2017-05-01(Mon)

日本のメーデーが燃えないのはなぜか

今日はメーデーだった。

May Day 5月の日。昔は古代ローマの花の神、フローラを祝う祭りだったとか。
たしかに、今の時期はいろんな花が一斉に咲き乱れ、フローラ祭りをやりたくなる気分よくわかる。

そんなほのぼのとした祭りの日が、なんで労働者の権利をもとめる闘いの日になったのか、その経緯はよくわからない。
一説では、祭りの日は労使が休戦して仲良く楽しんでいたのが、やがて労働者の権利の主張につながったという話も見かけた。

その辺の経緯はともかく、本格的に労働者の闘いの日になったのは、このあたりが定説のようだ。

(以下引用)

世界大百科事典 第2版の解説

その起源は1880年代のアメリカにおける8時間労働制を要求する運動にある。84年に〈労働騎士団〉をはじめとする労働組合が,5月1日を期して8時間労働制要求のゼネストを行うことを決め,第1回の行動として86年5月1日に〈8時間の労働,8時間の休息,8時間の教育〉をスローガンとしてストライキ,デモ行進を行った。

(引用以上)

130年前に8時間労働を求めて立ち上がったのが、労働者のメーデーの始まり。
しかし、現代日本を振り返ってみると、月に100時間の残業もOKで、70~80時間は当たり前だ。130年間、何の成果もえていないということだろうか。
それどころか、残業時間の天井を決めることで、それを超える時間は自動的にサービス残業にさせる、ということがまかり通っている。36協定は、労働者を守るどころか、サービス残業の理由になってしまっている。

近年は人手不足だと言いながら、労働環境の改善はされず、少ない人数でより多くの仕事をさせるという、より過酷な労働環境になっている。いったいぜんたい、労働市場という観念は、日本には存在しないのか??

これほどひどい日本なのだから、130年前よりは、ちょっとはマシにしろ! と働く人たちが立ち上がって、盛大なメーデーを敢行しても良さそうなものだが、昨今のメーデーはまったく盛り上がらない。
30年くらい前に病院に勤めていた頃は組合があって、私もメーデーに参加していた。当時はまだしも人数は集まっていたようだが、集会後の組合のボーリング大会が楽しみだったり、日当めあてだったりして、あまり切実な闘いの雰囲気はすでに無かった。

まして、その後建築の世界に入ってから、組合というものにお目にかかったことがない。中堅ゼネコン、零細設計事務所、地場の工務店などなどいろいろ勤めたが、労働組合なんて月の世界はなしかと思うくらい、まったく縁の無い、遠い遠い世界だった。メーデーなんてニュースで見て、へえそうだったんだ、と思うくらい。

これを、「日本の労働者は意識が低い」と決めつけてご高説をたれるのは簡単だ。しかし、私はそんなことではないと思っている。

結論から言ってしまうと、日本でメーデーが盛り上がらない理由は、日本が資本主義ではないからだ ということだ。
日本には労働者はいない と言う意味でもある。

労働者というのは、労働力だけを糧として生きる人間のことだ。
労働力以外の生産手段を独占しているのが資本家で、労働者と資本家は必然的に対立せざるをえない。
というのが、典型的な資本主義の姿である。

しかし、日本の「資本主義」には、労働者と資本家の対立以上に鋭い対立が内包されている。
それは、元請けと下請けの関係だ。
大企業と中小零細の関係といってもほぼ同じ意味だろう。

明治時代に無理矢理「資本主義」の国になった日本は、官僚が敷いたレールの上を政商が走り、多くの零細企業はその下支えをさせられた。
敗戦後、財閥解体で一度はそうした構図がなくなるかに見えたが、実質は何も変わらず、官僚主導の官製「資本主義」が異常に発達した。護送船団方式などとも言われた。
限られた巨大企業が圧倒的な主導権をもち、中小零細はそのおこぼれをもらって生きるしかない、という構図は、産業規模が大きくなったぶんだけ、むしろ戦後に強化されたのではないか。

いかに中小企業と大企業の格差があるかについては昨年12月に書いたこの記事を参照してもらいたい
 → 国民の7割は中小零細企業の社長と社員とその家族だ 

収入面の結論だけ書くと
中小企業の社員のほとんどは、全体の平均年収ももらえていない。
まして小規模企業にいたっては、社員5千人以上の超大企業の年収の6割にすぎない。
これに福利厚生や退職金を含めれば、もっと大きな差が開く。

