2016-11-30(Wed)

年金「賦課方式」の罠

朴槿恵とかASUKAとかのニュースで埋め尽くされている陰で、年金改革法案が強行採決されている。

要するにこういう仕組みで、支給減になりすぎないためのセーフティーネットをはずしてしまおうというもの。

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民進党の玉城雄一郎氏によると、このくらい減るらしい

20161130-00.jpg

なんたることだ、と思いつつも、年金については 「もらう人数が増えて払う人数が減るのだから、支払いは上がって受給が下がるのはしかたが無いだろう」 と言われるとなかなか反論しにくいのもたしかだ。
しかしこの理屈は、今の現役世代が今の老齢者を支える「賦課方式」を前提にしている。どこを見てもそういう説明しか書いていない。

では、あのGPIFが運用している積立金はなんなのだろう。
純粋な賦課方式だったら、その年に集めた掛け金はその年に使い切ってしまうため、積立金はないはずだ。

そう思って調べてみると、日本の公的年金の仕組みは「賦課方式」ではなかった。
正式には「修正積立方式」といって、賦課方式で使った残りを、将来に備えて積み立てておく、というもの。
さらに、かなりの部分が税金で賄われているので、実際は「賦課、積立、税 混合方式」なのである。
ちなみに、国民年金は1975年、厚生年金は1999年にはその年の掛け金+運用益で、その年の給付を賄えなくなっているので、それ以降に積み増しされた分は、実は税金だということになる。

しかも、2002年くらいからは積立金の取り崩しが始まり、2006年まではGPIFの運用益でなんとか微増したが、その後は大幅に積立金は減っている。
その意味では「賦課、取り崩し、税 混合方式」と言うべきかもしれない。

下のグラフの青を見ると2011年までに30兆円ほど減っているのが分かる。運用益を含めなければ、実際は40兆円くらい取り崩している。
20161130-1.jpg

緑が急増しているのは、取り崩し分を補填するために、GPIFで運用する比率を急速に高めたためだ。
官製相場を作って、株などの時価を高め、積立金の「見かけの」残高を増やしたのだ。

なぜ「見た目」かというと、持っている株の価格が上がったので、計算上は残高が増えているけれども、実際にその株を売って利益を確定させたわけではないので、「見た目」ということになる。
なお、最近のGPIFの巨額損失についても、損失確定したわけではない。
問題は、本当に株を売って年金の支払いに回さなければならないタイミングがあるということ。その時の日本とアメリカの株価次第で、大損する可能性があるということ。しかも、自ら買いこんで作った官製相場でキープしているわけで、大きな売りが始まると相場自体が危ない。

それはともかく、そういうわけで、日本の公的年金は 「賦課、運用、取り崩し、税 のミックス」でなんとか成り立っている。

その仕組みと実体についてはこちらのサイトが、分かりやすい
 → これで分かる!「日本の年金制度」の概要と勘所

毎年払われている年金はだいたい50兆円。
そのうち、保険料が33兆円(うち13兆くらいが厚生年金の企業負担)、税金が12兆円、運用益が5兆円 くらい。
よって、個人の負担は23兆円ほどで、全体の半分以下ということになる。

GPIFの積立金残高は今年9月末で132兆751億円だそうだ。
(ちなみに2004年度末で145兆9322億円だったので、実にマイナス14兆円)

たしかに、一般会計の税収に匹敵する額が、年金として支払われていくのだから、大きな問題ではある。
しかし、さかんに政府などが「個人の負担が増えるぞー」と煽る「賦課方式」にあたる部分は半分以下であり、バカな運用をしなければバッファーになる積立金は130兆円以上ある。

また、危機感をあおることで未納が増え、国民年金の納付率は20年前は85%以上だったのに、現在は55%程度だ。
年金に信頼が戻って納付率が上がれば、それだけでも毎年1兆円は収入アップだ。

総じて、賦課方式による危機感を煽りすぎている、というのが現在の姿ではないのか。



さて、積立金は130兆か と思っていたら、こんな記事があった

公的年金、積立金8年ぶり200兆円超え 14年度
2016/9/8 日経


厚生労働省が8日発表した2014年度の公的年金財政状況報告によると、積立金は13年度より17兆3千億円増えて203兆6千億円となった。(引用以上)

あれ? 2014年度末は約146兆だったんじゃないの?
50兆円以上もの差はどこから?

それはこれだ
20161130-2.png

真ん中の三つ、共済年金だ。公務員と私学教職員。
あわせてなんと55兆円もの積立金がある。

でも 共済組合は2015年10月に厚生年金に統合されたんだから、この55兆円は今ではGPIFの魔の手(?)に渡ったんじゃないの。
そう思った貴方。 甘いです。

統合による積立金は、こういう扱いになる

20161130-3.png

つまり、お財布は別々のまま、紫の部分は「厚生年金のつもり」という勘定をしているだけ。
運用も、GPIFと同じ運用にするという建前はあるけれども、実際は安全運転で損失を出していない

年金5兆円損失でも…「国家公務員共済」安全運転で運用益
2016年8月2日 日刊ゲンダイ


そして、約半分の白い部分は、上乗せ分(3階部分)として、シモジモの厚生年金には手を触れさせず保管される。
統合までに受給していた人には3階部分として、それ以降の人には「年金払い退職給付」という名目で、しっかりと特権は確保されている。
 → 年金払い退職給付が創設されます

しかも、公務員は一般の厚生年金加入者と比べて高齢化率が高い。
つまり、同じ比率の積立金だけで厚生年金に統合されると、今後、もともとの厚生年金の積立金を、公務員の年金が食い込んでいくことになる。

おおさか維新のような公務員をいじめて溜飲を下げる趣味は、私にはないが、かといって、公務員だけが優遇されるのはオカシイ。
公務員が高い保険料を払ってきたのならば分かるけれども、保険料率は一般よりも安かったのだから。

こうして特権を確保した官僚が、一般国民の年金をどうやってカットしようかと頭をひねって作り上げたのが、今回の年金改革法案だ。

今の年金制度を改革しなくて良いとは思わないが、この法案はよろしくない。

年金も含めて、国民が「安心して死ぬまで生きられる」方法を、全知全能を振り絞って考え出す。
それが政治と行政の使命であり、命のナショナルミニマムだ。

それができない、やる気のない政権は、そのイスに座る資格はない。




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2016-11-29(Tue)

朴槿恵はなぜ突然失脚したのか

お隣の韓国の騒動は、日本のマスメディアもこぞって報道しているから、チェスンシルとかいうオバサンの名前を日本中の誰もが知っている。

報道が過熱するにしたがって、私はどうもおかしいなあ とは思ってきた。
だいたい日本のマスコミが一色に染まる時は、なにかがある。
トランプのことさえそっちのけで、スンシル、パククネ を連呼するテレビには異常を感じた。

たぶんよからぬことはあったのだろうが、ヒラリーのメールの内容に比べれば大したことなさそうだし、縁故でがっぽり稼ぐなんて、韓国に限らずそこら中に転がっている話だ。
だいたい、よく知られた話だったみたいなのに、なぜ今になってこんなに大騒ぎになるのか?

朴槿恵の父親である朴正煕は、軍事クーデターで政権を握って人権と人命を蹂躙し尽くした独裁者であり、同時に漢江の奇跡と言われた超経済成長を成し遂げた大統領であった。
従米の国是に従いつつも独自路線を追求し、最後はKCIAの部長に暗殺された。KCIAの部長にやられたということは、ほぼCIAに抹殺されたということだ。
北朝鮮に対峙し、中国とも渡り合えるような国力をつけるまでは大鉈を振るい続けたが、ある程度それが達成されると用済みになったということだろう。

その娘である朴槿恵が米国に良い感情を持っていたとは思いにくい。
もちろん露骨に反米を出しはしないけれども、あきらかに中国に寄っていく政治姿勢は見せていた。それを、オバマがなだめすかして引き戻そうとしてきたのが、ここ数年の流れではないか。

朴槿恵が、中国寄りの姿勢を変化させたのは、2015年末のいわゆる「慰安婦問題の合意」からではないかと、巷では言われている。
オバマになかば強引に説得されて、日本との「合意」に踏み切った。
さらに大きな出来事は、今年7月の「THAAD(高高度防衛ミサイルシステム)の韓国配備決定」だ。これまで中国への配慮と配備予定の地元の反対もあって拒否してきた朴槿恵が、配備を決定。習近平は激怒した。

韓中間の国防対話 THAAD配備問題で全面ストップ
2016/11/05 聯合ニュース


この流れで見ると、、あれれ、スンシルゲート事件の裏に中国なのかな と思わせるのだが、THAADミサイル配備問題で中国と韓国が外交戦の火花を散らしていた同時期、こんな動きもあったのだ。

中国 米国に米朝平和協定を打診か=韓国当局は「事実無根」
2016/05/09 聯合ニュース


トランプ氏「正恩氏と話してもいい」 米朝会談に意欲
2016/5/18 日経


米朝直接対話を…中国、トランプ氏発言支持
2016年5月18日 日テレニュース


つまり、オバマ(≒ヒラリー)が韓国にTHAADミサイルを配備させようと躍起になっているそのときに、中国は米国に米朝対話を呼びかけ、トランプは「話してもいいぜ」と言っていたのである。
オバマ・ヒラリー路線と、トランプ路線の確執が、こんなところで炸裂し、朴槿恵の頭を悩ませていたのだ。

朴槿恵は、結局ミサイル配備を決定するものの、かなり苦渋の決断であり、状況が変われば翻意する可能性もある。
あるいは、中国に本気で北朝鮮を押さえさせるためのブラフだった可能性もなきにしもあらず。
オバマ・ヒラリーにしてみれば、このようなトランプ路線に同調しやすい大統領を韓国においておくのは、望ましくないだろう。

もちろん、逆の可能性もあるが、いずれにしても、THAAD配備問題は東アジアの関係を激変させる問題であり、米中関係を規定するほどの問題だということ。どうやら、それをめぐっての確執が、スンシルゲート事件となって朴槿恵を襲ったのではないか、と思われる。
また、韓国の国民があれほど朴槿恵に怒っているのには、日本では三文芝居しか報道されないが、実は勝手にTHAAD配備を決めてしまったこともあるのではないか。

