2008-08-29(Fri)

伊藤和也さんに関する今後の報道に要注意

4年前にイラクで人質事件があったとき、どれほど非道い報道がなされたか。
そのせいで、高遠さんらの善意が、見も知らぬ「自己責任論」を唱える者たちのドロ靴で踏みにじられたのは、まだ記憶に新しい。

今回の伊藤さんに関する報道では、そこまで非道いものはないのは、まだしもであるが、一つ注意はしておきたい。

なぜ、高遠さんたちは、故無きバッシングに晒されたのか。
答えはただ一つ、「自衛隊の撤退」が問題になったからだ。

今回は、直接には、アフガン・インド洋からの自衛隊撤退は問題にならなかった。
もし、ペシャワール会や遺族の方が、伊勢崎さんの指摘した見解を大々的に述べたりしたら、マスコミは一斉に死者を鞭打つことをだろう。

そして、今向かいつつある方向は、

官房長官会見 
2008.8.28 産経

「こうした非道な行為に対して強い憤りを感じるとともに、伊藤さんの遺志に応えて平和協力国家日本として今後いろんな努力をしていかなければいけない」と述べた。

1年延長法案提出へ インド洋給油 政府『テロとの戦い』重視 
2008.8.28 東京新聞

福田首相は、世界各国がアフガニスタン周辺での「テロとの戦い」を重視している国際情勢を考慮。二〇〇一年以来八年間の実績がある給油活動の継続が、日本にとって最も効果的で安全な国際貢献と判断した。

という具合に、「アフガニスタンは危ないから給油活動だ」と強弁し、伊藤さんの死を利用して、国会で窮地に追い込まれている新テロ法案の延長をゴリ押ししようとしている。

両陛下が伊藤さん両親に弔意 侍従長通じ 
2008.8.28 47news 

こうなってくると、もう伊藤さんを「英霊」扱いしてしまおうという意図まで感じられる。

こうした動きに対し、さすがに

ペシャワール会「方向が違う」=町村官房長官の給油継続発言 
2008.8.28 時事通信

町村信孝官房長官がアフガニスタンで伊藤和也さんが拉致され死亡した事件に関連し、インド洋での自衛隊の給油活動を継続する方針を示したことについて、伊藤さんが所属する「ペシャワール会」(福岡市)の福元満治事務局長は28日、「方向が違うんじゃないか。だから武力がやっぱり必要だというのは浅過ぎる」と批判した。

という発言もあった。

今後、ペシャワール会とご両親に対し、どのような扱いがされていくか。
バッシングはもちろん許し難いけれども、今回はある種の「ほめ殺し」の可能性が高い。
それで、遺族の口を封じて、伊藤さんの死を、戦争継続の口実に使おうという邪悪な意図が滲み出している。

心して見守りたい。




2008-08-28(Thu)

伊藤和也さんを悼む

米軍の侵略と反米勢力の戦いが激しさを増す中で、ペシャワール会の伊藤和也さんが殺害された。

自らの生き様を全うされた伊藤さんに敬意を表するとともに、志半ばで逝かれた無念を思う。

殺害した犯人グループへの怒りとともに、25年も活動を行ってきたペシャワール会ですらこんな目にあう治安の悪化は、なぜ起きたのかを考えざるを得ない。

itoukazuya.jpg(在りし日の伊藤さん)

中村代表は、おそらく強盗の仕業だろうと言っている。そして、

現地の治安情勢について中村医師は、雪が解けた4月以降に悪化し、対日感情もこれまでになく悪くなったと感じていた
2008.8.27 読売) 

昨年の秋から、今年の雪解けまでに何があったか。
なぜ、急に対日感情が悪くなったのか。

思い出してみよう、昨年の秋の日本を。

2007年9月 安倍晋三首相 (対アフガン)テロ特措法を口実にして、突然の辞職

2007年11月  同法の失効により、インド洋の自衛隊が撤収
          新テロ特措法を衆議院で強行可決

2008年1月 参議院が否決した同法を、衆議院が再可決
        自衛隊が再びインド洋へ行き、米軍の「不朽の自由作戦」に参加


伊勢崎賢治さんの「美しい誤解」という言葉を覚えているだろうか。
イラクでもアフガンでも、日本がアメリカの見方をして戦争に荷担していると言うことがあまり知られていなかった。
むしろ、戦争をしない国として「美しい誤解」をしてもっらたおかげで、伊勢崎さんの武装解除の仕事も成し遂げられたし、NGOの活動もなんとか続けていける。

そういう、アフガンやイラクの一般の人々の「誤解」を吹き飛ばしてしまうことの危険を指摘されていた。

安倍の辞任が呼び込むテロの危機 伊勢崎氏講演より 

伊勢崎さんは昨年の9月の時点で、今回の悲劇を予見していた。
狙われるのは、NGOの若者だと言うことまで。


調べてみて、あらためて感じたのは、アフガニスタンについての情報の少なさだ。
いくら検索しても、現地情勢をある程度把握できるようなサイトも報道もほとんどない。
今回の事件があって、はじめて「治安の悪化」が報じられたくらいだ。

これも、来年1月に期限が切れる新テロ特措法を延長するための、下準備なのだろう。
伊藤さんの望まぬ死によって、奇しくもアフガンの緊迫した情勢に注目が集まった。

彼の遺志を継ぐとペシャワール会は宣言した。
私たちは、何を感じ、何を継ぐべきか。

もし、彼の死が「英雄」物語にされ、戦争遂行の道具に使われてしまったら、死して後に犬死にを強いられることになる。
そんな、人間の冒涜は、絶対に許せない。

新テロ特措法を、なんとか延長させようとする自民党はもちろん、こんなヤツもだ。

アフガン支援、空自派遣も=民主・前原氏

犬に食われてしまえ!


※猫に食わせたいのが、もうひとつ

名前:猫が好き♪
タイトル:死は何を意味するか?
ホスト:ip68-101-140-91.sd.sd.cox.net
********************
「貴い犠牲はない」と明月さんは主張していましたね。
伊藤さんの死は、やっぱり無駄で無意味なんですか?

死ぬことがまっぴら御免なら、伊藤さんの意思を継いで
アフガンで活動継続するペシャワール会の人は皆無に
なりますよね。・・・ううん、どう説明したらいいのか悩んで
しまいます。

私は「ネットウヨ」としてレッテルを貼られるのは正直イヤ
です。しかし、伊藤さんの死を「貧しい人々のために命を
捧げた貴い犠牲」とすることはそんなに悪いことなんで
しょうか?


て、読んだらわかるやろ!

「貴い犠牲なんて無い」の記事と、この記事をちゃんと読めば、強制され侵略した「英霊」と、伊藤さんの死が全然違うものだということは、いちいち書くのも嫌なぐらい明らかなことだ。

読みもせんと、あるいは読んだ上でわざと、私の揚げ足をとるために、こともあろうに伊藤さんの死を道具に使い貶めるという、許し難いコメントだ。
晒すために、これは残すけれども、次になんか書いたら、黒ヤギ方式で削除するので悪しからず。


2008-08-27(Wed)

アーバンコーポレーションの倒産に思う

だいぶ前になるが、ある仕事の関係でアーバンコーポレーションの副社長に会ったことがある。

当時、副社長兼大阪支社長だった西村裕司氏はまだ30代。
その30代の若き実業家は、セルシオでもベンツでもなく、なんとリムジンで登場した。
nishimurayuji.jpg
そう、あの胴体がびよよ~んと長いリムジンだ。
傍らには、何屋さんかわからない筆文字風の名刺をもった初老の紳士を伴っていた。

あの時の印象があまりにも強烈なので、倒産のニュースを聞いたときにはびっくりした。
そんな簡単に倒産するようなタマには見えなかったからだ。

今回の倒産劇では、西村氏は報道に登場しない。
その後、ゴルフ場開発の子会社を任され、社長になっていたようだ。


ところが、他のことを調べているウチに、この倒産劇についてとんでもない記事を発見してしまった。

アーバンコーポの倒産で荒稼ぎ ~生き馬の目を抜くハゲタカ外資の裏技~  
2008.8.18 Net-IB

負債総額2,558億円と今年最大級の倒産となった東証1部上場の不動産開発会社、アーバンコーポレイション(広島市、房園博行社長)。外資系金融機関と裏契約を結んでいたことが明らかになり、株式市場で波紋を広げている。
(中略)
BNPは、アーバンの株価がどんどん下がるほど、空売りの売却益が膨れ、アーバンの支払いがゼロになる、という2重のメリットを享受できる。300億円は全額回収、アーバンに支払った92億円を大きく上回る売却益を手にした。一般投資家に、紙きれになるアーバン株を押し付けて、BNPは荒稼ぎしたのである。
アーバンはスワップという裏契約を結んでいたことを破綻するまで公表しなかった。BNPだけがボロ儲けできる仕組みがバレてしまうためだ。BNPは、このスキームをどうやって房園社長に飲ませたのか。自分にメリットがなければ、受け入れるわけがなかろう。ここにも「裏がある」との疑惑がささやかれている。


