2017-02-09(Thu)

トランプはゴールドマンサックスの傀儡か?

トランプの選挙中のウリは、ウォールストリートの1%から政治を取り戻すということだった。

ところが、財務長官にスティーブン・ムニューチン、国家経済会議議長にゲーリー・コーンと、経済の要にゴールドマンサックス出身者を据えた。首席戦略官・上級顧問のスティーブン・バノンもGSにいたことがあり、他にも出身者がゴロゴロしているという。

しかも、2月3日には「ドッド・フランク法」を廃止するという大統領令に署名した。このドッド・フランク法というのは、リーマンショックの経験から2010年にオバマ政権がつくった「金融機関を規制する」法律と言われている。

「な~んだ、やっぱりトランプは1%の金持ちの味方だったんだ。選挙中は中間層を欺していたんだ。」という声が、リベラル層を中心にわっと上がったのも無理はない。



では、ドッド・フランク法でリーマンショックを引き起こした金融機関は規制されたのだろうか。
この法律はなにやら2200ページもあるらしく、たぶん全部を理解している人はいなんじゃないかと思うのだが、ともかく、それを研究している人の論考を探してみた。

この法律のいちばんの特徴は、ベイルイン つまり、破綻した金融機関を税金で救済することを禁じた点だ。
「大きすぎて潰せない」 というリーマンショックの時の膨大な財政支出を、もうやらないよ というのである。

「どうせ救済される」と思うから、金融機関はメチャクチャなハイリスクな商品を作って、刹那的に莫大な利益を稼ぎ、破綻しそうになったら巨額の儲けを持って逃げ出したり、税金で救済してもらいながら何百万ドルもボーナスをもらいつづける なんてことがまかり通った。
だから、ベイルインを禁止すれば、たしかに無茶はできなくなりそうだ。

そう思いながら、検索を続けると、こんな論文を見つけた。

連邦準備銀行の金融機関救済権限問題  -ドッド・フランク法の修正を巡る論争について-
桃山学院大学 松村昌廣教授

(クリックするとPDFがダウンロードされます)

全部で22ページあり、後半1/3くらいがドッド・フランク法についての考察。
ポイントを一つだけ絞ると、

「破綻した」金融機関への公金救済はダメだけど 「破綻直前」ならOK ということ。

はあ? てな話だが、破産の手続きに入る前であれば、もう絶望的で実質破綻でも、税金やFRBの超絶好条件融資で救済することができるのが、ドッド・フランク法なのだという。
要するに、骨抜きにされてザルになっている ということ。

いや、骨抜きと言うよりも、はじめから「規制法」のふりをして、じつは「ベイルインという手段を残す」 のがこの法律の目的だったのではないか。
普通にベイルインを続けると暴動が起こりかねないから、規制法の顔を作っておいて、実は腹の中は税金救済。
いかにも、オバマらしいやり方だ。



でも、だからといって、吸血イカと称されるゴールドマンサックス漬けになっているトランプが、ウォール街を規制するだろうか。

トランプの大統領令を、対訳してくれているブログがあった。要点だけ引用する。

トランプ氏、金融規制緩和の大統領令に署名 ドッド・フランク法はどうなる?(ゼロからやりなおす「政治と経済」)

私の政権において、アメリカの金融制度への規制は、以下の中核となる原理に従うべきだ。

(a)アメリカ人の金融における意思決定の独立を助ける。各人が退職後に資産を形成するために、市場における選択に必要な情報が知らされるべきだ。

(b)納税者の資金での金融機関の救済を阻止する

(c)システミックリスクと「市場の失敗」(モラルハザードと情報の非対称性等によってもたらされる)を分析する、より厳格な規制を通して活発な金融市場での経済成長を促す。

(d) アメリカ企業が米国内と海外の市場で外国企業との競争を可能にする

(e)金融規制における国際的な交渉や国際的な会合でアメリカの国益を促進する。

(f)連邦の金融規制に関わる省庁の公的な説明責任を再確立する。連邦の金融規制の仕組みを理に適ったものにする。

(引用以上)

これを見る限りでは、世間で言われているような、金融機関への規制緩和 とは言えない。
どっちに転ぶかは、全く判断できない というのが正直なところだ。
120日間で政策を作成せよ ってことになっているから、6月初めには具体的な姿が見えてくる。
それまでは、判断を保留しておく。

少なくとも、ドッド・フランク法は正義の法律ではなさそうだし、大統領令には「金融機関の規制緩和」とは書いていない。



大統領令に一瞬は大喜びしてダウが2万ドルを突破したウォール街も、「「あれ おかしいぞ」ということに気が付いている

ゴールドマンもトランプ政権を不安視-リスクバランスが悪化
2017.2.6 ブルームバーグ


グローバル金融資本は、正義を振りかざして正面から斬りかかっても勝てる相手ではない。
戦って負けることに生きがいを感じる人はともかくとして、実利をあげるためには、敵を熟知する人材を登用するということは、当然のことではある。
トランプ政権がゴールドマンサックス漬けなのは、そういう意味なのか、あるいは単に傀儡なのか、早計に決めつけるべきではない。

決めつけで目を曇らせずに、しっかりとウォッチしていかなければならない。


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