とするならば、この事件は、日本にも深い関わりがあることになる。
オバマヒラリー路線で米中対立が深まると、下請けとして前線に立たされるのは、韓国人と日本人だ。
THAAD配備は実は日本でも行われている。京丹後に配備されたXバンドレーダーは、THAADミサイルの目なのである。

韓国配備のTHAADレーダーと日本配備のXバンドレーダーの関係
JSF | 軍事ブロガー 2016年9月8日


このように、直接的にシステムに組み込まれている。
韓国では大きな反対運動があるが、日本ではほとんどニュースにもならず、Xバンドレーダーに反対しているのはわずかな人たちだけだ。

さらに、東アジアをどうするのか、朴大統領の首をも飛ばすせめぎ合いが繰り広げられているまっただ中で、その張本人のひとつである日本は、のほほんと何も知らずに「これまでどおり」だろうと信じている。

朴槿恵が、THAADを渋ったから切られたのか、配備を決定したから飛ばされたのかはまだ分からないけれども、この激震を他人事のワイドショーネタだと思っていると、まもなく大波はやってくるに違いない。




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2016-11-28(Mon)

自由党 大阪府連大会を終えて

先週の土曜日(26日)に、大阪府連大会が盛況のうちに無事終了した。

IWJが録画配信してくれているので、参加できなかった方は見ていただきたい。

Video Production Services(2分〜 開会/4分〜 来賓挨拶/24分〜 村上氏/28分〜 渡辺氏/32分〜 真白氏/40分〜 議案提案・採択/44分〜 小沢氏/1時間14分〜 がんばろう三唱/1時間16分〜 小沢氏ぶらさがり会見)

正確にカウントしていないが、資料がすっかりなくなっていたので、たぶん180人くらいの参加ではなかったろうか。
熱心な党員やサポーター、自由党に注目している市民活動家、ナマ小沢を見てみたいという人、などなど様々な人たちの熱気があふれていた。
会場を探した段階では、党員サポーター+αで100人ちょっとという予定だったので、半分近くの人が立ち見になってしまった。

たしかに会場にあふれんばかりの盛会だったが、ただし、小沢氏が来ることと誰でも参加できることをネットでもフルオープンにしたので、このくらいの参加者は当然といえば当然であり、私個人としてはさほど驚きはしなかった。
むしろ、この中でどれだけの人が党員やサポーターに登録してくれたのか が気になる。

私のいちばんの思いはこのツイート

これは小沢事務所のツイートにメンションを送ったもの。
醒めた言い方をすれば、熱気だけでは政治は変わらない、ということ。具体的にヒトモノカネを配置して、戦略的に活動をしなければ、心の中で「小沢さん頑張れ~」と言う人が何百、何千人いようと変わらない。(何百万人いれば変わるけど)

今回の自由党大阪府連大会では、その具体的な指針、方針は見えなかった。
人事についても、選考委員会を組んで決めるということで、心機一転して動き出すのか、これまでどおり音無しの構えなのか、参加者にはズバッと見える形にはならなかった。

一つ前の記事にも書いたけれど、今の制度の中で闘う以上は、政党助成金をどう活用して組織をつくるのか、がキモだ。
地方は地方で勝手にやれでは、市民運動レベルの動き方しかできない。
もちろん市民運動がダメなのではない。そうした力を糾合してこそ、大きなチカラが作れる。

生活フォーラム関西は、まさにそういう市民運動として2年以上続けているし、生活フォーラム無くして今回の府連大会は無かったと思う。
党の街宣車の維持費を市民会員を募って賄うのも、いいことだと思う。おかげ様で目標の30口集まって、年末までには初街宣ができそうだ。
しかし、世論調査で支持率0.3%、比例の得票率が全有権者の1%という現状から一歩踏み出すためには、それだけでは足りない。圧倒的に足りない。

全国に散在する支持者や市民レベルの活動のエネルギーを、選挙で勝てる勢力に糾合してくためには、政党による具体的なリソースの配分と活用がなければならない。

自由党が、本気でそれをやる気なのかどうか、今回の大阪府連大会だけからは私は判断できなかった。
もうしばらく、寄り添いながらも、冷静に判断をしていこうと思う。

最後に、大阪府連大会に来ていただいたみなさん、ありがとうございました。




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2016-11-25(Fri)

今ほど「党」が必要なときはない

今ほど「党」が必要な時はない。

しかし、「党」らしい「党」がない。

自由党のバナーを並べ立てて、明日は大阪府連の大会だと、さんざん宣伝しておきながら、何を言っているんだこいつは? と思われるかもしれない。たしかに、主催側に片足突っ込んではいるけれども、自由党が「党」なのかどうかは、実は私にもわからない。

党とはパーティーであり、国民の中のあるパートを代表する集団だ。
そのパートの利害を実現するために、政治活動をする、それが「党」の原点だ。

「党」が成立するためには、三つの要素が必要だ。
まずは、国民をパートに分けるための価値観。
スポーツが好きか嫌いか という価値観では党は作れない。政治的な価値観で国民が分類されているのが前提。そのなかの一定のパートを代表するのが「党」だ。

次に、自分がそのパートの国民の代表になる という自覚と決意と実行をする先頭集団がいなければならない。一般に政治家とか政党として認知されている人たちは、基本的にこの部分と言うことになる。
政治はカネだ」という稿にも書いたが、この先頭集団が十分な活動をするためにはかなりの資金も必要であり、決意だけでできるものではない。

最後に、代表されるパートからの物心両面の支持と支援、さらには共に行動する組織が必要。先頭集団だけが永田町でガンガンやっていても、母集団が不在ではそれは「党」ではない。
また、気持ちだけ支持があっても、具体的な組織、物質的な支援、日常的な活動がともなわなければ、これまた「党」とは言えないだろう。

その意味では、現在ある政党の中で「党」と言えるのは共産党と公明党だけなのかもしれない。
ただ、公明党は政党以前に宗教団体なのでこれも「党」とは言いにくい。
共産党はだいたい600万人の母集団をキープしているが、そこがパートの境界になっている。



ひるがえって、わが自由党を見てみる。

どのパートを代表しているのか。これが非常に分かりにくくなっている。
個別政策的にはほぼ社民党や共産党と同じであり、もっと着地点というか、目指すべき世界観を表現しないと、本来代表しているつもりの国民のパートに届かない。党の側は代表しているつもりなのだが、されている側は全然そんな自覚がない。だから100万票しかとれない。

これについては、新しい主要政策も発表されたようだし、また稿を改めて書きたいと思う。

先頭集団は、どうなんだろう。
現職至上主義のせいで、一度議席を減らすと、極端に活動量が落ちて復活の兆しを作れないという傾向があるように思う。
全国の浪人中の総支部長を、もっと組織的に活用しなくては、現在の現職だけでは先頭集団と言うには小さすぎる。議員の党なのか、議員を作るための党なのか。

民進党のように浪人中でも毎月50万円支給するような余裕はとても無いのは承知しているが、せめて主要都市には小さくとも事務所を開いて常時ボランティアが詰めるくらいの体制はとれないのだろうか。事務所のない政党に、政権交代の期待をかけろというのは、客観的に見るとなかなか無理があると思うのだが。

自由党の支持者は、減ったとはいえ100万人はキープしている。
ほとんど活動らしい活動をしない時期が続いてきたが、それでもジッとがまんして支持をつづける人たちが100万人いる。
ただし、ほとんどの人が「隠れ小沢派」だったりして、自分の心の中だけで満足している。
このあたりが、社民党との差になっている。

社民党を応援している市民運動や労働組合の人たちは、心の中だけでなく行動する。
私の目に映る範囲では、自由党とくらべると日常的な活動量は二桁違う。
(それだけの活動量をもっと有効に使ったら良いのに、と言うのはまた別の話)
結果、自由党は分厚い保守層が(本来の)支持層だと言いながら、得票数では社民党にかなり負けている。

先頭集団たる党本部や支部が、隠れ小沢ファンをちゃんと組織して、カネも力も出せるステップを用意すれば、自由党も「党」らしくなれるのではないか。
将来にとてつもない不安を感じているけれども、日々に追われて何をどうして良いのかまったくわからない、社民党や共産党の「反対運動」には入っていけない、そんな人たちの「党」。今は存在しているとは言いがたい「党」。そんな「党」が、今ほど必要な時はない。

永田町の党から、国民の「党」に。
現実的にその舵が切れるかどうか、そういう発想が出てくるかどうか。
明日の自由党大阪府連大会 そういう目で、私は見てこようと思う。


■■お知らせ

自由党大阪府連大会
11月26日(土)14時から
大阪市立社会福祉センター(上本町)
小沢一郎共同代表も登場
大阪府以外の方や、党員サポーター以外もオブザーバ参加できますが、予想以上の申込があり、当日飛び込みの方は入場できないこともあり得ます。ご寛恕下さい。

詳しくは → https://www.facebook.com/events/328157494223706/



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2016-11-24(Thu)

トランプ TPP FTA

トランプがTPP離脱を堅持することで、ついにオバマも諦めたらしい。

トランプ次期大統領「就任初日にTPP離脱通告」 2国間協定交渉へ
2016年11月22日 AFP


TPP オバマ政権、断念を正式表明 トランプ氏方針で
毎日新聞2016年11月23日


この報道を受けて、これまでTPP反対で一致してきた日本国内の勢力が、真っ二つに割れつつある。

「トランプは見かけによらず良いやつじゃないか。TPPが無くなってよかった。」

「トランプは極悪人だから、絶対これでは済まない。日米FTAでもっと酷いことになる。」

どっちにしても、戦隊ヒーロー並の勧善懲悪、単純すぎる居酒屋談義である。
トランプが「良いやつ」のワケは無いし、かといって、悪いやつなら誰に対しても何もかも悪いことをするってものではない。

