2011-04-12(Tue)
【福島第一原発】考えられる近未来
原発が心配で心配でたまらない。
月並みな言い方しかできないが、本当に心配で心配で心配で
550キロ離れているとはいえ、この1ヶ月間頭の中にずっと渦巻いている。
心配という言い方は、少し違うのかもしれない。
自分なりのシミュレーションでは、相当悪い事態になるとしか思えないけれども、
その不安の持って行き場がない。
大阪の私ですらこうなのだからおそらく、福島第一原発に近ければ近いほど、こうしたイライラは強烈なものがあるはずだ。
御用学者が「安全、安心」という毎に、事態は深刻になっていく。
それでいて、感じている不安を声高に口にすれば、風評被害とかデマとか言われ、取り締まりされかねない勢いだ。
■■
岩上氏がインタビューする京大の小出先生の話と、CNICから情報発信している後藤氏の話を聞く限りでは、最悪の事態は充分に「想定」できる。
お二人とも、技術者として抑制された判断で淡々とお話しされるので、聞いているほうはめちゃめちゃ怖い。
最悪の事態が想定されるのは、1号機だと、小出先生は言う。
つまり、再臨界が起きているらしい と。
再臨界=爆発ではなく、再臨界→熱膨張→臨界停止→温度低下→再臨界→・・・ というサイクルが続いているのではないかと、予想をされていた。
この状態を、何とか冷やし続けて冷ますことができればいいが、万が一できないと、最悪の事態になるという。
最悪の事態とは、再臨界によって温度は上昇し、それが燃料棒の溶融を招き、2800度で解けた燃料が原子炉下部の水中に落ちるケースだ。
水中に余りに熱量の大きな塊が落ちれば、水は一気に蒸気になる。つまり、体積は1700倍に膨張し、原子炉は爆発する。
いわゆる、水蒸気爆発だ。
分厚い鉄でできた原子炉圧力容器が吹き飛べば、外側の格納容器はひとたまりもなく、まさにチェルノブイリと同様の大爆発となる。
運転中であるか停止中であるかの違いはあるが、ひとたび爆発した後は、原子炉の中に入っている物は基本的に同じだから、爆発の勢いで上空に上がり、風にのって飛ばされる物も基本的に同じということになる。
1号機の規模自体は、チェルノブイリが100万キロワットなのに対して、福島第一の1号機は46万キロワットだから、単純に考えれば原子炉の中の放射性物質は半分ということにはなる。このレベルで半分だからと言っても、何の慰めにもならないが。それどころか、問題は2~4号機も壊れているということだ。
つまり、1号機の原子炉本体が爆発すれば、2~4号機もとてもじゃないが近寄れない。作業ができない。
そうなれば、無理やり注水して冷やしている2~4号機も、時を経ずして破局を迎える。
それぞれがどのようなカタストロフィーを迎えるのか、その姿はわからないけれども、少なくとも冷やせなくなった原子炉では、燃料が溶けてメルトダウンをおこし、炉心にあるべき放射性物質が外界に大量に出てくることは間違いない。
注水停止 水位低下 温度上昇 メルトダウン 融け落ちて固まった燃料が再臨界 残っている水が蒸発 空だきで臨界継続 爆発
私が想像しうる2号機3号機の最悪シナリオだ。
2機合わせて156.8万キロワット。3号機には特に大量のプルトニウムが詰まっている。
5,6号機も、今のところ壊れていないというが、人が近寄れず放置された場合どうなるのか。
自動運転で延々と「安全」に停止し続けるとは考えられない。
余震でどこかが壊れることを「想定外」としても だ。
また、1~6号機のプールに4千本、別のプールに6千本、計1万本以上の使用済み核燃料がおいてある。
4号機をのぞく原子炉の中にある燃料棒が2800本だから、その4倍近いものがプールにある。
使用済みとはいえ、発電するには不足でも、人を殺すには充分すぎる放射能がある。
これらの気の遠くなるような大量な放射性物質が、ある物は爆発し、ある物は漏出し、ある物は揮発して、遠くも近くも陸も海も、汚染し尽くす。
始末が悪いことに、爆発する炉と、今と同じようにジワジワ出てくる炉があると、いつまでも現場に近づくことができない。
爆発的に放出された放射性物質は、風に乗って遠くまで飛び、200キロ以上離れた場所で高濃度の雨を降らすことはよく知られているとおり。
風向き次第では、東京くらいの距離が一番危なかったりする。
もちろん、ここ大阪もまったく安全圏ではない。
さらに、火山の噴火のように、成層圏まで飛ばされると、地球規模で拡散していく。
