2015-09-23(Wed)
エリート主義を超えて
戦争法案は強行採決、いや、虚偽採決で成立したことになった。
その一方で、国会前などのデモは活発になり、シールズなどの学生や学者や有名人の登場もあいついだ。
実数で10万人以上が1日に国会前に駆けつけるという事態は、日本の戦後の歴史の中でも特筆すべきことだったと言える。
大阪でも、扇町公園が本当に満杯になる光景を、私は初めて見た。
戦争法案に危機感をもった人たちの、本気が見えたような気がする。
しかし、それでもやはり現実は見て前に進む必要がある。
世論調査―質問と回答〈9月19、20日実施〉
2015年9月20日朝日新聞
◆安倍内閣を支持しますか。支持しませんか。
支持する35
支持しない45
◆今、どの政党を支持していますか。政党名でお答えください。
自民33▽民主10▽維新2▽公明3▽共産4▽次世代0▽社民1▽生活0▽元気0▽改革0▽その他の政党1▽支持政党なし37▽答えない・分からない9
◆安全保障関連法についてうかがいます。集団的自衛権を使えるようにしたり、自衛隊の海外活動を広げたりする安全保障関連法に、賛成ですか。反対ですか。(前回は「安全保障関連法案に…」と聞いた)
賛成 30 反対 51
◆安全保障関連法は、参議院の委員会で採決が強行され、本会議で可決、成立しました。国会でのこうした進め方はよかったと思いますか。よくなかったと思いますか。
よかった 16 よくなかった 67
◆安全保障関連法案の成立に反対した、民主党や維新の党など、野党の対応を評価しますか。評価しませんか。
評価する 34 評価しない 49
◆安全保障関連法について、国会での議論は、尽くされたと思いますか。尽くされていないと思いますか。(前回は「安全保障関連法案について…」と聞いた)
尽くされた12
尽くされていない75
◆安全保障関連法について、安倍政権が、広く国民の理解を得ようとする努力を十分にしてきたと思いますか。十分にしてこなかったと思いますか。
十分にしてきた16
十分にしてこなかった74
◆安全保障関連法ができたことで、外国が日本を攻撃しにくくする抑止力が高まると思いますか。高まらないと思いますか。
高まる 32高まらない 43
◆安全保障関連法ができたことで、日本が、アメリカなど他の国の戦争に巻き込まれる可能性が高まると思いますか。高まらないと思いますか。
高まる 64高まらない 21
◆安全保障関連法が、憲法に違反していると思いますか。憲法に違反していないと思いますか。
違反している51
違反していない22
(引用以上)
やっぱり国民は反対しているじゃないか、という見方もできるが、私が注目したいのは、あれだけ反対運動があり、マスコミもそれなりに取り上げ、国会内でも少しは野党が頑張り、山本太郎が奮闘したにもかかわらず、明確に「反対」「違憲」と言っている国民は 51%しかいない ということだ。
そして、いぜんとして35%が安倍内閣を支持し、37%が自公に投票すると言っているのだ。
法案に反対した政党は、17~8%であり、ダブルスコアーだ。
そして、いぜんとして無党派&無関心が46%という圧倒的多数派なのだ。
この46%に如何にして振り向いてもらうか、それを考えなければ、永遠に負け続ける。
■■
国民連合政府だ! リベラル勢力の結集だ! という勇ましい声が聞こえてくる。
共産党が提案した野党共闘で国民連合政府を という提案は、「せめて1年前に言えよ」と思わないでもないが、しかし、それしか道はないだろうと思う。おおむね同意である。
頭は同意なのだが、心にひっかかるものがある。
共産党にかぎらず、私のまわりでも「リベラル勢力の結集」という言葉は良く聞く。
たしかに、それでいいのだ ろう。
が、なんだかこれもひっかかるのだ。
恐縮ながら、今日の惨状は、リベラルが負け続けてきた結果ではないのか。
いや、そもそもリベラルと称する人たちは、勝とうとしたことがあるのか。
名誉ある敗北を粛々と受け入れては来なかったか。
それと、リベラルという言葉には、拭いがたいエリート臭がつきまとっている。
街ゆく人たちに、「あなたはリベラルですか?」と聞いて回ったら々だろう。おそらく「え・・・」という反応が返ってくるのではないだろうか。
支持政党は考えている人でも、自分が「リベラルか?」なんて意識している人がどれだけいるのだろう。
だいたい リベラルって何だ?