第一の問題は、トランプの個人的な善し悪しではなくて、政治家としてのインセンティブと方向性が、どっちを向いているのかだ。
たしかに差別的な人格の問題はあるのかもしれないが、他国の次期大統領の人格を心配する前に、凄まじいレイシストが首相を始めとして何人も閣僚に並んでいる、自分の国のことをまず心配するべきだ。

トランプの移民政策が極端な差別だといわれているが、その内容は、現在1100万人ほどいる不法移民の中で、犯罪歴などのある2~300万人を強制送還する、という話だ。
マスコミの報道だけを聞いていると、移民を全て追放するかのように思ってしまうが、そうではない。合法的な移民はもちろん、オーバーステイなどの不法移民の多くも、追放するとは言っていない。

ひるがえって、わが国のことを考えてみよう。
そもそも日本では、日系3世など特別な場合を除いて移民を認めていない。かつて日本軍が中国に置き去りにした中国残留孤児が帰国したケースですら定住者とかいう中途半端な地位になっている。
まして「不法」移民については、トランプのようにとりあえず見逃す、なんてことはしてくれない。運良く在留特別許可にならない限りは、追放(強制送還)される。他の犯罪歴などなくても だ。

このような、トランプも真っ青、あるいはトランプがよだれを垂らして羨ましがるような、超「差別的」な移民の取りあつかいをしている日本にたいして、「トランプはレイシストだぁ!」と叫ぶ人たちは、なんで猛抗議しないのだろう。
自分の国のことは棚に上げて、他国の国民が選んだ次期大統領を罵倒するのは、いかがなものだろうか。

このように、トランプはレイシスト という定説は、多分にマスメディアによって誇張されている。

しかも、移民の受け入れは、ほとんどの場合、安価で3Kな仕事をこなす労働力を増やそうという意図で行われる。
これこそが 差別じゃないのか と私は不思議になる。
移民受け入れの前提は、同一労働同一賃金の徹底だろう。

話をTPPに戻す。

このように実体以上に怪獣化されて報道されるトランプだが、さりとて、トランプさんのおかげでTPPがなくなったぜ、万歳!と喜ぶのは、かなりアホに見える。
少なくとも、トランプは豪腕の実業家であり、アメリカ第一主義を標榜しているのだから、何が何でもアメリカの権益を押し通すための交渉を始めるのは、当然のことだ。日米FTAが、TPPに代わるハードネゴシエーションの場になることは間違いない。

ただ、トランプが守ろうとしているアメリカの権益とは何か、ということだ。
トランプは、アメリカの斜陽産業の復活を託されて当選した。
穀物とマネーの国になってしまったアメリカで、自動車や鉄鋼などの産業とその労働者にもう一度希望をあたえる、というのがトランプの使命である。

当然ながら、TPPとは違う交渉になる。
TPPは、アメリカ国内でも斜陽産業は犠牲にしてマネーと穀物などのアメリカが強い分野の権益を確保する内容だった。
だから、ぱっと見には「自由」にすれば、弱肉強食で勝ち進むことができた。

しかし、トランプは国際競争力の落ちた斜陽産業で勝負しなければならない。
ぱっと見の「自由」を装っている余裕はない。両国の障壁をある程度認めてバーターするか、さもなければ、誰の目にも明らかな露骨な不平等条約にするしかない。

これは日本にとっても同じことが言える。
TPPは、日本企業とは名ばかりの、税金すらろくに納めないごく一部の国際企業だけが勝ち抜ける仕組みだったのに、そううまくはいかなくなる可能性が高い。
同時に、斜陽産業を守るという「弱み」を抱えたトランプに対して、日本側は交渉する余地が大きくなる。
「自由」の御旗を掲げられると交渉はしにくが、バーターであればまだしも話はできるはずだ。

もちろんこれは、日本政府に交渉する気がある場合だし、その最低限の能力がある場合に限られる。
一国の総理大臣がまだ民間人のトランプに50万円のゴルフクラブをぶらさげて、ニューヨークまで飛んでいった今の日本の政府には、TPPだろうがFTAだろうが、相手がだれであっても交渉などできるわけはない。

そうなると結果は、政治に興味なんて無くても目をむくほどの、極端な不平等条約 ということになる。
「自由」の御旗を投げ捨てて、ジャイアンとのび太の関係さながら、いくらなんでもそれはないだろ、ということが誰の目にも明らかになってしまう。
オバマも安倍も、TPPにこだわってきたのは、そうした赤裸々事態を避けたかったからではないのか。

しかし、トランプはやるだろう。
赤裸々を怖がらないからだ。

その時、日本の私たちがどのように判断し、どのように批判し、行動するのか。
そこが決定的に問われてくる。

「やっぱりトランプは悪人だ。ひどいひどい。TPP離脱して喜んでいたのは誰だ!!」と、怒り心頭に発する人たちの声が聞こえてきそうだが、そのような怒りは、しょせん他人任せの無責任な怒りではないのか。

問題は
交渉できる政権をつくれないわれわれ
にあるのではないのか。

トランプは、不利な条件をゴリ押ししなくてはならなくなったのであって、本来的には日本にとっては有利な状況になっている。
にもかかわらず、「それはいくら何でもオカシイでしょ」と言える総理大臣を政権に据えることができていない、ぼくたちの問題なんじゃないのか。

そこを飛ばして、トランプは酷いよ~ とトランプのせいにしてしまうのは、何のことはない尻尾を巻いて不平等条約にサインしようとする安倍政権と、同じ穴の狢なのではないか。

誰の目にもわかる不平等条約を強要され、それに文句の一つも言えない安倍政権という構図になるのならば、その時こそ国民のプライドに火がつく時ではないのか。火を点けなくてはならないのではないか。
それを頭から国粋主義とかいって忌避する偽リベラルも、反発を利用してファシズムまで突っ走ろうとする勢力も、きっと現れてくるだろう。
そうしたまがい物に流されずに、人としてのプライドを大事に燃やす政治を主導できる勢力を、どれだけ作ることができるか。

トランプとTPPとFTAの問題は、そこにかかっている。


■■お知らせ

自由党大阪府連大会
11月26日(土)14時から
大阪市立社会福祉センター(上本町)
小沢一郎共同代表も登場
大阪府以外の方や、党員サポーター以外もオブザーバ参加できます

詳しくは → https://www.facebook.com/events/328157494223706/



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2016-11-22(Tue)

「活断層で地震が起きる」という神話の上に建つ原子力発電所

今朝は、あわてて避難した人、そうでなくともテレビをつけて青くなった人、日本中がてんやわんやで始まった。

私は大阪だから揺れも感じなかったけれども、テレビのチャンネルを次々回して、1時間ほど釘付けになっていた。
普段、耐震診断やら構造計算やらをしていると、居酒屋のメニューの地鶏すら地震に見えてしまうくらいで、こういうことがあると他のことが考えられなくなる。

今朝の地震は、海底でおきたけれども、大震災のときのようなプレート型ではなく、プレートの内部でおきる直下型のタイプだったようだ。それが、たまたま陸の下ではなく海水の下だった、ということだ。
2005年の福岡県北西沖、2007年の中越沖や能登半島沖の地震もこういうタイプだ。

マグニチュード7.4ということだから、東日本大震災のマグニチュード9.0と比べると、そのエネルギーは約250分の1ということになる。
それでも、柏崎刈羽原発を危機一髪の状況に陥れた中越沖にくらべると、なんと8倍ものエネルギーだから、あと60km陸地に近かったら、日本は破滅していたかもしれない。
本当に薄氷を踏むような、ある意味では幸運だったともいえる。

■■

さて、そもとも原発は活断層の上に建ててはいけない、ということになっていた。

そのために、旧来の原子力安全委員会やらは、なんとかして「これは活断層じゃない」という判定書を作りだし、それ専用の大学教授などもいたりした。
 (参考記事 「ようやく「活断層カッター」と呼ばる「衣笠善博」が表舞台に」

しかし、3.11以降はさすがに活断層カッターであるものを無いと言いくるめるのは難しくなり、いまある原発の下に活断層がないかどうか、再検査することになった。これは破砕帯であって活断層じゃないとか、専門用語をならべてあれやこれやと議論をしている。その結果現段階では、東通(青森)、敦賀(福井)、志賀(石川)には活断層があるという判定になった。

活断層カッターのペテンがバレてしまったのだ。

ところが、実は活断層の真上でした、ということが判明したら、規制委員会はなんと「参考意見」と言い始めた。
原子力村の連中に至っては、
たかがアドバイザーが活断層の「ある」「ない」を判断することで、追加の安全対策に膨大な費用と時間を費やしたり、場合によっては廃炉に追い込まれたりしてしまうことは、法律に根拠がなく、行政権の濫用だ
とまで言い出す始末。

この後に及んで なにが何でも「活断層じゃない」と言い張る電力会社も凄まじいが、活断層であったとしても「補強すればOK」と言う規制委員会もたいした度胸だ。

<東通原発>「活断層」前提に審査
2015年11月28日 河北新報


活断層の真上にあるものを、いくら補強してもダメなんじゃないの、とは誰しも思う。
揺れというよりも、断層をはさんで右と左の地面の位置が何十センチも移動するのだから、股裂きになったり片足だけガクンと低くなったりするわけで、耐震補強でどうにかなるものではない。建物をいくら補強しても、建物ごと転けたらどうするんだ。
例え建物が無事だったとしても、延々とつながれた配管が無事で済むわけがない。

そんなあたりまえのことをすら、専門用語を駆使して誤魔化しきろうとするのが、原子力規制委員会だ。

そして、原子力規制委員会がそこまで無茶を言うのには、ワケがある。
活断層があろうがなかろうが、じつはあまり違いが無いことが、ハッキリしてしまったからだ。
あっても大丈夫なのではなくて、無くても大地震は起きる ということだ。

活断層というのは、過去の大地震による断層が地表面で確認できるもののこと。
つまり、地震の巣があったとしても、そこそこ土に埋もれていたら活断層かどうかは分からない。
ボーリング調査は普通は数10m程度で、頑張っても200mくらい。
バイブロサイスという人工地震装置で測定すると10数kmまでは調査できるらしいが、超固いプレートの中までは無理。
だから、今回のようなプレートの中でバキッといくタイプの地震は、仮に兆候があったとしても人間にはわからない。