■■
こんな5機の原子炉と、7箇所の使用済み燃料プールが崩壊するという、チェルノブイリを数倍する人類史上最悪の事態が、非常にリアリティを持って目の前に迫り来るのだから、落ち着けと言うほうが無理な話だ。
落ち着いているのは、いまだにテレビに流れる御用学者の言うことを真に受けている人か、予期していただけに諦観しているごく少数の人くらいだ。
こうなってしまう可能性がどれだけあるのかは、もちろんわからない。
これは、小出先生も後藤氏も、あるいは東電も保安院も本当にわからないだろう。
それはわからないけれども、無いと言い切れない、どころか、その可能性をなくすための作業は困難を極めることは良く分かる。
現在でも、非常に高い放射線のなかで、少なくとも何ヶ月、もしかしたら何年間か、ずーと今のような注水やら冷却やら窒素注入やらベントやらをやり続け、なおかつ注水した水を、次々と容れ物を見付けてきて回収しなければならない。
メガフロートやタンカーを次々と犠牲にするのか、新たにプールを掘るのか。
いずれにしても、とんでもない高放射能の水を入れ替える作業の危険性は計り知れない。
こうした回収作業をしなければ、高濃度汚染水は、海へダダ漏れになり、太平洋では超大型の魚や見たこともないような生き物が大量に獲れるようになるだろう。
海へ流さずに回収作業をやめようと思えば、注水して漏れてきた水を、もう一度原子炉に戻すループを作らなくてはならない。
そのための工事を、いったい誰がやるのか。
数年後の死を覚悟すればできるのか。
あるいは、そこまで近づいたら即死するレベルなのか。
こうして考えると、一番「ラッキー」なシナリオでさえ、悲惨なものだということがわかる。
多数の労働者の命と引き替えに、冷却水のループを作り、数ヶ月から数年間の冷却を行い、その後にチェルノブイリのような石棺か何かで、原子炉全体を封じ込める。
その場合でも、今開いている原子炉の穴は埋めることはできない。
いくら命知らずの特攻隊が突っ込んでいっても、おそらくそこにたどり着く前に死んでしまうだろう。
また、原子炉の圧力によっては、何度かのベントをして、意図的に放射性物質を放出することもあり得る。
いずれにしても、今ぐらいのレベルの放射能の放出が、延々と続いていくということ。
多数の労働者の命と、少なくとも現状レベルでの放射性物質の数ヶ月から数年にわたる漏出。
これが、一番「ラッキー」なシナリオだ。
被害の規模において、これ以下になることは考えられない。
これから起きることは、この一番「ラッキー」な展開から、「1号機の原子炉爆発→全面崩壊」 までの間のいずれかになる。
■■
ここまで来てしまった以上、魔法か何かをつかわない限り、そうならざるを得ない。
どこになるかはわからないけれども、そうなる ということは腹をくくるしかない。
あるものを無い といっても、本当に無くなるわけではないのだから。
50キロ程度の距離の方は、地表面の放射性物質の濃度をしっかり確認して、少なくとも管理区域とされる数値を超えたら、ただちに健康に害はなくともやがてあると思った方が良い。なければラッキーだが、可能性あるから「管理区域」なんだから。
放射性物質濃度の限度は、文科省の「放射線を放出する同位元素の数量等を定める件」という告示に書いてある。
核種によって違うのだけれど、ヨウ素131ならば
空気中濃度 限度0.1mBq/cm3 管理区域0.01mBq/cm3以上
表面濃度(降積り) 限度 40Bq/cm2 管理区域 4Bq/cm2
表面濃度はよく報道されるけれども、空気中濃度はあまり見かけない。いつもシーベルトという被曝の単位で出てくる。
しかし、シーベルトは「その時」だけの数字で、体に入ってしまう内部被曝を評価できない。
比較的原発に近い地域の方は、シーベルトよりもベクレルで判断すべきだ。
(シーベルトからベクレルを概算で推定する方法はないかさがしているけれども、まだ見つからない。)
200キロ程度の距離の方々は、東電、保安院、首相官邸 などのホームページに出る公式データと、CNICが提供してくれる解説、岩上さんが流してくれる小出先生の見解、気象庁の風向きデータ、などを睨みながら、いよいよ原子炉爆発かと思ったら果敢に逃げた方が良い。
ある程度の距離があれば、瞬時に被曝すると言うことはないだろうから、慌てずに準備して、パニックにならずに粛々と逃げ出すことが、一番命に優しい選択だと思う。