大企業からギリギリのコストを押しつけられている中小零細企業で、労働者が盛大に権利を主張すると、ほんとに倒産する。
そういう現実の中で、7割の「労働者」は働いている。
そのリアルに向き合っている目からは、組合作ってメーデーで盛り上がれる身分はうらやましい限りだ。

また一方で、大企業社員や公務員は、比較的恵まれた待遇があるために、あえて組合だメーデーだとやらかす動機が薄くなる。
当然のこととして、組合はあっても組織率は激減してきた。

日本の「資本主義」は本来の自由競争とはほどとおい官製「資本主義」であり、スタートでできた格差が長年の蓄積でさらに差が開いた状態が今日の姿である。
第2に財閥解体をやらないかぎり、日本に資本主義は生まれないし、本来の意味での労働者もうまれない。

では今の「労働者」に見えているものはなにか。
それは、村落共同体に縛られ、年貢を搾り取られていた農民の姿そのままである。
幕府や殿様が「政官財」にかわり、村落共同体が中小零細企業に様変わりはしているが、大きな構図は江戸時代と何ら変わっていない。

このような今の日本で 労働組合やらメーデーやらが盛んになるわけがない。
この現状を出発点にして、なんとか人が人らしく生きていける途を探るためには、私は労働者VS資本家の闘いではなく、下請けVS元請け、中小零細VS政官財 の闘いを作っていくべきなのだと思っている。

こんどこそ財閥解体を成し遂げて、明治から営々と積み上げてきた官製のアドバンテージをすべて奪い取り、改めて自由競争による資本主義を発進するところから、この国はやり直すべきだ。

なお、誤解のないように蛇足を書いておくと、新自由主義は自由競争とはもっとも遠い場所に生息するアンフェアの権化のような存在であり、資本主義ですらない。だから、資本主義の出来損ないの日本は、やすやすと新自由主義の餌食になったのだ。
だから、私の言う自由競争は、新自由主義礼賛ではない。真逆である。

また、やり直した資本主義がうまくいくという保証もない。
しかし、あまりに不平等から出発した官製「資本主義」を一度解体しなくては、これをいくらこねくり回しても、腐った材料は腐った料理にしかならない。

こうした自由競争の資本主義を生き生きと活動させるために、政治の福祉とかセイフティーガードが必要なのだ。
福祉大国と言われるスウェーデンは、企業に対する救済を一切やらない、極度の自由競争主義だという。だから、業績が悪いとどんどん倒産し、じゃんじゃん失業する。なので、不採算分野はさっさと儲かる分野に鞍替えして、失業者は手厚い福祉でバックアップされる。
国の規模が違うから、単純に引き写しはできないが、これが本来の資本主義なのではないか。

血のメーデーから65年。
昔日の劣化コピーで、惰性のメーデーを続けることよりも、もっとラディカルに変革を考えてみることが必要だ。
5月1日 そう考えた。



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なんでボクは家を設計るんだろう  明月社のいえづくり 17

16 からつづく

 では、化学物質過敏症ではないシックハウスとは何かというと、家が原因で病的な症状をきたすこと全般である と当時そのNPOでは言っていたように記憶する。原因物質はいろいろあるわけで、もちろんペンキや接着剤や合板などの建材から出るトルエン、キシレン、ホルムアルデヒド、シロアリの薬(防蟻剤)だったクロルピリホス、建築とは違うけれど家の中にある防虫剤のパラジクロロベンゼンが代表物質と言われている。建築基準法で、クロルピリホスは禁止、ホルムアルデヒドは建材から発散する量によって等級がつくようになったので、一般の人でもなじみがあるかもしれない。

