても米のミニマムアクセス(最低輸入機会=MA)のような低関税輸入枠の大幅な拡大が待ち受ける。このまま合意するようなことになれば、日本農業が壊滅的な打撃を受けるのは必至だ。

「衝撃的な数字だ」。自民党農林幹部の一人は、閣僚会合の現状に言葉を詰まらせた。
農産物を、例えば米をもみや玄米、精米などのように細かく分類した場合の日本の品目数は全部で1332品目。「4%」なら53品目しか重要品目にできない。日本が求めてきた「10%(133品目)以上」と大きくかけ離れている。

重要品目以外の品目で関税が75%超の品目に、約70%の関税削減を求めている。関税75%超は日本では134品目。これを基に試算すると、このうち81品目は一般品目として約70%の関税削減が必要だ。

関税を約70%削減するとどうなるのだろうか。米では、MA以外の輸入に課している現行1キロ341円の関税が102円に低下。
玄米換算で60キロ9000円程度になる。国産米の価格を下回り、価格だけ見るとMA以外でも輸入が可能になる。ほかの品目で試算しても、小麦、バターなどの乳製品、砂糖、コーンスターチ用トウモロコシを含むでんぷん、雑豆、こんにゃく・・・・・・と、高関税品目は軒並み同様の事態に陥る。

(MAとは、ウルグアイラウンドで決められた輸入義務枠のコメのこと。)

と、なんとも凄まじい内容が決まりかけていたのである。
ただでさえ絶滅危惧種になりかけている日本の農業が、絶望的にダメージを受け、食糧自給率がますます下がっていくようなことが、WTOで決まりかけていた。

だから、若林や甘利たちは、インドと中国に責任を押しつけて、うまいこと決裂できたので、ほっとしているはずだ。

それにしても、この条件を飲んで帰ったら、自民党がボロボロになることは、アメリカだって先刻承知のはずだ。
にもかかわらず、押しつけたと言うことは、やはり自民党使い捨ての方針ははっきりしている。

今回の決裂は、アメリカにしても予想外だったに違いない。
中国を手なずけたつもりが、むしろ中国のイニシアティブで話が決まってしまった。
主役が入れ替わったということだ。

そのイラダチは、全部日本に降りかかってくるだろう。
身を捨てて親分のお役に立たなかった若林や甘利も、無傷ではいられまい。


さてしかし、政治がどう転んでも、生きていくためには食料と水。
二酸化炭素などどうでもいいから、食料と水をなんとかしなくては。

都会に住んでいる「弱さ」を、こういうときはつくづく実感する。
かと言って、職業としての農業は、こうした政治圧力でますますシンドクなっていくし。

やはり、建築家を続けつつ、沢の水があって、自家用の畑のある田舎で暮らす、というのが理想的だなあ。
て、そんなに世の中甘くないか・・・


2008-07-30(Wed)

6カ国外相会談から内閣改造の流れを見る

23日に初めておこなわれた、6カ国外相会談についての、読売と産経の社説を読み比べると、福田首相の頭の中が透けて見えるような気がする。

6か国外相会合 核も拉致も進展しなかった 
7月25日 読売社説

米国は先々週、北京での6か国協議で、北朝鮮の核申告内容を検証する手続き細目を記した草案を配布ずみだ。だが、外相会合で、北朝鮮は回答を示さなかった。

北朝鮮が6月の日朝協議で拉致問題の再調査を約束してから、既に1か月半近くが過ぎている。この間、再調査の開始どころか、再調査の内容や方法を詰めるための日朝協議の開催にさえ応じていない。極めて不誠実な対応だ。

今回の外相会合でも、ライス米国務長官らが拉致問題の早期解決を北朝鮮に求めた。米国や中国などの側面支援を引き続き得ることが、日本の目指す「核、拉致などの包括的解決」の道でもある。


と、従来からのアメリカ頼りの姿勢は、ほとんど変わっていない。
一方、産経はというと、

原則つらぬくしかない日本 同床異夢の6カ国協議 
2008.7.23  産経ニュース

ただ各国は、拉致問題に進展がないことを理由にエネルギー支援に加わろうとしない日本に、この日は表立った批判は控えたものの、いらだちもくすぶらせている。

高村氏が、6月の日朝実務者協議で約束した拉致問題の再調査を北朝鮮が実行していないと指摘すると、ライス国務長官はこう再確認してきた。
 ライス氏「日朝で全く何も起こっていないのか?」
 高村氏「何も起こってはいない」
 ライス氏「分かった。米国からも、北朝鮮にしっかりとメッセージを送る」
 日本が米国の協力を取り付けた形だが、拉致問題の現状を米側が必ずしも把握していないことを示すエピソードでもある。

福田康夫首相は9日の胡錦濤・中国国家主席との会談で、「北朝鮮の核放棄に成功した場合でも、拉致問題が解決しなければ国交正常化はない」と初めて明言した。ここにきて「首相は拉致問題に対する姿勢を微妙に修正し始めた」(外務省幹部)とされる。


などと、日本を置き去りにするアメリカへの恨み辛みが滲み出し、アメリカと一線を画したかに見える福田の発言を持ち上げている。

このへんに、フクダ君が内閣改造をするともしないとも言うつもりはないなどと言う原因があるのではないか。

もっとも、するもしないも言うつもりはない、という無責任発言は前首相以来、日本の首相の伝統のなった感もあるが。。。

それはともかく、以前の記事で指摘した、親米派と反米派の内ゲバが、現在フクダ君の頭上で繰り広げられている、ということだ。

フクダ君にしてみれば、アメリカ様の言うとおりに滅茶苦茶をやった小泉の後始末で、ボロボロになっているのだから、その流れで行きたいとは思わないだろう。
まして、その張本人の小泉ごときに、あれこれ口出しされて、心中穏やかなはずはない。

たぶん、そこまで読んで、小泉に「早めの解散」を言わせている。
逆に言えば、ご主人様=アメリカの意図は、当然「解散するな」だ。

どんなにボロボロでも、解散さえしなければ、再議決を繰り返してアメリカ様がお望みの法案はどんどん通っていくのだから。
万が一、解散して政権交代にでもなったら、やりにくくてかなわないだろう。CIAお得意の、クーデターってことになるかもしれない。

とはいえ、支持率最低で強行採決と再議決ばかり繰り返す状態で、反米派はもちろん、次回の当選が危うい自民党議員の猛烈な反発を一手に引き受けなくてはならないフクダ君は、たまったもんじゃない。生きた心地がしないだろう。
実際、命だって危ないかもしれない。

