2013-03-27(Wed)

子ども・被災者支援法は「画期的」なのか 「ザル法」なのか  4.13学習会@大阪

昨年成立した子ども被災者支援法は、画期的な内容が書いてあると同時に、まったく実行力を伴わない実態をあわせもつ法律となった。

案の定、予算はゼロ。9ヶ月かけて作られたパッケージは極めてお粗末、というか本当にヒドイものだった。
もし、まだ見ていない方は、この稿の最後にリンクを張っているので、現物を読んでみてほしい。

この支援法については、「これを基点になんとか前進しよう」という意見と、「自民党政権下ではザル法に期待しても何の意味もない」という意見が、共に被曝を回避すべきと考える人たちの中を分断しつつある。

「画期的な成果」なのか「骨抜きにされたザル法なのか」
この際、根本では同じ方向を向いて動いている政治家、運動家の方々に集まっていただき、腹を割った討論ができればと考えている。

私自身は、こんな風に書いてはいるが、成果かザル法か という二者択一ではない と思っている。
わずかずつでも成果を勝ち取る努力も必要だし、それが自民党政権下では余りにもわずかに過ぎないというリアリティも踏まえる必要もある。

言葉で言うのは簡単だが、これは本当に難しい。
ぜひ、ご参加いただいて、議論し、行動していただきたい。

■■

4月13日 第4回未来をつくるフォーラム
いのちと大地をを守るために
~「子ども・被災者生活支援法」にいかにとり組むべきか~


 東京電力福島第一原発の事故による被災者は、健康上も生活についても大きな不安を抱えています。
「原子力災害による子ども・被災者生活支援法」は、原発事故の被災者に対し、国が支援を行うための法律です。法文では、「国の責務」として「国は原子力政策を推進してきたことに伴う社会的な責任を負っている」と明記しています。
 一方で、その内容を精査すると、施策がすぐになされなかった事によって、予算はつかず、汚染レベルの基準がない、罰則などの強制力がない、など、多くの問題点が見受けられます。

 去る3月15日、復興庁はこの法律の具体的なプログラムとして、ようやく「原子力災害による被災者支援施策パッケージ」を出しました。事故発生から2年、法律公布から9ヶ月が過ぎていました。
 しかしこれは、支援法には「被災者の意見を反映する。内容を定めるに当たって透明性の高いものにする」と明記されているにも関わらず、被災者からの現状に基づいた意見が反映されていません。
 また、対象地域が非常に限定されている。避難や移住についてはほとんど施策がない。健康対応に関しては現状の福島県の施策の継続だけ、など、当事者の被災者の方々からも批判があります。

 被災者の方々の放射線被ばくを低減し、放射線の健康への影響から回避し、暮らしが成り立つように施策がなされるには、どうすればいいのか。
 まずは正確な情報を学ぶための学習討論会をおこないます。

日時 2013年4月13日(土)18:30~21:30

会場 討論Bar”シチズン”
   大阪市浪速区日本橋5丁目14-20
   06-6537-7672 (堺筋線恵美須町駅すぐ)

定員 24名  会費 500円(ワンドリンク付)

問題提起 服部良一氏
国会報告 未定
自由討論 「これからどうするべきか」について

申込 下記かinfo@mei-getsu.comまで、お名前、人数、連絡先 をお知らせください

主催 避難者と未来をつくる会
   メール garekikarahito@yahoo.co.jp 
   電 話 070-5669-3545(黒河内) 
   F A X 03-6779-4538 (ネットFAXです)

参考サイト

子ども・被災者生活支援法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H24/H24HO048.html

原子力災害による被災者支援施策パッケージ
http://www.reconstruction.go.jp/topics/post_174.html

復興庁発表「パッケージ」について(子ども福島ネットワーク)
http://kodomofukushima.net/index.php?key=jo0isbhm7-591#_591




■■■■ お知らせ ■■■■ 

古民家再生 完成見学会

日時 3月31日(日)11:00~16:30
    説明できる人間が私一人なので、いずれかの時間に来ていただけると助かります
    ①11:00 ②14:00 ③15:30

場所 奈良県宇陀市 (近鉄大阪線 榛原駅 徒歩10分)

申込 info@mei-getsu.com まで お名前、ご住所、電話番号、来訪予定時間 を
    申込みいただいた方には、詳しい行き方などをお知らせします







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2013-03-22(Fri)

奴隷の民主主義と 奴隷頭の帝国

原発が爆発して、少なくとも何百万人もの人びとが被曝しても、じっと耐えておとなしく自民党を勝たせる日本人。

世界的に見ても、まれに見る稀少なるこの国民の現状を理解すること。
そこからしか、前に向くためのヒントが出てこないと思い、先日からのブログを書いている。

私自身のなかには、どうしようもなく日本的な部分と、いわゆる日本的な部分を否定してきたところが共存している。
だから、爆発した原発が今の今でも湯気を立てて放射能をまき散らしているのに、それをつくった自民党を圧勝させてしまう日本人を理解できる部分と、まったく信じられない部分が、やはり共存している。

それにしても、日本人の「忘れるチカラ」は、すごい。
自分のやってしまったことは、黙して語らず。無かったことにする。
強い立場の者からやられたことは、決して文句を言わず、自分の責任かのように思い込む。
弱い立場の者からやられたことは、嵩に懸かって大騒ぎする。(これだけは忘れない)