こちらのサイトは、産総研の活断層データベース(図をクリックするとリンクします)

20161122-1.png

凡例の中の「主な被害地震(1923年以降) 」にチェックを入れると、大地震の震源が表示され、地図は移動させて日本中を確認することができる。四角や丸をクリックすると、震源の情報が表示される。
データは2013年まで(四角)と2週間以内(丸)なので、熊本や鳥取は表示されないが、それでもいかに「活断層以外でおきている大地震が多いか」がよくわかる。活断層に近いものの結構ズレていたり、付近にまったく見当たらないのも珍しくない。

ちなみに、海中で深さが数10kmとかあるのはプレート型と考えられるので、今問題にしている活断層とは話が別になる。

だから、もちろん明らかに活断層のうえに原発を建てるのは論外だけれども、無いところでもリスクはあまり変わらないということ。
同じくらい危ない。

それが分かってしまったから、もう規制委員会もやけくそで、活断層の上でも対策をすれば大丈夫、などと言い始めているのだ。

■■

ただし、この信じがたいモラルハザードは、原子力村だけのことではない。

「地球の破滅よりも、会社をクビになることの方が怖い」
これは、この世の真理といっても良いかもしれない。
社長でも雇われだったり株主や社員への責任があったり、重役から平社員までが責任のなすりつけあいで成り立っている会社とか役所という組織では、間接的に「地球の破滅」に手を貸すことよりも、直接的に「会社が倒産する」とか「自分がクビになる」ことのほうが恐ろしい。

このことを理解しないと、原発は止まらないし、脱原発運動は実効性をもたない。

福島第一原発の沖合60キロで直下型地震が起きたことに、ヒヤッとしない人はいない。
けれども、そのことを口にして会社で冷や飯を食うことの方が、背筋が凍る。

その両面を認識して、どうやって進めていくべきなのか、考えなくてはならないだろう。


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2016-11-21(Mon)

「空き家問題 -1000万戸の衝撃」を読んで

牧野知弘という不動産屋さんの書いた本。「空き家問題 -1000万戸の衝撃」祥伝社新書。

前半は問題指摘、後半は解決に向けた提言 という内容になっている。
最初に言ってしまうと、後半はまったく面白くない。ありきたりというか思いつきというか。

しかし、前半の問題指摘は本当に衝撃的だ。
人口予測と同じで、空き家についてもかなりの精度で予測可能な分野だ。
人口が減っても、それなりに生きていけばいいじゃないかという論に、ちょっと待ったをかける。

人口が減っても、膨大な固定資産は減らない。以前に書いた老朽化するインフラ(都市のインスペクション~怖いのは陥没だけじゃない~)も同じだが、個人の所有する家もそう。
至る所がスラム化する危険が、かなり目の前に迫ってきている。

現在でも空き家率は15%に迫っている。そのうち半分くらいは、売り家、貸家、別荘だったりするが、あとの半分は買い手がつかない、借り手がつかない、売りも貸しもしていない、などなどの手の付けようがない空き家だ。
もはや、朽ち果てるのを待つしかない。

そして、そういう家は、均等に存在するのではなく、不便な場所に偏在する。
高級住宅街も例外ではなく、駅から遠い場所は、高級なだけに買い手がつかず空き家が増える。
まして、バス便しかないような郊外のニュータウンはすでに悲惨なことになっている。
郊外楽園プロジェクト 2010.12.20

郊外からさらに田舎にいくと、もう本当に朽ち果てて屋根が崩れ落ちているような家は、そこら中で目にする。
まさに、田舎で進行した過疎化が郊外が後追いし、これから都心が追いかけている、と言う状態だ。

郊外のニュータウンに話を戻す。大阪駅から通勤時間1時間くらいでも、50坪の土地に一応住める家がついて500万くらいで売っている。
逆に言うと、500万円でも売れる家は新しい住み手が入るけれども、諸事情でそういうわけにはいかない家は、朽ち果てるまで空き家のまま。

諸事情とは、ほぼ「担保」だ。
その家のローンの担保のこともあれば、バブル期に他の借金の担保にしていたなんていうのもある。
担保がついているから、それ以下の金額では売れない。
でも、そんな金額では買い手がいない。
で、朽ち果てるのを待つ。
これが、郊外ニュータウンの惨状だ。

郊外ニュータウンの次に惨状をさらすのは、たぶん都心(の周辺)の分譲マンションだ。
都心から1時間以内。そこそこ便利は便利。でもイマイチさえない。
そんな場所にある、かつて2000万円くらいで分譲されていたマンション。

これは都心の新しいマンションとの競争もあるけれども、そもそも建て替えが(ほぼ)できないという致命傷がある。
公団や公社などの土地に余裕のあるマンションは別として、民間のマンションの建て替えは100%自己資金であり、お年寄りはほとんど賛成しないので、まず建て替えは成立しない。

賃貸に回しても雀の涙ほどの賃料しか取れず、管理組合は機能している間は、それでもなんとかなるが、やがてスラム化していくことは免れない。

そこに、インフラの老朽化が追い打ちをかける。
手入れのされないボロボロのマンションの周辺で、道路が陥没したり水道管が破裂して水が噴き上がるという図は、悪夢ではなく現実に起きそうなはなしだ。



一方で、住む場所がない、という問題もある。

大学卒業時点で借金6百万…過酷な奨学金返済で貧困転落続出 貧困で路上生活の若者も
2016年5月2日 ビジネスジャーナル


実家に住める人はともかく、それがない人は、一度住む場所を無くすと、住処を確保するためのまとまった資金に事欠いて路上生活になることが少なからずある。
路上まで行かなくても、こんな家に住みたいとは誰も思わない。

脱法ハウスって何? 違法なシェアハウスの問題とは
2013年05月23日 ハフィントンポスト


2畳もない空間に人間を押し込む貧困ビジネス。
のほほんとしたシェアハウスのイメージとはかけ離れた脱法ハウスは、なかなか発見することも難しく、かなり横行しているようだ。

シェアではないが、ワンルームマンションに家族で暮らしているなんていうのもよく耳にする。

一方でこんな劣悪な住宅事情がありながら、他方では家が余りまくって空き家が朽ちていく。
ここをマッチングするのは、政治の役割だ。

例えば新婚や子育て世帯への家賃補助。高い家賃に補助を出すのではなく、空き家活用に回すべきだ。
公営住宅を建てるよりは、空き家をリノベして活用した方が安上がり。
そういう発想を駆使して、家のない人と、人のない家をマッチングすることだ。

朽ち果てるのを待つ家は、全国でおよそ500万戸ある。
そのうち100万戸でも活用できれば、住む場所に困る人たちはかなり解消するだろう。
1戸あたり平均200万円かけても2兆円でできる。

空き家問題。あまり政治の世界では問題にされていないけれど、結構深刻な問題だ。


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2016-11-18(Fri)

政治と経済と芸術の三権分立

先日 岡本太郎記念館に行った時に見つけた 「自分の中に毒を持て

あかん、こんなん読んだら仕事できんようになる あかん。と思いつつ、抗いがたく購入してしまった。
その中に、こんなことが書いてあった。

(以下引用)
 ぼくはここで一つ提言したい。
 酷くユニークで、突飛だと思われるかもしれないが。いま、この世界で必要なことは、芸術・政治・経済の三権分立である。モンテスキューの唱えた古典的な司法・立法・行政の相互不可侵というような技術的なシステムではなく、まったく新しい三つの原理のオートノミーを確立すべきだ。
 政治・経済は人間にとって勿論欠くことのできないシステムである。というより生活時代なのだ。しかしおかしなことは、日常、ぼくらにとって、「政治」「経済」と聞くと、何かひどくよそよそしい。多分これらの機構がいわゆる政治家、経済人によって勝手にコントロールされ、「芸術」つまり「人間」が抜け落ちてしまっているからだろう。

(引用以上)

これは深い話だと思った。
ここで岡本太郎さんがいう「芸術」は、歌ったり絵を描いたりという現象を言っているのではない。

(以下引用)
 芸術といっても、なにも絵を描いたり、楽器を奏でたり、文章をひねくったりすることではない。そんなことは全くしなくても、素っ裸で、豊かに、無条件に生きること。
 失った人間の原点をとりもどし、強烈に、ふくらんで生きている人間が芸術家なのだ。

(引用以上)

平たく言えば、心のそこからの言葉。いや、言葉にならない 「ふしゅーーー」という息づかいかもしれないし、痙攣のような筋肉の収縮かもしれない。
それらを何とかして他人に伝わるかもしれない表現にすること。
たぶん、そういうことなんじゃないだろうか。

今の政治が伝わらないのは、そういうものが欠けているからではないか。
それは、政治を語る側だけではなく、語られる側もともに、心のそこからのやりとりというものがない。
テレビドラマで「感動」するよりも深い経験をもたない。
そういうことではないのか。

当然ながら、これは政治を歌えとか絵にしろと言う話ではない。
そうではなくて、政治を語る時に、どこかにウソはないか、ポジショントークをしていないか。
心の奥底の想いを、なんとかして言葉に、行動にしようという、必死の努力をしているか。
それが問われている。

もちろん、その「純粋」さだけで政治や経済が動かないことも、重々分かっている。
泣きたくなるくらい分かっているからこそ、せめて三権分立なのではないか。

シリアスで良心に訴える話題であればあるほど、どこかでちょっと手抜きをすると、それは「しらじらしさ」としてあっという間に伝わってしまう。なぜなら、その方向の話は聞き手にも重大な緊張を強いるからだ。
聞き手にも緊張を強いる以上、絶対に手抜きは許されない。
それが、政治と生活が分離し、いつのまにか遠くに離ればなれになってしまった原因ではなかったか。

逆に、露悪や嗜虐(しぎゃく≒いじめ)は、雑な表現でも「ホンネ」として受け取られる。
聞き手に真剣も緊張も必要ないからだ。
その典型が橋下徹であり、維新の会である。