詳しい話は、記事を読んでもらうとして、こんな掲示板もある。

アーバン 計画倒産 被害者の会 

ここでは、倒産前日(8月12日)に、アーバン株のほとんどが売られていたと書かれている。
因みに、筆頭株主だった社長の房園氏も、7月には銀行の借金の担保という形で、自分の株を処分していた。

今年になってから大量にアーバン株を買ったのは、記事で問題にされているBNPパリバ(仏)と、かの有名なゴールドマンサックス(米)だ。
この保有株を担保にして、莫大な空売りを仕掛けたのだろう。


マンションとかホテルとかゴルフ場とか、大金の動くところには、大ハゲタカが舞い降りる。
こんな世界から逃げ出して、木の家いっぽんに絞って来たのは正解だったなあ。

でも、こうやって日本のカネがじゃんじゃん、湯水のごとく吸い取られていったら、木の家を建てる人なんてどんどん少なくなっていくだろうなあ。




2008-08-26(Tue)

与謝野経財大臣の秘書が痴漢?

与謝野馨経済財政担当相の私設秘書、痴漢容疑で書類送検
2008年8月26日 朝日

四谷署によると、秘書は出勤途中だった今月9日午前8時ごろ、新宿区四谷の東京メトロ丸ノ内線四谷三丁目駅の地上につながる階段で、追い抜きざまに女性の尻を左手で触った疑いがある。秘書は当初、「左手の甲が偶然ぶつかった」などと話したが、当時階段が混雑していなかったことなどから同署は秘書が故意に触ったとみて事情を聴いたところ、容疑を認めた、と同署は説明している。

9日に捕まって、25日に起訴されている。その間、拘留されていたのかどうかは書かれていない。

さて、この9日から25日にの間に、何があったか。

8月6日
「ばらまきダメ」経財相が強調 経済対策、閣僚懇で(日経) 

与謝野馨経済財政担当相は6日の臨時閣議後の閣僚懇談会で、今月前半の取りまとめを目指している経済対策について「ばらまきはよくない」と述べ、財政規律を揺るがすような内容は含まない考えを重ねて強調した。

8月11日
総合経済対策の骨格を発表 財政規律緩む恐れも(産経) 

与謝野馨経済財政担当相は11日、連絡会議後の記者会見で、経済対策の具体化に向けて歳出増も辞さない決意を示した。
あからさまな「ばらまき」の要求が相次ぎ、歳出削減の歯止めが崩れつつある。


8月22日
補正予算編成で合意 赤字国債の発行に含み(47news) 

経財相は経済対策の財源として赤字国債を発行する可能性について「緊急事態への対応と財政規律は二者択一でない。(両立は)ぎりぎりの政治判断だ」と述べ、含みを持たせた。

8月23日
総合経済対策「バラマキはしない」 諮問会議、3原則確認へ(日経) 

政府の経済財政諮問会議は25日の会議で、政府がまとめる総合経済対策について「バラマキはしない」など3つの原則を確認する。
対策を巡っては与党から大型の予算を求める声が強いが、諮問会議は経済構造の改革を重視すべきだと強調する。


8月25日
議論深まらなかった「経済財政諮問会議」 (産経) 

「有効需要創出を主目的とする財政支出や補助金を行わず、選択と集中によって、政策効果を最大限に引き出すべきだ」。総合経済対策の策定で、日本経団連の御手洗冨士夫会長ら民間議員は予算のばらまきを厳に慎むよう求めた。
与謝野担当相が「赤字国債の問題について今日の諮問会議で深い議論をしたということはなかった」と語ったように、会議では、これらの問題には突っ込めなかった。


8月26日
補正と来年度予算を連結 総合経済対策、政府原案判明(朝日) 

08年度補正予算と09年度予算を一体編成する考え方を明記。財政再建路線を維持するため、バラマキにクギを刺している。
各省の要望を積み上げた事業規模は総額約8兆円に上る見通しで、どこまで補正予算で対応するかが焦点だ。
ただ年末までに固まる税収見通しで不足が生じれば、赤字国債の追加発行は避けられないとの見方も強まっている。

yosanokaoru.jpg
この流れの焦点は、二つある

ひとつは、赤字国債を発行するかしないか。
もう一つは、経済対策が誰の財布に落ちるか。

与謝野馨は、典型的な官僚型と見えて、安易な財政支出には慎重だが、それでも足りなくなったらすぐ増税、という考え。
赤字国債には否定的。

それに対し、創価学会に典型的な与党の意向は、赤字国債をばんばん発行して、先のことなんてどうでも良いから票集めの金を出せ。
増税なんて、(心では思っていても)しばらくは口にするな。

御手洗(外資系)経団連会長は、増税せずに、自分らのところだけ金をおとせ。
貧乏人にばらまくな。

この三つどもえの利権争いがヒートアップしていた最中に、与謝野の秘書が痴漢容疑で逮捕されたのである。

そして、案の定、9日から25日にかけて、与謝野の方針は腰砕けになり、赤字国債もやむなしの流れだ。
ミタライ会長の主張を軸に、創価学会のご機嫌取りもちょっとしておこう、という内容になるようだ。

秘書が逮捕される前と後で、赤字国債が×から○へ。
もっと早く決断していれば、ひょっとすると、起訴されずに報道もされなかったのかもしれない。

このことは、覚えておきたい。


※日付の記入間違い直しました。ご指摘ありがとうございました。



2008-08-25(Mon)

 痛みと依存

先日駐車場でずっこけて、あらためて気が付いたのは、普段「痛い」という体験をしていないということ。

何日も疼くような痛みや、思わず唸ってしまうほどの痛みというのは、もうすっかり忘れていた。

そんな痛みをひきずりながら、「国家は僕らをまもらない」を読んでいる。
そこで著者の田村理さんは、日本人に多い「してもらう」主義を批判している。

何を欲しなくても、何をしなくても、誰かに何とかしてもらえる。
こんな傲慢な態度も、この社会では不思議と容易に受け入れられてきた。

こういう「してもらう」主義が、国家や権力への依存になり、隷属につながるというのだ。

たしかにそうかもしれないが、そのまま受け入れてしまうのも、ちょっと抵抗のある筋書きだ。
でも現実は、私の目にもそのように見える。

■■
そんなことを、ずきずきと痛む左手を見ながら考えていると、やはり日本人は痛い目にあっていないのかなあ、という気もしてくる。
もちろん、戦争ではボロボロになったし、原爆も落とされた。
今だって、楽じゃない人はたくさんいるし、ワーキングプアも大問題だ。

けど、それでもなお、疼くような痛みを感じていない。
日本中が滅茶苦茶になるような、一般庶民の生活が軒並み破壊されるような体験というのは、実は第2次大戦以前には、ほとんど経験していない。

鎌倉から江戸の初期に至る戦乱の時代は、戦争は専門職が行っていた。
国民皆兵ではない。
明治維新前後の内戦は、国民皆兵の始まりだったけれども、規模には限定的だった。
日清、日露、第1次大戦は、日本は戦場になっていない。

だから、日本人にとって、第2次大戦というのは、初めての「痛み」だった。
しかし、それもアメリカが投与した鎮痛剤=戦後復興で、どんどん薄らいでいった。
もともと、乗せられた面もあるとは言え、自分から始めた戦争だけに、大げさに痛い痛いと言いにくいということも手伝って、「痛み」は急速に「モルヒネ依存」へと変わっていった。

■■
ひるがえって、ヨーロッパを見れば、これはもうず~と戦乱の歴史だ。
とくに、ナポレオン以降は国民総動員であるから、悲惨を極めただろう。
第1次大戦、第2次大戦ともにまともに戦場になった。