この日本的なる性格が、歴史的にどこから始まるのかよくわからないが、少なくとも1945年までは遡る必要がある。
政治家がやらかすことは色々ある。どんなことにも、かならず責任は問われる。一応は。
ところが、日本がいままでやらかした最大級の犯罪であった戦争について、この国はほとんど責任を問われなかった。
東京裁判や現地での軍事法定で、トカゲのしっぽ切りをした以外は、ほとんどの大物が戦後も大物のまま生き残った。

その際に、最高の大物をどうするかが最大の問題だった。
そう、天皇だ。

天皇が裁かれれば、それにぶら下がっていた連中は、転向か懲罰かを選択せざるを得なくなる。
だから、ぶら下がりは何よりも天皇制の護持を乞い願った。
終戦交渉もそれで難航し、降伏した後も、日本側がつくった松本案憲法などは、大日本帝国憲法と大差ない。

この段階で、占領国であるアメリカが取った手法こそが、その後の67年をつくってきたと言える。
尖った言い方をすれば、日本は67年間マッカーサーの手のひらの上で踊ってきたのである。
ここを理解せずして、日本をどうにかしようとしても、びくともしないのではないか。

■■
マッカーサー占領軍が日本に侵攻した時、何をまず考えたのだろうか。
戦争である以上、脅威を排除することだろう。

そこでの脅威は、戦争を止めようとしない右翼と、敗戦を機に革命を企てる左翼だったはずだ。
仮におおもとはアメリカ側が仕組んだ戦争だったとしても、常軌を逸した戦闘にうって出る日本軍は、なんとしても解体する必要があった。
特に、主戦論を唱え続けてきた右翼勢力はこの際一掃してしまいたい。
しかし、戦犯を片っ端から処刑し、右翼を武装解除して戦犯を釈放すれば、革命の危機が大きくなる。
革命勢力を叩くためには、右翼を完全に去勢するわけにいかない。

東欧諸国ではソ連軍によってナチスからの「解放」がなされ、中国では国共内戦が再び始まっていた。日本の革命ということには充分にリアリティがあった。
45年、46年の時点で、2.1ゼネストのような規模の運動が起きていれば、日本のありようもかなり違ったものになっていただろう。
しかし、そうした運動の代わりに生まれたのは、憲法だった。

ここで、マッカーサーは実に巧妙な手をうった。

革命の代わりに9条を与え、帝国の代わりに1条を与えたのである。
そして、それぞれの勢力が、角逐しながら憲法の半分づつを守るという体制を築き上げた。
奴隷の民主主義と、奴隷頭の帝国を共存させたのである。

右翼が調子に乗って、「自主独立だ」と騒げば、「民主勢力」が牽制してくれる。
「民主勢力」が、戦争責任を言い出せば、右翼がたたきつぶしてくれる。

こうして、1条と9条という、絶対的に矛盾する内容をもった日本国憲法はできあがった。
たしかに、象徴天皇という言葉は在野の「憲法研究会」の発案だったが、その骨格と方向性を決めたのは占領軍だったことは明らかだ。
占領とはそういうことだ。

現行憲法は、「戦争責任を問わない代わりに、形だけの民主主義をあげますよ」という、日本人民と占領軍との間の契約だったとも言える。
革命派は、結局この契約に暗黙のサインをしてしまった。その後、ほとんどは護憲派になっていく。その意味では、一部の右翼が言っているように「護憲とは思考停止だ」というのも正しい。

しかし、言葉では「自主憲法制定」などと言っているような右翼連中も、ほぼ全部が親米右翼という訳の分からない生き物になり果てている。
それは、占領軍に戦争責任を見逃してもらった連中に他ならないからだ。9条をのむ代わりに、無罪放免になったばかりか、植民地化した大陸でしこたま溜め込んだ財産を保全してもらった笹川良一や児玉誉士夫などなど、こうした人びとによって日本の「保守」勢力はつくられた。
政治だけでなく、財界も学会もしかりである。

悪魔の飽食の731部隊も、石井隊長はじめ誰一人戦犯に問われずに、むしろ日本の戦後の医学会を牽引した。
人体実験のデータを米軍に提供することと引き替えに、無罪放免になり、米軍の原爆「成果」研究である放影研(当時ABCC)の研究の主力になった
という話は、つとに有名だ。
その末裔が、あの福島の悪魔とも言われる山下俊一である。

そんなわけで、右翼の言う「自主独立」は「民主主義」に対立させるためだけの虚仮威(こけおど)しであり、改憲をいう勢力もまた「思考停止」であり、さらに「利権まみれ」というおまけも付いている。

■■
護憲VS改憲 という構図自体が、67年前に巧みに仕組まれた占領政策だと分かった今、安倍晋三がことさらに騒ぐ改憲についても、注意深く見ておく必要がある。

もちろん、現憲法には9条を始め、これ以上絶対に悪くしてはいけないという部分が多い。
戦後直ぐの、日本も革命が起きるかもしれないというリアリティの中では、米国もかなり妥協したけれども、今になってみればこんなに自由を与える必要も無いな と考えているのは確かだろう。
だから、安倍晋三が改憲を言うのも、それなりに本気なのだとは思う。

