2011-05-30(Mon)

IAEAの狙いは「統治権の剥奪」だ

IAEAの調査に期待しているむきもある中で、またしても身もふたもないことを言い出して恐縮だが、IAEAはそんな甘っちょろい組織ではない。

世界の原子力業界の元締めであると同時に、核兵器保有国(というかほぼアメリカ)の絶対的優位を確保するために、世界中を取り締まる憲兵のような連中だ。

だから、天野之弥のような 「あらゆる重要な決定で米国に同調する」 と宣言する男が事務局長におさまっているのである。

そのIAEAが日本にやってきて、何をしているか。
ニュースを見る限りでは、ほとんどが、菅内閣の不手際の洗い出しだ。

NHKによれば、IAEAの調査の目的は次の3点だという。

①詳しい被害状況の把握
②震災発生後の対応(東電、政府)
③周辺住民を保護するための政府の対応
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110525/t10013107721000.html

工学的な検証というよりは、東電と政府の情報隠蔽を暴きに来た正義の味方のように思っている人もいるくらい、政府などの対応の調査に比重がおかれている。

IAEAが菅にトドメ刺す 初動のマズさ“隠蔽”暴き出せ!
2011.05.27 産経
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20110527/plt1105271602001-n1.htm

しかし、ちょっと待ってほしい。
あのIAEAが、そんな正義のために日本まで来るだろうか。
確かに東電も菅内閣も腐りきっているけれども、それを正すために空を飛んできてくれたのだろうか??

産経が舞い上がるように、おそらくIAEAは菅に「トドメ」をさすだろう。
つまり、菅内閣に、「事故処理能力なし」 の裁定を下すことになるだろう。

問題はその後だ。
私の予想では、福島原発問題は、IAEAの直轄になるだろう。
つまり、対策本部の顧問官としてIAEAからチームが派遣され、すべては彼らによって決済されていく。

しかも、菅の首のすげ替えはしない。
IAEAは、表向き顧問という立場で責任を負わない。
責任だけは菅にかぶせて、好き放題をやり始める。
そういう意味では、キョンシー菅は御しやすい、非常に便利な男である。

IAEAの統治下に入れば、半分は良い面も出てくるだろう。
それほどに東電と菅がひどすぎるとも言えるが、とにかく、今ほど稚拙な情報隠蔽はなくなるだろう。
指揮権は一本化され、黒子ならぬ防護服を被った白子に操られた菅や細野によって統制されていく。

稚拙な情報隠蔽が無くなると言うことは、より隠蔽が高度になるということでもある。
菅や東電の幹部がどうなろうと、IAEAにはどうでも良いことだ。
八つ裂きになろうが、さらし首になろうが、その時になれば笑ってみているだろう。
だから、責任逃れのための見え透いたウソはつかなくなる。

そのかわり、絶対に知られたくないことは、徹底的に隠すだろう。
しかも、彼らにとって福島県民も日本人も、やはりどうでも良い存在だということも、忘れてはならない。
菅内閣といえども、菅本人はいざ知らず、中には被害者に同情する心情もあるだろうし、自分たち自身も危険があると言うことを知っているはずだ。

ところが、IAEAの連中は、その辺はどうでもいい。
チェルノブイリのように、他国にまで被害を及ぼすことにさえならなければ、あとは壮大な人体実験だ くらいに考えている可能性大。

そのIAEAが、福島問題の直接統治で官邸に乗り込み、対策本部を牛耳るようになれば、その行き着く先は「FUKUSHIMA核処分場」にちがいない。
一見、まともそう(菅よりマシ)な施策をしながら、着々と「FUKUSHIMA核処分場」の準備を進めていく。

最初は、西側の山中に、県内の汚染土壌の処分場をつくるということもありうる。
問題になっている学校の表土をはがして、捨て場がないという口実で、西側の20キロ圏内の山中に捨て場を確保する。
そんなのが、核処分場に向けた露払いになっていくのかもしれない。

IAEAの来日にあわせて、海水注入を止めたとか止めないとか、そんな議論に花が咲いたのも、意味がある。
小沢一郎氏のインタビューをウォールストリートジャーナルが掲載したのも、意味がある。
http://jp.wsj.com/Japan/Politics/node_242207

WSJは、この記事の続きに、かのジャパンハンドラーズ、ジェラルドカーティスを登場させ、小沢を切って捨てて見せた。
つまり、このインタビュー記事を乗せた意味は、小沢の復活ではなく、とりあえず菅を追い込んでおきたかったのである。
口答えしなくくらい、首相にさえいさせてやれば、なんでもハイハイと言うくらいに 追い込んでおきたいのだ。

この点を十分に注意して、今後のIAEAの動きを注視したい。

繰り返すが、アメリカに忠誠を誓った天野が事務局長のIAEAが、正義の味方のわけがない。
ねらいは、福島原発に関する、統治権の剥奪だ。
今回視察した 東海と福島第2もふくめて、実施的に直轄統治される。

そして、行き着く先は 「fukusima核処分場」である。
その可能性を、私は声を大にして警告しておきたい。

IAEAが正義の味方だなんて言った日には、ショッカーもびっくりしてへそで茶を沸かす。
とんでもない「誤解」をしないように、くれぐれもご注意を。

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2011-05-21(Sat)

「フクシマを核処分場にする計画」を改めて検証してみる

福島第一原発から半径20kmは、実質的に国に召し上げられてしまった。

おそらく、こういうシナリオになるだろうと、4月1日の時点で予想し、「原発推進の正体は『日本列島を核の墓場にする計画』だったのではないか」を書いた。

多くの人から 「なるほど」とか「怖い」という感想をいただいた。
その一方で、「いくらなんでも それはないだろう」という意見も多い。
多いと言うより、多数派だ。

あの岩上安身さんと孫崎享さんにも、大阪ディープナイトの懇親会でぶつけてみたが、まったく否定的だった。


■■ 最終処分場探しは、本気の本気で進められている

しかし国の方針として、最終処分場は2020年には候補地を確定して、2035年ごろには操業開始 ということになっている。

tisou.jpg
(原子力研究開発機構)

2020年に候補地を確定させるとなると、もう今頃はいくつかに候補を絞って、技術的な検討と地元説明に全力をあげなくてはならない時期だ。

しかし、これまで、高知県東洋町をはじめ、多くの町が手を上げたが、ほとんどは地元の反対でつぶれている。
詳しくは、「環境と原子力の話 」というホームページの中の、こちらに詳しくまとめられている。
こんなに多くの動きがあったのかと、驚くばかりだ。