アメリカはと言えば、これはもう、戦争とともにあるようなもので、初期の原住民殺戮、18世紀後半の独立戦争、19世紀半ばの南北戦争で、国中が戦争になっている。
そして、20世紀半ばにはベトナム戦争で60万人近い兵士が泥沼にはまり、6万人近い米兵が戦死した。
(ベトナム人は100万人を超える死者)

そして、いわゆる後進国とか発展途上国とか言われる、旧植民地諸国は、言うまでもない。
上記のベトナムの例に違わず、侵略国の数倍、数十倍の被害を被り、今に至るもその傷は癒えていない。

そんな世界の中で、なんと平和な国だったのだろうか。
やはり、このことが、日本人の気質を形作ってきているのではないだろうか。

■■
ただ、そろそろ「モルヒネ」が切れてきたことは間違いない。
経済発展という鎮痛剤で、戦争の痛みを麻痺させてきたけれども、もうこの薬は効かない。

そのとき、うずき始める傷跡をながめて、私たちは何を考えるのだろう。
多くの人は、痛みをとめて「もらおう」と、国に頼るのだろう。
しかし、それは冷たく突き放される。
そんなことを、何回か繰り返す。

今は、まさにそんな時期の真っ最中だ。
その時期が過ぎて、いよいよ頼るものがない、と気づいたとき、たぶん、三つの方向が生まれるだろう。

一つは、最強のモルヒネ=戦争へと吸い寄せられていく。戦争が問題解決の革命かのような幻想にクラクラとなる。いわゆる「丸山眞男をひっぱたきたい」の類である。

もう一つは、絶望である。あるいは、絶望ゆえの「家族」への逃げ込み。
愛国心を「家族」を守るためと言う理由で、無理矢理納得する類。
逃げ込む先すら無いときは、自殺という最悪の逃避行が待っている。

最後に、少しは希望を持ちたい。日本人は、実はタフだ。したたかだ。
ペリーの黒船がやってきたとき、幕府は泡を食って右往左往し、吉田松陰は命がけでボートをこいで載せてもらおうとして本当に刑死してしまったが、そのとき庶民は何をしていたか。

牛やら銀貨やらをもって、浦賀に行列をつくった。高く買ってもらえるという噂が広がって、全国から押し寄せたという。

日本に限らないのかもしれないが、庶民には権力者とは違うレベルで生き延びていくしたたかさがある。
モルヒネが効かなくなったその先に、こうした強さを発揮できるかどうか。
そのへんに、この国の行く末がかかっているような気がする。


2008-08-25(Mon)

橋下徹の突撃ラッパ

2,3日前の記事だけれど、このニュースの怖さをちゃんと感じた大阪府民の方はどれくらいいるだろうか。

橋下知事、府職員への損賠訴訟支援制度スタート 
2008.8.21 産経

橋下徹知事が「正当な職務を行い、職員個人が訴えられた場合、組織が守る必要がある」として制度を設けた。

大阪府 職務上の行為で訴えられた職員、支援 
2008.8.22 読売

橋下知事は「政治信条や思想で訴訟を起こされる場合もある。組織として守るべきものは守る」と述べた。
「正当な職務を行いながら訴えられるのはおかしい。職員が職務を恐れ、萎縮(いしゅく)しないようバックアップしたい」としている。
対象は教職員や行政職で、橋下知事本人は除外。この日から申し出を受け付け、府警も独自に制度の整備を検討しているという。


府職員への訴訟、弁護士費用の負担など支援 橋下知事
 
2008.8.21 朝日

府では04年度以降、職員個人が訴えられたケースが6件ある。総務省行政課は「同様の取り組みは他にきいたことがない」としている。

一般的には、仕事上のトラブルを職場が支援するのは当然。
ただし、橋下が言うと、これは実に恐ろしい未来を予感させる。

hashimoto0807301.jpg

これまで訴えられるケースは、年に一件くらい。職務を恐れ萎縮するほどの頻度では無いように思われる。
これで、職務を恐れるのだったら、私ら建築家や工務店など、恐怖のあまり心臓が止まりそうだ。

ということは、これから「トラブルが増える」、いや「トラブルを増やす」という意味だ。
トラブルが続出して、国家賠償法だけでなく、職員個人までもが訴えられるような事態が、どんどん起きることを想定しているのだ。

それが、どんなことなのか、これまでの橋下の言動を見てきた人ならば想像できるはずだ。
まず、一番あり得るのは、予算カットによる弱者切り捨ての現場だ。
正当な理由もなく生活保護を受理しない役人 などなど

それと、わざわざ「政治信条や思想」云々と言っているのは、組合つぶし、大リストラの前兆だろう。
府職労や教職員組合は、たばこ休憩がどうとか、35人学級が何とかなどと言っていられないくらいの、とんでもないしめつけ、首切り、給与カット、思想強制が押し寄せるだろう。

そのときに、管理職が組合から訴えられることを、この制度は想定している と思われるのだ。

公務員イジメを、いい気味だと眺める癖を、いつの間にか私たちは身につけてしまったけれども、これは、せっせと自分の足元に穴を掘っていることに他ならない。

大阪府の赤字を強引に解消して、それを手柄に一気に大臣の座を射止めたかった橋下だが、思いのほか累積赤字が多かったのに右往左往している。このままでは、手柄をたてるどころか、強引なだけの無能であることを自ら証明してしまう。

追いつめられた橋本が突き進む先は、大リストラしかない。
おおざっぱに言って、税金の半分は公務員の人件費だから、首切りはストレートに赤字解消につながる。
しかも、一般府民は、浅はかにも「いい気味だ」などと、後押ししてくれたりする。
それが、どんな結果をもたらすかを考えもせず。

これが ことしから来年にかけての、大阪府でおきることの筋書きだろう。
橋下は、ヤケッパチで滅茶苦茶をやってくる。
失敗したら、テレビタレントに戻るつもりだろうから、ある意味怖いもの知らずだ。

府民として、背筋が寒い。



2008-08-22(Fri)

うるさい蠅のこと

少しだけ涼しくなってきたと思ったら、「通りすがり」の蠅が部屋の中に飛び込んできて、ブンブンと小うるさい。

「蠅」のホストを公開するので、どっから飛んできた蠅なのか、お心当たりのある方は、情報をお願いします。

ちなみに、一番上が通常使っているものらしく、禁止にすると次々にホストを変えて飛んでくる。
普通の蠅ではなく、ツェツェ蠅のように伝染性の吸血蠅の可能性もあるのでご注意。

万が一、飛んできたときは、ワンクリック即削除をお忘れなく。

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2008-08-22(Fri)

原油価格とグルジアの関係

市場最高値を更新しっぱなしだった原油価格が、このところはおとなしくなっていた。

genyuchart.png

昨年の7月に147ドルの市場最高値をつけた後どんどん下がって、この8月には111ドルまで下がってきた。
ガソリンスタンドでは、ほとんど上がりっぱなしなので、こんなに下がっていることは、気が付かなかった人も多いかもしれない。
(まあ、111ドルでも高いんだけど)

原油バブルは近いうちに必ず崩壊する 
2008/08/19 日経BP

なんて言っている人もいるが、本当にそんなにアッサリしたもんだろうか?