ただ、歴史的に憲法が果たしてきた属国支配の有効性を省みれば、いたずらに変えることよりも、あまり厳密に守らなくてもいい、という現状でもさほどの不自由は感じていないはずだ。
なにせ、9条があっても軍隊があって他国の戦争にも出かけていくのだから。
司法に違憲だと断じられても国会は知らん顔なのだから。
実質的に、今の日本には憲法は無いも同然だ。

それでもなお、安倍晋三が改憲を声高に言うということは、目くらましである可能性が高い。
憲法をいじれば、「民主勢力」は他の課題をそっちのけにしても、憲法にかじりついてくる。それを狙っているのではないか。

安倍晋三が抱えている課題で、本当に深刻な問題は、原発(含む被曝)とTPPだ。
現実に数百万人が被曝し、これから数年で恐ろしい結果が隠しきれなくなってくる。しかも、ふくいちは穴が開いたままで、先の見通しなんて無い。
TPPは、そんな日本から、速攻で獲れるものは獲ってしまえという狩猟型の収奪システムだ。8000兆円の国民資産をごっそり削り取っていく。

この目に見えて国民の悲惨な状態を突きつけられる課題から、なんとかして目をそらそうとして、国防軍だ96条だと騒いでいるのではないか。
もちろん、あわよくば本当に改憲してやろうと思っているだろうから、油断はできないが、その本質は見ておくべきだ。

■■
戦後の革命期だったから、まがいなりにもこの憲法という代替が与えられたし、かつてはそれなりに国民運動があったから海外派兵まではされなかった。
結局は、力関係なのである。

そして、その本質的な対立軸は、憲法ではない。
「責任を問う」ということだ。

戦争責任から原発事故責任に至る、その責任を問う ということだ。
もちろん、戦争責任は日本の責任もあるし、アメリカの責任もある。
日本の侵略も、アメリカの大殺戮も、ともに責任を問わなくてはならない。
日本の侵略の責任を徹底的に明らかにすることで、アメリカの責任をも問えるのだ。

大虐殺された広島で、虐殺された側が「二度と過ちは繰り返しません」と言う矛盾を、いつまでも抱えていてはいけない。

責任を問う能力、思考力を奪うために、「戦後民主主義」は与えられ、機能してきた。
しかし、いまや戦後民主主義は良くも悪しくもその機能を失いつつある。

今こそ、自分の目で見る、頭で考える、足で立つ時だ。
利権まみれの親米右翼どもの言う「自主独立」とは、まったく次元の違う意味で、自立する以外に、先へ進む道は無い。


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2013-03-17(Sun)

阿片 憲法 TPP

阿片には、他国を侵略するための3つの機能がすべて備わっている。

20130317-1.jpg 1.惑溺させる
2.反撃力を破壊する
3.収奪する

このすべてが備わっているとき、理想的な占領政策が遂行できる。
植民地が、結果的にボロボロに衰滅してもいいときは。

まず、強面で占領を始めると、大きな反撃に遭い失敗の可能性が高い。少なくとも、初期の軍事的な占領に大きなコストを払う必要があるが、甘い香りと共に侵攻すれば、被占領民は歓呼の声で占領軍を迎えるだろう。

しかし、イザと言うときの反撃力をそぎ落としておかなくては、当初は歓迎した人民も、占領軍の正体を見たとたんに歯向かってくるかもしれない。そのためには、早期に人格崩壊などの措置をこうじる必要がある。阿片はまさに理想的な道具である。

そうやって完璧に占領したとしても、そもそも富の収奪ができなければ何のために占領したのかわからない。社会の隅々にまで浸透して、ありとあらゆる階層から持てる富を収奪する必要がある。軽くて高価で中毒性の高い阿片は、この点でも充分な機能を兼ね備えている。

イギリスはこの阿片の機能を十二分に使い尽くして中国を占領した。
そして、日本人はあまり知らないけれども、日本もまた、阿片を最大限に活用して満州帝国をねつ造した。

その阿片をもってしても、完全に中毒患者に仕立てることのできた中国人は、数%だったと言われている。それでも、絶大なチカラを発揮したのではあるが、日本は最終的に敗北した。米国に敗北したと同時に、広大な後背地をもつ中国にも完敗した。

■■
日本を占領した米国は、阿片は用いなかった。
即効性もあり、莫大な利益を吸い上げることはできるけれども、その絶対的な効用は社会の数%にしか及ばないこと。日本のように敗北することもあり得ること。そうした教訓を充分にくみ取ったのだろう。

阿片の代わりに米国が用いたのは、圧倒的な物質文明と、   憲法だった。

憲法は阿片だった。
そんなことを書くと、右翼は大喜びし、このブログの読者は「山岸は右翼に転向したらしい」と思うかもしれない。

どう思われようといいのだけれども、何故こんなことを言うのかは、ちゃんと書いておきたい。
私が憲法に納得できないのは、二つの点だ。

ひとつは、1条と9条は完全に矛盾する ということ。
ふたつは、民主主義を謳う憲法が、民主的に決められなかったこと。

1条は「戦争責任を問わない」という意味であり、9条は「交戦権の否定」である。
東京裁判でトカゲのしっぽ切りをする以外は日本の戦争責任は問わない。そのかわり武装解除して交戦権は認めない。
これが憲法の根本精神である。

戦争責任を取らせたら、革命や暴動が起きてしまうかもしれない。そうなったら占領どころじゃなくなるわけで、米国は困った。
天皇を無傷で残しておけば、「本当は日本は悪くなかったんだよ」という象徴になるから、右翼はそれで押さえられる。
と同時に、世界唯一の不戦条項を設ければ、左翼も中国などの被占領国も納得するだろう。