処分場誘致の動き http://homepage3.nifty.com/ksueda/waste0305.html

なかなか表沙汰にならない動きを、丹念にまとめられており、とても貴重な資料。
この中で、注目すべきは、福島県楢葉町と、青森県東通村だ。

楢葉町は言うまでもなく福島第2原発のある場所。東通村は東通り原発のある場所。
いわば、毒を食らわば皿まで、ということ。なにせ、原発の地元は、極端に反対をしにくい場所だ。
どんなことであれ、原発に歯向かうことは村八分になる。少なくとも、3月11日までは。

だから、多くの場所は何やかんや言いつつ、とりあえずは撤回や拒否という結論が出ているのに、この2箇所は拒否という結論になっていない。つまり、現役の候補地なのである。

この点を見ても、原発直下が最終処分場という考えは、荒唐無稽でも陰謀論でもなく、もっとも確率の高い候補地として進められてきたことがわかる。
そうは言っても、やはり簡単にOKとはならない。
原発は大賛成の福島県知事や青森県知事も、さすがに高レベルの最終処分場に、ホイホイと諸手を挙げて賛成というわけには行かず、難航してきた。

しかし、そう言っている間にも、各原発の敷地内と、六ヶ所村に使用済み核燃料はたまり続けている。
もし3月11日以前のペースで原発を運転し続けると、候補地を決めるという2020年には、使用済み燃料が8000立米、廃液などが26300立米 たまることになるという。

特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律の改正について

50mプールで20杯近い高レベルの放射性廃棄物が、行き場をなくして日本中をさまようことになる。
なんとしても、どうしても処分場を確保しなければならない、というのが原発鬼たちの至上命題なのだ。

核廃棄物の最終処分場を探すのは、原子力発電環境整備機構(NUMO)という、候補地探しの専門組織で、電力会社からの拠出金で、年間1000億近い予算を持っている。
そのほとんどは候補が決まったときのための積立金で、なんと1兆円近い資金をプールしている
年間の原子力関係の国家予算が全部で5000億円と言われているから、処分場にかける金額が、いかに巨額かが分かる。

と、こうやって核廃棄物の最終処分場さがしの実情を見てくると、福島第一原発の惨状の裏で、あの場所を処分場にしようとする動きがあっても、全然おかしくないということが、分かっていただけるだろう。

「原発推進の正体は『日本列島を核の墓場にする計画』だったのではないか」で書いたように、そもそも日本の原発というのが、事故→処分場 というシナリオを想定して作られていたかどうかはともかく、実質的に国に奪われてしまった福島第一原発の半径20キロが、高レベル核廃棄物の処分場にされようとしている、ということには、非常にリアリティがある。

「いくら何でも」 なんて優しいことを考えるのは普通の人の側であって、原発鬼どもにそんな優しい心根はない。
断じてない。一片もない。


■■ アメリカは自国で核廃棄物を処分する気はない

アメリカにももちろん、多くの原発がある。というか、世界で一番多い。104基もある。

これらを、どこかで処分しなくちゃいけないので、2009年まではネバダ州のユッカマウンテンサイトという場所に処分場を作ろうと、強引に進めてきた。
州の反対を押し切って、ブッシュ政権は作ろうとしていた。

それが、オバマになって一転。
計画を白紙にして、予算もゼロ。世界一の核のゴミを抱えながら、自国で処分する気は、まったくない。

米国における高レベル放射性廃棄物処分

ちなみに、アメリカには原発だけじゃなくて、核弾頭もある。核軍縮で、あまってしまった大量の核弾頭。
ソ連崩壊後から、急速に進んだ核軍縮で、現在兵器級のプルトニウムが250トンくらい在庫されているらしい。

兵器級のプルトニウムは、プルサーマルと称して原発のMOX燃料に加工されている。
兵器級のウランとプルトニウムをMOXに加工すると、100万kWの軽水炉50基を100年運転できるらしい。
(財)高度情報科学技術研究機構

ところが、MOX燃料は、アメリカ国内では使用禁止。
じゃあどうするのかというと、国内では危険すぎるので、日本に売り込んで燃やしている というわけ。
日本でも、最初に使用したのは、東電でも関電でもなく、四国電力の伊方原発。
巨大な東電や関電は逃げをうった。

アメリカの中では、先住民族が住むネバダ州。それでも危険ならば、属国の日本。日本の中でも、大都市は田舎に押しつける。
核の問題は、かように差別に貫かれている。

その観点から考えたときに、アメリカの104基の使用済み核燃料を、どこへ捨てようとしているか、自ずと見えてくるのではないだろうか。

フクシマのあの事故を目の当たりにしながら、巨万のデモが起きない国。
遠く離れたドイツですら、何十万というデモが起きているのに、日本国内ではおとなし~く耐えている国。
首相官邸に謎のアメリカ人が居座っても、だれも追究しない国。
それどころか、各官庁に網の目のようにアメリカの手下が配置されて忠誠を誓っている国。
しかも、万が一のことがあっても、アメリカ本土には影響ないくらい遠くにある国。
さらに加えて、経済的にはアメリカに負担をかけずに自前で処分場を作る国。

こんな国が目の前にあるのに、なんで捨てに行かないのか そっちのほうが不思議。
外の目で見れば、そう見える。
見えざるを得ない。


■■ 技術的な問題

ただ、岩上さんも言っていた疑問は、原発の敷地では、津波の心配もあって無理ではないか、ということだった。
なにせ、最低でも10万年、本当に無害化するには100万年は核物質を保管し続けなくてはならない。
いくらデタラメな原発鬼たちといえども、津波のくる海岸線では説明がつかないだろう という疑問だ。

しかし、20キロというのは海岸線だけではない。
半径20kmというのが、どういう地域なのか、観念的にはよく分からないので、3D風に見るとこんな感じだ。

20km.jpg
(クリックで拡大)

平地と山の境に南北に走っている県道35号線と、ちょど西へ20キロのあたりにある南北の谷は、活断層(赤い点線)。

地図の下の方に見える楢葉町が、2009年に「高ベル核廃棄物処分場」に立候補した町。
今でもその時の町長が現役のはず。


ところで、高レベル放射性廃棄物の最終処分というのは、どのようにするつもりなのか。
簡単に言うと、廃棄物をガラスで固めて、地下300mくらいの岩盤の隙間に埋める らしい。

津波と地震と火山の国で、どうやって地層処分などするのか、誰でも不安に思う。
これについて、(独)日本原子力研究開発機構 という研究の元締め組織は、こんな絵を示している。

tisou2.jpg
http://www.jaea.go.jp/04/tisou/kenkyu_kaihatsu/pdf/zentai_map%20.pdf(図をクリックで拡大)