そうなったら、いっそのこと、反米の世論に乗って、「反米愛国内閣」みたいなものを作って、一気に人気挽回と行きたいところだけれども、親父の代から政治を見ているフクダ君は、アメリカ様の怖さも熟知している。

どっちに転んでも、命はない かもしれないというのが、今のフクダ君の運命だ。

だから、おそらくアメリカ様との妥協点を探って、人事案をホワイトハウスと折衝中なのではないか。
反米のカッコをつけつつ、その実アメリカ様も渋々承認するような内閣人事を作りたいけれども、もちろん、そんなものそう簡単にできるわけがない。

しかしどうやら、流れは、内閣改造する方向には動きだしたようだ。
なにより、自分のお家の事情しか眼中にない公明党からの最後通牒がきいたのだろう。

解散政局へ与党突入 首相、8月初旬改造へ調整
2008.7.30 朝日

さて、どんな顔ぶれが出てくるか。
だれが大臣になろうが、私たちに生活には何のメリットもないけれども、大きな流れとしては、結構大きな意味がある。

注目しておきたい。


2008-07-29(Tue)

犯罪は減っているって知ってますか?

ニュースを見ると、まるで日本は犯罪大国になったかのような、訳のわからない殺人事件や傷害事件が、連日報道されている。
しかし、これが、完全なマスコミの情報操作であることに、どれほどの人が気が付いているだろうか。

誰よりもそれを知っているのは、警察自身だ。

この4年間ほどは、一本調子で犯罪件数は減っており、検挙率は上がっている。

hanzaisuii.jpg(クリックで拡大)

殺人事件も、その被害者数も減っている。

higaisha.jpg

増えているのは、暴行犯と詐欺だけと言える。
ちなみに、暴行罪とは、暴行したけれども相手が怪我しなかった場合をいうらしい。怪我をしたら傷害罪になるので、このグラフでも別項目になっており、件数は減少している。

gaitouhanzai.jpg

つまり、ちょっとしたケンカとかこづいたとか、そういう類のものに思える。
逮捕されるほどのものかどうか、微妙なことも多いだろう。

詐欺は、少なくとも直接に相手を刺したり殺したりはしない。

にもかかわらず、いたずらに不安感をあおりたてる報道が続くのは、なぜだろうか。
まるで、そのへんにナイフをもって目をランランとさせたヤツがウロウロしているかのような、そんな気になっている人も多いのでは?

実際は、イライラしてどついたりケンカになったりすることは多いけれども、怪我をしたり、まして殺されたりする事件は減っているとは、日本中の(警察当局以外の)だれもが思っていないだろう。

この暴行犯の増加だって、従来ならば犯罪とまではいわなかったようなことや、まして逮捕なんてしなかったようなことでも、バシバシ取り締まるようになったから増えている、というのが実体ではないかと私は思っている。

だから、おきていることは、凶悪犯の多発ではなく、警察の(過剰な)厳しい取り締まりなのである。
これは、先日とりあげた、ネット上での発言で逮捕する、なんていうことももちろん含んでいる。

つまり、警察が、法律や人権を踏み越えて、過剰な権限を行使するために、意図的に偏った報道を流している。
従来からあった犯罪で、最近は減ってきているものを、あえて大事件としてニュースにすることで、それが世の中の全部であるかのように見せかけている。

そして、ここまで警察の権限を拡大して不当なまでの取り締まり体制を作っているということは、何かを予期しているということだ。
それは、必ずしも国際テロなどではない。
羊のような日本人でも、さすがに堪忍袋の緒が切れるようなことが、近い将来おきる。
そのときのために、警察は情報操作をしてまで、権限の拡大をはかっている。

さて、その堪忍袋の緒をぶち切る事態とは何なのか?

預金封鎖・財産税という可能性もある
イラクやアフガンへの大量派遣・戦死者ぞくぞく ということもあり得るし
それから ・・・・


2008-07-26(Sat)

金もないのになぜ預金封鎖を心配するのか

先日から、相続税やら預金封鎖やら、金持ちが怯えるようなことばかり書いている。
もちろん、相続税をいくら上げてもらおうが、今すぐ預金封鎖と財産税を実施されようが、私個人としてはさほどの被害はない。

副島隆彦氏によれば、戦後の昭和21年に実施された預金封鎖・財産税は、今のお金で10億円以上の資産家を主な対象にしたものだったという。
だから、最高金額を納税したのは天皇家だったらしい。

そんな話を聞くと、ますます縁のない話、というか、どうぞやっとくれ と言いたくもなる。

■■
しかし、昭和21年と現在とでは、決定的に違う要因がいくつかある。
アメリカ主導で決められているのは今も当時も同じだけれども、そのアメリカの意志が違う。

狙いは反共の砦だったにせよ、少なくとも「日本を復興させる」という明確な目標があった。
ただでさえかろうじて生きているという日本の庶民に、経済的にとどめを刺してしまっては、復興はできない。
だから、金持ちから取るしかなかった。

しかも、当時は日本でも革命が起きるかもしれない、というリアリティがあったはずだ。
そんなときに、庶民から広く薄く奪い取るようなことはできなかった。
逆に、大金持ちから奪うことで、人気取りにすらなったのではないかと想像する。

もっと現実的には、庶民には金が無さ過ぎて、奪うに奪えなかった、という事情もあろう。
金は、大金持ちに一極集中していたのである。

■■
ひるがえって、今はどうか。
アメリカに「日本を繁栄させよう」という意志があるだろうか?
無い。
日本はすでに用済み。卵を産み終わったニワトリのようなもので、あとはツブして食べてしまうだけだ。

だから、労働力であり、かつ、購買力でもある庶民の経済力を温存することに、なんの配慮もないはずだ。

豊臣秀吉ですら、「百姓は生かさぬよう殺さぬよう」と言った。
これは、まさに支配者にとっての至言で、その社会を支配し続けて行こうと思うならば、庶民を殺してしまっては、元も子もないのである。
かつての自民党政治というのも、こうした面があったように思う。
悪政ではあるけれども、日本を殺してしまっては、自分たちも生きられないということはわかっていた。

ところが、今のアメリカ主導の政治は、そんなことお構いなしだ。
絞るだけ搾り取って、結果死んでしまっても「自己責任」。
コイズミ・竹中から、日本の政治は「生かさぬよう殺さぬよう」ではなく、「死ぬまで絞る」に変わってしまったのである。