このような思惑を込めて、日本国憲法は作られた。
崇高な理念の元に美しくも気高い憲法が作られたわけではない。

さらに、この憲法の最初に書いてある言葉はこれだ。

20130317-2.jpg 「朕は、日本国民の総意に基いて、新日本建設の礎が、定まるに至つたことを、深くよろこび、枢密顧問の諮詢及び帝国憲法第七十三条による帝国議会の議決を経た帝国憲法の改正を裁可し、ここにこれを公布せしめる。 御名御璽」

現憲法を制定したのは、大日本帝国憲法下でおこなわれた第22回総選挙で選ばれた国会である。
大日本帝国憲法の第5条 「天皇は帝国議会の協賛を以て立法権を行ふ」
だから、現憲法の最初には御名御璽 と書いてあるのだ。

憲法制定会議を民主的に選んで決めたのではなく、「大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス」の旧憲法のもとで決められたのだ。
より正確に言うと、占領国である米国が、大日本帝国憲法をうまく利用して造ったのである。

1条と9条によって、国民を惑溺させ、同時にその二つを共存させることによって、日本人から論理的な思考能力を奪った。
天皇が無罪ならばあの戦争は悪くなかったのであり、戦争放棄する理由がない。
軍隊を放棄するほどあの戦争が悪かったのならば、統治者である天皇は死刑だ。
これが、論理的ということだ。

ところが、戦後の日本の最高法規は、悪かったけど悪くない。悪くないけど悪かった。という訳の分からない屁理屈でできている。
そこから、何でもかんでも玉虫色が日本的なんだ。これでいいのだ。という「文化」ができあがっていった。
教育を始めとして、論理的に考えると言うことを徹底して排除していった。

念のために書いておくと、私は自衛隊すら要らないという徹底不戦論者だし、改憲にも絶対に反対だ。
けれども、護憲派ではない。
護憲という概念は、残念ながら憲法に仕掛けられた惑溺効果にはまってしまった結果だからだ。

もちろん改憲派でもない。
憲法改正 という概念もまた、憲法に仕掛けられた惑溺効果にはまってしまった結果だからだ。

護憲派と改憲派の争いは、しょせん憲法に仕掛けられた手のひらの上の争いにすぎないのだ。
占領国アメリカが憲法という手段に期待した「惑溺」と「無力化」の二つの機能は、護憲VS改憲という茶番として見事に花開いてしまった。

それでもVSの構図があるウチはよかった。
いまや、惑溺と無力化の効力は、日本全国通津浦々にいきわたり、原発が爆発しても慌てず騒がず粛々として日常生活を送るほどにロボトミー化されている。
憲法の威力をまざまざと見せつけられた。

■■
これほどに強力な占領の道具であった日本国憲法も、収奪の手段はもっていない。
阿片は、それ自体が収奪の手段まで備えていたけれども、憲法は直接カネは奪えない。

60年間も太らせてきた家畜を、そろそろ解体して商品にしなくてはならない。
そのためには、憲法とは別の道具を用意する必要がある。
そこで出てきたのが、TPP である。

関税撤廃も大変なことだけれども、たぶんもっとすごい話になるのが非関税障壁のほうだ。
たとえば私の領域で考えてみると、国産材を使うための補助金。
国も都道府県も市町村も、いろいろな補助金を用意している。
しかしこれは、木材を日本に輸出したい米国林業からすれば、歴然とした非関税障壁だ。

20130317-3.jpg こうしたことが、日本中のありとあらゆる局面でおきてくる。
そうやって、日本の総資産8000兆円。毎年生み出す500兆円。これを何割奪い尽くすかということが進行していく。

しかも、ノンビリやっていたら収奪し尽くす前に獲物の命脈のほうが先に尽きてしまうので、収奪は迅速苛烈を極める。
従来の米国の収奪は、フローである500兆円からの収奪が主だった。しかし、TPPを使っての収奪は8000兆円のストック本体と、500兆円のフローを生み出す仕組みに切り込んでくる。

■■
2万人近い人が亡くなり、数十万人が避難を余儀なくされ、数千万人が被曝させられながら、その原因を作ってきた自民党を圧勝させる日本。
世界から見れば、北朝鮮以上に理解不能な日本。

それを良いとか悪いとか言ってみても、何の意味もない。
その理由を冷静に考える必要がある。
それなしには前に進むことができない。

繰り返しになるが、私は今の憲法は変えるべきではない、と考えている。
戦争責任を問うことのできるその日までは、今の憲法は一言一句たりとも変えるべきではない。

ただ同時に、その憲法は戦争責任を有耶無耶にし、日本人から思考能力を奪うためのものでもある、と自覚しなくてはならない。
護憲教という神棚に祭り上げて手を合わせているようでは、今のこの不思議の国・日本は変わることができない。



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2013-03-11(Mon)

2年目を迎えて見えてくること

2年目の日が来てしまった。

被災者の生活を守る政治を、まったく実現できないままに、この日を迎えてしまった。
実現できなかったどころか、昨年の選挙で、生活を守る勢力は壊滅状態になってしまった。このような非情な結果を作り出してしまったことに、いまだ気持ちが立ち直っていないのが正直なところだ。

