2013-04-28(Sun)

屈辱の日に

20130428-0.jpg 沖縄に基地を押しつけた日を 「主権回復の日」 としてめでたく祝う自民党と天皇。

「戦後レジームからの脱却」のために改憲だ と息巻いてみせる安倍晋三。

こいつらの脳内をのぞいてみよう。

ところで、単純な疑問を感じないだろうか?
主権回復の日? だったら何故「戦後レジーム」から脱却する必要がある? 主権回復してるなら脱却の必要はないんじゃないの?

実際のところ、安倍晋三が目指すのは「戦後レジームのバージョンアップ」であり「戦後レジームの完成」だ。

脱却というなら日米地位協定も日米原子力協定も破棄してみろ。できないくせに脱却とか言うな!

ところで、そもそも「戦後レジーム」とは何なのか。
誤解を恐れずに言うと、日米安保を守るために平和憲法というエサをぶら下げた状態のこと。

エサとか言うと、護憲派の人に怒られるかもしれない。たしかに1条と9条の「国際紛争を解決する手段としては」以外は完璧だと私も思う。
しかし、1条(戦争責任の放棄)と9条の「国際紛争を解決する手段としては」(自衛ならOK)によって、核心部には穴が開いていることも事実だ。だから、今のこの現状があるのだ。

そうは言うものの、やはりこの憲法に戦後の暮らしは守られてきた。
戦前の指導者が、ごっそりそのまま生き残ったのが戦後の日本だ。その象徴が憲法第1条 天皇である。
実態としても、一部公職追放になったものですら数年後には復帰しており、日本のトップは戦前と戦後でたいして顔ぶれは変わっていない。

つまり、憲法がなかったら、戦前のあの抑圧支配が続いていたということだ。
もしそうなれば、可能性はふたつ。
68年も戦争無しの状態は続かなかった、あるいは、革命が起きていた。
その両方を未然に防止してきたのが、この憲法であったことは間違いない。

20130428-3.jpg いまどき革命というと、まるでSF小説かのように聞こえるかもしれないが、当時は普通にリアリティがあった。
中国ではホントに革命が起きていたし、日本国内でもそういう民衆パワーが見られた。
その結果がうまく行くかどうかはこのさい関係なく、政権が革命で転覆する可能性が本当にあった、ということだ。

このくらいの憲法を作らないと、日本のバカな支配者は戦前さながらの圧政を止めないし、そんなことをしたら本当に革命が起きるかもしれない。
革命なんて起きてしまったら、日本をアジアの基地にするという米軍の世界戦略(日米安保)がズタズタになる。
そういう状況だったから作られたのが、この憲法だ。

ただ、口を開けてボーとしていたらマッカーサーがお口に入れてくれたわけではない。

■■
しかし「68年間かけて羊化された日本人には、もうエサは必要ない」というのが改憲であり「戦後レジームの脱却」の正体だ。

3.11から昨年12.16までの21ヶ月で、「日本人の羊化は完成した」と最終的に判定された。
ここまでヒドイ目にあっても、まだ自民党に投票し続ける日本人を目の当たりにして、選対本部にいた安倍晋三ですらが複雑な表情をしていたのを憶えている人も多いだろう。

日本を支配する者たちは、一瞬絶句した後、「な~んだ、余計な配慮する必要なかったじゃないか。ビクビクして損したぜ!」と高笑いしたにちがいない。

だから、12.16以降、怒濤のようにとんでもないことが押し寄せてくる。
これまで必死になって隠してきた原発事故による被曝被害も、もはや隠すのではなく「被害はあるけど我慢しろ」と言い出した。

 ふくしま集団疎開裁判 ブログ

これからは、この論法が主流になっていくだろう。
舐められるということは こういうことだ。
 
20130428-2.jpg
20130428-1.jpg
「戦後レジーム」の中では、基本的な支配の方法は、エサを食わせて羊毛を刈り取る ということだった。
しかし、これからは、これまでさんざんエサ食わせたんだから、もう丸焼きにして食っちゃおう となる。

東西冷戦が終わり、アメリカの経済にガタが来て、1990年代の後半から、いよいよ「丸焼き」体制への移行は始まっていた。
21世紀の訪れとともに、悪夢のようなコイズミ劇場が始まり、それは決定的となる。

そして、3.11の放射能大放出により、一気に加速することになった。
チェルノブイリを知り尽くしている者たちから見て、日本はもう終わっている。
もちろん、壊滅するわけではないが、大量の被曝障害が発生し、広大な国土も使えなくなる。
その対応に追われ、かつての経済大国日本は、沈没していく。

そうなる前に、早いこと収穫をすませよう というのだ。

■■
20130428-4.jpgもう少しくわしく、収奪の構図 ってやつを見ておこう

右の図は日本の1955年から2011年までの経常収支だ。
(クリックすると巨大化するので見にくい方はどうぞ)
簡単にいうと、どんだけドルを稼いだか。

これはGDP比なので、実際の額にするともっと山は大きくなる。
とにかく、1980年代から30年間、ずーとドルを稼いできたことが分かる。
その累計、実に250兆円といわれている。
それに対する金利が、グラフの斜め線の部分であり、なんとGDPの2%もある。
すげー 金満国家じゃないか。

ところが、ここに落とし穴がある。
250兆円の資産も、毎年の金利も、実態は全部ドルだ。円じゃない。
さっさと円に両替して持って帰ってくればいいじゃないか、と私ら素人は思うけれど、ドルはドルのままドルの国で運用されているのである。

日銀総裁の黒田東彦がマネーなんたらを2倍にして270兆円にするとか言って、世間はすごいすごいと驚きわめいているが、実は日本持って帰って来れず、直接日本の経済に使うことのできないマネーが、250兆もドルの国で動き回っていることはあまり誰も言わない。

いや、実は250兆という話もしかけがあって、別々の会社の赤字と黒字を相殺したものが、統計上の250兆なのであって、ドル資産そのものはどうやら700兆円くらいある。

ドル建ての取引だから、赤字は円をドルに両替して支払わなくてはならないが、黒字はドルのまま貯まっていく。
それが700兆円。

詳しく見たい人は、こちらの日銀資料の「対外資産負債残高」をご覧あれ
http://www.boj.or.jp/statistics/br/bop/

よほど残高の合計は知られたくないのか何なのか、この図表でも合計欄がないので、自分で計算する必要がある。

繰り返すけれども、これは実態は全部ドル。
当然、ドルの国で運用されている。
日本ではデフレだデフレだと騒ぎながら、アメリカでは700兆円ものジャパンマネーが動いているのだ。

会社への投資が91兆円、米国債などの証券投資が313兆円、その他貸し付けなどが152兆円、などなど。
もちろん、これらが、いつでも返してもらえる金なら文句はない。
しかし、「米国債を売りたくなるときがある」と、ぽろっと言ったばっかりに失脚した橋下龍太郎の例を見るまでもなく、まあほとんど返ってこない。

分かりやすくいうと、あなたが一所懸命働いて給料をもらうときに、会社の社債を強制的に買わされるようなものだ。
ごっそり天引きされて、しかもそれは返ってくる見込みがない。

これで貧乏にならないワケがない。
円安や消費税などの=輸出優遇策が取られるのも、実はここに理由がある。
輸出が好調でなければ、アメリカに貫流させるジャパンドルが生まれてこないからだ。

■■
これまでは、こういう仕組みで日本はごっそり絞られてきた。

しかし、いくらアベノミクスで円を刷りまくろうとも、日本の経済はアメリカを支え続ける力を持ち続けることはできない。
アベノミクスというか黒田バズーカというか、この円放出を最後っ屁にして、日本収奪のトレンドは大きく代わる。

