2011-07-05(Tue)
君が代の強制は伝統文化を破壊する
昨日は夜になって雨が降り、事務所に愛車(チャリ)を置いてきたので、あさからブラブラ徒歩通勤。
歩いていると、いろんなことが考えられる。
道すがら、大阪場所の時だけ木瀬部屋という相撲部屋になる場所がある。
プレハブの簡素な建物だ。
日本の国技といわれながら、今やほとんど誰もやらない相撲。
アメリカのベースボールにしろ、カナダのアイスホッケーにしろ、モンゴルのモンゴル相撲(ブフ)にしろ、国民の生活の中に生きている。
日本の相撲のように、プロ選手以外は誰もやらない、プロ選手ですら外国人頼みという国技は珍しいだろう。
かつては、日本の至るところで相撲はやられていた。神社の一角に土俵をつくり、村相撲が行われていた。
ところが、国策で大日本相撲協会ができ、退役した陸海軍の大将が会長を務め、じょじょに庶民の楽しみからしゃちほこばった「国技」へと変容していく。
実は、同じようなことは、伝統芸能全般にあったらしい。
顕著な例が、歌舞伎である。
もともと村歌舞伎として、庶民の楽しみであったものが、明治になって政府から演劇改良命令が出され、実施的に村歌舞伎は禁止・解体され、お高くとまった現在の歌舞伎が形成されていく。
より根っこの部分を見るならば、神様の問題だ。
日本人が長く信仰してきた鎮守の森や氏神さんを、天皇制という唯一神に統合していく過程と、相撲や歌舞伎などの庶民の芸能が解体・統合されていく過程は重なる。
ウチの近くにあるスサノオ神社も、私が良く行く天川村の天河弁財天も、もともとは神道とか仏教とかのジャンル分けされていたものではない。
牛頭天王とか、権現様とか、歴史の中で涵養されてきた信仰が、そこここにあった。
神社は、庶民の生活の中心であり、相撲にしろ歌舞伎にしろ、自分たちの神様と共にあった。
それを、天皇という言わば「外来」の神に併呑されていくことによって、伝統は解体され、よそよそしい「国技」だけが、自分たちとは縁の薄い高級品として成立していった。
天皇は、伝統芸能の元締めだと思っている人が多い。
たしかに、現在の解体・統合されたよそ行きの伝統芸能はそうかもしれない。
しかし、津津浦々に存在した庶民の笑いとパワーが込められた伝統芸能は、天皇制によって解体されたのである。
今、橋下徹というファシストが、自分の権力を強化するための道具として、天皇制を持ち出している。
君が代を歌わない教員はクビだ と叫び、実際に条例を作っている。
こういう連中こそが、明治以来、日本の伝統芸能を壊してきたんだと言うことを、知っておくべきだ。


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日本の国技といわれながら、今やほとんど誰もやらない相撲。
アメリカのベースボールにしろ、カナダのアイスホッケーにしろ、モンゴルのモンゴル相撲(ブフ)にしろ、国民の生活の中に生きている。
日本の相撲のように、プロ選手以外は誰もやらない、プロ選手ですら外国人頼みという国技は珍しいだろう。

ところが、国策で大日本相撲協会ができ、退役した陸海軍の大将が会長を務め、じょじょに庶民の楽しみからしゃちほこばった「国技」へと変容していく。
実は、同じようなことは、伝統芸能全般にあったらしい。
顕著な例が、歌舞伎である。
もともと村歌舞伎として、庶民の楽しみであったものが、明治になって政府から演劇改良命令が出され、実施的に村歌舞伎は禁止・解体され、お高くとまった現在の歌舞伎が形成されていく。
より根っこの部分を見るならば、神様の問題だ。
日本人が長く信仰してきた鎮守の森や氏神さんを、天皇制という唯一神に統合していく過程と、相撲や歌舞伎などの庶民の芸能が解体・統合されていく過程は重なる。
ウチの近くにあるスサノオ神社も、私が良く行く天川村の天河弁財天も、もともとは神道とか仏教とかのジャンル分けされていたものではない。
牛頭天王とか、権現様とか、歴史の中で涵養されてきた信仰が、そこここにあった。
神社は、庶民の生活の中心であり、相撲にしろ歌舞伎にしろ、自分たちの神様と共にあった。
それを、天皇という言わば「外来」の神に併呑されていくことによって、伝統は解体され、よそよそしい「国技」だけが、自分たちとは縁の薄い高級品として成立していった。
天皇は、伝統芸能の元締めだと思っている人が多い。
たしかに、現在の解体・統合されたよそ行きの伝統芸能はそうかもしれない。
しかし、津津浦々に存在した庶民の笑いとパワーが込められた伝統芸能は、天皇制によって解体されたのである。
今、橋下徹というファシストが、自分の権力を強化するための道具として、天皇制を持ち出している。
君が代を歌わない教員はクビだ と叫び、実際に条例を作っている。
こういう連中こそが、明治以来、日本の伝統芸能を壊してきたんだと言うことを、知っておくべきだ。


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