しかし、被災者はそんな感傷にひたる余地もなく、日々現実に迫られている。
3.11「以降」に失われた命も多い。
そして、ばらまかれた放射能は時々刻々と人の命を削っている。

ここで一度、しっかりと「今」を見ておきたいと思う。

■■
安倍晋三が訪米時に、けんもほろろの扱いをされて帰国して以来、「尖閣」というキーワードがニュース番組から激減したように思われないだろうか。
今でも尖閣周辺の状況は変わっていないはずだ。それどころか、第2の海軍とも言われる国家海洋局を新設し、尖閣(釣魚島)への対応には余念がないように見られる。
しかし、今にも戦火を開くかのような調子だったあの日本での過熱報道は、ぷっつりと消えてしまった。

20130311-1.jpg ちなみに言えば、PM2.5についての報道も変わっている。
飛んできているのは、黄砂と煤煙が混じったものなわけだが、2月には反中国を煽るためにPM2.5ばかりがネタになっていた。3月に入って被害が本格化しているのに、報道は主に「自然現象」である黄砂という言い方になっている。

そして、安倍晋三がなりふりかまわずに突進しているのが、TPPへの参加である。
自民党内ですら反対多数であるにもかかわらず、今週中にも交渉参加を決定するという。自民党がかつての自民党ならば、安倍おろしが始まって、引きずり下ろされていたはずだ。
しかし、今はそうはならない。自民党にそのような自立的な体力はもう残っていない。

オバマと安倍晋三の会談において、それまでの安倍路線ははっきり否定されたのだ。
安倍路線は、増税して局地戦をやり、憲法を変えてウルトラ右翼の国家にすることだった。
しかし、オバマが望んだのは、そんなまだるっこしい話ではなく「カネ」だ。
むしろ、あまり強権的な独裁政権は、宗主国としては望まない。衆愚政治が一番都合が良いのだ。

安倍晋三に対するオバマの本音を想像するに、こういうことだろう。
「奴隷頭のくせに、ウチの最大のスポンサーとケンカをするなど、何を考えてるんだ。そんなことに使うカネがあったら、とっとと供出しろ。」
「これまで育ててやった日本の右翼は、イザと言うときにぜんぜん役に立たないじゃないか。もっとスマートにカネを巻き上げる方法を考えろよ。オマエハアホカ 」

かくして、晩餐会も開いてもらえず、なんと共同記者会見までなしという、惨めな姿を安倍晋三は世界にさらすことになった。
真っ青になった安倍と外務省は、がらっと方針転換を決めた。
「何はなくともTPPだ。尖閣よりも増税よりも、とにかくTPP最優先だ。交渉(と言う名の通告)に参加して米国の言うなりの条件を飲まないと、見捨てられる。」

聖域なき関税撤廃ではない、と言ってもらったし、大丈夫。と安倍は言うけれども、「誰にとっての聖域か」はどこにも書いていない。当然ながら「米国にとっての聖域」は守るという意味であって、日本はせいぜい米の関税を残すだけになるだろう。

TPPで日本からカネを巻き上げるという観点からは、新自由主義的な、金持ちが何の規制もなく動ける状態が一番望ましい。
金の力が一番。札束の威力に対して、消費者や労働者や貧困層を保護するような策は、一切何もないのが一番望ましい。
そうすれば、数年で日本の資産を吸い尽くすことが可能になる。

日本の国民総資産は8000兆円以上。毎年生み出す国内総生産は500兆円以上。
このうち、どれだけを米国に吸い上げることができるか。

財務省あたりは、増税してかき集めた数兆円を貢ぐつもりだろうが、オバマの目論見とは一桁も二桁もずれている。
これがオバマの使命であり、その手段としてのTPPだ。

■■
それにしても、自民党と安倍晋三は、TPPに反対するかのようなことを言って選挙で圧勝した。
それが、これほどアッサリと参加表明をして、参議院選挙は大丈夫なのか。
ほとんどの自民党議員は不安で一杯のはずだ。

20130311-2.jpg これについても、テレビ画面を観察していると、およその方向が見えてくる。
安倍晋三は、TPPと無理心中をさせられる。後釜には石破茂がつくだろうが、耳目を集めるのはむしろ小泉進次郎の復興大臣起用になるだろう。
シンジローシンジローの大合唱のウチに7月の参議院選を迎えることになる。

もちろん、その陰でTPPはガンガン進んでいくのだが、そんな情報はかすんで見せない。
すでに、朝日系列は小泉進次郎の宣伝機関と化しており、被災地を蹂躙する進次郎の傲慢な姿ばかり流していて不愉快きわまりない。

進次郎が台風の目になれば、維新も前原グループもすり寄っていくはずだ。
参議院選挙は、こうした状況で闘われることになると、私は想像する。
残念ながら、マスメディアと一丸となった自民党の圧勝は避けられそうもない。

■■
原発はどうなるだろうか。
オバマは、3.11後には日本から原発を取り上げようとした様子があった。
あまりにバカな、つまり、洗脳する側の人間が自分で安全神話に洗脳されてしまった原子力村の現状は、世界の原子力産業にとってマイナスにしかならないと判断したのだろう。
その尖兵が他ならぬ菅直人だったわけだが、日本の原子力マフィアはあまりにも強大であり、オバマの意の通りにはならなかった。