■■
そんな無茶苦茶なことを平気でするのは、「革命」なんて夢のまた夢、文句一つ言わないでハゲタカについばまれていく、自虐的な日本人だからだ。
たぶん、世界中で、ここまで自虐的に進んでエサになるのは、日本人くらいしかいないだろう。
これほどに、アメリカにマインドコントロールされた国民だから、用済みになればエサにして終わり、という安易な処理をされてしまう。

こんな例もある。
いわゆる拉致被害者を救う会。アメリカに見捨てられるやいなや佐藤前会長が辞任。名誉会長も固辞したらしい。
彼の現代コリアというサイトを見ても、制裁解除に抗議するようなものはなく、

テロ支援国家指定解除する今のブッシュ政権を見ていると、安倍政権前のわが国政府の北朝鮮政策よりも酷い。だが、そういうアメリカに日本の拉致解決や安全保障問題が左右されていく、どうしようもない現実がある。

と、どうやら諦めの境地だ。

■■
さて、昭和21年と決定的に違うもうひとつのことは、庶民もある程度のお金を持っているということだ。
なにせ、消費税というものがあり、さらに引き上げが検討されているくらいで、広く浅く収奪するということが可能な程度には、日本の社会はお金が分散している。

大金持ちをのぞいた平均貯蓄は、だいたい500万くらいだそうだから、これだけでもたぶん200兆円くらいになるだろう。
680兆あまりある国債残高の3割にのぼる。

前出の副島氏によれば、昭和21年当時は、ほとんどの庶民は所得税を払う水準ではなかったそうだから、これはやはり全然違う。
当時のように、大金持ちだけから集中的に収奪する、ということにはならない、と見た方がいいだろう。

長年働いてやっと手にした退職金や、親の代からの家屋敷や株券など、ちょっとした財産が狙われる。
若い夫婦が、家の頭金にと苦労してためた100万や200万の貯蓄も、ごっそり持って行かれる可能性がある。

■■
最後に、決定的に違うのは、アメリカが破産寸前だということ。
なりふり構わず、戦争と収奪で生き残りをかけている。

今、最大の危機である、ドルと米国債暴落については、この記事がわかりやすい。

米国債クライシス 住宅公社危機の飛び火懸念
FujiSankei Business i. 2008/7/23

ドルという飛銭と世界危機 
2008.7.26 産経ニュース

ドルとアメリカの国債を買い支えているのは、日本と中国だ。
中国は、アメリカの言うなりにはならない。
自分の国民がたとえ餓死しても、忠実にドルと米国債を買い続けるのは日本しかない。
その資金を確保するには、日本の財政を立て直さなくてはならない。
そのためには、預金封鎖・財産税。

こんな、あり得ないストーリーが、現実味を帯びてくるのである。



2008-07-25(Fri)

納税者番号という妖怪

こう暑いと、ちょっとくらいお化けでも出て涼しくなってくれないかと、不穏なことも考えたりしがちだが、いくら怖い話でも、こんなのは御免こうむりたい。

納税者番号制度とは、現在、税務当局が行っている各種資料の「住所・氏名」による名寄せ・突合に代え、資料に記載される「納税者番号」を用いることによって作業の効率化を図り、適正・公平な課税を実現しようとするものである。

①どのような番号を納税者番号として税務面で活用するか、②所得捕捉を高める観点から、どのような経済取引について、その内容等を記載した資料の税務当局への提出を求めるかが最も重要な論点となる。

現在、具体的な活用が期待できるものとして、「住民票コード」と「基礎年金番号」がある。また、最近では、「社会保障番号」13についての議論も行われている。

政府税制調査会 平成19年11月答申 34ページ~)

これに対し、特別委員の井戸兵庫県知事はこんな意見を出していた

住民基本台帳制度がベースにあれば、二重付番とかは絶対にあり得ないんです。
ですから、納税者番号制度は同じ番号を使うかどうかはともかくして、必ず住民基本台帳番号制度をベースにした番号制度にしていかないと、(中略)
ただ、今の個人情報保護の関係が「ワッ」となっていたときにこの議論がされたものですから、がんじがらめに法律がなっていまして、なかなか利用がしにくい形になっていますが、法律などは実情に応じてどんどん変えればいいわけですから、(後略)

税制調査会企画会合 平成19年11月9日)

これは、どういうことかというと、銀行口座に住基ネットのコードが必要になる、と理解して間違いないだろう。
もちろん、銀行だけでなく、民間の金融機関全部だ。

現在の住基ネットでは、民間利用を禁止しているので、口座開設に住民票コードを書かせようとした財務省のもくろみは、実現しなかった。政府は、自分で決めておいて、自分で禁止するという失態を演じた。

金融機関が住民票コード「通知票」で本人確認?

その巻き返しを年金問題ではかろうとしたのだが、事務的な破綻があまりにもひどく、年金番号でお金の流れを全部つかもうとした狙いも頓挫した。

で、結局、住基ネットの「法律なんてどんどん変えて」、民間の金融機関の口座も、住民票コードで統一管理するようにしよう、というのが、この発言の意味だろう。

この井戸知事の発言に対し、反論はまったく出ていないので、こちらの方向に進んでいくのは時間の問題だろう。


さて、「政府が国民の財産を、完全に統一的に把握する」ということが、どういう意味を持つのか。

預金封鎖

このキーワードには、あえて何のリンクも付けない。
たくさんの解説書が出ているので、読んでみることをお勧めする。


こうしてみてくると、あの事件が思い出される。

大阪高裁判事自殺か 住基ネットに違憲判断

この判決が、その後の住基ネットの扱いに与えた影響は絶大だろう。
それだけに、竹中判事の変死には闇を感じる。

彼の同僚はこんなことを書いている。

竹中省吾さんのこと

人の生き血をすって生きながらえてきた住基ネットというお化けは、「納税者番号」という妖怪に姿を変えて、ツメに灯をともしてためてきた蓄えをかすめ取ろうとしている。

例年よりも2ヶ月も早く始まった税制調査会で、相続税とともにこの「納税者番号」が進行していくことは、間違いないだろう。

よくよく注意しなくては・・
マスコミは、意図的に報道しないだろうから。




2008-07-24(Thu)

やはり相続税から攻めてきた

以前のエントリーで、今よりも少額の相続でも税金を取られるようになるよ、と警告した。

小金持ちの方はご用心 相続税のゆくえ 

あれから、一月で、やはり政府税調は、こんなことを言いだした。

受取額もとに相続税算定 政府税調、50年ぶり改正へ 
2008.7.23 朝日新聞

亡くなった人の遺産総額をもとに課税額を決める現行方式から、遺産を受け取った相続人の受取額をもとに個人単位で課税額を決める「遺産取得課税」方式に改める。相続税の「公平性」を高める狙いがある。

