2016-05-19(Thu)

うるま市の事件に思う

沖縄には4回くらい行ったと思う。仕事もあればプライベートもある。

海と空の印象も強烈だが、何とも言えない空気の濃密さをいつも感じる。それは、物理的なものと、そこに生活する人たちの「気」のようなものとが入り交じっているのだろうと想像している。

先日、沖縄県知事・翁長さんの「戦う民意」という本を読んだ。濃密な「気」が何なのか、その一端が分かったような気がした。保守の政治家として沖縄と向き合い、沖縄そのものでもある翁長さんが感じていることは、きっと声には出さない多くのウチナンチュの心の声なんだろう。

■■

私自身は小学生の時からこの世の中に生きずらさを感じてきた。常に不満分子で文句言いで集団からはみ出し、俺はこの世の中で生きていけるんだろうかと不安でいっぱいだった。

そんなこんなで、文句言いの人生がもうすぐ50年という頃、政権交代と、あっという間の瓦解があった。
文句言いの私は、政権交代に驚いたしうれしかった。個人的なこと以外で「うれしい」と感じたのは始めてかもしれない。そして、こんなはぐれ者の俺が思った方向に世の中が進むなんてことがあるのか?! と大変驚いた。

そこから私は、単なる社会問題ではなくて「政治」に目を向けるようになった。文句言いとして社会問題には目一杯関心があったし、ありすぎてヒト様に迷惑掛けることもあったけれども、「政治」にはあくまでも外野、というよりスタンドからヤジを飛ばしていた。

「政治」と言えばアブラギッシュなおっちゃんや妖怪風なおばちゃんが、貯め込んだ裏金をばらまきながら「どうか清き一票を!」と言うイメージが強い。私とても、大差なかった。しかし、2009年の政権交代で「ちょと違うかも」と思い始めた。

何よりも私を政治に引きつけたのは、1年もしないうちに民主党政権が瓦解を始めたことだった。 ハトポッポはほとんど実行力を発揮できず、官僚にどんどん絡め取られ、最後は沖縄に後ろ足で砂を掛けて辞任した。

このとき私は、「政治」のグラウンドに立とうと心底思った。なんであの政権交代がわずか1年で瓦解するのか。なんでハトポッポは右往左往して前に進めなかったのか。
それは、「政治」を外注してきたからだ。お任せ定食にして、とりあえず出てきたものを食べることしか、私たちはしてこなかったからだ。

あの時から、私は政治家にはならなくとも、政治のグラウンドにプレーヤーの一人として立とうと思って生きてきた。何ができたのかは分からないが、少なくともそういう自覚をもって生きてきた。

■■

小沢一郎という政治家は誰でも知っているだろう。おそらく、アブラギッシュなおっちゃん云々とさっき書いたまんまのイメージを持っている人がほとんどに違いない。
まあ、そういうイメージを払拭しようという努力をご本人もあまりしていないから、仕方ないといえば仕方ない。
(直接会った印象では、あまアブラギッシュでもなく、かなり普通のおっちゃんだったけれど)

知名度は抜群の小沢一郎だけれども、しかし、彼の政治信条を知る人は少ない。
「自立と共生」
彼は20数年前からずっとこればかり言っているらしい。もうちょっとウケること考えればいいのにとも思うけれど、愚直と言えば愚直。

この「自立と共生」。2010年に政権交代がボロボロになった時、私のココロにはこの言葉が染みた。せめて最近の20年間、お任せ定食政治ではなくて、とにかく自分の考えで政治を考えるということをしてきていれば、こんなにもあっさりと政権交代が崩れることはなかったんじゃないか。自責の念と、「自立と共生」が胸に迫った。

ときに間違ってもいい、ときに混乱してもいい。自分の頭で考えること。自分の言葉で語ること。受け売りではない「思想」を持つこと。そしてそれを他人と、アーでもないコーデでもないとちゃんと議論すること。バッシングやディズリやシカトや炎上ではない議論をすること。