「良い政治」を志す人間は、自分の中の毒を隠していないか。
誰だってかなりの毒を持っている。それを無いふりをしたり、未熟さにして誤魔化したりすることが、「しらじらしさ」の源泉ではないのか。
毒を解放して、よくよく撹拌し、何度も自分で飲んでみて、それを表現にまで昇華させることができるか。
モラルを外形的な、外から縛られるものとして自らに強制するだけでなく、それに反する自分ともしっかり向き合うことができるか。

その意味では、機動隊が沖縄の人を「土人」と罵倒したことについて、「差別かどうか分からない」と鶴保某が疑問をもったことは悪くない話かもしれない。
ただ、あの映像を見て、言い放った大阪府警の機動隊員の表情を見て、なにも感じないとしたら、そこにあるのは鶴保というかたちをした心の無い土人形ではないか。
まして、政府決定で「土人は差別じゃない」と決めてしまうとは、これは露悪と嗜虐のかぎりである。

これは想像だが、あの機動隊員は自分たちの威圧や権威が通用しない相手を、同じ人間とは思えなかったのだろう。
それがあの「土人」という発言につながったのだろう。まさに「差」「別」そのものである。

だが、これと同質なことをいわゆるリベラルの人もやっていないか。
この後に及んで自民党に投票する人を「民度低い」とか「B層」とかいう言説は、しばしば耳目にする。
自分の理解を超えている人をこのように罵倒するのは、機動隊の「土人」と同じではないか。
上から目線の説教は、毒を吐いて罵倒する嗜虐と、本質的に変わらない。

このように、自分の全く異質の理解を超えたものと遭遇した時、たぶん毒が噴出される。
そして、相手が弱いとみると 毒を吐いて嗜虐に走り、強いと見ると毒は自分に回って媚びへつらう。
結局のところ、これまでの政治は、上から目線の説教か、上目遣いの媚態ではなかったか。

人が皆異質であるのは仕方が無い。というかあたりまえだ。
そういうものと遭遇した時に、毒が出るのもこれは仕方が無い。
その毒と向き合って、自分が言いたいこと、心から表現したいことと、その毒を自分の中でぶつけ合う。
毒だけ吐く維新のようなイジメ政党ではなく、毒を隠して「イイコト」をならべるリベラルでもなく、第三の存在がなければ、政治と生活が時空を超えて隔離されてしまった今を、変えることはできないだろう。

こうやって書いていて非常に我が身が痛いけれども、これが、岡本太郎が言う 「芸術・政治・経済」の三権分立の、現代の意味なのだろうと思った。


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2016-11-17(Thu)

カモネギ安倍晋三が貢いでくるものを予想する

安倍晋三はまだ空の上だろうか。
明日の午前中にトランプと会談するために、いそいそとアメリカに向かっている。

トランプの政策は、今見えている限りでは、孤立主義を基調として「雇用、減税、軍拡」の方向だ。
この方向で本当に進んだ場合、少なくとも当初の何年かは凄まじい財政赤字になるだろう。

当然のことながら、トランプには、日本の政府専用機に乗っているのは日本の首相ではなくアメリカのATMに見えていることだろう。
どうやってこの穴を埋めさせようか、ビジネスマンのトランプは手ぐすね引いて待っている。

財政赤字を埋めるのだから、一番早いのはこれまで通り、日本政府に米国債を買わせることだ。
政府のみならず、日本企業の貿易黒字のマネーもそのまま米銀行に貯金させ、結果的に米国債を買う資金にする。

ただ、この方法の欠点は、円をドルにする、またはドルを円に替えない ことによってドル建ての米国債を買わせるので、どうしてもドル高になるということ。
輸出はしたいけど輸入はしたくないトランプは、ドル高を喜ばない。

日本が米国債を買って、なおかつドルが高くならない方法などあるのだろうか?
それがあるとしたら、安倍晋三が背中にしょっているネギはそれなのだろう。

私は金融や財政は素人なのであくまで思いつきだが、こんな方法はあり得ないだろうか。

米政府が米国債で日本国債を買うのである。
そして、その日本国債を担保にして資金を調達する。

外国債を担保にするのはクロスボーダー担保スキームといって、すでにやられていることらしい。
 日本銀行「クロスボーダー担保スキームとは何ですか?」

米国債をドルから円に交換せずに、そのまま日本国債と交換してしまえば、為替相場には影響は出ない。
米国財務省の帳簿にあるのは円建ての日本国債だが、担保にすることで為替を変えずにドルにできる。

米国債か日本国債が暴落するまでは、このスキームは続けることができそうだ。



もうひとつ、超弩級の方法がある。

米国債の債務不履行、デフォルトだ。

こちらの場合、ドルは高くならないどころか暴落するだろう。
たしかにドル安で貿易には有利かもしれないが、ドルを刷れば世界中で何でも買えるという基軸通貨の特権を投げ捨てることになるので、実際にやるとは思えない。

むしろ、無茶苦茶なトランプ という虚像を利用して、「デフォルトするぞ」という脅し道具に使ってくるのではないだろうか。
日本は言うに及ばず、世界一の債権国である中国に対しても、この脅しはかなりきくような気がする。

極めつけの商売人であるトランプが、財政的な裏付けゼロで「雇用、減税、軍拡」を言っているとは思えない。
だからこそ、当選直後にATMを呼び出したのだろう。

カモネギ安倍でなければ、しっかりと主張と交渉のできる政治家であれば、マネーである程度の譲歩をしながら、政治的な独立を勝ち取るというチャンスでもあるのだが、カモネギに何も期待することはできない。

一体全体何を貢いで帰ってくるのか、明日の成り行きを注目したい。


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2016-11-15(Tue)

政治はカネだ

政治の世界にちょっとだけ足を踏み入れてみてから数年が経った。

つくづく思うのは、「政治はカネだ」ということ。

一般には、「政治とカネ」=汚職&買収 と思われているが、立候補するだけで600万かかる制度なのだから、普通の人間は立候補するだけで精一杯で、買収なんてしたくてもできない。

供託金だけで600万だから、事務所を借りて地元で政治活動をやりながら来たるべき選挙に備えようと思えば、一人2000万はいると言われている。もちろん、収支報告書にちゃんと出せるまっとうな支出が だ。

そうなると、295の小選挙区にすべて立候補させるには、59億円が必要と言うことになる。
最低その程度のカネがないと、政権交代を口にする資格もないという話だ。

人ごとのように2000万円とか59億円とか言っているうちは気楽な話だけれど、2000万なんてカネは普通の人間には用意できるものじゃない。家を建てるために住宅ローンを借りて30年くらいかけてようやく返済するような金額だ。

これほどのカネを用意できなければ出ることができないのだから、少なくとも被選挙権については日本は普通選挙ではない。
明治時代の50人に1人くらいの金持ちしか投票できなかった制限選挙と同じである。

しかも、普通のサラリーマンが政治家を目指すとなると、うまくいけば政治家だけれども落ちれば失業者だ。
2000万を用意するために貯金を使い果たして借金までかかえた失業者。
これはもう、普通の感覚ではぜったいに立候補なんてできない。
もしうまく当選したとしても、数年後には同じ地獄が口を開けて待っている。

これが、今の国会議員のセンセのほとんどが、何の後ろ盾もないとすればこういう状況になる。

■■

だから、自民党も公明党も民進党も、資金のある政党の議員は、口で良いことを言っても行動が伴わない。
イザとなると、党中央のロボットのように指令を聞かざるを得ない。

個人的には、その気持ちも分からないではない。
今は年収2000万の先生でも、党中央に見放されたて落選すれば、失業者なのだから。

そのシステムを支えているのが、政党助成金だと言われている。
その計算方法は面倒だが、おおざっぱに言うと、議員1人あたり年間4~6000万円くらいが党に支給される。
(議員数が少ない方が一人あたりは多くなる)

民進党がなんやかんやいってカネをもっているのも、政権とって議員が多かった時代の助成金を貯め込んでいるからに違いない。
野田が電撃解散したので、選挙資金を使うヒマも無く、少なくなった議員でチビチビ後生大事に使っているわけだ。

政党助成金が良いのか悪いのか、判断は難しい。
共産党は批判して受け取りも拒否している。
たしかに、企業献金を禁止するための制度だったのが、企業献金はのこしたまま助成金を配っているのだから、現状の制度がオカシイのは共産党の言う通りかもしれない。
しかし、この制度までなくしてしまうと、企業のひも付き資金はもっと幅をきかせることになるわけで、やはり現実的には利用していくしかないと思う。

では、どうやって利用するのか。
ずばり、候補者をつくるために使う。
1/3は党の事務経費、1/3は選挙本番の資金、1/3を候補者をつくるための資金。

こうすれば、現職議員1人につき、2~3人の候補者をバックアップすることができる。
本気でたたかえる候補を、現職を含めて3~4倍にできるのだから、効果は大きい。
本気で というのは、比例票を集めるための特攻隊ではなく、本気で勝ちに行く候補という意味。

しかし、まだこれでも足りない。
現職が10人だったとすると、立てる候補は最大40人。
たしかに、弱小政党としてはなかなかのものだが、国民有権者から見た時は、たった40人だ。
永田町政治では、ここが限界になる。

選挙が政権選択であり、政策を実現するための手段である以上、政権交代の現実性、「ホンマに政権交代するかもしれん」という迫力が無いと、弱小枠から飛び出すことができない。
1回の選挙では無理でも、次の選挙ではわからんぞ、と言うくらいの勢いは絶対にいる。

そのためには、少なくとも100人くらいの候補を出す必要がある。
残り60人 約12億円の資金が必要だ。

衆議院の任期は4年だが、解散があるから約2年と見て、1年に6億円。
これを、1億円x6社の企業献金で賄うのか、6000円x10万人の個人献金で賄うのか。

月に500円をカンパする人間が10万人いればいい。
そう考えれば できそうな気がするじゃないか。

永田町を飛び出して、全国津々浦々に呼びかけて、有権者の0.1%が月に500円カンパすれば、実は日本はガラッと変えることができる。
莫大な企業献金に負けることなく、御用組合にへつらうことなく、候補者を失業の危機に陥れることなく、闘うことができる。
少額寄付で100億集めたサンダースにはかなわないが、それに近い闘いをやることができる。

今、色んな運動がバラバラに行われている。
行った先ごとにカンパだ寄付だで、少ない財布から繰り返し吸い上げられる。

それぞれの現場で頑張っている人たちはリスペクトするけれども、このバラバラで非効率の状態をいつまでもいつまでも、延々と続けている余裕が、ぼくたちには残されているのだろうか??