なにせ、これで商売している人は、気が気じゃない。
なかでも、ニューヨークの原油先物価格をつり上げることで、価格支配力を独占しようとしたアメリカ石油資本と、これで目先の儲けはウハウハだった産油国は、がっかりである。
なかでも、国家財政破綻の危機から、一気に大国の風格を取り戻しつつあるロシアにとって、高~い原油価格は国の命綱だ。

で、この原油価格がやっと下落してきた8月に、なにが起きたか。
そう、グルジアの戦争だ。

グルジアを通るパイプラインをめぐる、アメリカとロシアの争奪戦であるとの見方が多いが、もっと疑ってかかると、デキレースではないのか? という気もしてくる。

チャートを見て分かるとおり、8月18日(勃発から10日目)に底を打った原油価格は、再び上昇し始めた。

NY原油が大幅上昇、ロシア産の供給不安で 
2008年8月22日 読売新聞

グルジア情勢の混迷や、米国がポーランドへのミサイル防衛(MD)配備で同国と合意したことなど、ロシアを巡る国際的な緊張の高まりを背景に、ロシア産原油の供給不安から買いが広がった。


もっと詳細はグラフを見てみよう

genyuchart2.gif
こちらのページより  クリックで拡大)

7月の末に120ドル近くまで下がってから、7月30日に跳ね上がっている。
しかし、3日ほどでまた下がり始め、開戦前日8月7日に反発し、8日には大きく下げている。
そして、停戦交渉でゴタゴタしている間は上げたり下げたりして、どうやらアメリカもロシアが「居座り」をつづけて、グルジア戦争は当分続きそうだと見えてきた21日、ドカンと値を上げた。

つまり、やるぞやるぞ、という情報とともに値を上げて、いざ開戦してみると、比較的限定的な戦闘であることに(投資家は)がっかり。
その後も、ユーロのサルコジの邪魔が入り、なによりパイプラインが大炎上しないものだから思うように値は上がらず、混乱の長期化を見てやっと上昇気流、という具合だ。

どんな理由にせよ、犠牲になっているグルジアの人々はたまったもんじゃないが、もし、原油価格引き上げの為の猿芝居で殺されているとしたら・・・


参考までに
米国が育てたグルジア軍とロシアの闘い
2008年8月11日 WIRED NEWS

2008-08-21(Thu)

どうでもいい話

昨日、いつものように昼間から寝ぼけたまま歩いていると、駐車場の車止めに足が引っかかった。
二三歩、とっとっとして、そのまま歩き続けられると、頭ではイメージしたのだが、現実の足はそうは動いてくれなかった。

体だけは勢いついて前の方へ、足は遙か後方に。
まるで、柔道か何かで投げられたかのように勢いよくヘッドスライディング。

しかも、着地地点がグレーチング(鉄のスノコみたいな溝フタ)だったからスバラシイ。
両手と右肩右膝を、巨大大根おろしにぶち当てたようなもんだ。
血は出るは、腕は上がらないは、しかも格好悪いはで、幸い打っていない頭までクラクラした。

あまりの痛さに、う~う~唸りながら、右手で何とか運転して家まで帰り着いた。
カミさんは、話を聞いて妙に嬉しそうに絆創膏を貼っている。
いきなり道でコケて血を流して帰ってくるオッサンというのは、そんなに滑稽なんだろうか。

今日になって念のため病院に行ってみたが、骨は折れていないようで、不幸中の幸い。
でも、左肩から先は力が入らず、車のサイドブレーキも右手でないとつかめない。
かろうじてキーボードは打てるようになったけれども、しばらくすると、鈍い痛みがやってくる。

てなことで、マイケル・フェルプスが言うように、「ちゃんと寝てちゃんと食べる」ということは、大事なんだなあと言うことを思い知った次第。
以上、余談。

PS.家を建てるときは、段差には気を付けましょう。



2008-08-18(Mon)

「景気対策」のウラは闇

■■
内閣改造したとたんに、「景気後退」だ「リセッション」だと騒がしくなった。
この急変ぶりに、なにか怪しげなものを感じている人も多いのではないか。

それでも、景気対策や弱者救済のようなことが語られているので、国民は「コイズミ・安倍のときよりは、少しはマシになってきたのかな」と感じているだろう。

おっと待った!
そんなに甘くはない。
アメリカさんはそんなに簡単にくわえたエサ(日本)を離してくれないし、その手下(自民党)たちの顔ぶれは変わっても親分は一緒だ。

エサの食いちぎりかたを変えただけで、本質はまったく一緒と言うことに気が付かないと。
前歯でガリガリかじっていたけれども、前歯の届く範囲には肉が無くなってしまったので、エサを転がして肉のある部分をかじろうという作戦だ。

つまり、コイズミ・安倍の「改革」路線では、不良債権にさせられた日本の資産が多額の税金を使ってハゲタカファンドに捧げられた。
郵便貯金も年金も健康保険も、税金以外の公的なお金は、「民営化」と「規制緩和」で、ジャブジャブとアメリカに流れ出すしくみが作られた。
その代償として、庶民の生活はギリギリまで追いつめられた。
餓死する人まで出るような世の中になった。

こうしたやり方で、日本の資産を吸い上げていったアメリカだけれども、もうそろそろこの方法では食えるものは食い尽くしてしまった。
次にほしいのは、1500兆円の個人のオカネと、税金を直接アメリカに吸い上げる仕組みだ。

■■
とは言っても、大金持ちを怒らせると、すんなりとはことが進まないから、小金持ちの資産を奪う計画だ。
日本のジニ係数は0.4~0.45くらいであり、おおざっぱに言うと、上位3割の人が7割の収入を得ている。
逆に言うと、7割の人が、全体の3割のパイを分け合っている。

この数字を、単純に個人金融資産1500兆円とやらに当てはめてみると、小金持ち以下の資産は450兆円ということになる。
まず、狙われているのはこれだ。
この、1割が持って行かれただけでも、45兆円。
日本の実質的な国家予算にもせまる額だ。

どうやって、この個人の貯金は奪われるのか。

配当非課税、税制改正の焦点に 自民幹事長表明 
2008.8.12 日経新聞 

1人当たり300万円までの株式投資の配当金を非課税にする「証券マル優」(仮称)の創設が今秋の税制改正論議の焦点の1つに浮上してきた。
この税制を提唱した麻生幹事長は、株式相場てこ入れの狙いがあることを示した。

というのだが、しかし、株の現場では

証券マル優制度に冷めた見方、実現しても小粒で効果限定か 
2008年 08月 12日 ロイター

ある国内証券のストラテジストは麻生氏の言う300万円の投資額について、「毒にも薬にもならない水準」と評価。「投資家が税金を気にするようなインパクトのある金額ではない。たとえば1000万円単位でないと、株式投資するインセンティブは出てこない」とみている。

と、いたって冷めている。
実際に、300万円で、何社分の単位株を買えるのか。
株式市場の規模から言えば、遊び程度の金額だ。
こんなことは、麻生だって分かっているはずだ。

東証の1ヶ月の売買代金が、50兆円とか60兆円とかいう数字である。
そこに、小金持ちの45兆円が少しずつ恐る恐る出てきたところで、株価を上昇させるほどの効果があるとは思えない。

だいたい、なけなしの300万を、ゼロ金利とマル優廃止に追い立てられるようにして投資に回すひとが、いきなり株を買うだろうか?
まず考えられるのは、国債と投資信託だ。
投資信託も、堅いと考えられている公社債投信に集中するだろう。
ここに45兆円流れ込んだら、これは大きな割合を占める。

■■
結果、何が起きるか。

まず、国債の暴落がくい止められ、金利が上がらない。
ゼロ金利を続けることができる。
アメリカよりも3%程度金利を低くせよ! というのはアメリカからの絶対命令なので、とっても大事。
なんせ、アメリカよりも日本の方が金利が上がると、アメリカに貸している資金がドッと日本に流れてきて、アメリカは破産する。

次に、アメリカ国債の購入が促進される。
なぜなら、日本国債からアメリカ国債に直結する、秘密の扉があるからだ。
「外国為替資金証券」 通称「為券」というやつだ。
これは、国債の一種なのだけれども、3ヶ月くらいの満期で、短期国債といわれるものの一種。

これを売った資金(円)で日本はドルを買って、そのドルでアメリカ国債をアホほど買い込んでいる。
2003年には、おどろくなかれ、70兆円以上もドルを買っているのだ。
現在の外貨準備高は、1兆ドル(110兆円くらい)あり、8650億ドル(90兆円くらい)が米国債になっている。

財務省ホームページ 

そしてもちろん、これは借金(短期国債)で買ったのだから、借金は膨大にふくらんでいる。
10年前は30兆円くらいだったのが、今年の見込みでは借金残高が140兆円になる。
今年だけでも、40兆円増えるというのだ。

最近10年間の年度末の国債・借入金残高の種類別内訳の推移 


赤字国債を発行するとかしないとか言っている裏で、こんな莫大な借金が作られている。
しかも、それはほぼ全額、ドルを買ってアメリカ国債を買うために使われているのである。


■■
こうして、膨れあがった(アメリカから見ると)打ち出の小槌=「為券」には、まだもう一がんばりしてもらわなくてはならない。
なにせ、アメリカでは、ファニーメイとフレディマックという不良兄弟が、破産寸前だからだ。