そういう場が、今の世の中にはない。
「自立と共生」のためには、たくさんの人がそういう経験を積んでいくことだ。今の世にないのならば、何とかして作ろう。それが、私の政治のグラウンドでの守備位置なんじゃないか。そう思った。

■■

悪人面で知られる小沢一郎さんの「自立と共生」に魅入られた私は、2012年の総選挙では未来の党を応援した。

地元吹田(大阪7区)で立候補した渡辺義彦さんの事務所がすぐ近くだったこともあり、毎日のように出かけていって、何も分からない中でなんやかやとお手伝いに精を出した。

始めて選挙カーの運転手をやってみて、小選挙区の意味も体感できた。都市部の場合、時速15キロで1日で全域を回れる。手が届く実感がある。

ご存じのようにその選挙は惨敗し、その後未来の党は生活の党になり、2013年の参院選、2014年衆院選も惨敗し、山本太郎さんと合流して「生活の党と山本太郎となかまたち」という前代未聞の政党名になり、絶滅危惧種と言われながら今日に至っている。

まあ、私個人的にはもともとはぐれ者なので、絶滅危惧種と言われようが何の違和感もないのだけれども、「政治」を考えるとそうも言ってられない。
なんせ「政治」っていうのは、「どうやって食っていこうか」という仕組みの話だからだ。

よくよく原点を考えてみれば「政治」とは、三つの機能につきる。
1.国民がメシを食っていく基本的な仕組み
2.国民どうしのケンカ(利害対立)の調停方法
3.他国とのつきあい方

これをお任せ定食じゃなくて自分で考えて自分で作ろうという勢力が絶滅危惧種なのは、やっぱり困る。困るから、せめて何ができるのか、ガマのように脂汗を流しながら考えている。

■■

そんな精神状態で、沖縄県知事の「戦う民意」という本を読んだ。本土日本が戦後復興、高度経済成長、バブル経済を謳歌している間に、沖縄はどいうことになっていたのか。沖縄の人たちは何を感じていたのか。

沖縄のことには少しは関心をもっていたつもりの私でも、なんのなんのタダのヤマトの甘ちゃんだったということを思い知らされる。
翁長知事は決して糾弾するような言葉は書いていないけれども、沖縄がどうだったのかということを、しかも保守の立場から淡々と聞かされると、まったくもって自分の薄さにヒーと言いそうになる。

べつに私が本土に生まれ育ったからといって、悪いことをしたとは思わない。なにか個人的な責任があるとも思わない。
けれども、「ああ、自立しないと共生もできなんだな」ということを掻きむしられるように 思う。

うるま市で行方不明になっていた女性が、どうやら元海兵隊員の米軍属に殺されたのではないかというニュースが流れている。沖縄の地元紙は号外を出している。
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-282130.html

これとても、日本が自立し共生をできていれば、おきなかったかもしれない。
沖縄の米軍基地が、全国平均の100倍以上の密度でなければ、少なくともこんな事件の確率は100分の1になっていたはずだ。

自分の頭で自立する、そして同時代を生きている人や未来の人たちとできるだけ公平に折り合いをつける。それができなければ、こうした悲劇は、形をかえてあちこちでいつまでも起き続ける。

■■

私の知人友人の皆さん

そんなわけで、私は政治の世界のミニミニプレーヤーの一人として、自立と共生を目指してもそもそと動き回ります。

ジャマだと言われても、変なヤツと言われても、その時その時に考えたベストあるいはベターな選択で動き回ります。
ちょっとおかしいんちゃう?と思ったら、遠慮なしに言って下さい。ちょっと飲みながら、あるいはスイーツつつきながら聞かせて下さい。

いざ選挙になれば、あれこれお願いするかもしれません。もちろん無理強いはしないけれど、「たまには言うこと聞いたろか」と思ったら協力して下さい。

はぐれ者で文句言いの私ですが、どうかよしなにお願いします。

(以上、本日の私のFBより転載)




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