ザックリ言うと、津波が来ない程度の内陸部で、火山から離れていて、活断層と活断層の中間部に、埋めるということらしい。

なにせ、活断層でも活断層じゃないと言い切り、活断層どころか、もっと親玉のプレート境界の上に原発を建ててしまう連中のやることだから、ちょっとやそっとのことでは「安全」ということになってしまう。

300mも埋めておけば、もし漏れても東京までは来ないだろう てなもんなのだろう。
それに、100万年先のことなんて、誰にもわかりはしない。
せいぜい、何十年か保ってくれれば、自分の責任は問われない ということだ。

ちなみに、他国ではもう少し深く埋める計画が多い。
フィンランドのオルキルオトに建設されているオンカロでも420mだ。
おそらくは、日本の場合あまり深く埋めると、斜めに走っている活断層にぶつかりやすくなり、なおさら地域が限定されるのだろう。
それと、日本人はおとなしい と見透かされていることもあるだろう。

まあ、とにかくこんな感じで、日本はヨーロッパのような安定した地盤じゃないと言うことを認めながら、それでも、可能な場所は広い、と前出の(独)原子力機構は言い切っているので、本気でやる気なのは間違いない。
「技術的な基準」など、候補地が決まってからその場所にあわせて決める くらいのことは、原発鬼どもは平気でやる。

そういう目で見ると、福島第一原発から20㎞圏内で、2本の活断層の間の山地は、原発鬼の目には、涎が出るほどオイシイ場所に見えるはずだ。
白河以北一山百文 とかつて差別された東北・福島が、いままた原発鬼どもの差別と利権と苦し紛れの妄動によって、恐るべき運命を強制されようとしている。

私にはそのように思えてならない。


■■ 政治的な問題

なぜ、メルトダウンを分かっていて放置したのか。
なぜ、ここまで情報を隠蔽し続けるのか。
なぜ、子どもに外部被曝だけで20mSvという殺人行為を国家が公然と行うのか。
なぜ、放射線量ではなく、20㎞という距離で立入禁止にしたのか。
なぜ、情報を隠すことで実被害と風評被害を区別できなくして、風評被害を煽るのか
なぜ、外国から送ってもらった大量の線量計を成田に放置するのか

それらの疑問は、処分場計画と合わせて考えると、一つの方向へ進んでいるのが見えてくる。

国も東電も何とか機構も御用学者も、ぜんぶひっくるめて原発鬼は、一つの方向へ向かっている。
事情の分からない下っ端はともかく、菅をふくめて上層部は、およそ以下のような方向に向いているように思える。

① まず、東京方面が汚染される水蒸気爆発や、大規模の再臨界による核爆発だけは避ける。
② 周囲20キロを、合理的な理由なく危険だとして強制収容して、国有地にする。
③ 20キロ圏外には、ある程度の汚染は許容する。
   ただし、100mSv以下は無害というデマで誤魔化せる程度でおさまることが望ましい。
④ 海への汚染も、無害というデマで言い逃れができる程度まではOK
⑤ したがって、民間での勝手な線量測定は極力許さない。グリーンピースなんてもっての他。

当面はそんな方針で、事故の収束へむけて何年かはジャージャーと水をかけ続け、燃料が尽きるのを待つのだろう。
原子炉にも格納容器にもダダ漏れの穴があいている以上、ダダ漏れで冷やし続けるか、外側に一回り大きな格納容器を作るしかない。が、そんなものは、作れるわけがない。

本来なら完全に水につかっていなければならない燃料棒を、上からジャージャーかけるだけで冷やせるのかどうか、冷温停止にできるのかどうか、これまた心許ない。
おそらく、崩壊熱がなくなるまでで、1年か2年か、ほとんど垂れ流しで水をかけ続けるしかないだろう。
ある程度は、冷却水の循環はできるようになるみたいだが、そもそもどこに穴があいているか分からないのだから、基本的にはダダ漏れ。

こうして、空中にも海中にも放射能は垂れ流しつつ、崩壊熱がおさまってくれるのを待つ。
その間に、20キロ圏より外には、補償しなくてすむことを、なんとか考える。
放出量を減らすこともするけれども、出てしまったものを「安全」ということにする、ことに全力をあげる。

海の汚染は、普通の人には測定しようがないから、大本営発表で誤魔化す。
たまに、グリーンピースなんかが調査をしに来たら、ナンクセつけて追い返す。

外部被曝の4~5倍もあるはずの内部被曝については、2%くらいということにして、誤魔化す。
なにせこれも、ホールボディカウンターなんてあまりないから、証明のしようがない。
できるだけ、ホールボディカウンターは使わせずに証拠を残さなければ、あとで甲状腺癌になっても、「因果関係が証明できない」と言える。

こうやって、意図的に危険を放置し、耐えられなくなった住民が「自主的に」いなくなってくれれば、好都合。
人払いをしておけば、数年後に処分場計画を進めるときに、反対がない。

つまり、子どもに20mSvはOKというのは、「出て行け」という意味。
それを理解できない住民のために、小佐古氏は泣いて辞任会見した。
小佐古氏には気の毒だが、あの会見は菅にとっては「想定内」

とにかく今は、放射能という実弾をぶっ放して、住民の追い出しを図る。
それに気がつかずに、弾に当たって死んでしまうよりも、早いこと「自費で」逃げ出して欲しい。

農漁業の補償だけ見ても、今年や来年のぶんはともかく、この先何十年の被害を補償することなんて、東電も国もまったく考えていない。
福島県だけでも農業生産は年に900億円以上ある。10年間マイナス50%で、被害額は4500億円にもなる。
漁業も年に180億。
しかし、東電や国は、最初の1年くらいはともかく、それ以降は、放射能を測定して基準値を超えた分しか補償しないだろう。
あとは、測定しきれない分もふくめて風評被害だ、と言って消費者に責任を押しつける。

そのためにも、風評被害を広めることは、国家の重大事。
枝野を筆頭に、せっせと情報隠しをして、実害と風評の境界線を見えなくし、風評被害の拡大に努めてきた。
とくに畜産農家には、放射能の濃縮が明らかになる前に、「自費で」出て行ってもらいたい。

こうやって、いま政治は、福島から、原発周辺から、できるだけカネを使わずに住人を追い出すことに、全力をあげている。


■■ 副島隆彦氏の主張について

最近になって、副島氏もこうした国の動きに注目し、処分場計画があるのではないかと言っている。
福島を棄民することへの抵抗を呼びかけてきた副島氏であるから、当然気がつかれるだろうと思ってはいた。

権力というものが、どんなに酷いことをするか、希望的観測によらずに分析する副島氏には、これまで多くのことを教えられてきたし、今もまた、他の論者にはない貴重な視点を提供していると思う。