私のように、500キロ以上離れている場合は、万が一爆発ということになれば、モニタリングポストを睨みながら、判断することになる。
大きな変動が無ければ、逃げてきた人たちの収容を考えなくてはならない。
ウチの事務所でも、雨風しのぐだけならば数人は受け入れられる。
こんなところに何週間も生活できるわけないけれども、とにかく、これまでの常識を一度はずして対応する必要が出るだろう。
なにせ、風向きによっては、日本の人口の半分が避難対象になり、政府も機能維持できるのかどうか怪しいものだ。
地方行政も、現場はそれなりに頑張ってくれるだろうが、肝心のトップはあてにならない。
橋下徹などは、最初はスタンドプレーで格好のいいことを言うだろう。
が、実情はそんな格好のいい話ではすまない。泥沼になり、収拾が付かなくなったら誰かに責任を押しつけることばかり考え、「敵」を作ってイジメに走るには目に見えている。
そんな近未来を覚悟しながら、今日、明日を生きて行かなくては。
■■
それにしても、腹が立つのは、こんな大惨事になる危険は、いくらでも予見されていたのに意図的に放置されていたということだ。
原発に反対する立場の人は、口をそろえて警告していたし、基本的に原発を作るための審議会でも異論はあったのである。それを、わかっていながらカネと権威で押さえつけて、ワザと危険を放置し、そして今日の事態を作り出した。
まさに、人災。いや、「災」ですらなく、意図的な犯罪、巨大テロ行為である。
ここまでバカなことをする意味は、利権だけでは説明しきれない。
どうしても腑に落ちない。
それ故に考えた仮設が、前の記事「原発推進の正体は『日本列島を核の墓場にする計画』だったのではないか」だ。もし読んでいない方は、ぜひ一読願いたい。
前の記事と今回の記事で、私なりに全体像が見えては来た。
こうして書いてハッキリさせることで、少しは思い気持ちがマシになるかと思ったけれども、全然そういう効能はなかった。
無かったけれども、少しは前向きに気持ちがなったような気はする。
大阪にいる私が落ち込んでいる場合じゃない。

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月並みな言い方しかできないが、本当に心配で心配で心配で
550キロ離れているとはいえ、この1ヶ月間頭の中にずっと渦巻いている。
心配という言い方は、少し違うのかもしれない。
自分なりのシミュレーションでは、相当悪い事態になるとしか思えないけれども、
その不安の持って行き場がない。
大阪の私ですらこうなのだからおそらく、福島第一原発に近ければ近いほど、こうしたイライラは強烈なものがあるはずだ。
御用学者が「安全、安心」という毎に、事態は深刻になっていく。
それでいて、感じている不安を声高に口にすれば、風評被害とかデマとか言われ、取り締まりされかねない勢いだ。
■■
岩上氏がインタビューする京大の小出先生の話と、CNICから情報発信している後藤氏の話を聞く限りでは、最悪の事態は充分に「想定」できる。
お二人とも、技術者として抑制された判断で淡々とお話しされるので、聞いているほうはめちゃめちゃ怖い。
最悪の事態が想定されるのは、1号機だと、小出先生は言う。
つまり、再臨界が起きているらしい と。
再臨界=爆発ではなく、再臨界→熱膨張→臨界停止→温度低下→再臨界→・・・ というサイクルが続いているのではないかと、予想をされていた。
この状態を、何とか冷やし続けて冷ますことができればいいが、万が一できないと、最悪の事態になるという。
最悪の事態とは、再臨界によって温度は上昇し、それが燃料棒の溶融を招き、2800度で解けた燃料が原子炉下部の水中に落ちるケースだ。
水中に余りに熱量の大きな塊が落ちれば、水は一気に蒸気になる。つまり、体積は1700倍に膨張し、原子炉は爆発する。
いわゆる、水蒸気爆発だ。
分厚い鉄でできた原子炉圧力容器が吹き飛べば、外側の格納容器はひとたまりもなく、まさにチェルノブイリと同様の大爆発となる。
運転中であるか停止中であるかの違いはあるが、ひとたび爆発した後は、原子炉の中に入っている物は基本的に同じだから、爆発の勢いで上空に上がり、風にのって飛ばされる物も基本的に同じということになる。