 建築基準法で決められたのはもう一つ。強制的な24時間換気だ。さきほどの防虫剤なんかもそうだし、家具や消臭剤やいろいろと家の中に持ち込む化学物質がたくさんあるので、それを吐き出すために人が常時いる部屋は24時間換気扇を回しっぱなしにしなければならない。当然、排気がある以上は吸気口もつけなくてはならず、いくら弱で回しても冬などは寒い。ここまでしなくちゃならない理由は、じつは持ち込み物質だけじゃない。イマドキの建材はたしかにホルムアルデヒドはかなり抑えられているし、トルエンやキシレンがプンプンするものはほとんどない。でも、他の物質を開発して代替しているので、さて何が良いのやら悪いのやら、よほどの化学物質の毒性に詳しい専門家じゃないとよくわからない。しかも、クロルピリホスのように昨日まで問題ないと言われていた物質が急に禁止になったりするわけで、専門家の言うことを丸呑みにするのもなんだか怪しい。

 いろいろ考えたあげく、ボクがたどり着いたのは「できるだけリスクを減らす」という何の変哲もないありふれた答えだ。まずゼロにはできない。化学物質もゼロは難しいし、天然化学物質は木の家ならばじゃんじゃん出てしまう。天然だって度が過ぎれば症状が出る。桧(ひのき)なんてほんのり香ってるぶんにはいい臭いだけど、六面を桧に囲まれた部屋だったりすると頭が痛くなる。桧オイルをこぼしたときなんて、もう大変だった。ゼロリスクにはできない。そのことは、まずはじめに住み手の人に言っておかなくてはならない。

 その上で、できるだけリスクを減らす。家の内側には合板は使わないとか、江戸時代から長く使われている材料にするとか、人口の化学物質を使うときは揮発性のない物質にするとか、まず口には入らない箇所に限定するとか。一番気をつけているのは、床暖房を使うときの床材だ。床材には見えている床材(フローリング)と、その下にもう一枚貼ってある床下地材がある。イマドキの家は99%厚い合板(ベニア板)の床下地材の上に合板のフローリングが貼ってある。もちろんホルムアルデヒドをあまり出さないフォースターという等級のものなんだけど、これが暖房かけちゃうと思い出したようにホルムアルデヒドを出してしまう。床だから逃げるわけにもいかなくて、寝転んだり子どもだったりペットなんかはかなり濃いのを吸ってしまう。なので床材、とくに床暖房するとこは合板は使わずに無垢の板にするか、揮発性のない接着剤を使った集成材にする。

 あと、建材から出る物質で気をつけなくちゃいけないのは可塑剤だろう。ビニールクロスとかビニールのシートを表面に貼ったドアなんかの建材から出ている。最近の一般的な新築住宅で臭っているのは、ほとんどこれじゃないかと思う。環境ホルモンの疑いなどもかかっていて、ボクはできるだけ避けるようにしている。

 見た目に反して化学物質の温床と言われているのが畳。い草を染める染料と、育てるときの農薬、裏側に貼ってある殺虫シート、畳床に使われているポリスチレンなどなど、どれも致命傷ではないかもしれないが、できるだけリスクは減らしたい。だから、明月社の家ではダイケン畳というのを使っている。い草の代わりに和紙のこよりなので農薬はないし、畳床はインシュレーションボードという木の繊維を接着剤ではなくて熱で固めたボード。もちろん完璧ではないけど、かなりマシである。ご予算がウンとあって和室にはこだわりたいという方には、無農薬のい草に無農薬の藁床畳という高級オプションもある。

 家の中の建材で、かなり面積が大きいのはドア。イマドキドアは木の繊維を接着剤で固めたもの(MDFという)にビニール系のシートを貼ってある。そのシートの木目が職人の「作品」だという話は前に書いた通り。このドアも、もちろん建築基準法の基準は守っているけれども、やっぱりできるだけリスクは減らしたいので、予算にも関わるので必ずとはいかないけれども、無垢の木を使ったドアを使いたい。完全無垢は技術的に難しいので、揮発性のない接着剤を少量使った集成材と言うことになるが。

 よく使っているのはニュージーランドで一貫生産していることをウリにしてよくTVコマーシャルもやっているあのメーカーの製品。「さんざん国産材だと言っておきながら何なんだ」と怒られそうだが、なにせお値段の問題がある。国産材のドアメーカーはなかなかのお値段なのだ。実は、そんな中でもシンプル&リーズナブルに製品化できそうな工場を見つけたので、新幹線に乗って工場の見学や打合せにも行ってきた。次の設計でご予算が合えば使ってみようと思っているのだが、肝心の次の仕事がない! だれかボクに家を作らせてくれ・・・

18 へつづく

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