米財務省、ファニーとフレディに公的資金注入の可能性 

2008年 08月 18日 ロイター

ファニーメイとフレディマックの繰延税金資産と緩い資産査定を考慮すると、両社の債務超過額はそれぞれ500億ドルとなる可能性がある。また両社が自力で再建する可能性は低いとしている。

もっと詳しくは、

泥沼の米金融危機、血税投入でも不透明な米住宅公社と大手銀行の命運 
2008.8.8 東洋経済 

とにかく、この2社で5兆ドルもの住宅ローンを保証している。この2割がすでに貸し倒れ危機で、今後さらに2割増えるのではと言われている。
2兆ドルの損失だ。

青息吐息虫の息のアメリカに、こんな金額をポンと出せる余裕はない。
そこで、すぐに思いつくのが、打ち出の小槌=日本の為券だ。

為券をバカバカ発行させ、ドルを買わせ、そのドルで米国債を買わせる。
あっという間にアメリカ政府はお金持ち、と言うわけだ。

アジアをくれてやる見返りに中国にも米国債を買わせ、グルジアで取り引きしてロシアにも買わせ、それで穴埋めしようと言うのがアメリカのソロバン勘定だろう。
(中国とロシアは うまくいくとは限らないが)

とは言え、為券は短期の国債だから、サラ金と一緒で雪だるま式に増えていく。
独自の会計では返済できなくなるのは目に見えている。
となれば、結局赤字国債を発行して、穴埋めをしなくてはならなくなる。

赤字国債を発行するには、言い訳を作って置かなくてはならない。

■■
と言うわけで、話は最初に戻るけれども、「景気後退」だとか「「思い切った景気対策」だとかいいう騒ぎになっている。

これが、福田・麻生内閣の、使命であり真の狙い(その1)と見た。

その2・「税金を直接アメリカに吸い上げる仕組み」については、時間が無くなったんでまた今度


2008-08-16(Sat)

ひき続き「尊い犠牲」について

昨日の記事には、たくさんのコメントをもらったので、少し続けて書きたい。

■■
まずは、きっこさんからのコメント

明月さん、おはようございます。
まったくもって、明月さんのおっしゃる通りです。

あたしのおじいちゃん(母方の父)は、この国のバカどもが始めた戦争で殺されました。
もちろん、あたしが生まれる前のことなので、どんな状況だったのかは、おばあちゃんから聞かされただけですが、それはもう酷い話でした。

おばあちゃんは、生まれたばかりの娘(あたしの母)を抱き、東京大空襲の中を逃げまどい、結婚したばかりの旦那(おじいちゃん)を戦争に取られ、戦後は、女手ひとつであたしの母さんを育てました。
それが、どれほど辛く、どれほど悲惨な人生だったか、聞くたびにあたしは泣きました。
そんなおばあちゃんも、今はもういません。

この国のバカどもが戦争など始めなければ、国民がこんなに苦しむことはありませんでした。
そして、そのバカどもの子供や孫に、殺されたおじいちゃんのことを「尊い犠牲」だの「英霊」だのと言われるのは、ハラワタが煮えくり返るほど頭に来ます。
お前らが殺したくせに、自分の罪をキレイゴトにしてごまかすな!と言いたいです。


きっこの日記で反戦ブログの先陣を走り続けるきっこさんの、原点とも言うべき追体験なのだろう。

※「ちなみに、あたしのおばあちゃんは、亡くなる間際に、泣きながら天皇と政府に対する恨みを話していました。今でも鮮明に覚えています。」と、きっこさんはコメント欄に追記されている。

■■
他方で、自己陶酔型の某通りすがり氏は、こう言っている。

国家が求めたときに、それに応じた人間は、時代を超えて称賛されるべきです。言いたいのはそれだけですよ。それとも、君達は「馬鹿だねぇ!赤紙もらったら逃げればよかったのに、戦死なんかしてお馬鹿さん♪」とでも言いたいのだろうか?

これで、「あっという間に、全ての私への反論を片づけ」たと宣うのだから、いちいち反論するレベルでもないけれども、ある意味核心をついているので、取り上げることにした。

と言うのは、「国家が求めたときに、それに応じる」ことが、正しいのか、賞賛に値するのか、が最大の問題だからだ。
結論を言ってしまえば、必ずしも、と言うか、多くの場合正しくないし賞賛に値しない、ということ。

金正日の求めで日本人を拉致した実行犯は?
中国政府の求めでチベット人を弾圧する人民軍は?
ヒットラーの求めでユダヤ人をガス室に送った親衛隊は?

これと同じことなのだ。
結果的に自分の方が死んでしまったから「犠牲」になっているけれども、国の間違った求めに応じた人間は、賞賛されるどころか、死して屍を打たれても文句を言えない。

■■
だから、通りすがり氏の言う「戦死なんかしてお馬鹿さん♪」という言葉は、半分は当たっている。
なぜ半分か。
それは、命令した者と命令された者の責任の重さは、明らかに違うからだ。

命令した者、そのトップはもちろん天皇であるが、天皇以下、戦争で我が世の春を謳歌した連中は、なんの言い訳もできない。お馬鹿さんどころか、大馬鹿野郎の人殺しだ。
しかし、命令を受けて泣く泣く戦地へ赴いた人間や、銃後の守りだとか言われて焼け死んだ人間には、あたりまえだけれども、そこまでの責任はない。

ないけれども、しかし、そこで「馬鹿なことをしてしまった」という反省がなければ、大馬鹿野郎の人殺しのやった犯罪を許してしまう。
この、悲しみと反省の相半ばする慚愧の念こそが、戦後の反戦の心だったのではないだろうか。
「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」という、最も悲惨な経験をした広島の碑文は、まさにこの心情をあらわしている。
gennbakunohi.jpg
にもかかわらず、この心から、悲しみだけを残して、反省をスッポリと切り落としてしまうのが、「英霊」であり「貴い犠牲」という言葉遣いだ。
言い換えれば靖国神社そのものであり、広島の碑文にイチャモンをつけた連中の目的でもある。

ちなみに、碑文論争のきっかけになったパール博士の「原爆を落としたのは日本人ではない。落としたアメリカ人の手は、まだ清められていない」という発言は、それ自体なにも間違ってはいない。
アメリカにも同等の戦争責任があり、原爆の当事者責任があるのは、当然だ。

しかし、それを鬼の首を取ったかのように騒ぎ立て、日本人はおろか国としての責任まで無かったことして、無国籍な平和主義に貶めたのは、明らかに意図的な権力者の企みであったし、それにホイホイと乗っかった浅はかな「知識」人たちの愚行だった。

広島や長崎の惨劇を想うとき、無国籍な平和主義は、ウソくさい。
侵略戦争を始めた日本国の馬鹿さ加減と、こんな殺戮兵器を使うアメリカの残虐さと、日米の国の名をはっきりさせなくては、死んでいった人は浮かばれないし、今なお苦しむ人への補償責任はいつまでもアイマイにされる。

■■
いつの世でも、命令する巨悪は無傷で生き残り、命令されたものが悪事に手を染めた挙げ句使い捨てられる。

身近なところでは、耐震偽装事件がそうだった。
姉歯氏は、奥さんが自殺し、本人も5年の懲役になったが、本丸は姿も現さなかった。
まして、安倍晋三に連なるアパグループは、被害者面していまだに豪勢な暮らしをしているようだ。

アパのホームページを注意深く見ると、いまだに何軒かのマンションが工事中止のままになっているようだが、そんなのは無かったことのように豪華な写真が踊っている。
komatu.jpg
その耐震問題というロゴと同じくらいの大きさで「小松基地友の会」というリンクが貼られており、イラク侵略を賛美し、憲法を変えろという主張を誇らしげに書き連ねている。
さすがに、安倍晋三と気脈を通じるだけあり、まさに、「戦争な家づくり」というべきアパグループの面目躍如といったところだ。

という具合に、戦争に限らず、いつでも、いつまでも同じことが繰り返されている。
この連鎖を断ち切ることは、「犠牲」になって馬鹿なことをしてしまった本人や遺族が、痛恨のおもいで省みることからしか始まらない。

それがないからこそ、20代の若者は、現に戦争をしているこの日本に生きながら、「戦争なんて他人事」と感じてしまうのだ。

「悲惨」「悲しい」だけでは、昔話で終わってしまう。
イラク現地の報道はほとんどされないし、毎日の暮らしは楽ではなくても戦争にはほど遠い。
そんな毎日の中でも、ハッとさせられる瞬間はある。それは、その人の情念ともいうべき思いにぶつかったときだ。

その情念を、綺麗な昔話にしてしまうのが、「貴い犠牲」であり靖国神社だ。
こんな誤魔化しにダマされて、次の「貴い犠牲」になるのは、誰だ?