現在の相続税は、同じ額を相続しても支払う税金が異なることがある。遺産総額4千万円のうち2千万円を相続した人は総額が基礎控除額より低いため無税だが、基礎控除額を超える遺産総額1億円のうち2千万円を相続した人は、課税される場合がある。

政府税調は相続税の課税最低限の引き下げなど課税強化も議論する。相続税はバブル期の地価高騰などを背景に課税最低限を引き上げた。その結果、かつては死亡者の10%程度に課税されていたが、地価が下落した現在は4%程度しか課税されていない。


ミソは、最後の10%と4%だ。
はっきりとは書いていないが、4%にしかかかっていないものを、10%に戻したいのが本音だ、ということはすぐにわかる。
つまり、ちょっとした家屋敷や古い株券を持っているような人ならば、どんどん相続税を課税される。
(そのための「ほふり」でしょ)

さらに、怪しい空気を醸し出しているのは、朝日以外はこのことを報道していない(らしい)ことだ。
googleニュースでもこれだけ、yahooニュースなどは全く出てこない。

前のエントリーでも言ったように、これを「金持ちの話だから、いい気味だ」なんて言ってると、返す刀で消費税をやられること間違いなし。


もっと言うと、世の中を無理矢理に悪くしようとするときに、必ずスケープゴートにされるのは「小金持ち」だ。
大金持ちが一般庶民を操るための、エサとして持ち出すのが「小金持ち」バッシング。

コイズミ時代いらい、盛んに行われている公務員たたきも、その一種とも言える。

公務員にしても、少しばかり遺産を持っている人にしても、普段の暮らし向きは一般庶民と変わりはない。
それを、分裂・対立させて争わせ、大金持ちは一人で大笑い、という構図は、ちょっと冷めた目で見たら、だれでもわかりそうなものだ。

いまは、その大金持ちの実体は、ほとんど外資になっている。
だから、なおさら全く情け容赦なくむしり取られる。

その恐ろしさを感じながら、この相続税のニュースを見ておきたい。


※本家本元 税制調査会の資料の最後には、こう書いてある

これまでの改正により大幅に緩和されてきた相続税の負担水準をこのまま放置することは適当ではなく、相続財産に適切な負担を求め、相続税の有する資産再分配機能等の回復を図ることが重要である。

新聞よりも正直だ。



2008-07-19(Sat)

長銀の元頭取無罪と消えた8兆円

長銀の破綻と国有化については、詳細はここでは省略。
いたって簡単にふり返ってみると、

とにかく、無茶苦茶な貸し出しをして、大量の貸し倒れを抱えて、1998年破綻した。
でも、長銀を倒産させるわけにいかない と考えた小渕内閣が、7兆円以上の税金を資本金として投入し、実質的に国有とした。

これを、外資のリップルウッドにわずか10億円で売却し、その際に、3600億円の追い銭(優先株)と、引き継いだ貸し出し先への保証までつけてやった。
つまり、貸し倒れになったら、損した分を補填します、という、実に豪勢な、ありえないほどのオマケをつけた。

なんやかんやで、公的資金(もとは税金)を8兆円ほと使い込み、そのほとんどが消えてしまった。
ここで、「ほとんど」というのは、いくら損害で消えたのか、10年たった未だに発表されていないからだ。
今回の無罪判決に関連した報道でも、明確な数字は出てこない。

8兆円と言えば、国家予算の約1割だ。
いったいどこにこんな金があったのかと思うけれども、とにかく、闇に消えてしまった。

何のために、こんなトンでもない大金を使ったのか。
「金融システム」を守るんだとか言われていたけれども、では、リップルウッドに熨斗をつけて贈呈した結果どうなったか。

貸出先の半分が貸し剥がしにあい、数百社が倒産しているという。
これが、健全な金融システムを守った結果なのだろうか。

貸し剥がしをして倒産させ、貸し倒れは日本政府が保証し、結果、極めて財務の健全な中規模銀行に「新生」し、上場した。
結果、10億円が時価1兆円に跳ね上がった。
リップルちゃんは、笑いが止まらない。


この一連の事態に、だ~~~~れも責任を取らない。問われない。

頭取を逮捕したのはたしかに国策捜査だったかもしれないが、それすらも無罪にして、8兆円の税金を、数百社の倒産と1兆円の外資のもうけに変換したことの責任は、まったく・完全に・誰も・知らぬ存ぜぬで幕引きされてしまった。

8兆円の泥棒が許されるなら、世の中のどんな泥棒だって許されてしまうんじゃないの??


因みに、後に「りそな」の国有化を強行する竹中平蔵が、この小渕内閣のときから経済戦略会議の委員として、政治に口を出し始めたということは、覚えていて損はないような気がする。


それと、もうひとつ。
悪夢の2005.9.11選挙で落選した後、覚醒剤で逮捕された小林憲司元議員は、現役時代さかんに新生銀行の問題で追及をしていた、ということも、ちょっと頭に入れておきたい。

彼の場合、植草氏のえん罪とはちがい、実際にやっていたと認めているけれども、2004年に新生銀行の上場を追及し、2005年に落選し逮捕されている。
クスリの噂はずいぶん前からあったようだから、この時期に逮捕されたのは、やはり何らかの意図を感じる。


さらにもうひとつ
1999年10月15日 週刊ポスト
長銀「 われらが血税5兆円」を食うユダヤ資本人脈ついに掴んだ!

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(右下の四角に注意)

2007年 11月 20日 ロイター
新生銀行は20日、同社のクリストファー・フラワーズ取締役の関与するファンドが株式公開買付(TOB)と第三者割当増資により、発行済み株式の32.6%を保有する筆頭株主になると発表した。

そして、現在の新生銀行のHP
取締役(社外取締役) J. クリストファー フラワーズ

このひとが、一連の仕掛け人か・・・


2008-07-16(Wed)

橋下徹の頭の中は・・・

配下の大阪府職員には、給料下げろ、予算削れと無理難題を押しつけながら、自らは昼間から高級フィットネスでメタボ対策とは、バカ殿もびっくりだ。

橋下が知事になったとき、職員に向かって何と言ったか。

「破産会社の従業員であるとの認識を」

では、破産会社の社長が、社員が脂汗流している昼間から、社用車でホテルの高級フィットネスに行き、タクシーで帰ってくるだろうか?

世の中にあふれている、本当の破産会社の社員や社長や、寸前で持ちこたえている人たちは、どう思うだろうか??