それがTPPだ。

もう、まだるっこしいことは抜きだ。
日本におけるありとあらゆる商業行為、お金の動くところ収奪あり、という様相を呈していくだろう。

これら21分野を見て、オレんとこの商売は関係ないよ と言える人がどれだけいるのだろう。

20130428-5.gif  

条件がそろってしまったということだ。

・米国経済の根本はまったく修復されていない

・日本経済も長いことはない

・原発事故の影響が明らかになる前に獲れるものは獲ってしまえ

・この期に及んで自民党に投票する羊化された日本人に手加減はいらない

■■

20130428-6.jpgこうなったら、羊は羊でも、少々怖い羊になるしかない。

この羊は吸血鬼になって人間に襲いかかるらしいが、吸血鬼まではいかなくても、やられたことにはきっちり復讐する、というか忘れない、許さない という根性が必要だ。

羊だって、見た目はおとなしそうだが、結構どう猛らしい。
ぼやぼやしていたら、本当に丸焼きだ。

12.16選挙で、がっくりと力を落として冬眠してしまった皆さんも、そろそろ春です。
穴から出てきませんか。

そう簡単に勝てるものではないのだから、1回や2回の敗北でいつまでもウダウダしているわけにはいかない。敵の思うつぼだ。

その点、反原発の市民運動を長年やっている人たちは強い。怒られそうだが、負け慣れしている。しぶとい。
こういう大敗北を喫したことのない小沢グループ支持の人々は、ある意味見習った方がいい。

一方で、負け慣れしてる(失礼)市民運動の人々は、そのしぶとい力を政治の力にかえることを真剣に考えて欲しい。
市民運動は大事な種火ではあるけれども、種火だけではお湯は沸かないのだ。

そんなことを、今日、屈辱の日に考えた。



■■■お知らせ■■■

先日見学会をした、古民家再生の家@宇陀市、人数限定で見学できます
4月30日(火) 11時~18時
連絡いただいてから時間は調整します
→ info@mei-getsu.com まで





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2013-04-22(Mon)

梁山泊と民主主義

水滸伝である。
酔虎伝ではない。念のため。

12世紀の中国、宋の時代。梁山泊に集った108の魔星の生まれ変わりが、義賊として活躍する、あの物語。私は小学校のころに、ハマりにハマって夢中になった。
20130423-1.jpg横山光輝の漫画「水滸伝」から入り、吉川英治の「新水滸伝」を読み、親父が持っていた翻訳物の水滸伝まで手を出した。小学生だったので、翻訳物は難しかったけれども、とにかく水滸伝の世界にすっぽりとはまり込んだ。

 その後数十年の間に、多くの作家が水滸伝に挑み、今では水滸伝は北方謙三が書いた小説だと思っている人さえいるのではないだろうか。 先日、たまたま本屋で杉本苑子の「悲華水滸伝」を見つけたので、読んでみることにした。 全5巻と長いので、まだ半分ほどだが、昔の記憶が蘇りなんとも懐かしい感じがする。

と同時に、子どものころとは違う印象も浮かんできた。

■■

そうそう、本論に入る前に、前回の記事を宣伝しておこう。 かなり、気力と時間を使って書いたので、まだ読んでいない方は、ぜひお目通し願いしたい。

 「僕たちは何と闘っているのか」

ということで、水滸伝の話。
魔星の生まれ変わりは、治世においては魔となるが、乱世においては正義となる、という易姓革命の思想に裏打ちされつつ、なぜか物語は革命にはむかわない。
それどころか、最後は皇帝に上手いこと使われて、ボロボロになって壊滅していく。

まず感じるのは、梁山泊の英雄のほとんどが、特権階級だということ。とくに、天罡星(てんこうせい)の36人は、だいたい元有力者。要は奇特な旦那衆の物語でもあるのだ。

もちろん、全くの庶民出身もいるけれども、その身分差は梁山泊の中でもナニゲに存続している。 そして、まったく無名の庶民は、無名の軍卒として何千人も登場し、無名のまま死んでいく。

もうひとつ、梁山泊の英雄には、元軍人や官僚で、佞臣に陥れられてやむなく梁山泊に逃げ込んだというパターンが多い。 主だったストーリーは全部そうだと言ってもいい。
そこで最大の悪役として登場するのは、蔡京や童貫や高俅(こうきゅう)などの私利私欲に走る佞臣どもであり、コイツらさえ追い払えば天下太平は実現できるかのようである。

 「悪」の原動力はまさに私利私欲であり、まさに悪者の典型として官僚たちが描かれるが、宋は世襲の貴族を廃し、科挙による実力主義の官僚制度を敷いた国でもあった。
20130423-2.png 良くも悪しくもギラギラした成り上がりの官僚が世の中を仕切っていたのである。これは、大きな意味では歴史の進歩とも言える。

産業や貿易は大いに発展したが、文治主義を取り周辺国との平和をカネで買う政策をとっていたために、やがて経済的に疲弊したと言われている。
そんな中での武断主義そのものの梁山泊は、市場経済と官僚支配に対する、農業経済と地主支配の巻き返しのシンボルであり、古き良き時代のノスタルジーだったのではないかとも思える。

私利私欲の佞臣を絶対悪とする価値観の中には、歴史の認識は存在しない。
何で奴らがそのような行為に走るのか、何でそういう連中ばかりが溢れるのか という観点はない。

■■

水滸伝に限らず、昔の物語の中の悪者は、民衆の怨嗟の的になっている。だから梁山泊のような武装集団が襲いかかって凄惨な血祭りにあげても、歓呼の声でむかえられる。

しかし、これが通用するのは「民主主義」誕生以前までだ。
皇帝や将軍が、絶対的な権力を持っていた時代は、政治の要諦は「力」だった。なかんずくそれは武力だった。
武力で押さえつけられた民は、面従腹背、おとなしく従いながらも憎悪を募らせていく。

あるいは、実際はかなりの搾取をされていても、ほどほどで勘弁してもらえると、徳政だ賢帝だとありがたがる。
どっちにしても分かりやすかった。アメとムチのバランスで政治は決まっていた。

ところが、「民主主義」という統治形態が生まれてから、政治の決定システムは複雑になった。
選挙で決まるという仕組みは、武力による統治から情報による支配に変わっていた。

情報は、保持と伝達がある。
保持に関しては、学閥ー官僚という体制を強化することで、在野の人間がどう頑張ってもほとんど情報を手にすることができないようにした。
20130423-3.jpg伝達は、マスメディアというものを作りだし、大衆への情報を完全にコントロールした。

これは、日本だけではなく、民主主義という形態をとった国に共通の「常識」である。
独裁国家では、万が一情報が漏れても軍事で潰せるが、民主主義国家では、まず情報を統制し、例外事例だけを警察・検察が潰しにかかる。
「民主主義」と「情報統制」は、完全にコインの裏表、ほぼ同義の言葉と思っていい。

だから、水滸伝の世界では、悪政に対しては民衆は恨みに恨んでいるけれども、現代においては悪政は非常に人気がある。
およそ、支持率が高いほど悪辣な政治だと思って ほぼ間違いない。
支持率が下がってくるのは、悪政を行う勢いが衰えてきたという証拠だ。