私はまっぴら御免だし、子どもたちもそんな犠牲にさせたくない。
絶対に。


※きっこさんから、極めつけのコメントをもらったのだけれども、くだらないコメントを削除しているうちにまちがって消してしまったみたいなので、こちらに転記。

名前:きっこ
送信者URL:http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/
********************
いくつかの国が集まって、勝手に規則を決めて、そこに参加していない多くの国にまで、自分たちの決めたことを無理じいするなんて、おかしな理屈ですわね。
まるで、数カ国の先進国だけでサミットを行ない、そこで決めたことを他の大多数の国に強制するのと同じですわね。
死刑を廃止している国の政府が、死刑を存続させている日本に対して、「死刑をやめろ」と口を出すのと同じですわね。
f_sumire.gif
それから「正確に書くならば」などと言い訳をして、ご自分の稚拙なミスを正当化するなんて、まるでアベシンゾーと同レベル、小学校低学年のようなレトリックですわね。
こんな幼稚な言い訳などして、ご自分で恥ずかしくないのですか?

ミスはミスできちんと認めてから先に進まないと、すぐにボロが出ますわよ。
お気を付けあそばせ。

まあ、「通りすがり」と言いながら、まったく通りすぎず、何度も何度も屁理屈を言いに戻ってくるような人など、まともに相手にしても仕方ありませんが。

ちなみに、あたしは、あなたのような卑怯者ではありませんので、自分のメールアドレスもサイトも明記して発言しておりますので、何か言いたいことがあれば、直接、言って来てくださいましね。

ホーッホッホッホッホッホッ!

                              なんだか、村野瀬玲奈さんとこみたいになったなあ・・・

2008-08-15(Fri)

貴い犠牲なんて無い

今日は、敗戦を終戦と言い換えたペテン記念日だ。

■■
ウィキによれば、1951年頃までは、降伏記念日とか敗戦記念日と呼んでいたらしい。
その後、朝鮮戦争の勃発や日本軍(自衛隊)の復活とともに、「終戦」記念日と言い換えられるようになったようだ。

何が違うのかというと、「誰が」という主体があるかないか だ。
「負ける」のは、自然になんとなく負けると言うことはあり得ない。
誰かが誰かに負けるのである。

しかし、「終わる」のは、誰とも無く自然に終わるというイメージがある。
主体がない、責任者がいない ということだ。

ときあたかもオリンピックたけなわ。
たとえば、柔道で鈴木桂治が初戦敗退したときに、鈴木敗戦とは言っても、鈴木終戦とは絶対に言わない。
それは、負けた主体がはっきりしているからだ。
(鈴木選手を揶揄するつもりではないです。念のため。)

しかし、5分の時間が過ぎて、自然に試合時間が終わったときは、試合終了という。
これは、選手には関係なくおきることだからだ。

オリンピックならば、健闘を讃えればいいことだけれども、戦争ならばそうはいかない。
そうはいかない、トンデモない事態に対して、「誰が」を誤魔化すために作られたペテン用語が「終戦」という言葉だ。

もちろん、戦争の責任は勝った方にも負けた方にもある。
特に、太平洋戦争のばあいはそうだ。
アメリカにも日本にも責任はある。

その、両方の責任をアイマイにして、次なる戦争=朝鮮戦争へ向かっていくために、「終戦」という言葉が作られたと言えるだろう。
だから、今日、8月15日は、敗戦記念日であると同時に、「終戦」ペテン記念日というわけだ。

ところが、現実はもっと非道いことになっている。

終戦記念日「1面」扱い この新聞だけ
2008.8.15 Jcast 

ペテン用語の終戦記念日すら、意図的に消されようとしているらしい。

とは言うものの、テレビでは、「終戦」記念日の特番がいろいろやられてはいる。
オリンピックと高校野球の裏裏番組で、どれだけ視聴されているのかはわからないが、午前中は家で事務作業をしながらテレビをつけていたら、いろいろ流れていた。

サイパン・グアムの玉砕体験をした話や、「キクちゃんとオオカミ」のアニメ。
野坂昭如原作のこのアニメは、オオカミの方がよほど優しく見えるほどに悲惨で過酷な戦争の体験を、象徴的に描いていた。
中国残留孤児がどうして生まれたのかという逸話でもある。
開拓民を残していち早く逃亡した日本軍がちゃんと描かれていないという憾みはあるものの、いいアニメだと思った。

kikuchan.jpg

■■
しかし、悲惨で残酷なのは、こうした戦争局面だけではない。
こんな非道い現実を見ても、なんとも思わない連中がいる、というその現実の方が、はるかに残酷で恐ろしいことだ。

今年も、コイズミ、安倍晋三や、3人の閣僚を含む53人の国会議員が靖国神社に参拝した。
彼らが一様に口にするのは、「尊い犠牲」や「英霊」という言葉。

しかし、私ははっきり言いたいが、戦争でなくなった人たちの命は尊いけれども、その犠牲は貴くも何ともない。
犠牲は悲惨で無慈悲で無駄だった。

この「貴い犠牲」という言葉も、「終戦」と同じペテン用語だ。
日本人の心性の中に、宮沢賢治のグスコーブドリのような、自己犠牲を尊いとする価値観が作られてきた。
それを、温存して、しかも、自発的な自己犠牲ではない、強制された「戦死」を尊いなどと言うことが、許されるものか。

遺族が慰めの言葉として言うのならば、まだ分からないでもないが、その犠牲を強制した連中の末裔に、「貴い犠牲」だったなどと言われて、いったい誰が安らかに眠れるものか!
koizumi080815.jpg
犯罪被害者の権利が叫ばれているが、たとえば、殺人の加害者の息子が、被害者の仏前に参って、「貴い犠牲」でした、と言ったらどうだろう。それを聞いた遺族はどう感じるだろう。
戦争を遂行した権力を、ほぼそのまま受けついだ自民党の国会議員が、靖国神社に参拝して「英霊」とか「貴い犠牲」とか宣うことは、これと同じことだ。

そして、こんなペテンを平気で言うことのできる連中が、ゴロゴロしていると言うこの現実が、実は、63年前の悲惨な戦闘シーンにもまして、恐ろしい光景だ。
彼らも、戦争の映像を見れば涙するかもしれない。
しかし、顔をあげるやいなや「貴い犠牲でした。」と言って、同じ犠牲を再び強いることに、なんの躊躇いもないのだ。

何回、なん百回こうした悲惨なシーンを流しても、彼らには「英霊」であり、いつでも再現OKの「尊い犠牲」なのである。

8月になると流れる悲惨な戦闘シーンを見て流した涙をぬぐったその手で、こうした国会議員や権力者を支えてはいないか。
彼らこそが、その悲惨な光景を再現してはばからない人々だ。


※コメント欄に「貴い犠牲は存在する」というご丁寧な文章が書き込まれた。興味のある方は呼んでみてほしい。
やむにやまれず戦地へ向かい、あるいは空襲で亡くなった方々への、その局面だけを見たり想像したりした心情としては理解できる。
しかし、それでもなお、私はかの戦争で亡くなった人を「貴い犠牲」と呼称することはペテンだと言いたい。
いかに尊い命でも、いや、尊い命だったからこそ、戦争へ行ったことが尊いことではなく間違いだったと気が付かなくては、また再び同じ「貴い犠牲」が繰り返されるからだ。


※20代の大学院生からTBをもらった。
 戦争雑感
 あぁ,この人はちゃんと別のこととして認識しているんだ,と思いきや,今度は小泉さんや安倍さんを「犠牲を強制した連中の末裔」と言い切るのはどうなんだろう.いや,この文を書いている人がそういう政治信条であることは分かっているんだけど.この種の混乱を解きほぐした上でもう一度すべて飲み込む度量が,我々には求められる,と思う.