オバマとしても、これについてはTPPほど強引にやる必要も無く、適当に妥協して今日の状況がある。
つまり、規制委員会なるものが作られ、適当な新安全基準が作成され、いくつかの原子炉は危険だと言うことになり、でも大半の原発は再稼働するし、いくつかの原発は「安全のため」に新設される。
私の予想では、最低でも15基は残し、島根、大間、上関は新設するのではないか。

ただ、今後の原子力マフィアの最大のビジネスは、原発の輸出である。
その際の一番のセールストークは、「ゴミは引き取ります」

20130311-3.jpg 客観的に考えれば容易に想像がつくことだが、世界の原子力マフィアの目は、福島第一原発そのものではなく、その周辺に注がれている。周囲20キロに建設されるであろう、核廃棄物処分場。世界で2番目になるはずのオンカロ。
すでに、IAEAは福島現地事務所を開設し、着々と準備を進めているように見える。

TPPが発効すれば、米国の核廃棄物であっても、IAEAのお墨付きがあれば、断ることはできない。
もちろん、日立や東芝や三菱が他国に作った原発の核ゴミも、お持ち帰り自由である。

3.11以降、福島周辺をめぐるすべての事態は、ここに世界の核の墓場をつくることを中心に回っているように思える。
ばらまかれた放射能を放置し、被曝を強要し、癌になっても「原発事故とは無関係」と言い続ける人殺しどもが横行しているのも、元はと言えばここに端を発している。

当然ながら核廃棄場を作るには、周囲を無人化する必要がある。
さすがの原子力マフィアの力をもってしても、原発は作ることができても、核処分場は作ることができなかった。それは、そこに人が住んでいたからだ。だったら、最初から無人化して地元住民というものが存在しなければいい。
そう考えるだろう。

しかし、強制移住は費用がかかる。
いちばん手のかからない無人化はどうすればいいか。簡単に言うと、皆殺しである。
正確には、健康被害の激発を放置して、いたたまれなくなって住民が勝手に逃げ出していくように仕向ける。
どんなに健康被害が出ようと、死人が出ようと、ぜんぶ「因果関係が証明できない」と言い続けるのである。

そうなることは、残念ながらチェルノブイリですでに証明済みだ。
数十万人の癌や健康被害が誰の目にも明らかになり、健康な子どもが5人に1人くらいしかいないような状況で、それでも住み続けるという人がどれだけいるだろうか。
そうなる前に避難、移住をしなければならないのだが、今おこなわれていることは、あえて健康被害の激発をあからさまにすることなのである。

■■
いくら何でも、一応人間の顔をしたものがそこまでするか と思われる方にはこのことを知っていただきたい。

日本の被曝医療の権威は、広島と長崎にある
放射線影響研究所(放影研)だ。
この放影研は、1975年に、原爆の「効果」を調査するために米軍が作ったABCCと、日本の国立予防衛生研究所(予研)が統合したものである。
20130311-4.jpg 予研とは、敗戦までは陸軍軍医学校防疫研究室であり、この研究室の「満州」での出先機関が、あの731部隊である。

悪魔の飽食で知られる731部隊は、その人体実験データを米軍に提供することと引き替えに戦犯を免れて生き残り、その多くが予研に残り、ABCCの研究にも参加協力した。
日本の被曝医療の研究は、原爆の「効果」を研究する目的で、731部隊の生き残りによって担われてきたのだ。
そのことを、知った上で、今日の福島を、日本を見なければならない。

こうして被曝医療の権威となった放影研の第3第理事長である重松逸三と
、その弟子で第4代理事長の長瀧重信が、チェルノブイリで「放射線被曝に原因がある健康障害はなかった」という91年のIAEA報告をまとめた。この恥知らずな報告のおかげで、どれほどの人びとが苦しんだか、命を失ったか、想像するに余りある。
そして、
長瀧重信の愛弟子であり、彼らの研究調査のためにチェルノブイリ現地に派遣されたのが山下俊一だった。
(このあたりのことは、広河隆一氏の「チェルノブイリから広島へ」に詳述されている)

山下俊一は、こうした歴史を背負って、福島に乗り込んできたのである。
731部隊から譲り受けた、人体実験の伝統と、チェルノブイリで鍛えられた、ウソとねつ造の技術。
同じ人間なのだから・・・ などと思っていたら、大間違いなのだ。

■■
小泉進次郎を顔にして参議院にも圧勝するだろう自民党が、わざと被曝障害を激発させながら、どこまでも「因果関係は証明されない」と言い続ける。

それでも福島に住み続ける人には、進次郎がこれ見よがしに「温情」政策をとって懐柔し、数年の後にはオンカロの建設が決まり、世界の核廃棄物が押し寄せる。

8000兆円の国民資産と、毎年500兆円の国内生産は、かなりの割合を米国に吸い上げられ、日本の主力産業は、廃炉と核廃棄になる日は、そう遠くないのではないか。

どこまで抵抗できるのか、いつになったら逆転できるのか、今は分からないけれども、このまま唯々諾々と流されていくことは、私には耐えられない。少なくとも、子どもに顔向けができない。

自己満足の「運動」に終わらないように気をつけながら、できることをやっていきたい。
一つは、できるかぎり食い止める運動。 もう一つは、どんどんひどい世の中になったときに生き延びていけるための模索。