が、しかし、彼の「安全だから帰っておいで」という呼びかけには、断じて同意できない。

生きる術をなくすよりは、ある程度の放射能は我慢するしかない、という理屈は、視点を限定すればあり得ることだと考える。
どういう限定かというと、権力者、為政者、加害当事者から発せられる言葉ではないということ。
同時に、安全圏にいる私たちの言葉でもない ということ。
つまり、被害当事者の人たちから出た言葉であるならば、否定しきることはできない。

それを副島氏も分かっているから、自分で原発の門まで出かけ、21キロ地点に事務所を構えて常駐するつもりなのだろう。
しかしそれでも、副島氏は被害当事者ではないし、その上、放射線量が「ある程度」という範囲を超えている。

特に、子どもにとっては。

kanjusei.jpg
小出裕章氏 講演資料より

私たちのような年齢になれば、生きる術と放射能を天秤にかけて考えることもあり得るかもしれないが、これから子どもを産む世代を含めて、子どもたちには浴びて欲しくない。

しかも、文科省が言う被ばく量は、放射性物質を吸い込んだり食べたりする内部被曝は、考えられていない。無視されている。
特殊なマスクをして、食べ物をよほど気をつけない限り、外部被ばく量の4~5倍は内部被曝がある。
同じ文科省が出しているSPEEDIの試算で、そのような計算をしているのに、例の20mSvは大丈夫と言うときには、内部被曝は無視。
つまり、外部被曝で20mSvも浴びているときには、内部も含めると100mSvになる ということ。

それが子どもであるならば、リスクは3倍も4倍もある。
つまり、大人の被ばく量に換算すると、300mとか400mSvも浴びたのと同じと言うことだ。

いくら住民追い出しのために、半ば意図的に垂れ流しにされている放射能だからと言って、やはり放射能は放射能だ。
危険なことには変わりがない。
変な言い方になるが、その場で決着が着く銃弾よりも、もっと始末が悪い。

まして、子どもには何の責任もない。
ざっとした見方で言うと、子どもの場合、毎時の○○μSvというガイガーカウンターの数字を、10万~20万倍した数字が年間の被ばく量相当ということになる。

○○ x 24時間 x 5倍(内部被曝) x 5(感受性) x 365 x 減衰率

減衰を50%くらいにすれば10万倍、ほとんど見なければ20万倍。
仮に10万倍としても、単位を一つあげて(マイクロをミリ)、数字を100倍することになる。

たとえば、毎時3μSv → 年間300mSv(相当)

放射線をぶっ放して住民追い出しを謀る東電と菅内閣(とその背後にいるアメリカ)の、言いなりになるようなことは、確かに悔しいけれども、そうは言っても危ないものは危ない。

50代以上は、ある程度の危険を覚悟で戻ろうというのならば、分からないでもないが、子どもたちは何とかして助けなくてはならない。


■■ いま求められているのは

いま、緊急に求められているのは、何よりも子どもたちの保護だ。

事故の収束事態は、現実の問題として、何年かは今のような状態が続くだろう。
緊急に放射能を止めろと言っても、できるわけがない。
だからこそ、子どもたちを保護しないと、チェルノブイリの子どもたちの悲劇が繰り返される。

20mSvという基準ももちろんだが、基準だけを変えても、行き場のなくなる子どもが生まれるだけだ。
子どもとその親を、緊急に避難させる手立てを、当面の収入補償という面も含めて取らなくてはならない。

福島県の20歳以下は40万人。
福島全域でないとしても、茨木北部や宮城南部も含めて、約40万。

どの範囲かは、肥田舜太郎先生など、御用学者ではない被曝の専門家によって検討が必要だろう。
少なくとも、県の中心である福島氏や郡山市などは、1.4μSv/時であるから、あきらかにリスクが高い

親も含めて80万人の避難なんて、非現実的だと思えるかもしれない。
が、今起きているのは、そのくらい非現実的と思えるくらいの、とんでもない事態だ。

爆発こそしないけれども、なにせ3つの原子炉に穴があいて、放射能がダダ漏れなのだ。
希望的観測で、現実を歪めて見てはいけない。


■■ 政治の力が必要

そして、今、どうしても必要なことをやろうと思ったら、菅直人ではダメだ。

アメリカに魂を抜かれた男に任せていては、悲劇はどんどん広がっていく。
分かっている情報ですら隠されたまま、大本営発表で子どもたちが殺されていく。

情報の隠蔽と証拠の隠滅だけに勢力を傾けながら、着々と処分場へと計画を進めていくだろう。
その過程で、どれだけの子どもが犠牲になろうと、お構いなしだ。
「自費で」逃げないのがわるいんだ と開き直るつもりだ。

いくら危険だと分かっても、経済的な補償がなくては、そう簡単に逃げられるものではない。
絶対に政治の力がなくては、子どもたちを救うことはできない。
それも、相当の額が必要。

仮に1組に月10万としても、年に5000億円必要だ。
最低限2年間は避難したとして、1兆円。

この程度の金額は、官僚が貯め込んでいる特別会計のがま口を開けば、出てくる。
特に、永続的なオカネではないだけに、充分に賄える。

それができるのは、政治の力しかない。

私は小沢一郎万能論者ではないが、政治の力で子どもたちを守るためには、小沢氏に決断してもらうしかないと思っている。
菅直人に対しては、裏で脅迫して、表で花道を用意してやるくらいのワザを使ってでも、内閣不信任に対して解散をさせないように持ち込まなくてはならない。

国民の生活はおろか、被災者の生活さえも自分のクビのためには犠牲にする菅直人は、内閣不信任を突きつけたら、本当に解散総選挙をやりかねない。
それだけは避けないと、全ての犠牲をかぶるのは、被災者だ。
おそらく、そこで倒閣の動きも足踏みしているのだろう。

それを側面からプッシュするためにも、自分の選挙区の国会議員にも、FAXなどで要望を送ろうと思う。

衆議院議員
参議院議員
菅直人らについていく議員が少なくなればなるほど、当然ながら対菅工作はやりやすくなるはずだ。
そして、残念だけれども、表向きは菅を打倒するのではなく、花道をつけてやって退場させるようにすることだ。
そうしないと、まるで敗戦直前の日本のように、狂気の沙汰で足掻きまくる恐れがある。

今重要なことは、被災者、なかでも放射能を日々浴び続けている福島の子どもたちを、財政的に支えながら避難させることだ。

そのための、政治の力を実現することだ。

それでももし、絶望的に菅直人が政権にしがみつくとしたら、それはやはり、フクシマを核廃棄物処分場にしようという、ものすごく巨大な力が働いているということ。

それをはね返すには、脱原発のうねりのような国民運動が必要だ。

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2011-05-19(Thu)