民主主義には民主主義の統治の手法があるのである。
水滸伝の佞臣どもや、江戸時代の悪代官をイメージしていては、現在の悪人は識別できない。

■■

水滸伝を読み直してみて、このステレオタイプな「佞臣ども」が、今でも悪い奴らの典型になっていることに気がついた。
これこそが、まさに情報統制の結果なのだろう。

そして、疑獄事件は、まさにこのイメージになぞらえて作り出され、都合の悪い政治家や官僚は、これによって社会的に葬り去られてきた。
武力で殺さなくても、この悪人イメージをべったりと塗りつけてしまえば、情報で殺すことが可能なのである。

20130423-4.jpg近年においては、言うまでもなく小沢一郎がこの手法で徹底的に抹殺攻撃を受けた。
普通の精神力ではとうてい耐えられないような攻撃を、小沢一郎は驚異的な忍耐力で耐え抜き、今日なお活躍しているが、しかし受けた傷の深さは、小沢個人のみならず政治勢力を意気消沈させている。

だが、ここでもまた水滸伝から思い当たることがある。
日本人の政治家へ思いは、「奇特な旦那の活躍」への期待なのである。

小沢氏を嫌う人々が、情報統制にまんまと乗せられているのは自明だが、小沢氏に期待するむきも、その多くが「民主主義」の統治手法に手玉に取られている。
小沢氏に期待するのはいい。だが、期待する以上はそれに見合った「自分の行動」が問われるはずなのだが、それがほとんどない。
小沢の旦那に「ひとつお願いしますよ」と託すばかりなのである。

ところが、小沢一郎という人は、原理主義的な民主主義者であり、日本人が「自分の判断」「自分の行動」を始めるのを、ず~~と待ち続けている。代行主義で、何でもかんでもやってしまうということをしない。
支持者と小沢氏の間のその乖離が、この間ずっと続いている足踏みの原因とも言える。

情報統制は民主主義のもっとも基本的な統治手法である以上、ただただ自覚を待っていても「自分の判断」も「自分の行動」もj始まらない。小沢氏には、そのことに思いを致してもらいたい。
他方、支持者を自認する人々は、投票に行くだけでは全然足りないということを自覚したい。今や「小沢さん頼むよ」とお気楽に言っている状態ではないことは、誰の目にも明らかだ。

武力がすべての時代は、兵力を蓄えているものが率先するのは当然でありやむを得なかった。
しかし、今は一人一票の時代だ。旦那衆に頼るのではなく、一人一人が洗脳に等しい情報統制から抜け出して、闘い始めることが絶対に必要だ。

必要なことは、20%の強い意志だ。
過半数のゆるやかな同意ではなく、1%の決死の覚悟でもなく、20%の自覚した意志。
3年の間にそれを醸成することができれば、情報統制をかいくぐり、新たな段階へと進むことができる。

自民党は決して盤石ではない。民主党・野田の自爆テロに等しい行為によって、棚ぼたで拾った政権に過ぎない。
何より、ご主人様たる米国・オバマに嫌われ、安倍晋三の焦りはピークに達している。

闘うべき当面の敵は、情報統制である。
マスメディアに期待するのは、敵に塩をねだるようなもの。
情報統制体制を、口コミが凌駕するしかない。

ネットから、自分の殻から外に飛び出そう。

新党浸透作戦Ⅱ(国民の生活が第一の政治を実現する会 ブログ)

徹底討論「いま、政治とは何か」生活の党若手論客 VS 堀茂樹教授(5/12)


宋江も呉用も林沖もいないけれど、名もない我々が何事かをなせる時代。
民主主義とは、そういう時代でもあるのだ。




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2013-04-19(Fri)

僕たちは何と闘っているのか

原発や放射能やTPPや消費税や、つぎつぎとトンデモナイものが押し寄せてくる。

20130419101940とにかくそれに反対し、なにがしかの声を上げている人びとは、「闘っている」という実感を持っていることだろう。
だが、闘う以上は敵がある。敵が何なのか、どこにいるのか、何を考えているのか 分かっているのだろうか。

例えば原発。
原子力村という言い方がされる。テレビでも電力会社、官僚、政治家、御用学者などなど、それらしい面々が映る。こいつらの利権のために原発は推進されているんだ。そう思って闘っている人も多いだろう。

でも、ちょっと考えてみよう。日本国内の原発を止めたら、連中の食い扶持は本当になくなるのか?

たしかに、税金だけでも年間数千億円、さらに総括原価方式による電気料という名目で原発存在料を国民からいくらでも吸い上げることのできる「原発」という化け物は、その利権に与るものにとっては、天上の甘露であり、命より美味しい麻薬だということは、多くの人の指摘するとおりである。

原発という麻薬を口にした者達は、人間性を破壊され、理性を失い自分にとっての利害すら冷静に判断することができなくなっている。その気になれば、他の方法で同様の利権をむさぼることもできるのに、もう「原発」以外には何も考えられなくなっている。
いわゆる「原子力村の住人」というのは、ほとんどがこうした化け物たちである。

しかし、私は不思議に思うのである。
中長期の見通しも立てられないこうした麻薬患者が、本当に原発推進の大本営なのだろうか? と。

利益だけなら、必ずしも原発ではなくても吸い上げる方法はいくらでもある。
太陽電池であろうと、ガスコンバインドであろうと、あくどい連中が結託してあくどいカネの算段をすれば、同じような利権を構築することは、充分にできる。
どうしても原発で儲けたいむきには、輸出という「明るい未来」が開けている。

事実、事故直後の菅政権下において、こちらの方向に進みかけた時期もあった。
目の前の麻薬しか目に入らない連中は、切り捨てられるかに見えた。

実を言えば、2011年の後半には、私はかなりの確率で脱原発は実現するのではないかと思っていた。他でどんなに利権をむさぼられようと、とりあえず原発が止まるのなら、止まらないよりはいいと考えていた。

ところが、その後の野田政権では、原発中毒患者が息を吹き返し、日本の「原子力中毒村」は存続が決まった。
20万人からの人々が首相官邸や国会を取り囲むという、戦後史に特記すべき事態に対しても、「大きな音だね」とうそぶく野田政権は、自らの党がボロボロになることも省みず、一切動揺することなく原子力中毒村を復活させた。

この様子を見ていて、私は自分の認識が甘かったことを思い知った。
原発を、日本の原子力を動かしているのは、まったく別の力が働いている。そのことに、遅まきながら気がついた。

■■

逆から考えれば、実は簡単なことだったのである。
日本の原発を全て止めて、脱原発を宣言したときに、一番困るのは何なのか。

それは、誰が「日米原子力協定を破棄するのか」ということ。

201304191049325年後に更新期限を迎える日米原子力協定。これがある限り、日本が勝手に「原発やめました」とは言えないのである。
日米地位協定を残したまま「米軍基地は無くします」とは絶対に言えないのと同じことだ。

もちろん、形式的には5年後の更新時の半年前に事前通告すれば、日米原子力協定は破棄することはできる。5年間は使いもしないウランを買い続けたり、いろいろと矛盾もあるが、形式的には不可能ではない。

また、オバマ政権は基本的には原発に消極的だ。核軍縮も進めている。だったら、日米原子力協定だって止められるのではないか。そのようにも見える。

それは、日米原子力協定が何のためにあるのか、ということを見ない議論になってしまう。
原子力というからわかりにくい。Nuclear 核 である。
原子力発電についての協定ではなく、米国の核戦略にかかわる協定なのである。
要点中の要点を抽出するならば