橋下は、職員には破産会社の職員などと言いながら、自分は破産会社の社長であるという自覚なんて全くない。
それもそのはず、会社の社長ならば借金は全部個人で保証させられるが、橋下が大阪府の借金を個人保証するわけがない。

これは実は、橋下が社長にならないのが悪いのではなく、職員を「破産会社の従業員」といいなす詭弁がそもそも間違っているのである。

公務員は、良くも悪しくも破産会社の従業員ではない。
破産してはいけない分野を担うからこそ公務員なのであり、破産しないように支えてもらうからこそ、公僕ともいわれるのである。

ところが、

46歳以上の職員約120人に「公務員のことを『公僕』と言うが、僕はリーダーだと思っている」。
産経 08.06.30

と、橋下は言う。

橋下徹の頭の中がどうなっているのか、整理してみると、

府民と職員 → 「配下」と「リーダー」
職員と知事 → 「破産会社社員」と「破産会社を乗っ取った会社の社長」

と言うことだろう。

まあ、たとえて言えば、長銀を乗っ取った、新生銀行の社長気取りなのかもしれない。

社長の場当たり経営で会長が退任   「新生銀行」の呆れた内実
 
だから、職員が橋下に吹っ掛けられた無理難題を脂汗流して討議している間に、のうのうと高級フィットネスクラブへお出かけした挙げ句、

「反省しているか」と問われると、「(反省は)ない。」 産経08.07.16
と、開き直っていられるのだ。


知事は土日も休みがないとか言っているが、そんなことは、最初からわかっていること。
政治家は、24時間態勢だ。

それが嫌なら、最初から知事になどなるな。
今からでも遅くないから、やめたらいかが?

首相だって、いきなり辞めちゃう国だから、知事がや~めたと言っても、誰も驚かない。
まして、それが2万%の男なら、なおさらだ。


しかし、絶対に橋下は辞めない。
大阪府民の生き血を吸って、「改革」の実績を作り、それを引っさげて国政にうってでる算段と見た。
1年生議員の下積みなどすっ飛ばして、最短での大臣コースを狙っているのではないか。

大阪府民は、橋下が出世して大臣になり、国会中に赤坂の高級フィットネスに通うための、捨て石にされ、命を削られる。

いや、出世欲だけならば、まだましだ。
橋下の場合は、それにファシスト的な権力欲がもれなく付いてくる。
民衆の生き血を吸うのは、橋下にとっては、単なる手段ではなく、目的化している。

橋下徹に投票してしまった、大阪府民の人も、そろそろ目を覚ましてもいい頃じゃないかな。




2008-07-15(Tue)

ガソリン税強行はアメリカ製エタノールのためだった

忘れないうちに、メモ書き。

石油がわかれば世界が読める」瀬川幸一著
P98より

(エタノールの価格目標が)100円というのは、エネルギー以外にも、国産バイオマス燃料の意義を認め、何らかのインセンティブを付加することで、消費者段階では現在のガソリン価格並みにしようとする考え方である。
具体的には、約60円の揮発油税を免除することにより、リッター40円相当のものにしようとする考え方である。


ここでは、国産のセルロース系エタノールのことについて書かれているのだが、しかし、なぜ自民党が何が何でも無理矢理にガソリン税の再可決を強行したのかがわかる。

ブラジルのサトウキビ由来エタノールと違って、アメリカのコーン由来エタノールは非常に効率が悪い。
10のエネルギーを作るのに、19のエネルギーを消費するという。(前出p86)
当然、コストも高くなり、自然破壊も激しくなり、行き詰まることは目に見えている。

でも、作ってしまったエタノールを捨てるわけに行かない。
どうするか。答えは明白。

そう。近い将来、お金のコストもエネルギーコストも高くて競争力のないアメリカのコーン由来エタノーは、日本に強制的に売りつけられる。
そうなったときに、ガソリン税という下駄履き部分を免除しなかったら、だれも高いエタノールなんて買わない。

つまり、数年先にアメリカから押し売りされる高いエタノールの、値引き幅として、ガソリン税は強行されたのである。

自民党がなぜ自滅的に再可決したのか、不思議でしょうがなかったが、これですっきり理解できた。


2008-07-14(Mon)

日韓合作 竹島劇場?

サミットとかいうインターナショナルモンキーシアターが終わったと思ったら、今度は竹島劇場が始まった。

日本がアメリカのポチならば、韓国はタマとして生きることを強制されてきた。
ポチほど従順ではないけれども、配下に置かれているという点では、何も変わらない。

ところが、そのポチとタマが、飼い主に捨てられようとしている。

もっとも、捨てられようとしているのは、北朝鮮の一部軍閥も同じだ。
軍事的緊張を唯一のよりどころにして、特権を確保してきた軍関係者にしてみれば、将軍サマ一族だけが抜け駆けをしたようなもので、自分たちは賞味期限切れなのは重々自覚しているだろう。

こんな情勢の下でおきたのが、金剛山での射殺事件だ。
韓国からの挑発であったのか、北朝鮮軍部の意図的な暴発であったのか、双方の阿吽の掛け合いであったのか、あるいは双方で仕組まれたものであったのか、いずれであったとしても、南北の緊張を高めて自らの利権を守るために、一人の女性を犠牲にしたことは間違いない。

そこで焦ったのが、日本の国粋右翼だ。

自分たちだけが置き去りにされているという焦燥感から、思いついたのが竹島(独島)問題。
中国と問題を起こすと、アメリカにキツイお灸を据えられるので、韓国相手に花火を上げることにしたようだ。
これも、場合によったら日韓合作の可能性も否定できない。

韓国の国民が、狂牛肉でも諾々と食するような日本人と合作しようとは思っていないだろうが、李明博と福田が国際猿芝居の楽屋で、どんな密談をしたかはわからない。

あるいは、福田の知らないところで、金に汚い文科相の海渡が丸め込まれたのかもしれない。
なにせ、海渡はこう言い放っている。

福田首相は9日、北海道洞爺湖サミット会場で韓国の李明博大統領と意見交換し、李大統領から「憂慮している」と伝えられた。
渡海文科相は「(意見交換の)詳しい内容は知らない」と述べた。

毎日2008.7.11

しばらくは、こうした紛争を擬装して権益を守ろうとする連中と、米中分割支配を目指すアメリカの意向を受けた勢力との、内ゲバが繰り広げられる。

おもしろがって見ている余裕はない。
このわずかに残された時間で、時代が大転換していること、ボヤボヤしていると21世紀の2.26事件や血盟団事件を許してしまうこと。
最悪の事態は、かつてナチスが行った、国会放火-非常事態宣言という事態もありうること。
この緊迫した情勢を、理解し、伝えて行かなくてはならない。

膝が震える。そんなところまで来てしまった。


2008-07-11(Fri)

ネット書き込みでの逮捕は、ダイモンダイ!