近々の解散総選挙があるのかどうかは分からないが、とにかくこれから2回の衆院選と2019年の参院選、この3回の選挙に焦点を絞って、人力と金力を集中すべきだ。
天下三分の計にもとづいて、まずは参院会派を組んでいる社民と自由が突出すること。その勢いをもって共産と対等に共闘すること。社民・自由・共産で民進の得票を上回るようになれば、民進も否応なく出てこざるを得なくなる。
「天下三分の計  新潟県知事選挙の結果から」参照)

これをこれから3~4年の間にやれるかどうか。
社民党・自由党が、その気概をもって実行を始めるかどうか。
全国の国民や支持者に正面から向かい合うのか、それともあいかわらず永田町政治を続けるのか、注目している。


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2016-11-14(Mon)

本当に建ててみたい家

なんだかこのごろ 安全運転をしすぎているような気がする。

現実の政治に足を突っ込むと、無茶なことを言うと誰それに迷惑がかかりそうだ と忖度してしまう。
萎縮しているつもりはないが、それでもやはり言動にはついつい気をつけてしまう。

本業の家づくりも、実際に住むお客さんを目の前にすると、どうしたってちょっとでも「良い空間」「良い住まい」にしようと思ってしまうし、そういうところを「ウリ」にしてしまう。
「断熱性能が 云々」  「耐震性が 云々」  「自然素材が 云々」

もちろんどれもこれも大事な要素だ。
断熱が悪いとどんなに辛いか 身をもって知っている。
今借りている事務所はプレハブ小屋に毛が生えたような作りで、夏は窓を開けても38℃くらいになるし、冬はどこからかすきま風が吹き抜ける。事務所だか修行場だかわからないような凄まじい環境だからだ。

耐震性は言うにおよばず。阪神淡路大震災のとき、実際に歩いて目に焼き付けた光景は忘れることはできない。
耐震性のない家を設計するのは犯罪だ。

自然素材がどれほど快適か、これも語り出したら止まらない。手足に触れる部分はもちろんだけど、天井だってビニールと和紙とでは全然違うってことは、体感しないとわからない。

などなど、「中の人にとって良い空間」は、経験を積む中でかなり分かってきたような気はしている。

けど。
本当にぼくがつくりたいものは、「良い空間」なんだろうか。
そもそも、「良い空間」なんてつくるような「良い人間」なんだろうか ぼくは。
最近、そう思うようになってしまった。(危険だ)


何年か前に新聞の隅っこにコラムを書く機会があり、こんなことを書いた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 色々な方の家を設計してきましたが、実は私が住んでみたい家は作ったことがありません。私が住んでみたい家は、とても人にお勧めできるようなものではないのです。
 体育館のようなガランとした空間に、簡単な間仕切りで風呂とトイレだけを仕切ったような。。。 今日はこの辺で寝てみようかな。明日はあっちでご飯食べよう、という感じで空間の中でウロウロしながら暮らしたいのです。
 吹き抜けなんていうケチな話ではなく、家全部が巨大な吹き抜け。2階の高さには、壁際にそれこそ体育館のようなキャットウォークがあり、そこに腰かけて家族の姿を眺めながらひねもす本を読んだりお茶を飲んだり。
 天井裏に登る梯子はマストアイテム。夫婦げんかした時や子どもたちの喧騒を逃れたいとき、こっそり逃げ込みます。もっとも、こういう場所は先に子どもたちに取られてしまうかもしれませんが。
 こうして空想することから家づくりは始まります。4LDKでリビングは何畳で収納がしかじかで予算はいくら・・・という現実はいずれ向き合わなければなりません。でも、そのまえに思いきり空想をふくらましませんか。奇想天外でも何やら愉快な空間を。そしてそこに暮らしている自分や家族の楽しそうな姿を。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ところがなんと、先日東京に行ったときに、たまたま立ち寄った場所で、「そのまんまじゃん」という空間を見つけてしまった。

IMG_3419.jpgIMG_3423.jpg

青山にある岡本太郎のアトリエである。
今は記念館になって公開されている。私の写真では全体像を伝えきれないけれど、たぶん8m四方くらいの広さで、天井の高さは6mくらい。キャットウォークというかロフトというか、そういう中途半端な2階が回っている。

部屋の入口までしか入れないが、中はすてきな乱雑さで保存されており、寒々しい大空間を賑やかに彩っていた。
岡本太郎は1954年から1996 年に亡くなるまでここに住んでいたという。設計は坂倉準三。岡本太郎の友人だったらしい。
断熱性能最低、自然素材の柔らかさとは無縁、コンクリートブロック造はあまり耐震性もよろしくない。(最近補強はされた)
でも、こんな空間に、たまらなく惹かれてしまう。

しばらくたたずんで、帰りにショップによると、岡本の著書が並んでいる。
目に飛び込んできたのは 「自分の中に毒を持て」

やめてくれ~
毒持ちの建築家なんて食ってけないよ。
トランプじゃないんだから、毒で天下をとるなんて無理だよ。
そう思いながらも、目が釘付けになる。


政治の世界では 生活の党と山本太郎となかまたち というトンデモナイ名前の政党が「自由党」というあまりにも真っ当な名前に改名し、再出発した。

関西でも、11月26日(土)に大阪府連大会をひらくということで、私もそれなりにあれこれ手伝っている。
ぜひ近畿圏で自由党応援している人には集まってもらいたい と思っている。

行動もしているし思っていることにウソはないのだが、それでもしかし、
「そんな真っ当な政党を応援するような真っ当な人間なのか ぼくは」と、またまた思ってしまうのだ。

岡本太郎の言う「毒」は、もちろんトランプの毒とは違う意味だし、まして橋下徹あたりの毒とは全然違う。
熱とも言えるかもしれないし、熱源になる火薬ということかもしれない。
とにかく、今ぼくの中では、何かが決定的に不足している。

だからといって、いままでやってきたことをチャブ台ひっくり返すようなことはしないけど、すこしだけ退いて深呼吸と屈伸運動をしてみようと思う。やりたいことしかやらない。そう決めているのだから。


あ~あ、寒々しくて楽しげな大空間の家を建てたいって人 どっかにいないかなあ



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2016-11-10(Thu)

「だったら米軍はお引き取り下さい」とトランプに言うために必要なこと

トランプが次の米国大統領に決定したことで、日本の中でも評価が真っ二つに割れている。

安倍自民党のその流れが、真っ青になっているのはもちろんだ。
なにせ安倍晋三は、わざわざ訪米して、クリントンとだけ会ってトランプはスルーして帰ってきたのだから、昨日の午後は泡吹きそうだったに違いない。

ただ、私が言っている「真っ二つ」は、そのあたりの話ではなくて、反安倍、反自民を標榜している人たちの中のこと。
いわゆるリベラルと言われているような人たちの中で、トランプ評がパッカリ割れている。

およその傾向としては、良識派はNO、現実派はYES という感じ。
どっちも、そういうラベリングは嫌がるだろうけど、便宜的にそういうことにしておく。

で、私はと言うと、べたべたの現実派として基本的にYES である。
クリントンとトランプならば、明確にトランプでよかったと思っている。

米国民にとってどっちが良かったのかは判断を保留するが、日本にとっては、少なくとも可能性が見えてきたという意味で、良かった。
何の可能性か。
わずかでも、属国から独立へ向かう可能性だ。
たとえば、辺野古基地を諦めさせる などなど。

ただし、トランプになれば在沖米軍は撤退する なんていう単純な公式はあり得ない。
ビジネスマン・トランプに対して、撤退が米国の利益になることをプレゼンし、説得しなければならない。
それができれば、アメリカファーストのトランプは、撤退させるかもしれない、という意味での可能性だ。

そのプレゼンはもちろん、安倍政権の中にいる人間にはできない。
そういう考えを持っていないことはもちろんだが、そもそも、能力的に無理だろう。
「土人」という言葉を差別かどうか判断する能力が無い人間が沖縄担当大臣なのだから、もう圧倒的に無理。

となれば、前提として政権の交代が必要だし、さらに人材発掘と登用が必要だ。
これだけでも現状では高いハードルだけれども、7年前は政権交代しても交渉の端緒にもつけなかったことを思えば、やはり可能性は高くなったと言わなければならない。

そしてもう一つ、必要なことがある。
「在日米軍が撤退し、核の傘からも独立したあと、日本はどうするのか」について、国民の合意を作っておかなければならない。

改憲して国防軍と核兵器をもって、中国軍と比肩するような軍事大国を目指すのか。
現状のままの玉虫色の自衛隊で専守防衛を維持するのか。
すっぱり軍事による防衛を諦めて丸腰になるのか。

どれも、理念の問題ではない。
現実的に、日本に住む人間の命を、どのコースがより安全にするか、と言う判断だ。
軍拡がかならず大戦争になると言う公式が正しいのか?
丸腰はかならず侵略されるという公式は正しいのか?
現状の専守防衛は本当に機能するのか?