1号機の規模自体は、チェルノブイリが100万キロワットなのに対して、福島第一の1号機は46万キロワットだから、単純に考えれば原子炉の中の放射性物質は半分ということにはなる。このレベルで半分だからと言っても、何の慰めにもならないが。それどころか、問題は2~4号機も壊れているということだ。
つまり、1号機の原子炉本体が爆発すれば、2~4号機もとてもじゃないが近寄れない。作業ができない。
そうなれば、無理やり注水して冷やしている2~4号機も、時を経ずして破局を迎える。
それぞれがどのようなカタストロフィーを迎えるのか、その姿はわからないけれども、少なくとも冷やせなくなった原子炉では、燃料が溶けてメルトダウンをおこし、炉心にあるべき放射性物質が外界に大量に出てくることは間違いない。
注水停止 水位低下 温度上昇 メルトダウン 融け落ちて固まった燃料が再臨界 残っている水が蒸発 空だきで臨界継続 爆発
私が想像しうる2号機3号機の最悪シナリオだ。
2機合わせて156.8万キロワット。3号機には特に大量のプルトニウムが詰まっている。
5,6号機も、今のところ壊れていないというが、人が近寄れず放置された場合どうなるのか。
自動運転で延々と「安全」に停止し続けるとは考えられない。
余震でどこかが壊れることを「想定外」としても だ。
また、1~6号機のプールに4千本、別のプールに6千本、計1万本以上の使用済み核燃料がおいてある。
4号機をのぞく原子炉の中にある燃料棒が2800本だから、その4倍近いものがプールにある。
使用済みとはいえ、発電するには不足でも、人を殺すには充分すぎる放射能がある。
これらの気の遠くなるような大量な放射性物質が、ある物は爆発し、ある物は漏出し、ある物は揮発して、遠くも近くも陸も海も、汚染し尽くす。
始末が悪いことに、爆発する炉と、今と同じようにジワジワ出てくる炉があると、いつまでも現場に近づくことができない。
爆発的に放出された放射性物質は、風に乗って遠くまで飛び、200キロ以上離れた場所で高濃度の雨を降らすことはよく知られているとおり。
風向き次第では、東京くらいの距離が一番危なかったりする。
もちろん、ここ大阪もまったく安全圏ではない。
さらに、火山の噴火のように、成層圏まで飛ばされると、地球規模で拡散していく。
■■
こんな5機の原子炉と、7箇所の使用済み燃料プールが崩壊するという、チェルノブイリを数倍する人類史上最悪の事態が、非常にリアリティを持って目の前に迫り来るのだから、落ち着けと言うほうが無理な話だ。
落ち着いているのは、いまだにテレビに流れる御用学者の言うことを真に受けている人か、予期していただけに諦観しているごく少数の人くらいだ。
こうなってしまう可能性がどれだけあるのかは、もちろんわからない。
これは、小出先生も後藤氏も、あるいは東電も保安院も本当にわからないだろう。
それはわからないけれども、無いと言い切れない、どころか、その可能性をなくすための作業は困難を極めることは良く分かる。
現在でも、非常に高い放射線のなかで、少なくとも何ヶ月、もしかしたら何年間か、ずーと今のような注水やら冷却やら窒素注入やらベントやらをやり続け、なおかつ注水した水を、次々と容れ物を見付けてきて回収しなければならない。
メガフロートやタンカーを次々と犠牲にするのか、新たにプールを掘るのか。
いずれにしても、とんでもない高放射能の水を入れ替える作業の危険性は計り知れない。
こうした回収作業をしなければ、高濃度汚染水は、海へダダ漏れになり、太平洋では超大型の魚や見たこともないような生き物が大量に獲れるようになるだろう。
海へ流さずに回収作業をやめようと思えば、注水して漏れてきた水を、もう一度原子炉に戻すループを作らなくてはならない。
そのための工事を、いったい誰がやるのか。
数年後の死を覚悟すればできるのか。
あるいは、そこまで近づいたら即死するレベルなのか。
こうして考えると、一番「ラッキー」なシナリオでさえ、悲惨なものだということがわかる。
多数の労働者の命と引き替えに、冷却水のループを作り、数ヶ月から数年間の冷却を行い、その後にチェルノブイリのような石棺か何かで、原子炉全体を封じ込める。
その場合でも、今開いている原子炉の穴は埋めることはできない。
いくら命知らずの特攻隊が突っ込んでいっても、おそらくそこにたどり着く前に死んでしまうだろう。
また、原子炉の圧力によっては、何度かのベントをして、意図的に放射性物質を放出することもあり得る。