食い止める運動は、政治を市民の手に!プロジェクト や 避難者と未来をつくる会 の活動として。
生き延びるための模索は 郊外楽園研究会 の活動として。
木の家づくりの本来の仕事はもちろんやりながら。


■■■■ お知らせ

古民家再生 完成見学会

日時 3月31日(日)11:00~16:30
    説明できる人間が私一人なので、いずれかの時間に来ていただけると助かります
    ①11:00 ②14:00 ③15:30

場所 奈良県宇陀市 (近鉄大阪線 榛原駅 徒歩10分)

申込 info@mei-getsu.com まで お名前、ご住所、電話番号、来訪予定時間 を
    申込みいただいた方には、詳しい行き方などをお知らせします




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2013-03-07(Thu)

【日程変更3/31】古民家再生の完成見学会

【先日発表した見学会の日程変更です】
3月31日(日)になります
***********************************

ひ~さしぶりの家づくりネタです。

古い友人からの紹介で、この1年半とり組んでいた古民家再生の仕事が、どうやら今月で目処がつきそう。
ということで、お施主さんの了解をいただいて完成見学会をさせてもらうことになった。

日時 3月24 31日(日)11:00~16:30
    説明できる人間が私一人なので、いずれかの時間に来ていただけると助かります
    ①11:00 ②14:00 ③15:30

場所 奈良県宇陀市 (近鉄大阪線 榛原駅 徒歩10分)

申込 info@mei-getsu.com まで お名前、ご住所、電話番号、来訪予定時間 を
    申込みいただいた方には、詳しい行き方などをお知らせします


思いおこせば、一昨年の10月に実測調査に入り、設計に半年余りを費やし、昨年6月から解体工事に。
ところが、解体してみると思った以上に傷みが激しく、シロアリの害が2階まで広がっていた。

一度工事を止めて、1ヶ月間悩みに悩んで方針を決め、あれやらこれやら どうにかこうにか今日に至る、というかなり苦心した現場だった。文句なしに、今までで一番大変だった。
それだけに、思い入れも強く、ぜひ多くの方に見ていただきたい。

以前の姿
              (以前の姿)

この家は、築100年は超えるだろうといわれている。
古い家を、元の通りに復元するのではなく、現代の生活ができるように、かなり手を入れている。
主な部分の意匠は残しながらも、かなり大胆な改造を施した。

もちろん、構造的にもイマドキの家として遜色のないレベルにまで補強した。
家が建ったままで基礎を作りかえるのは、実に大変だった。

基礎を作っている
          (作り直した基礎)

文化財として古いまま残すことも大事だとは思うが、やはり家は住んでナンボ。新旧を融合させて住まいとして復活させることを、私としては優先させた。

シロアリに食われなかった柱や梁はそのまま使い、できるだけ見せるようにした。
一方で、窓は以前のままではすきま風がビュービュー入るので、これは現代のものに入れ替え。ただし、いわゆるアルミサッシでは台無しなので、いろいろと工夫をした。

できあがりつつある
          (できつつある部屋)

キッチンも、民家の内装に馴染むインテリアとして、アイランド型の木のキッチンにした。
総じて、古民家の意匠を大事にしつつ、それを住む人に押しつけないデザインに、なんとかなったのではないかと思っている。

大阪からだと1時間以上かかる場所ではあるけれども、ご興味のある方はぜひともお越しください。

                          2013.3.7
                          木の家プロデュース明月社 山岸飛鳥


3月24日は、下記のイベントも

第1回 政経ミニフォーラム ー経済の真相シリーズ1
講師  岩本沙弓氏  中村てつじ元衆議院議員
詳細 → 政治と生活を考える会ブログ

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2013-03-05(Tue)

Google の横暴

今日からGoogleが新手の「安全対策」を始めたらしい

グーグルが「安全対策」として一部サイトへのアクセスをブロック 毎日jpなど大手サイトも
2013.3.5 産経


なんと、そのあおりを食って、このブログも「警告」が出るようになってしまった

20130305-1.jpg
ひとのことをドロボウ扱いだ。

原因は 「国民の生活が第一TBP」らしい。
BlogPeople というネット上で意見を集う手段を提供している会社が悪いのだという。

BlogPeople には連絡を入れたが、とりあえず緊急避難で「国民の生活が第一TBP」はサイドメニューから外した。
しばらく経緯を見守ることにするが、世界中のネット情報を牛耳るGoogleの権力を垣間見たような気がする。


<追記>

問合せをしたBlogPeopleから、速攻で返事が来た。17:50時点で警告でなくなったはず と。

http://news.blogpeople.net/news/archives/2013/03/blogpeoplechrom.html

もし、それ以降に警告出た方は教えて下さい。

2013-03-05(Tue)

敗北の30年を取り戻す

中曽根が国鉄分割民営化をした時,私は不安に駆られたが,
自分は労働組合ではなかったので,何の行動も起こさなかった。
その次,安倍晋三はNHK番組改変でマスメディアを弾圧した。
私はさらに不安を感じたが,自分はジャーナリストではなかったので,何の抗議もしなかった。
それから検察は、保守政治家である小沢一郎まで弾圧の輪を広げていき,
そのたびに私の不安は増大したが,それでも私は行動に出なかった。
ある日ついに、原発が爆発した。
そして私は危険を感じた。
だから行動に立ち上がったが,その時は,すべてがあまりに遅過ぎた。