米中を中心にした周辺国の戦略をリアルに研究し、「存在できる」方向を探して、国民の合意としなくてはならない。
例えば、冷戦下の日本が再武装と日米安保を拒否していたら、まっさきに米軍に侵略されていたはずだ。不沈空母として使用するための陣地として、安保の代わりに軍事的に再占領されただろう。

丸腰になれば、無条件にだれも侵略してこない、という公式は根拠があるわけではなく、そうだったらいいなあ、そういう世界になってほしいなあ、という崇高な願いであり、頭の中の世界に過ぎない。
いかに可能性が低くとも、侵略される可能性はある、という前提で、ではどうするかを検討しなければ、崇高な願いだけでは国民は納得しない。

私は、そのようなリアルな目で考えて5年前から 「自衛隊は、武器を捨てて「国境なき救助隊」に」 と主張している。
今は、これに加えて、いくつかの在外大使館に亡命政府機能を持たせておくべきだろう、とも思っている。

決してキレイゴトを言っているのではなく、ずるがしこく生き延びる術を考えているにすぎない。

中途半端な自衛戦争は、おそらく本気の侵略にはかなわない。
無駄に犠牲を増やすだけだ。
しかも、少なくとも数十年は立ち並ぶ原発を攻撃されるリスクがある。

では軍事大国になればどうか。膨大な軍事費の負担は、侵略の可能性の前に経済的な苦境で国民を苦しめる。
しかも肥大化した軍需産業は、装備を更新するために定期的な戦争を必要としてしまうことは、これまでのアメリカで証明済みだ。

これは、現時点での私の考えだが、もっともっと情報を集め、頭を使い、どうやって「米軍なしの日本」を生きていくのか、コンセンサスを作らねばならない。

これを怠ると、もっと徹底した従米、見るも無惨な隷属に突き進んで行くだろう。

トランプの時代は、日本にとっても決して良い時代というわけではない。
手も足も出なかった時代から、必死にあがけばわずかに可能性が見えてきた時代になった、ということだ。

トランプYESの人もその厳しさは認識すべきだし、NOの人にはその可能性を感じてもらいたいと思う。




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2016-11-09(Wed)

トランプ時代に日本のリベラルはどう対応するのか

今 日本時間で2016年11月9日14:27だ。

各紙さまざまな予測を出しているが、クリントンは優勢州、接戦州を全部取っても1人足りない。
もはやトランプの勝利は間違いなさそうだ。

私は二つの理由でクリントンよりはトランプがマシと思っている。
トランプは世界の警察を辞めたがっているので大戦争の可能性が下がるというのが一つ。
日本は「隷属か独立か」を迫られる方がいいというのがもう一つ。豊かで平和な従米という特殊な時代は続かない以上、過酷な現実は可視化した方がいい ということだ。

1960年代から80年代のような、属国でありながら信じられないような経済的な繁栄と、戦争のない平和と、そこそこの人権と自由を享受していた時代が、いかに歴史的に特殊な時代だったかということが、失われつつある今になって自覚され始めた。

最初にそれに気が付いて、対応し始めたのは、その関係にガッツリしがみついてその利権で生きてきた連中だった。
小泉・竹中に始まり、安倍に続く自民党とそれに連なるものたち、すなわち積極的従米派だ。

一方、自民党に反対する、いわゆるリベラルの側は、急変した自民党の言動に戸惑い、怒りつつも、その背景となる時代の変化に気が付かなかった。あるいは、気が付かない振りをした。
なぜなら、リベラル派の依拠してきたのは、戦後民主主義であり、平和憲法であって、それらの存在を可能ならしめていた、特殊な幸福な時代が終わりを告げていることを正視できなかったからだ。

日米安保反対を言いながら、心のどこかで、在日米軍や核の傘をあたりまえのものと感じ、その前提で非武装中立を唱えてはいなかったか。
例え可能性は低くとも、侵略される可能性を、根拠無く完全に排除した議論しかしてこなかったのはなぜか。
トランプに「嫌なら独立してもいいんだぜ」と言われたら、リベラル派はその現実にぶち当たることになる。

その時、道は3つしかない

ひとつ 積極的従米派と同じように、隷属の道を選択する

ふたつ 現実から目を背けた宗教的な平和教になる

みっつ 独立と反戦を両立させるリアルな方法を必死に考える

私はリベラルが嫌いなのではない。
大事な仲間だと思っている。

しかし、このまま行くと、きっとふたつ目の道を進んで行ってしまうのではないか。
共に三つ目の道を進んでもらいたい一心で、あえて耳に刺さるようなことを書いている。

トランプ時代は、「良い時代」では決して無く、「見える時代」「分かる時代」であって、「自分で判断して良い時代にしていく可能性が生まれる」と同時に、「座して待てば最悪になる」時代でもある。

日本独立・絶対反戦
今こそ、正面からこのテーマを考えなくてはならない。



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2016-11-08(Tue)

都市のインスペクション ~怖いのは陥没だけじゃない~

今日は朝から、博多の陥没の話題でもちきりだ。

たしかに、蟻地獄のように駅前の大通りが陥没していく映像は衝撃的だ。
車や人が落ちなかったのが不幸中の幸いだった。

ところで、この記事を見ると、同じ地下鉄路線の工事で、これが3度目の陥没だという。

過去にも発生 福岡市地下鉄七隈線工事現場
毎日新聞2016年11月8日


2014年10月には今回の現場の西約400メートルの博多区祇園町の工事現場で車道の一部が長さ約4メートル、幅約3.5メートルにわたって深さ約3メートル陥没。水や土砂が流入した。
また、00年6月には同市中央区薬院で七隈線の工事に伴い、市道が長さ約10メートル、幅約5メートルにわたって深さ約8メートル陥没した。地下の掘削現場の両側に設けた土留め壁が壊れて工事現場に土砂が流入。市は、施工が不十分だったとして、業者を3カ月の指名停止にした。
 地下鉄工事に関係する道路陥没は各地で発生しており、05年6月には名古屋市中川区の高畑駅改良工事現場で道路が長さ約9メートル、幅約6メートルの範囲で約1メートル陥没し、周辺で700世帯が一時停電になるなど影響が出た。

(引用以上)

これはビックリ、全国でおきていると・・・
で、ちょっとググってみると、1990年には東京の御徒町でかなり大きな陥没があったらしい。
昨年は規模は小さいが大阪市でもやっている。

道路陥没は、地下鉄工事だけではない。
というか、規模はともかく、件数は圧倒的に下水管の老朽化によるものが多いようだ。

下水道老朽化で道路陥没、年3千件超 被害広がる恐れ
2016年8月27日 朝日


下水道管の老朽化による道路陥没が年3千件以上発生している。今後、高度経済成長期以降に大量に整備された下水道管が耐用年数を迎え、被害が広がる恐れがある。(略)
国交省によると、下水道管の老朽化や腐食が原因の道路陥没は04~14年度、年平均で4655件発生し、14年度は3313件あった。物損事故は年10件ほどあるという。

(引用以上)

ギリギリで持ちこたえているような場所がどれだけあるのか、なにせ土の中のことゆえそう簡単には分からない。
ロシアンルーレットのようだ。

道路の陥没に注意するには、下を見て歩かなければならないが、下ばかり見てもいられない。

外壁タイルや広告 国交省が落下の危険性を実態調査
ハザードラボ 2016年1月19日


災害発生時に避難経路として定められた道路沿いに建てられた建築物について、外壁タイルや広告板が落下する危険性がある建物について国土交通省が実態を調査した結果、約2万1500棟のうち、1781棟でタイルが崩れて負傷者が出るおそれがあることがわかった。
(引用以上)

なんと、築10年以上のタイル貼りビルの8.3%、12棟に1棟で剥落の恐れがあるという。
ビルやマンションの近くを通る時は、上もしっかり見て歩かなくてはならない。

上も下も見ながら歩いても、いきなり噴き出してくることもある。

水道管 老朽化が進行 1割以上が「期限切れ」
毎日新聞2015年12月31日


水道管の老朽化が進み、総延長の1割以上が法定耐用年数の40年を過ぎていることがわかった。整備が進んだ1970年代の水道管が更新時期を迎えているが、人口減による水道料金収入の落ち込みが影響して更新が遅れている。(略)
水道管の破損や水漏れなどのトラブルは13年度に全国で約2万5000件発生。

(引用以上)

水道管の更新はやられているけれども、老朽化の速度に追いついていない。
私も目撃したことがあるが、本管が破裂すると見上げるほど高く噴き上がる。

異変にそなえて耳も澄ませて歩かなければならない。
それでもどうにも逃げられない時もある。

関東の橋の3本に1本が“今すぐ”崩落してもおかしくない!? 「歩道橋・橋梁」老朽化の惨状
2015.06.08 日刊SPA


関東地方整備局が管理する道路橋2780箇所のうち、全体の3割強にあたる約940箇所が、高度経済成長期といわれる’55年から’73年にかけて建設されている。建築後40年を超えている
(引用以上)

もちろん危険なのは関東だけじゃない。むしろ予算のある東京などはマシな方だろう。
金のない地方自治体の橋は。。。。

古い橋を渡らないように、ぐるっと迂回して行くしかないか・・・
でも、本当に危ないのは橋だけなのか?