いずれにしても、今ぐらいのレベルの放射能の放出が、延々と続いていくということ。
多数の労働者の命と、少なくとも現状レベルでの放射性物質の数ヶ月から数年にわたる漏出。
これが、一番「ラッキー」なシナリオだ。
被害の規模において、これ以下になることは考えられない。
これから起きることは、この一番「ラッキー」な展開から、「1号機の原子炉爆発→全面崩壊」 までの間のいずれかになる。
■■
ここまで来てしまった以上、魔法か何かをつかわない限り、そうならざるを得ない。
どこになるかはわからないけれども、そうなる ということは腹をくくるしかない。
あるものを無い といっても、本当に無くなるわけではないのだから。
50キロ程度の距離の方は、地表面の放射性物質の濃度をしっかり確認して、少なくとも管理区域とされる数値を超えたら、ただちに健康に害はなくともやがてあると思った方が良い。なければラッキーだが、可能性あるから「管理区域」なんだから。
放射性物質濃度の限度は、文科省の「放射線を放出する同位元素の数量等を定める件」という告示に書いてある。
核種によって違うのだけれど、ヨウ素131ならば
空気中濃度 限度0.1mBq/cm3 管理区域0.01mBq/cm3以上
表面濃度(降積り) 限度 40Bq/cm2 管理区域 4Bq/cm2
表面濃度はよく報道されるけれども、空気中濃度はあまり見かけない。いつもシーベルトという被曝の単位で出てくる。
しかし、シーベルトは「その時」だけの数字で、体に入ってしまう内部被曝を評価できない。
比較的原発に近い地域の方は、シーベルトよりもベクレルで判断すべきだ。
(シーベルトからベクレルを概算で推定する方法はないかさがしているけれども、まだ見つからない。)
200キロ程度の距離の方々は、東電、保安院、首相官邸 などのホームページに出る公式データと、CNICが提供してくれる解説、岩上さんが流してくれる小出先生の見解、気象庁の風向きデータ、などを睨みながら、いよいよ原子炉爆発かと思ったら果敢に逃げた方が良い。
ある程度の距離があれば、瞬時に被曝すると言うことはないだろうから、慌てずに準備して、パニックにならずに粛々と逃げ出すことが、一番命に優しい選択だと思う。
私のように、500キロ以上離れている場合は、万が一爆発ということになれば、モニタリングポストを睨みながら、判断することになる。
大きな変動が無ければ、逃げてきた人たちの収容を考えなくてはならない。
ウチの事務所でも、雨風しのぐだけならば数人は受け入れられる。
こんなところに何週間も生活できるわけないけれども、とにかく、これまでの常識を一度はずして対応する必要が出るだろう。
なにせ、風向きによっては、日本の人口の半分が避難対象になり、政府も機能維持できるのかどうか怪しいものだ。
地方行政も、現場はそれなりに頑張ってくれるだろうが、肝心のトップはあてにならない。
橋下徹などは、最初はスタンドプレーで格好のいいことを言うだろう。
が、実情はそんな格好のいい話ではすまない。泥沼になり、収拾が付かなくなったら誰かに責任を押しつけることばかり考え、「敵」を作ってイジメに走るには目に見えている。
そんな近未来を覚悟しながら、今日、明日を生きて行かなくては。
■■
それにしても、腹が立つのは、こんな大惨事になる危険は、いくらでも予見されていたのに意図的に放置されていたということだ。
原発に反対する立場の人は、口をそろえて警告していたし、基本的に原発を作るための審議会でも異論はあったのである。それを、わかっていながらカネと権威で押さえつけて、ワザと危険を放置し、そして今日の事態を作り出した。
まさに、人災。いや、「災」ですらなく、意図的な犯罪、巨大テロ行為である。
ここまでバカなことをする意味は、利権だけでは説明しきれない。
どうしても腑に落ちない。
それ故に考えた仮設が、前の記事「原発推進の正体は『日本列島を核の墓場にする計画』だったのではないか」だ。もし読んでいない方は、ぜひ一読願いたい。
前の記事と今回の記事で、私なりに全体像が見えては来た。
こうして書いてハッキリさせることで、少しは思い気持ちがマシになるかと思ったけれども、全然そういう効能はなかった。
無かったけれども、少しは前向きに気持ちがなったような気はする。
大阪にいる私が落ち込んでいる場合じゃない。

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