無差別殺人予告:ネット掲示板に書き込みの男逮捕 警視庁
2008.7.11 毎日新聞

 他人の無線LANに無断で接続しインターネットの掲示板に無差別殺人をほのめかす書き込みをしたとして、警視庁浅草署は11日、住所不定、無職、小林宏有容疑者を偽計業務妨害容疑で逮捕したと発表した。「秋葉原の事件直後で、掲示板を見ている人たちを驚かせようと思った」と容疑を認めているという。

 調べでは、小林容疑者は6月中旬ごろ、埼玉県川口市の路上で携帯ゲーム機で他人の無線LANに接続。掲示板に「今月中に浅草で無差別に殺す」などと数回書き込み警察の業務を妨害した疑い。川口市にかつて実家があったという。掲示板の閲覧者から三重県警に110番があり、連絡を受けた警視庁が捜査していた。


まず、逮捕理由になった「偽計業務妨害」である。

このワードでニュース検索すると、でるわでるは、毎日のようにこの偽計業務妨害で逮捕されたニュースが報じられている。
ちょっと書き出してみると、

マンション管理会社に嫌がらせ電話850回
日刊スポーツ - 2008年7月7日

ネット掲示板「2ちゃんねる」に男が殺人予告 美咲署が逮捕
岡山日日新聞 - 2008年7月7日

ネット掲示板に声優・水樹奈々さんのライブで「皆殺し」にすると書き込んだ男を逮捕
FNN - 2008年7月4日

偽計業務妨害:虚偽の110番通報、容疑の少年逮捕--印西署 /千葉
毎日新聞 - 2008年7月3日

ネット掲示板に「殺害予告」を書き込んだ疑いで少年逮捕 /愛知
毎日新聞 - 2008年7月1日

ネット殺人予告で滝根の男を逮捕/福島署
福島放送 - 2008年6月29日

針混入:スーパーの食品に 女を現行犯逮捕 大阪府警
毎日新聞 - 2008年6月29日

通り魔予告:ネット書き込みで容疑の男逮捕--新潟中央署 /新潟
毎日新聞 - 2008年6月27日

「表参道が血の海」書き込んだ男逮捕 東京
MSN産経ニュース - 2008年6月27日

G8警戒中「京都駅で大変なこと起きる」 府警、容疑で電話男逮捕
京都新聞 - 2008年6月27日

「殺傷」書き込みで和光市職員を逮捕 偽計業務妨害の疑い
日本経済新聞 - 2008年6月25日

事件・事故:桑名・コンビニで購入のパンに針混入 /三重
毎日新聞 - 2008年6月25日

学習塾に無言電話3000回 容疑の男逮捕不採用の嫌がらせで
東京新聞 - 2008年6月25日


報道されているだけで、17日間に14件もの逮捕があったことになる。
内容は、①嫌がらせ電話 ②食品への針混入 ③警察へのウソ電話 ④ネットへの殺人書き込み に分類される。

嫌がらせ電話は、現実に被害者がいるので、あるていど犯罪性は理解できる。まあ、これも主観の入り込む余地は大きいけれども。

針混入は、明らかに怪我したり大事になるのが分かっているのだから、これは間違いなく犯罪だろう。


では、ネットの書き込みや警察への電話は、本当に犯罪なのか??
アキバ事件の余韻さめやらぬなかで、雰囲気だけで「犯罪」にされてしまっていることはないだろうか?

たとえば、京都の「事件」というのは、公衆電話から警察署に「京都タワー前で大変なことが起こる。阻止できますか」と電話しただけなのだ。
良いことかどうかは別として、犯罪というほどのことなのだろうか?

しかも、公衆電話からだったのだから、わざわざ逆探知し、その公衆電話に警官が急行し、捜索し、逮捕したのだろう。
これは、恐るべき警察国家だと言えないだろうか。


ネットへの殺人予告も、もちろん良いことであるわけがない。
がしかし、これで逮捕されるのであれば、現状の秩序に反することを言えば、何でも逮捕できる。
実質的に、共謀罪が成立してしまったようなもの。
いや、共謀罪よりも、もっと広い口封じだ。

ちょっと注意しておきたいのは、ネット予告で逮捕された人たちは、殺人予告をしたから逮捕されたのではない。ウソをつくことで警察の業務を妨害したから逮捕されたのだ。
「偽計業務妨害」というのは、「ウソをついて何かの業務を妨害した」という意味で、ネット予告で妨害されたとしているのは、警察の業務だ。

だから、たとえば、千人くらいの集会の呼びかけに、「1万人で国会を包囲しよう」なんて書いたら、間違いなくこの「偽計業務妨害」になってしまう。
これはもう、トンデモないことだけれども、すでにそういう社会に日本はなってしまっている。
アキバ事件で、感情的に目を曇らせているうちに、国家権力は着々と準備を整えている。


こうした、書き込みでの逮捕劇で忘れてはいけないのは、「橋下徹を殺そう」と書いて逮捕された事件だ。

2ちゃんねるに「橋下知事を殺害しよう」 容疑の男逮捕
朝日新聞 - 2008年6月22日

このときは、脅迫で逮捕されている。
対象が特定されているときは、脅迫罪で逮捕するわけだ。

だから、「福田総理を打倒しよう」なんて書こうものなら、これはもう立派な脅迫罪なのだろう。
では、福田内閣とか自公政権なら、「偽計業務妨害」なのか なんて考えてみると、やはり日本の言論弾圧は、中国や北朝鮮もタジタジのレベルに来ているということが実感できる。


最初の記事に戻るけれども、埼玉の路上で他人の無線ランに接続し、三重県で通報があり、東京で警視庁に逮捕されている。
ここから分かるのは、今やあらゆる端末は、完全に特定されているということ。

自分のプロバイダーならば、登録しているから、プロバイダーが警察に情報流せば、バレバレなのは当然だけれども、他人のLAN経由でも個人が特定されると言うことは、普通に考えたら不思議な気がする。 

このへん、詳しい人がいたら解説してほしいけど、私のつたない知識では、LANからネットにつながるときは、LANの中で割りふられたアドレスを使うので、闖入した個人の携帯ゲーム機が特定されるというのが不思議なのだ。(※1)