今回の戦争法案の反対運動も、結局「リベラル」と言われる人たちの枠から出られなかったのではないか。
リベラルと保守反動が永田町の空の上でけんかしている、という構図から出られなかったのではないか。
もっと泥臭い、もっと生活の場に密着した主張と活動をしなければ、いわゆる「リベラル」の枠を出ることはできない。
具体的には18%の檻から出ることはできない。
(18%の根拠は 前の記事を参照→ 野党大連合の可能性について)
■■
そんな中で、国会内で奮闘した山本太郎さんのたたかいぶりには、リベラルとかエリートという臭いがまったくない。
言葉や行為の一つ一つが、テレビの前の「46%」の人に向かっている。
国会質問はもちろん、ひとり牛歩にしても、葬式パフォーマンスにしてもそうだ。
アベウヨからはもちろん、主張を同じくする人々の中からも、高尚なお歴々にはさんざんな批判をされながら、それでも彼は自分の気持ちをストレートに「46%」に届けることを続けた。
あえて言えば、彼の眼中には「18%」は入っていないのだろう。すでに同じ考えを持っている人たちが集まって、意思を確認し合うことに意味がないとは言わないが、そんなパワーがあるのなら「「46%」に向き合うべきだと思っているのではないか。
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この泥臭さを、私は大事にしたいと思う。
PDFファイルはこちらをクリック 永田町恐怖新聞 Vol2
立憲主義をなんたら とか 憲法違反がどうたら とかはほとんど書いていない。
みんなが関心のあるお金の話につなげつつ、「自分が言いたいことを書く」ではなく、「どうやったら読んでもらえるか」を考え抜いたチラシになっている。
たしかに、やり過ぎることはあるかもしれない。
もうちょっとこうした方がいいのでは、という意見はどんどん出していくべきだと思う。
しかし、捨て身で46%に向かう、ほぼ唯一の政治家、活動家である太郎さんにたいして、同じ陣営の側から、品がないというような理由で、あるいは18%のリベラルな皆さんに理解されないというような理由で、公開の場で(結果的にはアベウヨと口をそろえて)批判をかます人たちの感覚は、私には理解できない。
もし、本当に心配だったら、直接本人に、あるいは太郎さんの事務所に連絡してあげればいいことだ。
太郎さん本人も、はたさん他の事務所の面々も、真摯な批判には耳を傾ける人たちなのだから。
■■
シールズや学者の会の運動も続けてもらいたいと思うし、共産党と民主党が手を組むことも絶対的な必要条件ではある。
しかし、18%の内輪の感覚や論理をのり超えて、生活者の感覚、46%の目線に切り込まなければ、いくら野党連合しても、必ず負ける。
46%の中には、反自公とみんなや維新などの中間派と棄権、というあたりを流動する25%の人たちがいる。(根拠は前記事)
今回の戦争法案については、この25%の人たちは、反対しつつ投票行動には動いていない。それが世論調査における、「反対」と「支持政党」の数の違いになっている。
もちろん、野党連合すれば、少しは動くかもしれないが、それだけでドッと流れるとは思えない。
やはり、「賛成か反対かと聞かれれば反対だけど、でもすごい危機感はない」 という人たちをグッと引きつける政策が必要なのだ。
それは2009マニフェストだ。子ども手当であり、高速道路無料化だ。
死ぬまで生きることを、最低限補償する政策だ。
子どもたちに、戦争以外の、もう一つの選択肢を補償する政策だ。
沖縄の翁長知事も、10のイエスと3つのノー という政策を出していた。
もちろん辺野古反対はもっともメインの政策なのだが、それだけではなく、県民の生活を保障する積極的な政策を打ち出していたのだ。
これを抜きにした野党連合では、いくら強固な18%が立ち向かっても、25%はコンスタントにとる自公に対して、勝てない。
まして、無責任な中間派が作られて攪乱されたら、世論調査で勝って選挙で負ける、ということの繰り返しだ。
経済政策を重視するのは、共産党の呼びかけに反対することではない。
民主党の一部議員は、次は経済だと言って国民連合に反対しているらしいが、米国の尻尾が見えている。
経済が重要なのはそのとおり。
だからこそ、野党連合で政権交代の現実味をつくりだし、暮らしが良くなる経済政策に目を向けてもらうべきなのだ。
46%はバカなのではない。
国民を馬鹿にするエリート主義からは、決して勝利は生まれない。
46%のうち過半の人たちは、現実をしっかりと見ている。
そして、現実味のない「いい話」には見向きもしないだけ。
本当に政権交代できるかもしれない、となれば、「いい話」には乗ってくる。