①日本の核は米国が管理する

②日本では再処理によってプルトニウムを製造・貯蔵すべし

という2点に尽きる。

①は米国にすれば当然の話ではある。
では、②のプルトニウムは何なのだろうか。

米国にとってのプルトニウムとは、自らの核武装に無くてはならぬものであると同時に、あまりの危険性ゆえに、できれば自分では持っておきたくない地獄の門番なのでる。

米国も最初は自国内で使用済み燃料からプルトニウムを作る再処理を試みたが、余りの危険性と費用の増大に1970年代には放棄してしまった。
そこで考えたのが、遠くはなれた属国で、使用済み燃料からプルトニウムを作らせて、貯蔵させておこうという戦略である。

日本は、自分では原子力発電をやっているつもりかもしれないが、実際は、米国の核原料貯蔵庫であり、再処理実験場であり続けてきたのである。
その日本が、自分の都合で、原発辞めます とは言えない、言わせてもらえないのだ。

■■

ただ、プルトニウムについては近年は少々事情が変わっている。
ソ連崩壊後は実際に核軍縮をやっているので、プルトニウムは余っている。むしろ、解体した核弾頭から取り出したプルトニウムの処分に困っている。
現在、兵器級(高純度)のプルトニウムが250トンくらい在庫されているらしい。

そこで、再処理よりも重要視されているのが、プルサーマルである。
核兵器用に製造されて、今処分に困っている高濃縮ウランとプルトニウムを、原子炉の燃料として使用すれば、100万kW電気出力軽水炉50基を100年以上にわたって運転できるらしい。

20130419-3事実、現在日本で再稼働が準備されている原子炉は、プルサーマルを燃やすところばかりだ。
すでにフランスからMOX燃料が運び込まれ、9月にも再稼働と言われている高浜原発。
安全基準を「満たしている」という触れ込みで、再稼働一番乗りと言われてきた伊方原発と玄海原発。
今年中の再稼働を目指すという 北海道の泊原発。

どれもこれも、プルサーマルでプルトニウムを燃やす原子炉ばかりだ。

もし、再処理もプルサーマルも嫌だ と言うとどういうことになるか。
日本は、使いもしないプルトニウムを大量に保有する国として、イランのように核開発国の扱いを受け、恫喝される。日本の役人が、万に一つもそのようなことをするとは思えないが、何かの間違いで言ったとしても、一瞬でしっぽを巻いて恭順の意を表するのは間違いない。

もちろん、米国にも原発はあるのだから、そっちで燃やせばいいじゃないかと思うかもしれない。
でも、それは無理。余りにも危険なプルトニウムは、米国は自国内で使用することを禁止しているからだ。

普天間飛行場やオスプレイでも同じだが、自国では危険すぎるものを、属国に押しつけるのは米国の基本政策だ。
日本はこうして、プルトニウムを燃やす原子炉のショールームになったのである。

危なくて自国内には置いておけない。
けれども、米国に楯突く危険のある国には、これはこれで危なくて置いておけない。
そう考えたとき、世界中を見渡しても、日本以外にプルトニウム置き場は他にない。

本国から遠い。米国に超従順。保管しておくためのカネもある。技術水準も申し分ない。国民は羊のようにおとなしい。
こんな場所がどこか他にあるなら、オバマ君に教えてあげてほしい。

■■

福島の爆発を目の当たりにしてもなお、何が何でも原発を推進する本当の力学は、このような米国の核戦略にある。
核中毒患者の「原子力村」の住人の多くは、シャブ漬けになって嬉々として働いているに過ぎない。(だからと言って、免罪はされないが)

では、米国を始め、これまで核の力で生きてきた者たちが、何よりも一番ほしがっているものは何だろうか。プルトニウムの「有効活用」もさることながら、それよりももっと欲しがっているものは何だろうか。

それは、言うまでもなく 「核の墓場」だ。

いくらプルトニウムを燃やそうが、使用済み燃料を再処理しようが、どうやっても絶対に逃れられないのが「核のゴミ」「死の灰」の処分である。
最後の最後は、大量の死の灰をどうにかしなければならない。

20130419-4そして、核大国アメリカにも、原発の国フランスにも、どこにも死の灰を捨てる場所はない。
唯一、フィンランドのオルキルオト原発付近にトンネルが掘られているが、処分場としての稼働予定は2020年であるし、他国の核ゴミを受け入れる予定はもちろんない。

末端の核ジャンキーは何も考えていないだろうが、核戦略を本気で考えてきた連中が、まったく核ゴミのことを考えてこなかったとは、私には思えない。
この世界の何処かで処分しなければならないとすれば、他のどこでもなく、日本という属国の管理下で処分場をもうけることが、極めて合理的な判断になるはずなのだ。

これについては、3.11の直後に2本の記事を書いたので、もし読んでいない人や、そんな訳ないだろ と思われる方は、少々長いが読んでみていただきたい。

原発推進の正体は「日本列島を核の墓場にする計画」だったのではないか

「フクシマを核処分場にする計画」を改めて検証してみる

書いている私とて、こんなこと信じたくないので、反論してもらえるものならしてほしいのだけれども、これまでちゃんとした反論をしてもらったことがない。

敵をバカにしたり揶揄したりして溜飲を下げるのも悪くはないが、本当の敵はバカでも愚かでもない。
ウルトラに優秀で冷酷なヤツらがいる。そのことを、見えないフリをするわけにはいかない。

■■

そうやって考えてくると、福島原発の爆発でばらまかれた放射能を、なんで放置するのか。それどころか、あえて拡散し、安全安全と喧伝し、被曝者を増やしているのか。
その理由が見えてくる。

反対じゃないのか?と思うかもしれない。核ゴミの処分場にするなら、「危険だ」と言って住民をさっさと立ち退きさせた方がいい。でも、国や福島県がやっているのは、「安全だ」「帰ってこい」「復興だ」の大合唱だ。これでは、悠々と核ゴミ捨て場を作ることができないじゃないか。
そのように見えるかもしれない。

まず最初に確認しておきたいのは、山下俊一をはじめ、被曝を強要する面々はチェルノブイリを知り尽くしているということだ。
「知らないから」とか、「学んでいない」とか、そういう理由で放射能を放置し、被曝を強要しているのではない。知り尽くしているから、どうなるか分かっているから、あえてその結果を出すためにやっている。

やつらは、大量の被曝障害を作り出すために、放射能を放置し被曝を強要しているのである。

完全なる確信犯であり、もしここが法治国家だったならば、殺人罪に問われるはずの行為なのだ。
決して過失致死ではない。そのことを知っておいてもらいたい。

ではなぜ、そのようなことをするのか。
補償を少なくするためか?
原発の安全神話を続けるためか?