さらに言えば、三重県警、埼玉県警、警視庁の連携からすると、警察庁レベルでの全国統一的なネット監視体制が敷かれていると見るべきだろう。
別の言い方をすれば、刑事警察ではなく警備警察=公安の分野になっているのではないか。

言論と思想の弾圧を商売とする警備警察、いわゆる公安デカについては、1年前の記事を参考にしてください。

公安は産直野菜までターゲット 


先日も書いたとおり、なにか法律の枠を踏み越えて世の中をヒステリックに変えてしまおうとするときは、まず、誰も反対できない悲惨な事件をネタにする。
こんなヒドイことだったら、何が何でも取り締まって欲しい、逮捕だ、死刑だと、論理も法律も飛び越えた感情的な世論を、マスコミ総動員で作り出す。

そして、それが当たり前になれば、その当たり前が「新論理」である。と、こんどはその「新論理」をあまねく適応しだすのである。
これは、光市事件や拉致事件に始まった話ではない。
権力というものができて依頼、たぶん、もっとも古典的な民衆支配の方程式だろう。

こんな化石のような方程式に、しかし、ずいぶん多くの人が流されているのは、残念至極だ。

左の欄で紹介している羽仁五郎氏の「自伝的戦後史」の中には、こんな話が紹介されている。

『ニュールンベルグ裁判』という映画の中のこと。
ヒトラー時代に、断種法などのユダヤ人差別法を作った法務大臣が言う。
「じつは私はあのアウシュビッツのようなひどいことになるとは思わなかった。」

これに対し、裁判長はこう言った。
最初に一人の人権が侵されたときに、全ての悲劇が始まったのです

そう、この言葉を、今の時代を生きている私たちは、肝に銘じよう。

被害者の人権を守ろう という声は、誰も反対しない。当たり前だと思う。
しかし、加害者の人権を守ろう という声は、罵声にかき消されてほとんど聞き取れない。

けれど、今大事なことは、たとえ犯罪者でも、もちろん犯罪者でない反対者でも、人権はあるんだということ。
ヒステリックな一時の感情でその人権を破り捨てるようなことをすると、それはアウシュビッツの始まりなんだと言うこと。


(※1)
コメント欄で教えてもらったことから推察するに、こういうことだろう。

LANにつながるとIPアドレスをLANのサーバーから割り当てられる。これは、毎回変わるので、個人特定できない。

しかし、その割り当てのときに、パソコン(LANカード)に固有のMACアドレスをLANサーバーに認識されてしまう。
このIPをつかったのは、このMACやで と特定できる。
これは、無線でも有線でもたぶん同じ。

もし、MACアドレスをもつ機器、つまり通信ゲーム機とかLANカードとかLAN内蔵のパソコンとかをユーザー登録していると、個人が特定できる、ということだろう。

なるほど、たいして必要もないのにパソコン機器をユーザー登録させるワケは、営業だけでなくて、こういう理由もあったのか。


2008-07-10(Thu)

「教科書が教えてくれない戦争の真実」

いつも事務所の電位代やらを払い込みに行くコンビニに、今日もイヤイヤながら支払いに行った。
と、レジ前の平置き台を見ると、小さなコミック本が置いてある。
その表紙には、大きな活字で「戦争の真実」と書いてあった。

へえー こんなところにこんな題名とはめずらしいと思い、手に取ってみたけれども、立ち読み防止のテープが貼ってあって、中は見ることができない。
仕方がないから、そのまま購入。

事務所に戻って開いてみると、絵は少女漫画で、中身は戦争をリアルに描いている。
なかなかの力作。

sensounosinjitu.jpg


マスコミでは、戦争になるのではないかという不安感を、できるだけ隠すようにしてきた。
だから、戦争反対なんて日本人は無関心なのではないか、と勘違いしてしまいそうになる。

しかし、こんな漫画がコンビニの一番目立つところに置いてあったり、九条の会がどんどん増えていたり、報道されないところでの反戦の意識の広がりは、そうとうあるのだろうなあと実感する。


2008-07-09(Wed)

拉致問題の異様さを再考する

拉致問題と光市事件という、近年の犯罪報道の中で際だって異常な扱いがなされている二つの事件に共通しているのは、被害者家族が極めて積極的に行動し主張し、それをマスコミが諸手を挙げて狂信的なまでに持ち上げることだ。

いかにそれが本当の悲劇であったとしても、だれも異を唱えることのできない悲劇を「ペーブサート」にして、政治的な芝居を展開するという構図は、私には許容できない。

そんななかで、かつて実家を焼き討ちされた加藤紘一の発言は、勇気ある発言だと思う。

拉致被害者「戻すべきだった」=日朝交渉停滞の原因-自民・加藤氏 
2008/07/07 時事通信

私としては、当時のままの被害者自身の意志に任せるべきだったと思っている。
もちろん「洗脳」されていたかもしれないが、今現在が日本側に「洗脳」されていないとは、誰にも証明できない。
だから、どういう状況だったかは別にして、一人の人間としての意志を尊重すべきだった。

本人が、ようやく帰れた!と思っているのに、いくら国と国の約束だからと言って、北朝鮮に送り返すのは残酷に過ぎる。
しかし、本人がとりあえず一度北朝鮮に戻るという意志をもっていたのならば、当然戻ることを優先すべきだった。
今となっては、永遠にあかされない歴史の闇である。

それにしてもだ。またまた放火されかねないということは承知の上で、上記のような、無形の暴力に流されない発言をしたことは、やはり私は評価したい。

だいたい、死んだという回答に対し、ちゃんと証明せよというのは分かるけれども、ネイチャー誌ですら?な根拠で「生きている」と決めつけて「返せ」と言うのでは、いくら独裁者でもどうにもならないこともあるだろう。

問題は科学にあるのではなく、政府による科学の問題への干渉【Natureの論説】 

まさにこのとおりで、家族が感情的に「生きている」ということと、国が政策として「生きているから返せ」ということは別だ。
金正日にしてみれば、核カードをキープしているのだから、拉致カードはもう切ってもいいや と思ってコイズミに最高の土産を持たせたつもりだったのに、かえってそれが拉致問題に火をつけることになってしまい、目を白黒させていたのではないか。


この金正日の計算違いはどこから生じたのか。
日本での、拉致問題への異様なまでの執着はどこから生じているのか。

一つは、反米右翼の勢力は思った以上に強いということだろう。コイズミポチのように、アメリカ隷属を鮮明にしている連中ばかりではないということ。

安倍晋三が、チビリそうになって総理大臣を投げ出したのも、CIAと国粋右翼のどっちが怖いか考えたら、声も出なくなって逃げ出したのだ。
国粋右翼ファシストの勢力は、表面的に見えているより力を持っていると見て良いだろう。