もし、国民連合が18%の楽屋落ちに自己満足し、「立憲主義をまもれ」みたいな標語だけでたたかおうとするならば、それは自爆行為だ。
うがった見方をすれば、反自公勢力を最終的に壊滅させるための、自爆テロなのではないかとさえ思える。
今後の行方を注視しながら、できることを探していこう。
まずは、永田町恐怖新聞Vol2を 広めていきたい。
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その一方で、国会前などのデモは活発になり、シールズなどの学生や学者や有名人の登場もあいついだ。
実数で10万人以上が1日に国会前に駆けつけるという事態は、日本の戦後の歴史の中でも特筆すべきことだったと言える。
大阪でも、扇町公園が本当に満杯になる光景を、私は初めて見た。
戦争法案に危機感をもった人たちの、本気が見えたような気がする。
しかし、それでもやはり現実は見て前に進む必要がある。
世論調査―質問と回答〈9月19、20日実施〉
2015年9月20日朝日新聞
◆安倍内閣を支持しますか。支持しませんか。
支持する35
支持しない45
◆今、どの政党を支持していますか。政党名でお答えください。
自民33▽民主10▽維新2▽公明3▽共産4▽次世代0▽社民1▽生活0▽元気0▽改革0▽その他の政党1▽支持政党なし37▽答えない・分からない9
◆安全保障関連法についてうかがいます。集団的自衛権を使えるようにしたり、自衛隊の海外活動を広げたりする安全保障関連法に、賛成ですか。反対ですか。(前回は「安全保障関連法案に…」と聞いた)
賛成 30 反対 51
◆安全保障関連法は、参議院の委員会で採決が強行され、本会議で可決、成立しました。国会でのこうした進め方はよかったと思いますか。よくなかったと思いますか。
よかった 16 よくなかった 67
◆安全保障関連法案の成立に反対した、民主党や維新の党など、野党の対応を評価しますか。評価しませんか。
評価する 34 評価しない 49
◆安全保障関連法について、国会での議論は、尽くされたと思いますか。尽くされていないと思いますか。(前回は「安全保障関連法案について…」と聞いた)
尽くされた12
尽くされていない75
◆安全保障関連法について、安倍政権が、広く国民の理解を得ようとする努力を十分にしてきたと思いますか。十分にしてこなかったと思いますか。
十分にしてきた16
十分にしてこなかった74
◆安全保障関連法ができたことで、外国が日本を攻撃しにくくする抑止力が高まると思いますか。高まらないと思いますか。
高まる 32高まらない 43
◆安全保障関連法ができたことで、日本が、アメリカなど他の国の戦争に巻き込まれる可能性が高まると思いますか。高まらないと思いますか。
高まる 64高まらない 21
◆安全保障関連法が、憲法に違反していると思いますか。憲法に違反していないと思いますか。
違反している51
違反していない22
(引用以上)
やっぱり国民は反対しているじゃないか、という見方もできるが、私が注目したいのは、あれだけ反対運動があり、マスコミもそれなりに取り上げ、国会内でも少しは野党が頑張り、山本太郎が奮闘したにもかかわらず、明確に「反対」「違憲」と言っている国民は 51%しかいない ということだ。
そして、いぜんとして35%が安倍内閣を支持し、37%が自公に投票すると言っているのだ。
法案に反対した政党は、17~8%であり、ダブルスコアーだ。
そして、いぜんとして無党派&無関心が46%という圧倒的多数派なのだ。
この46%に如何にして振り向いてもらうか、それを考えなければ、永遠に負け続ける。
■■
国民連合政府だ! リベラル勢力の結集だ! という勇ましい声が聞こえてくる。
共産党が提案した野党共闘で国民連合政府を という提案は、「せめて1年前に言えよ」と思わないでもないが、しかし、それしか道はないだろうと思う。おおむね同意である。
頭は同意なのだが、心にひっかかるものがある。
共産党にかぎらず、私のまわりでも「リベラル勢力の結集」という言葉は良く聞く。
たしかに、それでいいのだ ろう。
が、なんだかこれもひっかかるのだ。
恐縮ながら、今日の惨状は、リベラルが負け続けてきた結果ではないのか。
いや、そもそもリベラルと称する人たちは、勝とうとしたことがあるのか。
名誉ある敗北を粛々と受け入れては来なかったか。
それと、リベラルという言葉には、拭いがたいエリート臭がつきまとっている。
街ゆく人たちに、「あなたはリベラルですか?」と聞いて回ったら々だろう。おそらく「え・・・」という反応が返ってくるのではないだろうか。
支持政党は考えている人でも、自分が「リベラルか?」なんて意識している人がどれだけいるのだろう。
だいたい リベラルって何だ?