と、当ブログの引用にたいして書いている。
これが20代を代表する意見だとは思わないが、しかし、このように考えてしまう「ステージ」はいったい何なのだろう。普段あまり交流のない世代の意見だけに、心にとめたい。


2008-08-14(Thu)

敗戦と住宅のこと

原点は、やはりこの光景にある。

Osaka_after_the_1945_air_raid.jpg
大阪大空襲

侵略と敗戦の結果、全世帯数の1/4にあたる420万戸の住宅が不足したという。

4人に一人は家が無かった。バラックで雨露を凌いだり、親類に居候したりできたのはラッキーな部類で、中には小学校を実力占拠して住んでしまうなんてことも、結構フツウに行われたらしい。

barracks.gifバラック住宅 神戸市のHPより

■■
当たり前だけれども、雨露を凌ぐことは、食料とならんで深刻な問題だったのだ。
ただ、食べ物は本当に何も無い状態だったけれども、住宅は、バラックをたてるような残骸は転がっていた。
だから、とにかくある物をひっかきあつめて、家のような形をしたものを作ってしまった。

それに拍車をかけたのが、家賃の高騰と、賃貸住宅の復旧の遅れだった。
今では信じられないような数字だが、戦前は、全世帯の9割以上が借家や社宅や間借りで住んでいた。
持ち家は8%に満たない。

jutakushuruibetu.gif
(クリックで拡大  昭和37年労働省


ところが、戦後はその借家の再建が進まず、かろうじて再建したものや焼け残ったものは家賃が高騰した。
国も、30万戸の越冬用の応急住宅を作ると言いながら、実際は1/3しか作らなかった。

その一方で、小は地主のミニ開発から、大は政商による鉄道事業もからめた大規模宅地開発まで、持ち家政策という名の不動産バブル政策を、復興の柱にしていく。
結果、敗戦から10年目の1955年には、持ち家は52%近くにのぼっている。

住み手は食うや食わず、供給側は資材不足のうえにほとんどノーチェックの無法地帯。
これで、まともな家が建つわけがないのは、今考えればアッタリマエのなんとやらだけれども、そうやって何百万という家が建てられていった。

そんななかでも、今日でもまともな家が少しは残っているのは、当時の大工や職人の良心と心意気だったということだろう。
しかし、そんな幸運な家はごくごく少数派であり、ほとんどは、とりあえず建っているようなものだった。
私自身、これまでリフォームや建て替えや耐震診断などで、そんな驚くべき家をたくさん見てきた。

■■
現実がこうして進行していく間に、建築家は何をしていたか。
故宮脇檀氏の「日本の住宅設計」に詳しい。

現実が空白であるだけに自由奔放で気宇壮大であるはずのこれらのプロジェクトには、逆に計画を推進する主体の不在、タイムスケジュール・経済計画の欠如、経済事情等現実の暗さの逆投影としてしか意味を持たなかった。

と、まあ現実離れしたお遊びに心血を注いでいた。
都市部では、8割から9割の住宅が破壊された焼け野原を目の前にして、なんのリアリティもない復興プランを描いて喜んでいたのである。

この時点で、日本で建築家という職業が一本立ちするチャンスを逃したとも言える。
もちろん、その後に見られる「最小限住宅」の流行や、前川國男のプレモスなどの問題意識はあったものの、実際の国民の経済生活と切り結ぶことなく、理想論の域を出ることなく、やがて高度経済成長のなかに溶けていってしまった。
そして、こうした最小限住宅やプレモスなどを、リアルの世界で進めていったのは、プレハブメーカーであり、ミニ開発をおこなう不動産業者であったということは、まったく皮肉なことだった。

工業化住宅の先鞭をつけたプレモスは、前川建築事務所と東大の小野薫教授の共同設計で、山陰工業株式会社という会社で実際に工場生産された。

premos.jpg
前川國男曰く
敗戦の日本には資材も金も足りないことは分かりきっている。それだからと言って、壕舎生活や共同生活や身動きならぬ6坪住宅でどうしてわれわれは一人前の生産ができようか? どうして日本の再建ができようか?
普通の住宅6坪を建てる資金で、10坪建てる方法はないか?


こうした問題意識はステキだったのだが、現実は数百戸を生産して挫折した。
敗因を一言で言えば、バラックモドキよりは高価で、金持ちには貧相、ということだったようだ。
その挫折後10年を経て、大和ハウスのミゼットハウスが登場する。そして、換骨奪胎、似て非なる住宅メーカーの歴史が始まる。

最小限住宅に至っては、学者や建築家のパズル遊びであったようにすら見える。
もちろん、当の本人は、住宅難に対処しようと真剣であったのだろうが、住み手が何に困り何を求めているのか、その重い現実と交わることなく、高邁な理念のみが空中散歩しているような印象だ。
だからこそ、実際には多く建てられることなく、建てられた多くが建築家の自宅であった。

しかし、その「最小限」という一種の合理性は、都市部での建売住宅の間取りに、これまた換骨奪胎して受け継がれた。
建売住宅の間取りを作る人たちの、職人芸はある意味すごい。
最小限でありながら「売れる」間取りを、しかも一晩に何軒も書き上げる。
これは、日本の建築界の隠れた能力だと思うが、しかし、その恩恵に預かりたいとは思わない。
かつての最小限住宅が、建築家の自己満足であったとするならば、建売業者の最小限住宅は、(全部が全部とは言わないまでも)「売れる」という価値観にのみ則った自己満足であり、いずれにしても、住み手の方は向いていない。

■■
日本の住宅事情の原点が、このへんにあるということは、誰の目にも明らかなのにもかかわらず、はっきりと指摘されることが少ない。
反戦な家づくりを考えていくためには、まずこの原点を押さえておきたいと思い、敗戦の日を前にして、ちょっと書き留めておく。

ロシアとアメリカの石油パイプラインをめぐる争いが、またまた戦争の火を吹き上げている。
このパイプラインには日本の国際石油開発(株)が2.5%、伊藤忠が3.4%権利を持っている。他国の話ではない。

btcpipeline.jpg


いくら頑丈で綺麗な家を作っても、戦争になれば、ただの瓦礫だ。

住むひとも建てる人も、そのことは忘れないでほしい。




2008-08-09(Sat)

家づくりの現場で反戦を思う

この半年あまりの間に3軒の住まいを完成させることができた。
精魂込めてやったつもりだし、自分で言うのもなんだけれども、結構良いできなんじゃないかと思っている。

しかし、にもかかわらず、何とも言えない欠乏感、喪失感が全身に重くのしかかる。
いまちょうど完成したばかりの現場に、昨日今日と続けて通ってみて、いよいよその思いが募る。

図面のときから気に入った間取りやデザインだったし、工事も良い職人さんが多く、そつなくできあがっている。
材料だって、妥協して体に悪いような変な物を使ったりしていないし、志のある町工場や零細業者が扱っている良い商品を探して、木と紙と漆喰の家ができあがっている。

でも、それでもなお、何かが足りない。
それは、家の問題ではなく、私自身の在り方なのだろうとは、想像がついている。

つまりは、反戦な家づくり ということだ。
仕事に追われて、休みらしい休みもなく、極端な寝不足でふらふらしながら、かろうじてこのブログを書くだけが、反戦の心のより所になってしまっている日々。
なぜか色んなものの裏側が見えてしまう場所を歩いてきたせいで、ちょっとしたニュースが見逃せなくなるくせに、リアルに運動している人たちを冷めた目で見てしまう悪い癖。

だからと言って、たとえば九条の会にでも駆け込んで、バリバリ活動すれば充実しているのかと言えば、やはりそれは違うと思っている。
今生きている現実で、反戦と向き合わなくては、いくらリアルで活動しても、それはブログを書いていることとあまり変わらない。

派遣や偽装請負に苦しめられる人は、その現実と。
命を削る過重労働に晒されているひとは、その現実と。
手抜き工事やサギ同様の会社犯罪を「仕事」としてやらされている人は、その現実と。
いまだに根の深い部落差別や民族差別を受けている人は、その現実と
収入無く病に倒れても「自己責任」で生活保護も拒絶されている人は、その現実と
親の道具のように勉強(もどき)をさせられる若き人は、その現実と

私が体験したり、目の前で見たことのある現実だけでも、まだまだたくさんある。

こんなつらい現実は、みな忘れてしまいたいから、あらためて文字にすると、なんだかすごいことのようだ。
けど、きっと、ほとんどの人が、思い出してみれば同様の経験をしている。
無意識のうちに、自分の記憶から追い出しているだけ。