もうひとつは、北朝鮮のウランだと思う。

うごめきだした対北朝鮮利権獲得 
2008.7.5 産経

米政府の対北朝鮮テロ支援国家指定解除決定を受けて、英国のロンドンではウランを含む対北朝鮮の鉱山利権獲得を目指す投資ファンドが相次いで本格的な活動に入った。

北朝鮮はウランや金、チタンなど鉱物資源が豊富で、米国の穀物・金属商社カーギル、鉱山開発技術を持つエンジニアリング大手のベクテル、さらにゴールドマン・サックス、シティ・グループの金融大手などがウラン濃縮疑惑が表面化するまでは対北朝鮮投資に強い関心を寄せていた。


国粋右翼ファシストにとって、核武装は絶対条件だろう。
核武装しない限り、対米従属か、中国傘下に入るか、絶対中立(非武装)しか道がない。
そのときに、ウランをアメリカ(IAEA)に握られていたのでは、何にもできない。

日本が自前で調達できるウランは、北朝鮮にある。
対北朝鮮のプレゼンスを最大限にデカクして、ウランの権利をせしめよう、というのが、何が何でも拉致問題を言う勢力の狙いではないか。
ブッシュの、「拉致は忘れない」という決まり文句は、「ウランはやらないから、他の物にしろ」という意味に、私には聞こえる。


いずれ近いうちに、CIA+統一協会グループと、反米右翼グループの、抗争が始まる。
それを、いい気味だなんてお気楽に眺めていると、返す刀でぶった切られるかもしれない。

2008-07-03(Thu)

下がり続ける日本株とテロ支援国家解除の関係

下がり続ける日本株と北朝鮮問題

11日間下がり続けている日本の株価の、その初日は6月19日だ。

6月6日は雨ザーザー なら誰でも知っているけれど、6月19日はなんだろう。
そう、あのニュースが世界を駆けめぐった日だ。

北のテロ支援国家指定解除へ 米国務長官 
6月19日産経

ライス米国務長官は18日、ワシントン市内で講演し、北朝鮮が近く核計画の申告書を核問題をめぐる6カ国協議の議長国・中国に提出すると述べるとともに、申告提出を受けて、ブッシュ大統領が米議会に対して、北朝鮮に対するテロ支援国家指定解除と、対敵国通商法の適用除外を通告すると語った。ブッシュ政権高官が指定解除の方針を明言したのは初めて。

ちなみに、ドルもこの日以来、ほぼ一本調子に下げている。
とくに、北朝鮮が申告書を提出し、アメリカがテロ支援国家解除を決定した26日に、どかんと大きく下げている。

では、その間に他の通貨はどうなっていたか。
ちょっとややこしいので、こちらのページのグラフの最後の方を見てもらいたい。

CNY_USD.png
人民元/ドル

CNY_JPY.png
人民元/円

CNY_XEU.png
人民元/ユーロ

人民元は、円に対してもユーロに対しても下げているが、ドルに対して上げ基調を変えていない。
逆に言うと、ドルは、人民元に対してだけは大幅には下がっていない。
(これまでと同じ程度にしか下がっていない。)

ドルから離れたマネーは、当然、外貨準備高世界一の中国にも流れたはずだ。
それを放置すれば、人民元は他の通貨と同じようにドルに対して急上昇したはず。
そうならなかったのは、余分に流れ込んできた資金で、中国はアメリカ国債を買い支えたということだろう。

こんなところからも、北朝鮮のテロ支援国家解除の舞台裏が見える。
一見弱気の政策で売られるドルを、この舞台の共演者である中国がセッセと買い支える。


この「同盟関係」が明らかになった日から、日本市場からは歯止めのかからない流出がおきた。
54年ぶりの連続下落という事態は、下げ幅の大小にかかわらず、重大な事態だ。
少なくとも、異常な事態であることは間違いない。

つまり、普通のマーケットの常識では、考えられない投資家の行動がおきているということ。
その根拠は、やはり普通じゃないものであるはず。

そう考えると、投資家をして、日本株を売り続けさせている根拠は、アメリカが日本を捨てて「米中同盟」に踏み切ったせいだ、と言う私の仮説も、あながち空論じゃないと思うのだけれども、どうだろうか。



2008-07-01(Tue)

イラン戦争の緊張

今日、7月1日のニュースだけでも、こんなかんじだ

米原油先物が1ドル強上昇、イラン核計画めぐる緊張で 
ロイター 

米第5艦隊司令官、「イランのホルムズ海峡封鎖許さず」 
日経

クウェート、イランの原油輸送路遮断に備え準備 
ロイター

もう、はっきり言って、ブッシュの頭の中に金正日なんていない。決着済みの存在に過ぎない。
残っているのは条件交渉であり、何とか次官補にまかせておけばいい。
まして、決して忘れないはずの拉致被害者のことなど、とっくに忘れ去っている。

イスラエルからのスパイ罪で死刑判決 イラン革命裁判所 
CNN 08.6.30

ブッシュ政権、対イラン秘密作戦を強化か 
CNN 08.6.30

アメリカにとって最大の課題は、他の中東諸国の原油をどうやって運び出すか、だろう。
その目処が付いたら、たぶん、ドンパチ始まる。

きっかけは何でもいい。
戦争はいつもそうやって始まる。

こんな意見もある。

彼は共和党の実力者たちの政治資金パイプを受け持つ。
彼はさらに続ける。「経済が争点になると、11月の大統領選ではマケイン不利という情勢はまぎれもない事実だ。でも、一発逆転はできる。本選挙前に米本土への第二次テロリスト攻撃があればね。実際にそれは起こりえるのだよ。もちろん、そんなことは起きてほしくはないがね」と。


この話を実際に聞いて、本に書いているのは、9.11陰謀論を言う論客ではない。
田村秀男という産経新聞の編集員だった人。(「経済で読む『日・米・中』関係」扶桑社新書)
扶桑社の本に書いてあるあたりが、妙にリアリティがあったりする。

あたりまえの話だが、イランにも他の国と同じように、多くの人が暮らし、多くの子どもたちが遊んでいる。

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                           (映画「オフサイドガール」より)

戦争をやるということは、どんなに無理な理屈を並べても、この人々が死ぬ、殺されるということだ。

とかく、経済ニュースになりがちなイラン情勢だけれど、そのことを肝に銘じて注視したい。


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