今回の戦争法案の反対運動も、結局「リベラル」と言われる人たちの枠から出られなかったのではないか。
リベラルと保守反動が永田町の空の上でけんかしている、という構図から出られなかったのではないか。
もっと泥臭い、もっと生活の場に密着した主張と活動をしなければ、いわゆる「リベラル」の枠を出ることはできない。
具体的には18%の檻から出ることはできない。
(18%の根拠は 前の記事を参照→ 野党大連合の可能性について)
■■
そんな中で、国会内で奮闘した山本太郎さんのたたかいぶりには、リベラルとかエリートという臭いがまったくない。
言葉や行為の一つ一つが、テレビの前の「46%」の人に向かっている。
国会質問はもちろん、ひとり牛歩にしても、葬式パフォーマンスにしてもそうだ。
アベウヨからはもちろん、主張を同じくする人々の中からも、高尚なお歴々にはさんざんな批判をされながら、それでも彼は自分の気持ちをストレートに「46%」に届けることを続けた。
あえて言えば、彼の眼中には「18%」は入っていないのだろう。すでに同じ考えを持っている人たちが集まって、意思を確認し合うことに意味がないとは言わないが、そんなパワーがあるのなら「「46%」に向き合うべきだと思っているのではないか。
最新作の「永田町恐怖新聞」を見てほしい
この泥臭さを、私は大事にしたいと思う。
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立憲主義をなんたら とか 憲法違反がどうたら とかはほとんど書いていない。
みんなが関心のあるお金の話につなげつつ、「自分が言いたいことを書く」ではなく、「どうやったら読んでもらえるか」を考え抜いたチラシになっている。
たしかに、やり過ぎることはあるかもしれない。
もうちょっとこうした方がいいのでは、という意見はどんどん出していくべきだと思う。
しかし、捨て身で46%に向かう、ほぼ唯一の政治家、活動家である太郎さんにたいして、同じ陣営の側から、品がないというような理由で、あるいは18%のリベラルな皆さんに理解されないというような理由で、公開の場で(結果的にはアベウヨと口をそろえて)批判をかます人たちの感覚は、私には理解できない。
もし、本当に心配だったら、直接本人に、あるいは太郎さんの事務所に連絡してあげればいいことだ。
太郎さん本人も、はたさん他の事務所の面々も、真摯な批判には耳を傾ける人たちなのだから。
■■
シールズや学者の会の運動も続けてもらいたいと思うし、共産党と民主党が手を組むことも絶対的な必要条件ではある。
しかし、18%の内輪の感覚や論理をのり超えて、生活者の感覚、46%の目線に切り込まなければ、いくら野党連合しても、必ず負ける。
46%の中には、反自公とみんなや維新などの中間派と棄権、というあたりを流動する25%の人たちがいる。(根拠は前記事)
今回の戦争法案については、この25%の人たちは、反対しつつ投票行動には動いていない。それが世論調査における、「反対」と「支持政党」の数の違いになっている。
もちろん、野党連合すれば、少しは動くかもしれないが、それだけでドッと流れるとは思えない。
やはり、「賛成か反対かと聞かれれば反対だけど、でもすごい危機感はない」 という人たちをグッと引きつける政策が必要なのだ。
それは2009マニフェストだ。子ども手当であり、高速道路無料化だ。
死ぬまで生きることを、最低限補償する政策だ。
子どもたちに、戦争以外の、もう一つの選択肢を補償する政策だ。
沖縄の翁長知事も、10のイエスと3つのノー という政策を出していた。
もちろん辺野古反対はもっともメインの政策なのだが、それだけではなく、県民の生活を保障する積極的な政策を打ち出していたのだ。
これを抜きにした野党連合では、いくら強固な18%が立ち向かっても、25%はコンスタントにとる自公に対して、勝てない。
まして、無責任な中間派が作られて攪乱されたら、世論調査で勝って選挙で負ける、ということの繰り返しだ。
経済政策を重視するのは、共産党の呼びかけに反対することではない。
民主党の一部議員は、次は経済だと言って国民連合に反対しているらしいが、米国の尻尾が見えている。
経済が重要なのはそのとおり。
だからこそ、野党連合で政権交代の現実味をつくりだし、暮らしが良くなる経済政策に目を向けてもらうべきなのだ。
46%はバカなのではない。
国民を馬鹿にするエリート主義からは、決して勝利は生まれない。
46%のうち過半の人たちは、現実をしっかりと見ている。
そして、現実味のない「いい話」には見向きもしないだけ。
本当に政権交代できるかもしれない、となれば、「いい話」には乗ってくる。
もし、国民連合が18%の楽屋落ちに自己満足し、「立憲主義をまもれ」みたいな標語だけでたたかおうとするならば、それは自爆行為だ。
うがった見方をすれば、反自公勢力を最終的に壊滅させるための、自爆テロなのではないかとさえ思える。
今後の行方を注視しながら、できることを探していこう。
まずは、永田町恐怖新聞Vol2を 広めていきたい。
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