この現実と、向き合う、向き合わざるをえない、という大転換が訪れたとき、何かが変わる。
この社会では、まわりと違うこと、上にたてつくことは「悪」だと、思いこまされている。
声を上げる人も、おずおずと、恐る恐る震える声を必死で押さえながら訴え始める。

声を上げることで、トンでもないバッシングが降りかかってくることもめずらしくない。
橋下徹に抗議した大阪府職員のように。
イケニエ、ハリツケ、徹底的にさらし者にされる。

もちろん、クビや嫌がらせや村八分は日常茶飯事だろう。
仕事も辛いのに、その辛い仕事よりも辛い嫌がらせで文句を言わさない、という現実は、心底辛い。

しかし、それでもなお、辛がっているうちは何も変わらない。
その場所で、今いる場所で大転換するしか、生き延びていく方法はない。
今の世の中で、クビを覚悟は命にかかわることは、十分承知している。
だから、安易に大転換せよ!なんてアジテーションはしない。できない。
けど、そうしなくては、生きていけないギリギリのラインが、この国のこの社会には迫っている。

泣き寝入りしてはいけない。もし、自殺したくなるほど追いつめられたら、これはもうキレたほうが良い。
生きているその場所で、文句を言おう。

想像してみよう。
セクハラされた女の子が、いきなり「なにすんねん!」とオッサンをドツキ回す。
無茶な命令をする上司に、「そんなんできるわけないやろ!」と、見下した目つきでせせら笑ってやる。
犯罪同様の仕事をさせられたら、ブログでばっちり暴露する。(実名で出せば、大人気ブログ間違いなし)
役人が生活保護を拒否したら、そいつの写真をばしゃっと撮って、全国生活保護拒否役人リストをネット上で作成する。
職場のパソコンの壁紙をさりげなく「反戦」にしておく。


もちろん、反撃した方も無傷ではすまない。
しかし、こんなことが、あちらこちらで頻発すれば、何万という規模でどんどんおきてくれば、たぶん自殺は減るし、世の中も変わり始める。
1970年代から長きにわたってじわじわと権利を奪われて、いつのまにか、当たり前のことがタブーのようになってしまったこの現実を、パコーンとひっくり返すこうした反乱が、実は「反戦」なんじゃないかと思う。

「平和」はだれでも言う。
なにせ、自衛隊の募集ポスターが「平和を仕事にする」だ。
しかし、「反戦」はそうはいかない。
だから、「反戦」というあたりまえの言葉が、何となく過激な言葉のように扱われる。
そんな仕組まれた空気をひっくり返すこと。
それが、「反戦」ということなのではないかな と思ったりする。


などなど、つらつら考えたときに、私の仕事はどうあるべきなのか。
反戦な家づくりと銘打った私の家づくりはどうあるべきなのか。

時事問題とは別に、この問題も原点に戻って考えていきたい。





2008-08-04(Mon)

麻生偽装内閣 麻生太郎の正体

今回の改造内閣を、一言で言うならば、麻生偽装内閣だろう。

麻生は一般には「従米派」とは見られていない。
さらに、麻生以外の面々は、郵政寝返り組を並べて、あたかも反米的な勢力が多数派であるかのようだ。

■■
麻生太郎という人は、何を考えているのだろうか。
彼のホームページから、いくつかの論評を拾い読みしてみる。

「自由と繁栄の弧」
イラクへの対応をめぐって「UN」と「US」は必ずしも同一の方向に向かうとは限らないという現実に我々は直面したんです。
USというプレイヤー(選手)との連携をとりつつ、UN(国連)という場所の中でプレーする、即ち国連決議に従って行動するというぎりぎりの選択をしたのです。

ユーラシア大陸の弧に当たる地域に、日本と同様に歴史や伝統はあるが、資源や技術がない国々があり、自由、市場経済、人権という同じ価値観をもって立ち上がろうとしています。日本と一緒に「自由と繁栄」を目指してもらえば、その国々のためだけではなく、廻り廻って日本の更なる繁栄にもなるんです。


自由と繁栄の弧とは、経済力で中国に対抗できる大東亜共栄圏をつくろうという話のようだ。
そこでは、一見、アメリカからの独立を志向しているようにも見える。

「上手な政治と正しい政治」
アメリカの庇護のもとで最小限度の武器と日米安保条約に頼って、経済復興に専心し、結果として世界第2の経済大国にのし上がることに成功しています。「上手な政治」だったと思いますねぇ。
我々には日本をこれまでどおり自主独立国家として存続させ続けるという強い覚悟が要るのではありませんか。国連が急場の助けにならないことは、昨今のアフリカその他の紛争国家の現状から見ても明らかです。そのためには「正しい政治」が出てくる時が来ている


日米安保に頼らずに、独自に武装せよという意見。
これまた、アメリカとは一線を画しているように見える。

■■
しかし、こうした反米的なポーズは、非常に巧妙かつ屈折した従米の論理であることがわかる。
少し長く引用する。

『外交って難しいですか?』
国際政治といわれるものの本質は、「力」と「国益」を基本的な軸として動いていきます。21世紀の前半、かなり長い間だと想像しますが、国際政治や外交は、大西洋における米欧の対峠、東アジアにおける米中の対立を主な要因として動いていくでしょう。そして忘れちゃならないのは、大国復活を考えているロシアの存在だろうと思います。しかし、当分の間アメリカは、一国としては、いわゆる列強といわれるようなロシア、中国、欧州とは別格の位置に存在し続けるでしょう。ロシア、中国、そして欧州はアメリカがデカイ顔して存在していることに不満を抱きつつ、アメリカとの国力の差を詰めようとします。もちろんアメリカは、現在の地位をより確固たるものにしようとします。  
翻って、日本はといえば、彼らの争いを不安げに見つめているイジメられっ子の位置に存在しているんじゃありませんか。  
しかし、現状を分析してみれば、心情左翼や一部マスコミの反米感情に関係なく、アメリカと同一歩調をとることを基本姿勢とするのが、日本にとって得策なんじゃありませんか。隣の席に危なっかしいのがいるのに、自力で守ることができないのであれば、ケンカの強い者と仲良くするのというのは、子供でも知っている生活の知恵ではないでしょうか。


これは、なかなか冷静な分析であると思う。そして、冷静であるが故に、アメリカにとってはもっとも安心できるサポータである。

つまり麻生は、責任を全部国民や憲法に押しつけて、しかたないからアメリカに従う、という態度をとり続けるだろう。
口先だけは、反米的な威勢のいいことを言いながら、実際はそれができないのは憲法のせいだとか、憲法改正しない国民のせいだとかにして、実際は正反対の政策を進めていく。

たとえば、年金の全額税法式だ。
全額税金にしてしまったら、プールした金を運用することがなくなって、外資にとっては旨みがない。
アメリカから見たらトンでもない話、ということになる。

その全額税法式を麻生は提案しているのだが、それには消費税10%だという。
他の閣僚にも、増税路線のものが多いので、たぶん近いうちにこの話は公式に提起される。

政府と国民の信頼関係が毛ほどもあれば、そんな話もあり得るだろうけれども、巨大な不信感をもって10%という数字をながめると、とても賛成する気にはならない。
世論はこぞって消費税に反対するだろう。

そこで、すかさず麻生は言うに違いない。
「国民が反対するので、仕方がないから保険方式を続けよう」

これは、コイズミや竹中のような、あまりにも露骨な従米というか、ホワイトハウス日本支部のようなやり方よりも、はるかに巧妙であると言える。
「安倍晋三がつまずいた、反米勢力の押さえ込みには、麻生しかない」というのがアメリカ側の意向だろう。

■■
しかも、郵政寝返り組を多用したところにもミソがある。
寝返ったヤツというのは、俗に言う○○タマを握られている、というやつで、見せかけは威勢が良くても、イザとなったら絶対に反抗できない連中だ。

こうした、一見アメリカにも「もの言う」かのようなポーズをとって、反米勢力を誤魔化しつつ、実は巧妙なアメリカ製内閣であることは、明らかだ。

福田は、きっと政権なんて投げ出したかったに違いないが、この偽装内閣を偽装しておくための見せかけとして、ボロボロになるまで使われて捨てられるだろう。
哀れと言えば哀れだが、自ら選んだ道ゆえに観念して、民衆の怨嗟に晒されるしかないだろう。

それにしても、この麻生偽装内閣は、巧妙に仕組まれている。

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