6月11日 原発いらん! 関西行動 第2弾

高円寺で「原発いらないデモ」の口火を切った「素人の乱」をはじめとして、脱原発の行動を呼びかけてきた人たちが集まり、「6.11 脱原発100万人アクション」 を提案している。

http://nonukes.jp/wordpress/

個人・団体での賛同募集と、全国で脱原発を求めるアクションを! と呼びかけている。

**************************
6月11日は、福島原発震災から3ヶ月。
今なお放射能の放出は続いています。
私たちは、人や自然を傷つける電気はいりません。
全国各地域の人々とともに、
6月11日に脱原発を求める100万人アクションを呼びかけます。
6月11日は、声をあげましょう!
今こそ脱原発へ!!
**************************



これに応えて、関西でも巨大デモ!が企画されているので、紹介したい。

20110611chirashi.jpg
                (クリックすると拡大します)

http://www.kyudan.com/osaka/11.6.11midosuji2.pdf

また、賛同団体である「市民が訴える大阪宣言の会」のホームページでは、掲示板も作られて、意見交換や作戦会議なども行われているようなので、見てみることをお勧めする。

http://www.kyudan.com/osaka/index.htm


6月11日は、仕事関係のイベントもあり、スケジュールがタイトだけれども、なんとかデモの出発には間に合うように駆けつけよう。

「デモは初めてで、ちょっと不安」 という人は、参考に最近のデモの様子を見てください

4月16日の第1弾デモのレポート
(動画が一部不調です)


5月7日サウンドデモの様子
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デモが怖い?

いいえ、ゲンパツのほうが 100兆ベクレル怖いです。

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2011-05-11(Wed)

原発鬼を退治して人間をとり戻そう【数値訂正】

今、福島の人びとと、原発内の作業員の人たちは、日本中に散らばる50基の原発を続けるための人柱にされようとしている。

5年10年をかけて、真綿で首を絞めるように多くの人を殺していくとは、鬼も涙する所業だ。

犬猫に対してですら、このような残酷なことはできるものではない。
それを、自分たちと同じ人間に対してできる、菅直人たちや東電・原発ムラに巣くう連中とは、一体何者なのだろう。
人間の皮をかぶった、原発鬼という化け物ではないのか。

いや、鬼だって俺はこんなに非道くないと文句を言うに違いないが、他に言葉が浮かばないので、原発ムラに生息する生き物たちを、原発鬼と呼ぶ。


■■

原発労働者に対する扱いは、原発鬼がまぎれもなく鬼であることを証明している。

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sagyouin20110418-3.jpg

これらは、日本の新聞では報じられない、体育館で防護服を着たまま寝泊まりしている作業員の人たちの写真だ。

http://gb.cri.cn/27824/2011/04/21/782s3225078.htm (中国国際放送局)

布団や簡易シャワーやまともな食事くらいは、その気になれば東電の力をもって手配できないわけがない。
4月16日の段階で、ボロボロの原子炉が爆発するかどうかのギリギリの運命を握っている彼ら作業員に、まだこんな生活をさせて何とも思っていない。
それは、事故が起きる前から長年にわたって、東電や東芝などは、原発労働者を人間だと思ってこなかったからだ。

ソ連のやり方も非道かったが、それでも60万人を超える作業員(リクビダートル)は、国家的英雄とされ、(当初は)一生の厚遇が約束された。

たしかにリクビダートルはマトモに防護服も着けずに作業させられ、とんでもない被ばくを受けた。
東電はそこまで非道くないと思うだろうか。

今、原発内の作業員は700人くらいといわれている。
交代はあったにしても、合計でせいぜい数千のオーダーだ。

すでに、周辺に降り積もった放射性物質はチェルノブイリを超えている。
原子炉そのものに穴が空いていることも、ほぼ間違いない。

こうしたものの処理を、チェルノブイリの場合の数百分の一の人数でやらなくてはならないのだ。
これがどういう結果を招くか、政府も東電もよく分かっているはずだ。
だから、線量計を持たせなかったり、ホールボディカウンターをなかなか用意しなかったり、できるだけ被ばく量を労働者に知らせないようにしている。

新聞などの記者クラブメディアは、こうした状況をほとんど伝えないが、以下の週刊誌の記事が生々しい状況を書いている。

「そこは〝死の灰〟が降る戦場だった」作業員が語る福島第一原発の内部! フライデー

福島第一原発作業員が激白!「恐怖と疲弊、過酷な場当たり労働」フライデー

平成の特攻隊「フクシマ50」に突入命令を出せますか 大量被曝の危険性が分かっていながら 週刊現代

この700人の中にも、「序列」があるはずだ。
少数の東電や東芝などの正社員、一次下請けの社員、このくらいまでは一応保障もあるだろう。
が、二次下請け三次下請けの臨時雇いになれば、法律ですらあってないような扱いを受ける。
保障なんて運次第 という状況だろう。

なにせ、被ばく量の証明になる原発手帳を持たされていないのだから、あとで癌になっても「因果関係が証明できない」とかいわれて「たばこの吸いすぎ」「酒の飲み過ぎ」などと罵詈雑言を浴びせられて、放り出されるのが目に見えている。


■■

原発鬼が鬼であることは、こどもにまで原発作業員並みの放射線を浴びせて、平然としていることにも端的に表れている。

外部被ばく(だけ)で年に20mSvということが、何を意味するのか。

他ならぬ文科省が発表しているSPEEDIのデータを見てほしい。
3月12日から4月24日までの累積内部被ばく量データ(試算)がある。

naibu.jpg
http://www.nsc.go.jp/mext_speedi/0312-0424_in.pdf

凡例をよく見て欲しい。
最低が 100mSv だ。
一番外側の薄オレンジの線が、内部被ばく100mSvのライン。そこから内側へ行くともっと高い。
その外側だって、1ヶ月余りで数十mSvだ。

ただし、この100mSvは甲状腺等価線量 というもので、これを実効線量に直すと、1/20で5mSvになる。
それでも充分すぎるほど、おつりがくるほど高い数値だ。

では、この地域の外部被ばく量はどうか。

gaibu.jpg
http://www.nsc.go.jp/mext_speedi/0312-0424_ex.pdf

内部被曝で100mSvだったラインと、ほぼ同じ地域が 1mSvのラインになっている。

つまり、文科省の試算では、内部被曝の累積は、外部被曝の累積の100倍 5倍 だということ。

ここから推測すると、福島の子どもたちに浴びせられるかもしれない20mSvとは、内部被曝を含めると、年間2シーベルト 100mSvに相当するということだ。
ミリもマイクロもない。2シーベルト だ。