たしかに、ここ数年に限ってみればそのような効果はあるだろう。
補償を値切りに値切って、避難の費用もかけず、勝手に病気になっても知らんふりしている間は、国と東電は最少の費用で逃げ切れる。

20130419-5チェルノブイリでは、ソ連は当初それを目論んだ。
しかし、余りにも激発する被曝被害は、ついにはソ連崩壊の一因にすらなったと言われ、5年後にはチェルノブイリ法の制定に至っている。
日本でも、5年後にはどうやっても誤魔化しようのない事態になるのは、チェルノブイリを研究し尽くした山下俊一らには自明のことなのだ。

だから、私は、連中が補償を逃げ切るためだけに被曝強要を続けているとは思えないのである。

ちなみに、除染の利権のためではないか、という意見もある。
効果の見込めない除染にまで巨額の予算をつけて、ゼネコンがボロ儲けしているというのは事実のようだ。除染の予算で、福島県民は全員避難できるという指摘もある。

ただ、気をつけておきたいのは、利権というのはどのような形態であっても発生し、作ることができると言うことだ。避難であったとしても、新しい街を作る土地探しから土木工事に始まって、その気になれば超巨大な利権をつくることができる。たぶん、除染なんて比じゃないくらい。

それでもいいから、避難させてほしいと私は願うけれども、実際は、なんとしても被曝障害を激発させずにおくものかという、執念さえ感じる国や県の対応である。
もしチェルノブイリと同じように、5年後、10年後に避難させたとすると、直後に対応するよりも明らかに大きな費用がかかる。それよりは、早いうちに最低限の補償で手打ちして避難させた方が、国にとっても東電にとっても得策のはずなのだ。

「心配な人は逃げなさいよ。因果関係は証明できないけど、ちょっとだけなら補償してあげますよ。それで逃げなかった人は、後で文句言っても補償しませんよ。」
避難区域以外は、こうするのが最少の費用ですませる方法のはずなのだ。しかし、国も県も、何が何でも避難を否定し、帰還と復興の旗を振りながら被曝を強要する。

■■

帰還と復興は、心情的には住民自身の願いでもある。
騙されていると言うだけではなく、自然な感情として「家に帰りたい」「以前の暮らしを取りもどしたい」と思うのは当然だ。

20130419-6福島を核処分場にする計画にとって、もっとも邪魔なのは、こうした住民の感情だ。
これに対して、頭ごなしに「復興なんて無理だ、出て行け」と言っても簡単には通用しない。むしろ、土着的保守的な人びとを敵に回す結果になる。

それを避け、いかにして処分場を確保するのか。これまで、世界中で失敗し続けてきた核の墓場の用地確保。これを、どうやったら福島で実現することができるのか。
原子力マフィアの本当の上層部は、そう発想したはずだ。

そして出した結論が、「被爆被害を激発させる」ということだった。
心情的に帰還と復興を願う人びとに寄り添うかのように見せながら、被爆被害を積極的に作り出し、5年後にはビックリするような悲惨な結果を発表する。

その時には、山下俊一らの被曝強要班は舞台を退き何処かへ逃げ去っている。入れ替わった立ち退き強制班が、「この被害は帰還を望んだ人たちが悪い」と言わんばかりに、住民の強制立ち退きを進めていく。
「皆さんが帰還と復興を願うなんて言うものだから、除染を始め全力を尽くしてきましたが、このような結果になってしまいました。かくなる上は、全員移住していただくしかありません。ちょっとだけなら補償もしてあげます。それでも移住しない人は、勝手に病気になって死んで下さい。」

ご本人は良かれと思って復興だ帰還だとがんばっている人たちは、結局、被曝障害を作るお先棒を担がされた挙げ句、使い捨てにされる。
昨日まで故郷の英雄扱いされた人たちが、まるで被曝障害を作り出した張本人かのように誹られ、絶望のどん底に落とされる。

放射能をバラマキ、放置し、被曝を強制してきた本当の張本人どもが、ほおかぶりして正体を隠し、復興しようと努力してきた人たちを悪の権化のように叩き始める。

■■

放射能を避けて避難したいと思う気持ちも、できることなら福島で暮らしを取り戻したいと思う気持ちも、どちらも当然の気持ちだ。

その矛盾を利用して、黒幕の自分たちは無傷のまま、被曝地獄を作り出し、その恐怖で強制立ち退きをさせようというこの計画。鬼や悪魔が考えたのならばまだ救いがあるが、残念ながら同じ人間が考え、遂行している。

20130419-6

鬼も涙するようなことを考えつくのが、人間という生きものだ。そして、ほとんどの人々は 「まさかそこまでは」と言いながら犠牲になり、あるいは片棒を担がされていく。

まさに、地獄への道は善意に敷き詰められている のであるが、その舗装工事を計画しているのは、ゴリゴリの悪意に充ち満ちた連中なのである。

いくら性善説を唱える人でも、万人が性善であるとは言わないだろう。意識的なとことん悪人がいる。理性的でべらぼうに優秀な悪人がいる。
そのことを徹底的に肝に銘じないと、あなたの善意は悪路の敷石にされてしまうのだ。

TPPだって同じこと。
なんで3.11の直後から急速に推進に走り出したのか。
大量の放射能をばらまいてしまった日本の、「処分」を決定したからだ。

これまでは、米国は日本に対して、育てて食うという乳牛や鶏卵型の飼育をしてきた。それが、今世紀に入ってから徐々に、屠殺して食う肉牛型の飼育に転換してきた。育ててきたものを、収穫にかかったのである。

放射能バラマキは、その収穫(収奪)が急を要することを意味した。
そこで急浮上したのがTPPだ。まだ食えそうなモノは、この数年で食い尽くす。
残りかすの島国には大きな穴を掘って、世界中の核ゴミを放り込む。

今年の秋からの3年間は、被曝の強要とTPPによる強奪が、徹底して進行していく。同時に、その結果が発覚したときのために、弾圧国家の体制が着々と作られていく。とくに、情報の検閲とえん罪による恐怖政治が横行する。

■■

この時代を目の前にして、徒手空拳の私たちに何ができるのだろうか。

正直言って、昨年12月以来あたまを抱えて呆然としている人ばかりだ。もちろん私もその一人である。

でも、思い出したい。5年前には、本当に自民党政権をひっくり返せるとはほとんどの人が思っていなかった。
でも、その翌年には、あの狂気のような反小沢キャンペーンにもかかわらず、とにもかくにも政権交代は成った。

今日の関電前抗議は300人足らずしか集まっていなかった。2000人も集まったときの熱気を思うと寂しいけれど、でも、これも昨年の今頃はもっと少なかった。

首相、16日解散を表明 総選挙の惨敗は、たしかに衝撃だった。何より、この期におよんで自民党を圧勝させる日本人て何者だ?という相互不信感がキズを残した。
でも、あれは野田民主党の自爆テロだったのだ。小沢グループを閉塞状況に追い込み、自民党にしか票が行きようがないタイミングで解散した。まさに野田の一人芝居であり、狙い通りだったという意味では本当の勝者は野田である。

小沢グループの動き方も鈍かったと思うし、社民党はどこまで本気なのか分からないし、共産党は地球の終わりが来ても自分の党のことしか考えていないし、様々な教訓は残したが、あの選挙は野田に、というか野田を使って完全にコントロールされたのであって、日本人に絶望するにはあたらない。

あらためて私たちにできることを確認するならば、街頭行動と選挙だ。

政権が陥落するかもしれないという恐怖感を与えるほどの街頭行動と、実際に政権を左右する選挙。
まずはなによりも、これが私たちの持っている力であり、権利だ。

その他の様々な手段は、この二つがともなわなければ、何の実効力にも成らない。
子ども被災者支援法のように、全会派が発議してできた法律でさえ、選挙で負ければ無かったかのように無視黙殺されるのである。

たとえ選挙で勝っても、それを支える市民の力を誇示しなくては、あっという間にクーデターで転覆されると言うことも、私たちは身をもって学んだ。
逆に、官邸を20万人が囲んでも、選挙の力にならなければ「大きな音」で済まされてしまうのだ。

この二つで本当に逆転できるのか。これは正直言って確信はない。
が、日本では有史以来、まともにこの二つの市民の力を発揮したことがない。せめて、一度やってみてから、いいとかダメだとか言わなくては。

3年半後の総選挙で、100万人が国会を囲み、あるいは選挙運動に走り回りながら投票日をむかえることができれば、まだ逆転は可能だ。
3年後には被曝障害もTPPもかなり状況は悪化している。できれば少しでも前倒しでストップさせたいものだが、残念ながら3年後にならないと多くの人は気がつかないかもしれない。万が一、それでも気がつかないときは、世界の核捨て場として被曝障害と共にひっそりと生きて死んでいく日本になるしか道は残されていないだろう。