言うまでもなくマルティン・ニーメラーの「彼らが最初共産主義者を攻撃したとき」の替え歌である。

こうして振り返ってみると、敵は30年かけて準備してきている。
いつか訪れる破局に向けて、抵抗や革命が起きないように、徹底的に民衆の牙を抜き、抵抗の芽になるものを摘み取ってきた。

30年前には、労組もマスメディアも政治家も、すでに骨抜きだったが、敵は念入りに徹底破壊をした。
国鉄民営化という名の労組破壊。ストライキが市民権を失い、労組は怠け者の巣窟かのように印象づけられてしまった。

安倍晋三らがNHKを恫喝して番組を改変させ、朝日も巻きぞえにすることで、片隅に残っていた報道の自由を最終的にへし折った。
私は当時は朝日をとっていたが、あの事件の前後で紙面や論調が激変した。前がそれほど良かったわけではないが、後はいかにも卑屈な紙面になってしまった。

そして小沢一郎への弾圧だ。いわゆる革新と言われた勢力が総崩れした後に、一人残ったのが保守政治家の小沢一郎だった。あとは、小沢さえ潰してしまえば、どんなに酷い政治をやろうが、収奪をしようが、抵抗する核はない。
せいぜいバラバラの小規模な抗議運動があるだけ。そんなものは無視すればいい。

小沢弾圧で特徴的だったのは、一足先に背骨を折られた「革新」勢力が、権力と一緒になって小沢批判をしたことだ。
私はその状況を見て、保守なんて大嫌いだったけれども、陸山会に入ろうと決めた。それが、もっともラディカルな抵抗の意思表示だと思った。

元「革新」の菅直人が小沢弾圧に血道を上げているその時に、大地が揺れ原発が爆発した。
30年の成果がフルに活用された。1000万人が被曝させられたのに、責任者はのうのうと高禄を食み、マスメディアは翼賛報道機関ぶりを競っている。

敵の準備のほどをみると、一朝一夕で倒せる相手ではない。
放射線は待ってくれない以上、のんびりしている暇はないんだ とも思うのだが、それでも少なくとも30年分の敵のアドバンテージをどうやってひっくり返すか。

それを考えなくちゃならない



2013-03-04(Mon)

津波被害はなぜおきたのか

いま、TBS(MBS)で南三陸町の取材番組をやっている。

2年経った状態を生々しく伝えている。
南三陸町の象徴のようになり、今ではバスガイドが付いて観光客が訪れる防災対策庁舎の鉄骨。高さ12mのこの建物の屋上に逃げた人々が流された。
ここでは津波の高さは16mにおよんだと言われる。

でも、この映像を見て不思議に思わないだろうか?
日本中の人が見ているこの建物の映像。
なぜ、誰一人違和感を感じないのか?

100年あまり前の明治三陸津波は、最大38.2mを記録している。
三陸沖はプレート地震が起きることもわかっていた。
であるならば、最低でも40mの津波に備えるのが当たり前ではないか。

にもかかわらず、なぜ防災対策庁舎がわずか12mしかないのか。
わたしは、最初にこの映像を見たときからずっとおかしいと感じてきた。

建物の高さだけでなく、町職員が避難せずにここの留まったと言うことは、その程度の津波しか来ないと判断していたからだ。
どうしてそんなことになってしまったのだろうか。

しかも、番組の続きでは、スーパー防潮堤の工事予定現場の映像がながれ、その高さは8.2mなのだという。
16mの津波で流された町の防潮堤が8.2mというのは、一体全体何なのだ?
そんなものを作ることの是非ももちろんあるが、仮に作ったとしても同じ規模の津波には役にたたない。

海辺の自治体が、最大40mの津波を想定し、避難する計画を作り、日頃訓練をしていれば、少なくとも人命の被害は桁違いに少なかったはずだ。

私は小学生だった1970年前後、仙台に住んでいた。
ちょうど福島第一原発が動き始めたころだ。
三陸海岸は大津波が来るところだと、小学校で教えられた。リアス式海岸の危険性も教えてもらった。

しかしその後、チリ地震津波の被害もあったのに、そうした地域の常識が薄れていったようだ。
それはまさに、全国に原発が続々と増殖していく時間軸と軌を一にしていた。

ここまで書けば、原発の実態を知った人たちは、続きが想像つくだろう。

原発の罪悪は数々あるが、その中の一つに 「津波の想定を低くさせた」 というものがある。

40mの津波を想定したら、原発を海辺に作ることができない。
福島第一原発では、わずかに5.7mしか想定していなかった。

いや、実は震災の前年に、15mになるという試算をしたのだが、「原発の都合に合わせて、想定高さを低くした」 のである。

東電、15m超の津波も予測…想定外主張崩れる
2011年8月25日読売

同じことが、全国の原発で行われたはずだ。
さて、福島でも青森でも、5m程度の想定をしているのに、宮城や岩手が40mの想定ができるだろうか?

原発のあるところだけ想定が低い、なんてことはできない。
他の自治体が想定する津波の高さも、当然ながら 「原発で想定する津波より高くできない」。

そして、原発は今や日本中の海岸に立ち並んでいる。
日本の津波の高さ想定は 「この程度だったら原発に被害が出ない」 という高さにおさえられているのである。

結論

津波が起きるのは自然現象。
しかし、津波で被害を引き起こしているのは、実は原発だ。
放射能被害ばかりでなく、津波被害も、元凶は原発だったのだ。

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