これまで原発を推進してきた小佐古のような人が、涙ながらに抗議するわけが ここにある。

こどもは大人よりも何倍もリスクが高い。
ガン発症はもちろん、急性障害だって引き起こす放射線量だ。
こんな恐ろしい放射線量を、ICRPは認めているのだろうか。

いや、ここにとんでもない誤魔化しがある。


■■

20mSvの根拠とされているのは、国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告(109)だ。
ここに、緊急時被曝の参考値として、20~100mSvと書いてある。

http://www.jrias.or.jp/index.cfm/6,15290,76,1,html

(原文の日本語仮訳)

さらに、「今回のような非常事態が収束した後の一般公衆における参考レベル」として、同じくICRPが1~20mSvという声明を出した、という。
(この声明の全文は見つからない)

ここで、大注目すべきは、いくらICRPといえども、内部被曝をカウントせずに、外部被曝だけで20mSvなんて言ってない、ということ。
上記日本語訳の、やや後のほうに、「付属書A.予測線量に対するさまざまな被ばく経路による被ばくの寄与の評価」という文章がある。

ここには、

事故後の最初の1年間に防護措置がとられない場合、予測線量の最大成分は汚染食物から受ける(内部被ばく)線量であり、環境汚染による被ばくがこれに続き、プルーム拡散中の放射性核種又は再浮遊放射性核種の吸入摂取及びプルームからの外部照射によって生じる線量が最も少なくなるであろう。

と書いてある。
明らかに、内部被ばくを含めての「参考値=20~100mSv」であることが分かる。

(プルームとは空気中の汚染のことらしい)

しかもこれは2007年に書かれたものであり、チェルノブイリ型の最初にドバッと放射性物質が放出されるモデルを使っている。今回の福島のように、ダラダラと毎日毎日150兆ベクレル余りもの放射性物質を放出し続けることは想定されていない。

ドバッと放出されて、それが徐々に減っていくというモデルでない以上、ICRPの想定よりも、食品や吸入による内部被ばくは深刻になるはずだ。

それはともかく、ここで確認しておくべきは、日本政府が根拠としているICRPの勧告(109)は、内部被ばく込みで、20mSvであるということだ。

次に、日本政府が言う20mSvについて見てみる。
その元になっているのは、原子力安全委員会でのこの「助言」だ。

http://www.nsc.go.jp/info/20110502.pdf
(P4~7に原文)

ここには、以下の通り書いてある

16時間の屋内(木造)、8時間の屋外活動の生活パターンを想定すると、20mSv/年に到達する空間線量率は、屋外3.8μSv/時間、屋内木造1.52μSv/時間である。

はっきりと、空間線量だけのカウントであると明記されている。

当然ながら、作業員のようなガチガチの防護服を身につけない限り、内部被ばくは避けられない。
原発内で働いていた女性職員ですら、内部被ばくは外部被曝の3.5倍もあった。
外部被曝がヒドイ場所で、しかもある程度内部被ばく対策をしていた人でも、内部被ばくは外部被ばくの3.5倍なのだ。

免震重要棟で放射性物質吸い込む 福島原発で内部被曝の東電女性社員 マスクも不足
2011.4.27 産経

女性社員は、女性の3カ月で5ミリシーベルトという国の限度の3倍以上となる17.55ミリシーベルトを被曝。うち13.6ミリシーベルトが内部被曝だった。
(引用以上)

まして、外部被ばくは(原発敷地内に比べれば)低く、内部被ばくはまったく無防備な状態では、内部被ばくの比率ははるかに高くなるのは当然と言える。
先にあげたSPEEDIの 100倍という数字も なるほど ということになる。

いや、なるほどではすまないかもしれない

ICRPの勧告では、食物からの内部被ばく > 環境汚染からの被ばく > 吸入摂取の被ばく と書いてあった。
しかし、SPEEDIの内部被ばくデータは、主にヨウ素の吸入を計算している。

原子力施設等の防災対策について 原子力安全委員会 H15

(P110にSPEEDIについて以下の記載あり)

希ガスからの外部被ばくによる線量、ヨウ素の吸入による甲状腺線量等をコンピュータの画面上に図示することができる。
(引用以上)

ICRPの想定パターンでは被ばく量が多いとされる、食物と環境汚染が、SPEEDIでは考慮されていない。
ただでさえ恐るべき数字を示しているSPEEDIのデータに、さらに多いと思われる食物と環境汚染を加えたら、どんな被ばく量になるのか。
考えるのも怖い。

■■

整理しよう

SPEEDI のデータは

<外部被ばく>については、空気中の放射性物質からの被ばくを計算しており、降り積もった放射物質からの被ばくは計算していない。

<内部被ばく>については、空気中の放射性物質を吸い込むことによる被ばくを計算しており、食物からの被ばくを計算していない。

どちらも、ICRPの基準で言うと、少ない方の数字だけをカウントしているのである。

だから、本当の被害を想定するためには、ただでさえ恐ろしいSPEEDIのデータを、何倍かするくらいのことが必要になる。

では、降り積もった放射線物質についてのデータはないかと探してみると、こんなものが出てくる。

文部科学省及び米国DOEによる航空機モニタリングの結果

これについては、きっこさんが詳しく書かれているので参照してほしい

チェルノブイリを超えた放射能汚染

結論だけ言うと、福島第一原発の周辺に降り積もったセシウムは、チェルノブイリのレベルをはるかに超えてしまったということ。

どうやら、原発鬼どもがひたすら隠している放射能汚染は、私の悲観的な想像をすら上回る酷いレベルにあるようだ。

広島でゲンバク被爆者の治療にあたった経験から福島の現状を語る、肥田舜太郎先生の言葉が重い。



空気中に浮遊している放射性物質の影響だけでもすでに100mSvを超える地域があるのだから、以下の指摘は本当に重い。

「東北では下痢が始まっている。下痢は(放射性障害の)最初の症状です。」
「(今は)元気な者も含めて放射線の病気が始まるのは、おそらくこの秋から来年の春にかけて」

言葉が継げない


■■

それにしても、なんでここまで非道いことを、菅内閣も東電も原発ムラの原発鬼どもはするのだろうか。

元は人間だったはずの連中を、鬼に変えてしまったのは、何なのだろうか。

もちろん利権という理由はある。
しかし、利権をむさぼるには、取らなければならないリスクがあまりに大きい。

想定外とか何とか言っているが、利権をむさぼってきた内部の鬼たちにとっては、原発の事故なんて日常茶飯事で、何時大惨事になってもおかしくないことは、ヤツらが一番分かっていたはずだ。

現に、今回の事故が起きたとき大阪にいた東電の清水社長は、新幹線に乗れば大阪から東京にすぐ帰れるのに、夜中の11時まで逃げ回っていた。
最後は自衛隊機に押し込められて、東京本社に連れ戻されたが。