選挙も街頭行動も、やってみればそんなに大層なことではない。普通に、当たり前にできることばかりだ。
これから1000日間で、100万人が鬼も涙する本当の敵の正体に気がつき、少しずつでも動き始めるか。

そこに全てを集約することが必要だし、そこから逆算して今何ができるか、考えていきたい。

 

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2013-04-15(Mon)

原発事故子ども被災者支援法は活かせるのか 学習&討論会 レポート

少し前にお知らせしていたように、一昨日、避難者と未来をつくる会の主催で「子ども被災者支援法の学習・討論会」を行った。

 子ども・被災者支援法は「画期的」なのか 「ザル法」なのか 4.13学習会@大阪

前半は、法案成立にも深く関わった前衆議院議員の服部良一さんのレクチャーと、最近の院内集会の報告、直近の文科省交渉の報告。

IWJがアーカイブしてくれているので、どうぞ



Video streaming by Ustream

服部さんの話は正味30分少々なので、時間のない方はその部分だけでも。

超短く要約すると、まず、支援法のポイントは3つだという。
1.被曝の健康影響が科学的に十分解明されていないことを認めた
2.避難の選択の権利を認めた
3.原子力政策推進について国の社会的責任を認めた

しかし、1mSv/年なのか20mSv/年なのか決着が着かず、支援対象地域が定まらないこともあり、基本法に続くはずの「基本計画」が作られない。
その代わりのようにして出された、支援施策パッケージは新規のものなにもない寄せ集め。
今の通常国会で基本計画が作られるかどうかが大問題。

服部さんの話は、ある程度予備知識を入れていた私としては、とくに新しい内容もなく、基礎知識のおさらいという感じだった。
とくに感じたのは、被曝の許容限界が1mSv/年なのか20mSv/年なのか が焦点になっているという印象だった。


そして後半は、自由討論。冒頭に司会をする私から、このようにお願いした。

「どうする ということを軸に話をしてほしい。べき論はやめましょう。いくらべき論を言っても実現してないのが現実なのだから、じゃあどっから手を付けようか、何からやっていこうか、そっちよりこっちじゃないか、そういう話を出していただきたい。」

後半戦もIWJが取ってくれたので、1時間半と長いけれども、貴重な議論がかなりあるので、これは是非見ていただきたい。



Video streaming by Ustream

これまた超短く要約すると、

・まず地方議会から働きかけてはどうか。堺市で実践している。大阪市では何故か維新の会が発議して意見書を採択している。他でも動きはある。

・議会工作などバラバラで活動している情報をまとめられたら励みになる

・1mSvか20mSvかは大事だが、同時に法的に認められて避難している人たちの声を聞いて、現実を明らかにした方が、国民には説得力がある。

・20mSvではなく1mSvだということは外せない。パッケージ出た後に経産省は「年間20ミリシーベルトの基準について」という文書を公開し、開き直っている。

・補償や訴訟という、時間はかかるが非妥協で正攻法の闘い

・法文で「一定、一定」と書いてある部分を、自分たちで具体的に数字を入れて「基本計画案」をこちらから示し国民に定着させる

・支援法がチェルノブイリ法と違うのは、①主体が「国」ではなく「政府」であり、計画策定に国会がかめないこと。②転地療法の権利がないこと。③収束作業員(被曝労働者)のことがないこと など。運動としては、そうしたところまで求めていく。

私自身は、司会だったので言葉数は多かったが、言いたいことの半分も言えなかった。

いちおう、私の発言したかったことを、最後に補足的に書いておく。

 私の出した例示に噛みつく人があり、話がそれたあげくに、何のための例示なのかも分からなくなってしまったのが残念だった。言いたかったのは、「敵がどういう理由と目的で被曝放置や被曝強要をしているのか、ちゃんと認識しないと、それによってこちらの作戦も変わるはずだ」 ということ。
 無能で放置しているのか、カネがもったいないから放置しているのか、より積極的な理由があって被曝強要しているのか、それによってこちらの作戦は自ずから変わるはずだ。ということを言いたかったのだが、これはちゃんと伝えることができなかった。

 この討論の中では、内部被曝のことをあまり話できなかった。1mSvという話は、ICRPの預託線量の換算で話をしているが、ECRRでは二桁違ったはず。内部被曝を考えるならば、1mSvどころか0.01mSvでなくてはならない。

 小さな市民運動は、風呂の種火のようなものだ。これまで無くなってしまったら、どっちを向いていいのかも分からなくなるし、本当にどうしようもなくなったときの起爆剤になる。再稼働反対運動も、誰にも見向きもされずに何十年も反原発運動をやってきた人たちがいたから起きた運動だ。

 でも、種火で風呂は沸かない。今衆議院の90%が原発派だ。この状況で、なにをやっても大きな成果は望めないのは自明。政治を変えなくてはならない。

てなことを言って、一応の中締めとした。

最後に、明日判決の出る「大飯原発差し止め仮処分裁判」についてのアナウンスがあり、終了した。


なお、話として出なかったけれども、さらに何点か書いておくと、

 政治家の中にも放射能についての知識が足りない。(これはユーストのコメントにもあり)
とくに、生活の党の方々は、原発は勉強しているが、被曝についてはどこまで理解しているのか・・・
なので、参考文献などをカテゴリーごとにきちんとまとめる作業を、市民サイドがする必要がある。政策提言のさらに前段階の作業だ。

 生活の党の現職、前職の何人かにも案内をしたけれども、お一人も参加いただけなかったのは非常に残念。アクティブな市民と自発的につながる努力をせずに、どうやって組織を作っていくつもりなのだろうか。

 もう一つ残念だったのは、服部さんからは結局べき論しか聞けなかったということだ。後半の冒頭に「べき論は止めましょう」と言ったのは、失礼ながら誰よりも服部さんに言ったつもりだったのだが。
 その意味では、生活の党は余りにも政治のリアリティにとらわれすぎ、逆に服部さんは政治のリアリティを受け止め切れていないという印象だった。今ごろ、立法主旨が・・と言ったところで虚しいだけだ。

 その一方で、十数名とはいえコアな人々が集まって、工夫を凝らし、実践に基づいた議論ができたことは、大いに意義があった。
 今回の議論から、ある程度の作戦を考えて、より実践的な提案と作戦会議を、次回はやりたいと思っている。


この日は、早朝に地震でたたき起こされ、午後は建築現場でこけて腰をぶつけ、夜はこの会の司会をやってと、何ともヘビーな一日だった。
最後を串カツとビールで締められなかったのが、心残りではある。

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2013-04-09(Tue)

色々募集中 (菜園仲間・構造見学会・木の建築家・新党浸透作戦)

お知らせがたくさんたまってしまったので、一気にいきます

■■ 菜園仲間募集!

2年前の5月から始めた六甲菜園。
昨年は自然農に挑戦しましたが、近隣からクレームが付いて草の管理を余儀なくされています。

こういう畑だったのに
20130409-1.jpg

今はこういう普通の畑になっています
 
20130409-2.jpg

気を取り直して、今シーズンからは通常の有機農法を目指して栽培をすることにしました。
宝塚から車で10分ほど。広さは50坪くらいです。

 参照:六甲菜園のブログ

さらに!