追悼 小林一輔さん、「コンクリートが危ない」と警鐘
2009/11/18 日経コンストラクション


山陽新幹線高架橋の現地調査を踏まえて、「ぼくがJR西日本の社長なら、いつ事故が起きるかと心配で夜も眠れないだろう」と語った。
(引用以上)

このブログの右下の方に、「コンクリートが危ない」という本がお勧めでリンクされているが、この著者の生前のインタビュー記事だ。
専門的でちょっと難しいかもしれないが、要するに、とくに1970年代までのコンクリートはかなりヤバいということ。

山陽新幹線のトンネルでコンクリートが落ちてきた事故はよく知られている。
あれは偶然の事故じゃなくて、コンクリートそのものが早くも寿命になっているということ。

その他、コンクリートで作られているものは、多かれ少なかれリスクを抱えている。

■■

もうどうなってるの?!?!? と思われるだろう。

なんでこんなことになっているのか。
恐るべきことだが、「都市のインフラや大規模建築を作る人たちは、誰一人として、老朽化した後のことを考えていなかった」 ということだ。

後のことはその頃の連中が考えるだろう。その頃には、俺たちは定年退職どころか、あの世に行ってるさ。
てなもんである。
冗談ではなくて、本当にそうとしか考えられないほど、インフラや大型建築は「更新」のリスクが考えられていない。

こんなリスキーな都市に、さらに地震と津波の可能性まで考えて暮らしていかなくてはならないとは。。。
まったくもって、大変な時代になってしまったものだ。

そこで、せめて自分の家だけでもリスクを診断しておこうよ、というのが「インスペクション」というもの。
横文字で言うから物々しいが、意味は検査ということらしい。

まあとにかく、専門技術を持った人間が住宅を検査することを ホームインスペクション という。
これまでは、一部の特殊な会社がこの業務を独占してきたが、先日、国交省が「既存住宅インスペクション・ガイドライン」というものを作ったので、それなりの知識と経験がある資格者なら、誰でもできるようになった。

「中古住宅を買いたいけれども、不安だから調べておきたい」 とか 「リフォームをするけれども、業者の言いなりじゃなくて、客観的に傷んでいるところを知りたい」 とか 「とにかく古くて不安なので、調べるだけでも調べておきたい」 なんていう依頼にホイホイと応じる仕事で、わが明月社でも取り組んでみようと思っている。

巨大な都市リスクからすると、小さな調査にすぎないけれども、とりあえず自分のシェルターだけでも安全ならば、少しは違うのじゃないかと思う。

とか書いているうちにも、博多の駅前陥没の復旧作業は始まっているようだ。
NHKのライブ映像
ギリギリまで乗り込んでいるミキサー車は怖いだろうなあ。
あとはせめて大地震がおこらないことを祈るばかりだ




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2016-11-07(Mon)

石の上で三年も我慢したら過労死する

昔は「石の上にも三年」と言ったけど、イマドキは三年も我慢したら過労死する。

待てば海路で溺死するし。

この熾烈な時代の変化を、私らやそれより上のオッサンオバサン世代が、本気で分かっているかどうか。

選挙の投票率が低い原因の、過半はそこにあるんじゃないだろうか。

首都大学東京の阿部彩教授のHPを拝見したところ、厚労省のデータを使ってこんなグラフが掲載されていた。

20161107-1.jpg
20161107-2.jpg

相対貧困率が、1985年から2012年まで、どのように変化したかを、年代別に書かれている。

ひと目で分かるのは、20~24歳の山だ。
年々山ができ、どんどん高くなっている。つまり、貧困率が高くなっている。

その一方で、高齢者は貧困率が低くなっている。
良い時代にため込んだ世代がカネを持ったまま、あるいは首尾良く退職金を手にして年を取っている
若者は、就職できない、できても低賃金、親にも頼れないで貧困の山を築く。

30年前は、貧困問題と言えば老人の問題であり年金の問題だったが、今は圧倒的に若者の問題だということに、中高年は本気で気が付いているのか。
とくに、「「リベラル」を自称する中高年が。

もちろリベラルを自称するくらいだから、子どもの貧困とか、就活地獄とか、ブラック企業とか、過労死とか、知識としては知っている。
おそらく、ひと講釈ぶてるくらいに知っている。

しかし、本当の実感がどれほどあるのか。
どこかで、「若い人はこれからだ」「若いんだから大丈夫」 と思っていないか。
それどころか、「若いくせにだらしない」なんて、心の片隅で感じていないか。



あちこちのサイトで盗作されまくっている「席を譲らなかった若者」の逸話にも考えさせられる。
この話、どうやらこちらのブログで11年も前に書かれたものらしい。
らくだのひとりごと

要約すると、電車で若者が座っている。前に立っているハイキング帰りの老人グループが「最近の若い者は年寄りを立たせても平気なんだから」と大声で嫌みを言ったところ、その若者がこう切り返したという話。

「あんたたちさぁ、山は歩けるのに電車では立てないの? それっておかしくない? 遊んできたんだろ? こっちはこれから仕事に行くところなんだよ。だいたいさぁ、俺みたいなヤツが土曜日も働いてあんたたちの年金を作ってやってるんだって分かってる? 俺があんたみたいなジジイになったら年金なんてもらえなくて、優雅に山登りなんてやっていられないんだよ。とにかく座りたかったらシルバーシートに行けよ」

このブロガーさんのその後の記述などを見ても、作り話ではなさそう。

11年も経った今頃、散々に盗作されて世に出回るということは、この若者の言葉に共感する人が増えているからだろう。
この話への反応で、日本は真っ二つに割れるかもしれない。

そして、感情を排し、個々の事情を捨象して数字だけで判断するならば、悠々自適で山登りする老人よりも、ブラック企業やワーキングプアの若者のほうが、救わなくてはならない対象だ。

この生意気な若者の言葉遣いにムカッとくる、リベラルのオッサンオバサンも、この現実を腹の底から認めなくては。

若者が選挙に行かないのは、保守も革新もひっくるめて、なんの根拠もないのに心の中で「若者には未来がある」と信じているから。
そんなアホな連中の相手してられないからだろう。

とくにリーマンショック以降に就職期を迎えた20台の人たちにとって、職場の先輩は「既得権益」であり、それなりの給料を取っている50台社員なんて老害そのものだろう。
体力のなくなった日本の企業で、既存の社員の給料を大幅に下げることは難しい。そのしわ寄せが、新卒を採らない、派遣で間に合わす、採っても給料安い、社員教育の余裕もない、てな形で、ごっそり20台に押し寄せている。

もちろん、根本原因は新自由主義や多国籍の大企業によって、日本企業の稼ぎが日本に戻ってこないからだ。
世界一の自動車企業が税金払わない国が、成り立ちゆくわけがない。

しかし、今まさに就活地獄やブラック企業のまっただ中にいる若者の目には、新自由主義がどうのこうのよりも、既得権益として安定した職や給料を手にしている普通のオッサンのほうが、よほど憎たらしいのではないか。

その憎たらしい連中が徒党を組んで、「投票に行きましょう」なんて言っても、そりゃあ心には響かん。

投票率を上げるには、歌って踊ってカッコよくというのも大事ではあるが、それより何より、私らオッサンオバサンの心の中にある 「若者神話」にきっちり始末をつけて、現実をよくよく見つめることだ。



「子供の貧困が日本を滅ぼす 社会的損失40兆円の衝撃」てな本を出して、子どもの貧困対策に取り組んでいるのは、誰あろう笹川センセの日本財団だ。

貧困問題というのは、実は右とか左とかではない。
2.26事件の決起将校も、農村の貧困を嘆いていた。
むしろ、ファシズムにこそ、若者の貧困問題はすくい取られる可能性がある。

維新の会なども、教育無償化のために改憲だなどと無茶を言っていたが、これだって困っている当の本人からしたら、バカな話には聞こえない。

これまでのリベラルがやってきた、「弱者救済」の福祉(実はホドコシの福施)政策では、若者の心に届くことはないだろう。
実効性のない政策では意味がないし、あったとしても現状の生活保護のように「やってやる」福施を心から喜ぶものはいない。

社会的にごっそり富を再分配して、2~30代で大学や仕事のスキルアップや子育てなどをできるようにする、根本的な施策を打ち出す必要がある。

それを、命のナショナルミニマムとして、明確にうち出さなければ、投票率は上がらないし、政権交代はおぼつかないし、それどころか、いよいよとなったらファシズムにもっていかれる。

私らオッチャンオバチャンは、自分たちは逃げ切れるなんていうセコい考えをちょっと脇に置いて、本気で次の世代のことを知るべきだ。



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2016-11-03(Thu)

国産材住宅とTPP

私の本業は、政治でも物書きでもなくて、国産材の住宅を設計することだ。
これまで、土佐材、吉野材、球磨材など様々な産地と関係を作りながら、山から家まで顔が見えるもの作りを目指してやってきた。

ところが、ここに来て大問題が起きている。
TPPだ。

TPPについては、あまりにも多くの問題が指摘されていて、いちいち憶えきれない。
そのなかでも、個人的に衝撃的だったのは、食品の「産地表示」ができなくなる、という話だった。

食品でできないなら、木材でもできなくなる可能性大だ。
そもそも、木材も輸入材と国産材がしのぎを削っている分野だし、平成12年には米国からの要求(年次改革要望書)で、日本の建築基準法が大々的に改正されちゃったなんていう歴史もあるのだから、かなり心配だ。

TPPには、ISD条項というとりきめがある。加盟国の企業が、他の加盟国を訴えることができるという制度だ。
たとえば、今日本には「地域型住宅グリーン化支援事業」という補助金制度がある。国交省の管轄だ。
国産の木材を使って家を作るための林業から設計から施工までの企業グループを作って国交省に登録する。その登録されたグループを通して一定の基準を満たした家を建てると100万円とか165万円とかのかなり高額な補助がでる という仕組みだ。
これは、輸入材や輸入住宅のメーカーから見れば、あきらかに自分たちを排除する国の仕組みに見えるだろう。

TPPが発効されたら、こんな補助制度は、間違いなくISD条項で訴えられるはずだ。
公共事業に地域の国産材を使うという取り組みも、かなり広範におこなわれているが、これもまたしかり。
例えばこんなのも(木づかい運動)、こんなのも(奈良の木を使用した住宅への助成制度)、のきなみみ~んなアウトになりそうだ。

日本中から「国産材」とか「○○県産材」とか言う文句が消えていく日は近いのか。
私が20年近く、そればかりやってきた国産材の住宅というジャンルが消えてなくなるのか?
TPPで食品の「産地表示」ができなくなる、という話をきいたとき、私の頭の中にはその不安が渦巻いた。

もちろん、ISD条項は相手が訴えなければ何事もない。
しかし、相手が訴えないということは、訴えなくても国産材が輸入材に全ぜんぜん太刀打ちできていないということだから、それはそれでアカン状態だ。
国産材がたくさん使われて、日本の山がきれいになって、水害も減って、補助金も有効に使われて、ということになりかけると、このときとばかりにISD条項という魔物が鎌首をもたげる。

ああ、やばい。
TPPは明日にも委員会で強行採決かとか言われている。
米国ももしクリントンが勝ってしまうと、裏では財界とTPP推進を約束しているらしいし、ほんまにやばい。




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