その際の自衛隊の右往左往がニュースになったが、本当の問題はそこじゃない。
午後3時から11時までの間、東電の社長は東京に帰ろうとしなかった、ということだ。

おそらく、電源の完全喪失と聞いて、大爆発→東京も危ない と判断したのだろう。
内部の人間だからこそ、危険は一番良く分かっている。

また、こういう事態を想定していたからこそ、責任の所在が不明確になるように、ちゃんと準備されている。
そして、こういうことだけは着々と、東電の実質的な免責を決定した。

東電、政府の支援条件受諾 賠償枠組み13日閣議決定へ
2011.5.11 朝日

色んなことを言っているが、会社は存続させて株主を守り、最終的には電気料金に上乗せするのだから、ほとんど免責するのと同じだ。

これほどに、今回のようなカタストロフィを想定していた原発ムラのトップたちが、単に利権だけで動いていたとは、私には考えられない。
下っ端の鬼どもは、たしかに利権に釣られて、人間を投げ捨てて生きてきた。
しかし、原子力政策の行く末を決定するレベルのトップたちは、目先の利権だけでない、もっと凶悪な意図を持っていたとしか考えられない。

目先の利権をむさぼるには、あまりにもリスクが大きすぎるのだ。
それを分かっていながら、なんで原子力は特別の地位を与えられてきたのか。

そうやって考えていくと、やはりこの答えに行き着く。

原発推進の正体は「日本列島を核の墓場にする計画」だったのではないか

まだこの記事は読んでいないけれど、今日はもういい加減よみ疲れた という方は、日をあらためてでも目を通してみて欲しい。
決して陰謀論とかではなく、現実的な問題として、検証してみてほしい。

陰謀論どころか、非常に現実的な問題であることは、この記事を見てもわかる。

「原発のごみ」最終処分場、福島・楢葉町が誘致検討
2009.3.15 朝日 (元記事のリンクなし)

 東京電力の福島第二原子力発電所が立地する福島県楢葉(ならは)町の草野孝町長が、原発から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場誘致を検討していることがわかった。 (後略)



■■

原発鬼が支配するところに、私たち人間の暮らしはない。

原発鬼を退治して、人間の暮らしを取りもどそう。

そのためには、良心を全うできる根拠地が必要だ。生きのびるための”よすが”を手に入れるなくちゃならない。
会社やオカネに100%頼り切った暮らしは、言いたいことを言えなくなる。

そのために、私たちは「郊外楽園プロジェクト」を提案し、実行しはじめている。

(郊外楽園プロジェクトについては、このブログのサイドメニューから カテゴリー「郊外楽園」をクリックしてもらえば、関連記事が出てきます。)

先日、六甲山の麓に100坪あまりの菜園もオープンした。

20110508-2.jpg

20110508-1.jpg

(この時の詳しい報告は、また改めて)

そろそろ本気で「楽園生活」を考えよう という方をお待ちしています。
ともに耕しながら、暮らしのこと、家のこと、そして脱原発の生き方について話し合いましょう。

  連絡先 info@mei-getsu.com (←小文字で) 明月社・山岸

※SPEEDIの内部被曝のデータについて、甲状腺等価線量で書いてあるものを、実効線量と間違えて記事を書いていました。甲状腺等価線量で100mSvは、実効線量で5mSvです。お詫びして訂正します。文中は青字で訂正しました。

もっとも、それでも吸入だけで内部被曝は外部被曝の5倍ですが。 (2011.5.12)

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2011-05-04(Wed)

ビンラーディン殺害事件とウィキリークス報道の裏を読む

ちょっと山に籠もって降りてきたら、なんだか大騒ぎになっている。

聞けば、オサマ・ビン・ラーディンが家族とともに殺害されたとか。
テレビではさかんに、ビンラディン容疑者という言い方をしているが、容疑者だったら「戦争」ではなく「犯罪」だ。
他国に潜伏している犯罪の容疑者を、問答無用に爆殺して良いのか?
まず、ニュースを聞いて感じたのはそんな違和感だった。

だんだん色んなニュースが耳に入るようになり、次に浮かんだ疑問は、本当にビンラーディンは殺されたのか? ということ。
これは、おそらく多くの、というか非常に多くのひとが感じていることだろう。

なにせ、オバマが「殺した」と言っているだけで、信じるに足る何の証拠もしめされていない。
CNNによれば、ビンラーディンは武器を持っていなかったという。
素手で抵抗したからと言って、「容疑者」を射殺するとは考えられない。

ビンラディン容疑者は「抵抗した」 武器は携行せず
2011.05.04 CNN


走り寄る女性は足を打つことができたのに、ビンラーディンは写真が公開できなほど「凄惨な」姿にする必要があったのか。
誰もが感じるこうした疑問に、米側は何も説明をしない。

ビンラディン容疑者の遺体写真、公開めぐり米政権内で意見分かれる
2011年 05月 4日

挙げ句の果てに、24時間以内に遺体は海に沈めてしまったというのだから、私のように疑い深い人でなくても、これはおかしいと感じたはずだ。

■ ■ アメリカの二つの顔

さらに、新聞での報道のされ方にも、一定の傾向がある。
読売と日経は、「パキスタンがかくまっていた疑い」という内容を強く出している。

隠匿・主権侵害…パキスタン、内外から政権批判
2011.5.4 読売

それに対し、朝日は、「殺害でテロは解決しない」という主張が強く見られる。

出口見えぬ対テロ戦争 オバマ大統領「努力終わらない」
2011年5月2日 朝日

これらは、アメリカの二つの顔を現していると思われる。

ビンラーディンの殺害を高く評価し、その返す刀で潜伏していたとされるパキスタンを非難するのは、オバマ自身の方向性を感じさせる。
つまり、アフガニスタンからも早いこと撤退し、あとはパキスタンに押しつけようという魂胆だろう。
アメリカの財政は、破綻寸前と言ってもいい。
こちらのブログに非常に詳しい解説が

米国債デフォルト危機?(廣宮孝信の反「国家破産」論 ブログ)


今回も、結局は上限を引き上げてデフォルトはしないとは思うけれども、ギリギリの綱渡りを続けながら、事態は加速度的に悪化していることは間違いない。

こんな中で大統領になったオバマは、イラクからの撤退のみならず、カルザイとパキスタンに「何とかしとけ」と言ってアフガンからも手を引きたいのは山々だろう。

そのための最低条件が、ビンラーディンの逮捕と、どっちつかずのパキスタンに対する恫喝だった。
その両方をやってのけたのが、今回のビンラーディン殺害事件だったといえる。