やっぱり自然農を諦めきれないので、奈良県の葛城山のふもとで、新たな農地を交渉中です。
このあたりは、奈良盆地を望むとても気持ちのいい地域です。

高速を使えば大阪から車で1時間。近鉄御所から徒歩25分くらい。こちらは、もし借りられれば100坪くらいあります。
1/3は自然農の実験菜園、1/3は収穫を期待して有機農法、1/3はBBQなどできる場所に、と皮算用しています。

た だ し

今の郊外楽園研究会のメンバーでは、とても2ヶ所の菜園を維持できません。
あと4~5人の仲間が増えれば、交渉を進めてこちらも借りられるようにしようと考えています。

六甲も葛城山も、どちらも収穫できたものの半分は、避難したくてもできないでいる福島の子どもたちに送りたいと思っています。
一昨年は何回か送ったのですが、昨年は自然農初年度でほとんど収穫が無く、送ることができませんでした。

ということで、一緒に菜園をやってくれる仲間を大募集です!

六甲でも葛城山でも、希望される方がいれば、ぜひぜひご連絡を

info@mei-getsu.com


■■ 構造見学会

もう間近です。

4月13日(土)12:30~13:30
十津川の木の家 構造見学会
@大阪市福島区

20130409-3.jpg

大阪市のど真ん中に、奈良県十津川村の木の家を建てています。

この木の中には、こんなふうに施主さんが伐った木もあります。

20130409-4.jpg

標高1000mで、雪の降る中で伐採祈願祭と記念伐採。いやあ 寒かった。

そんな思いの詰まった十津川の木は、詩情だけではありません。乾燥と強度を一本一本計測している「認証材」でもあります。

ぜひ、見てみてください。
同業者のかたも歓迎します。

こちらも、ご希望の方は info@mei-getsu.com まで


■■ 木の建築家募集(予告編)

最初に言っておきますが、まったく儲かる保証の無い話です。

近いうちに、数人の木の建築家のグループを募集する予定です。
詳細は、まだここでは公表できません。

関西で仕事をしていること。
僭越ながら私のチェックを通過してもらうこと。

私がしょぼしょぼやっている明月社は、こんなモットーです

木造住宅には、A.地域工務店 B.木造の住宅メーカー C.数少ない木造住宅作家(建築家) などに依頼する方法があります。
しかし、A~Cのどのコースを選択しても、「木造建築」というものの極一部だけを扱うことになります。
工務店には技能はあっても、自分のコンセプトやデザインを作り出すということができません。住宅メーカーでは、技能すらマニュアルにすぎません。
住宅作家は面白そうですが、木造の根幹である構造をキチンと理解している建築家は意外と少ない。

さらに言うならば、木の家を建てる以上、山に入るべきです。
家になる木が育ってきた山へ行き、その実情を知り、また自分で木を切り倒すことで命を実感するべきです。
そうしたことも、普通はなかなか体感することができません。

また、ただ家を作るのではなく、これからの社会に必要な居住形態を考えながら提案していく、というムーブメントも欠かしてはいけないと考えます。
つまり、住む人の要求を100%満たすという受け身の設計だけではなく、こんなライフスタイルをしませんか、という具体的な提案、主張、場合によっては売り込みが必要なのです。
明月社は、郊外楽園というキーワードで、次の時代の住まいを考えています。

こんな考えに賛同し、かつ実践できる建築家を募集します。

と言っても、繰り返しますが、仕事になる保証はありませんのであしからず。


■■ 新党浸透作戦Ⅱ やりませう!

東京の志岐さんが呼びかけられている 「新党浸透作戦Ⅱ」に、私も大賛同して参加しています。

 新党浸透作戦Ⅱ(国民の生活が第一の政治を実現する会 ブログ)

具体的には、下記のような生活の党の議員紹介のチラシをまこう ということ。
志岐さんが大枚をはたいてチラシを刷ってくれています。

20130401-1.jpg 201303401-2.jpg

3000枚1セットで、送料のみ各自負担です。(1050円)
もちろん、カンパは大歓迎

詳しくは、上記の「国民の生活賀第一の政治を実現する会」のブログをご覧ください。

1日1時間、400人がチラシをまけば、およそ1ヶ月で全世帯の2%に届けることができます。
マスメディアに頼ったり期待するのは時間の無駄です。

歩くには気持ちの良い季節です。 動きませんか!!





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2013-04-08(Mon)

できもしない地震予知より、目の前の悲劇予知能力が必要だ

このまま行くと、夏の参議院選は 経済政策と憲法改正が論点になるだろう。

しかし、ハッキリ言ってどちらも本気ではない。
最重要な課題からの、スピンオフ。目くらましにすぎない。

経済政策、いわゆるアベノミクスが茶番なのは言うまでもない。
札を刷って市中銀行にくれてやるだけの政策を、政策と呼ぶのもばからしい。行き場のないカネが渦巻いて、銀行のブタ積みが激増し、結果、そのほとんどはアメリカ国債に消えていく。

米国の財政を支えるために、日本が札をする。それだけのことだ。
物価は上がり、給料は上がらず、正社員でもすぐクビにできるようになる。ただそれだけの結果が待っている。

改憲は、できるならやりたいと思っているだろうが、無理にやる必要もないはずだ。なぜなら、すでに憲法は奴らの足かせになっていないからだ。
憲法違反をしても、べつに何もおきないからだ。

裁判所は、あたかも三権分立が生きているかのように見せるために、衆議院選挙の無効判決を出したが、それ以外では国に憲法を守らせる機能は放棄している。というか、自ら憲法など守る気がない。
教科書的に言うと、憲法を守らせるのは裁判所のように思われているが、じつはそこから違う。

憲法というのは、国家と人民の契約書だ。
妥協の産物ではあるが、とりあえずそれが守られている間は、お互いに休戦しよう、という休戦条約なのである。

逆に言うと、憲法を守らないと革命おこすぞ、というプレッシャーがあって初めて憲法は守られるのだ。
国が憲法違反をしようものなら、数百万人が首相官邸に押し寄せて、言うことを聞かなければそのまま占拠するくらいの背景があって初めて、国は憲法を守るのだ。

戦後の自民党政権は、何やかんや言って、革命の可能性、または亡霊におびえて憲法を気にしながら統治してきた。少しずつはみ出しながらも、完全に無視することはできずにきた。
それを、ざっくりと踏み越えたのがコイズミだった。やつは「憲法?そんなものあったっけ?」 くらいの勢いでこれ見よがしに踏みにじって見せた。

そして、それに対する日本国民の答えは、2009年の政権交代だった。
それ以上でも以下でもなかったのである。

自民党は慌てたかもしれないが、米国を筆頭にコアな支配層は密かにほくそ笑んだに違いない。
なんだこの程度か。政権交代を主導した小沢一郎さえ潰してしまえば、あとは日本人なんて何も怖くないぜ。何十年も革命の亡霊を恐れてきたなんて、あ~あムダなことをしたもんだ と。

そしてその後どうなったかは、皆さんの知るとおりである。
ところが、そこに3.11が襲った。
筆舌に尽くしがたい惨禍に加えて、原発が爆発した。
いくら日本人を舐めきった連中でも、これには慌てたことだろう。一つ間違えば暴動になる。そう考えたはずだ。

あまりに悲惨さに、自衛隊といえども暴動に同調する可能性がある。少なくとも、被災者に銃を向けることはできないだろう。
だから、米軍が直接出動した。事故直後に横須賀からも退避した米軍が、わざわざ被曝しに行ったのは、もちろんトモダチだからではなく、暴動鎮圧を想定してのことだったはずだ。
被曝しながら作戦に従事した個々の兵士には何の恨みもないし、むしろ感謝する気持ちはあるけれども、作戦の真意はそういうことだ。