ところが、アメリカ国内にも、アフガンから撤退したり「テロと戦争」をやめたくない人たちも多い。
ネオコンや産軍複合体の連中だ。
この人たちにとっては、ビンラーディンは死んで欲しくない。
いつまでもテロの象徴として生き延びて欲しいはずだ。

日本に絶大な影響力をもつ「親日」派=ジャパンハンドラーズには、このネオコンや産軍複合体が多い。
だから、辺野古へ基地を作れとしつこいし、東日本の震災地にも食指を伸ばしている。

復興へ向けた日米協力探る 米研究所が特別調査委設置へ
2011年4月12日 朝日

彼らはシンプルな「カネよこせ」ではなく、戦争や震災に手を突っ込むことで利権をあさろうとする。
そんな連中にすれば、ビンラーディンの殺害事件を、諸手を挙げてUSA!などと叫んではいられない。
「こんなことでテロとの戦いは終わらない」と盛んに宣伝するだろう。

こうしたネオコンや産軍複合体の意向が、まさに朝日の論調になっているというわけ。


■ ■ ウィキリークス

もう一つ、朝日を見て驚いたのは、主要面がほとんどウィキリークスの記事だったことだ。

米軍グアム移転費水増し 日本の負担軽減装う 流出公電
2011年5月4日 朝日


この大見出しには、よく書けたなと関心さえした。
が、今の朝日が書けると言うことは、「お許し」をもらっているはずだ。

情報の信憑性確認、厳選し公開〈米公電分析〉朝日新聞社
2011年5月4日 朝日 
(略)
文書の信憑性に関しては、ニューヨーク・タイムズの協力も得て米国務省の見解を求めました。国務省は「ノーコメント」としつつ、朝日新聞に情報の削除や秘匿は求めない旨を回答しました。
(引用以上)

おそらくは、「親日」派の頭越しに、公式の米当局のお許しをもらって書いた記事ということだ。
だから、ウジウジとこんな言い訳を書いて、「親日」派=ハンドラーズのご機嫌を伺っているのだ。

それはともかく、米当局が、ビンラーディンの殺害を発表したことに加えて、日本でウィキリークスを派手に報道させたこと。
こうしたことが意味することは、オバマは世界から手を引きたいということなのではないか。

世界帝国であること、超大国であることをやめて、一番の大国になろうとしている。
絶対的な存在から、相対的な一番になろうとしている。
それが、いちばん「オイシイ」道だからだ。

「超」であるための財政的な負担を世界中に分担させ、美味しいところだけはつまみ食いする、という方法だ。

日本をめぐっては、オバマがやろうとしているこの路線と、長年日本に巣くってきた「親日」派の連中、そのバックにある産軍複合体との間で、せめぎ合いが起きるだろう。

オバマ路線は、ストレートに「カネよこせ」だろう。産軍複合体に流すのではなく、直接的に米国債としてカネを流させる。
日本中の貯蓄や保険で、破綻寸前の米国債を買い込ませる。
その障害になるような、中国とのトラブルは起こして欲しくない。

他方で、産軍複合体は、トラブルをかぎまわり、自らたきつけてまわる。
尖閣事件のように中国ともあえて事を構えさせ、とにかく戦争の火種を消すまいとする。
震災の復興に対してまで、ハンドラーズとしてたち振る舞おうとする。

もちろん、どちらも私たちにとっては拒絶するべき対象だ。
ただ、こういう構図を頭に置いておかないと、アッチに反対する余りにコッチに騙される ということになりかねない。

■ ■ 菅内閣に任せておいては破滅の道

原発事故についてもそうだ。
アメリカの中にも、できるだけ早く収拾したいという意志と、トラブルが大きくなった方が自分たちの利権が広がるという意志がある。前者は決して善意ではなく、あくまでアメリカの懐事情からそう考えているだけなのだが、それでも、この件に限っては後者よりはずっとマシなのは言うまでもない。

困ったことは、菅直人をはじめ、菅内閣は後者の影響が大きいと言うことだ。
震災直後に、思わず「特需」という発言をした菅直人の言動をみていると、本当に早期収束を願っているようには思えない。

原発事故対策大臣を、いまだに任命しないのもその表れ。
何の役にも立たない節電担当大臣をとっととクビにして、とりあえず細野でもいいから、原発担当大臣にすることが何故できないか。
それは、できないのではなく、やらないからだ。

会議会議のオンパレードで、誰の責任だか分からないようにすることだけに腐心している。
子どもたちに年20mSv(内部被曝を含めるともっとはるかに多い)を強要しておきながら、「それは安全委員の見解」と言う菅のすがたが象徴的だ。

おそらく、事態が破局的になるまでは、こうやってヌエのようにやり過ごし、もう事態悪化のピークになりそれ以降の責任が問われなくなった時点で、そこから後の始末はアメリカの手にゆだねられるだろう。
もっとも、放射能まみれの現場に投入されるのは、相変わらず日本在住の労働者だけれど。

国会議員の方々も、「誰の責任か分からない」ようにすることに汲々とせず、今必要なことを断固として主張していただきたい。
今の日本で、挙国一致内閣はありえない。
あまりにもアメリカなどの影響が強すぎて、とりあえず震災復興の目処が付くまでといえども、残念ながら無理だ。
テレビで盛んに流れる「日本の力」がどうしたとか、「頑張れ日本」みたいなスローガンは無意味だ。

今必要なことは、東電と原発を推進してきた勢力の責任を明確にして、事故の収束に本気で世界の全知全能を集め、被災者の民生をなんとか組み立てる、その基本が明確な政権を樹立することだ。
それ以外のことは、今は目をつぶって良いと思う。
逆に言うと、TPPをはじめ、それ以外の大きな問題は手をつけないということ。

こういう前提で、小沢一郎をはじめとした民主党主流、国民新党、社民党、共産党、みんなの党 などによって臨時内閣を樹立するべきだ。(共産は逃げるか・・・)
公明党や自民党の一部からも閣外協力を取り付けることは不可能ではないだろう。
現実的な妥協としては、オバマのラインとの協調も必要になるだろう。
大原則を守る限りにおいて、少々の妥協はよしとして、震災と原発に当たるべきだ。

菅をはじめとした民主党簒奪グループと、原発利権にどっぷりの多くの自民党は、箸にも棒にもかからない。
空き缶ボックスに突っ込んでも、リサイクルすらままならない。

最悪のシナリオは、福島の核廃棄場化だ。

そんな流れを断ち切るべく、私たちも声をあげ、デモに行き、頑張る政治家は応援しよう。

大きな声は、小さな声からしか始まらない。

あきらめず、声をあげ続けよう。


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