ところが、日本人は筆舌に尽くしがたいほど、、、おとなしかった。
どんなに痛めつけられ、捨てられ、屈辱を味わっても、決してオカミには逆らわない日本人。
20万人集まった集会の主催者は、警察の車に乗って解散を呼びかける、摩訶不思議の国 日本。

あの光景を見て、コア支配層は、まず絶句しそして高笑いしたことだろう。
(主催者を揶揄しているのではなく、何もできなかった我が身を恨んでいる。)
そして悟った。日本人に対しては、何も遠慮する必要はない。憲法なんて、もう一切守る必要はない。
すでに、改憲の必要すらない と。

憲法という契約は、遅くとも2012年7月に、一方的に破棄された。今、日本で違憲状態なことは、いくつかの選挙区だけでなく、枚挙にいとまがない。でも、それは何の支障もなくまかり通っている。すでに、憲法は失効しているも同然なのだ。

憲法という契約を破ったら革命だぞ という力が民衆にないこと、それをコア支配層が確信したこと。この2点をもって、憲法は実質的に無くなった。

では、なんで必要のない憲法改正をことさらに言い出すのか。
安倍晋三や石原慎太郎の狙いは何なのだろうか?

それはもちろん、最重要問題から目をそらす、撒き餌としての改憲騒ぎだ。
改憲と言えば、猫も杓子もそれに夢中になることを、コア支配層は知っている。
むしろ、そのためにこの憲法という契約書は作られたという一面もある。

 奴隷の民主主義と 奴隷頭の帝国

下手くそなサッカーチームは、右サイドにボールを蹴り込まれると、全員がボールに殺到し、逆サイドに振られたとたんに敵はノーマークで悠々ゴールを決める。
同じことがおきようとしている。

敵にとって改憲は、できれば儲けものだけど、実質的にはどうでもいい課題だ。
そこにウルサイ連中を全部引きつけておいて、その瞬間に逆サイドにパスを出す。
逆サイドとは、被曝隠しとTPPだ。

今の日本で、どうにもこうにも誤魔化しようのない惨劇は、被曝とTPPだ。
普通に考えれば、どうしても許容範囲を超えている。
暴動まではいかなくても、また政権交代がおきるくらいの負のインパクトはある。

そこから目をそらすためのでっかい目くらましが、石原や安倍の改憲騒動なのである。
もちろん改憲はさせるべきではないが、一番大事なことは、最重要課題を見失わないことだ。
被曝とTPPがもららす、3.11をだめ押しする悲惨な結果を、一人でも多くの国民が知ることだ。

日本人には、今こそ予知能力が必要だ。
それは、原発にお墨付きを与えるためのできもしない地震予知ではなく、自らにふりかかりつつある不幸を予知する、悲劇予知能力だ。


■■■■■お知らせ■■■■■

十津川杉の家 構造見学会
4月13日(土)12:30~13:30
場所 大阪市福島区玉川
参加希望の方はメールにて
 info@mei-getsu.com





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2013-04-03(Wed)

大分県の「放射線ってなんだろう」パンフについて

大分県が、恐ろしいパンフを作成した20130403-1.jpg

http://www.pref.oita.jp/uploaded/attachment/155450.pdf

何が恐ろしいかというと、20頁に「胎児影響にはしきい値があり、約100ミリシーベルト以下では生じません。」と断言しているのである。

これには、「胎児影響」と「胎児への健康影響」は、ぜんぜん別物だ というトリックがある。
あくまで文科省の見解だが、「胎児影響」は100mSv/yがしきい値であることになっている。が、その文科省ですら、「胎児への健康影響」にはしきい値無しの確率的影響である と認めているのである。

文科省の事業で一般財団法人 高度情報科学技術研究機構が作成した「ATOMICA」にはっきりと書いてある。
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=09-02-03-05

「胎児影響」とは「胚の致死、奇形や成長・形態変化と精神遅滞」に限った話であって、「胎児への健康影響」全般の話ではないのだ。
要するに、妊婦が間違ってレントゲンを撮ってしまっても、100mSv/y以下ならば妊娠中絶はするべきではない という話なのである。

ところが、大分県のこのパンフレットを読んだ人は、「なんだ 100mSv/y以下なら赤ちゃんは大丈夫なんだ」と思ってしまうに違いない。
まずは、ご自分の目で確か見てみて欲しい。

しかも である。
しきい値無しで、100mSv/y以下でも胎児の健康に影響はあり得ると言う文科省の記述には、内部被曝は考慮されていない。
レントゲンのような完全に外部被曝だけの場合と、放射性物質を体内に取り込み、ひいては胎児の体内にも取り込むであろう内部被曝とを、同じレベルで考えていいのか。
いったい、誰がどこで「同じでいい」なんて証拠を書いているのか。(口先で言っている自称専門家はたくさんいるが)

大分県のパンフは、文科省レベルですら満たしていない、少なくとも確実に危険側に誤解を生む。
さらに、その文科省レベルは内部被曝を考慮していないという、致命的な欠陥をもっている。

そうした恐怖の二重構造をもっているのが、この大分パンフだ。
よって、作成した 大分県食品安全・衛生課食の安全・安心推進班 に、私は抗議のメールを送信した。

宛先は a13900@pref.oita.lg.jp

以下、ご参考までにメールの内容を転記する。

**************************

大分県 食品安全・衛生課 食の安全・安心推進班 御中 前略 貴県のホームページに記載されております、表題のパンフレットに ついて、重大な誤解を生むのではないかと思われますので、削除・ 訂正をお願いしたいと思います。

以下の内容は、文科省の事業により一般財団法人 高度情報科学技 術研究機構が作成した「ATOMICA」からの情報に依っています。

パンフレット20頁において 「胎児影響にはしきい値があり、 約 100 ミリシーベルト以下では生じません」との記述があります が、ここで言う「胎児影響」とは「胚の致死、奇形や成長・形態変 化と精神遅滞」のことであり、100mSv/y以下であれば中絶はするべ きではない というレベルの話のはずです。
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=09-02-03-05

「胚の致死、奇形や成長・形態変化と精神遅滞」以外の「胎児への 県境影響」については、「胚・胎児の被ばくに伴う健康影響にも上 記の分類(確率的影響)が適用される。」 となっております。
しかるに、一般の方が貴県のパンフレットの20ページを見れば、 「100mSv/y以下であれば胎児は大丈夫なんだ」と思ってしまうで しょう。意図的であるかどうかは別として、非常に危険な誤解を与 える記述であるといわなければなりません。

さらに、しきい値無しと書いている「ATOMICA」の記述ですら、内 部被曝についてはまったく配慮がありません。 外部被曝だけでも、しきい値無しの確率的影響があるというのに、 現在問題になっている食品などからの内部被曝に対しては、どのよ うな影響があるか、貴県ではご調査の上でこのパンフレットを作成 されたのでしょうか。

公の責任が問われるこうしたパンフレットに、住民にとって危険な ほうに誤解を招く記述はされないように、お願いいたします。
私は大分県民ではありませんが、同じ日本でおきている惨禍を憂う ものとして、重ねてお願いいたします。
                       草々

2013.4.3                    
木の家プロデュース 明月社 ・ 山岸 飛鳥
**************************


■■■■■お知らせ■■■■■

十津川杉の家 構造見学会
4月13日(土)12:30~13:30
場所 大阪市福島区玉川
参加希望の方はメールにて
 info@mei-getsu.com





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