2011-07-06(Wed)

特定避難勧奨地点に見られる生命観

今朝のNHKあさイチを見た人も多いだろう
特定避難勧奨地点についての取材は、NHKにしてはよくわかるものだった。

問題点はてんこ盛りで、ここでは書ききれない。
ただ一点、原発災害対策における、生命観が端的に表れているな と感じた。

つまり、統計上の数字として命をとらえている ということ
一人一人の人間の命、どの命も同じ重さをもった命ではなく、統計上どれだけガンになったり死んだりするか、という数字として命をとらえている。

これ自体はめずらしいものではない。交通事故でも、自殺でも、「犠牲者を減らそう」という言い方は、すでに統計的な言い方になっている。
「減らそう」ということは、ある程度の犠牲者があることが前提になっている。一人一人の命を思えば、ゼロにしようというのが筋ではないか。

しかし、それが非現実的であることも、わかる。
なぜ非現実的かというと、交通事故も自殺も、多種多様な原因によって引き起こされ、加害者、被害者、車メーカー、道路管理者、警察、誰がどの程度責任があるのか、全てのケースによって変わってくる。
自殺になれば、もっと複雑だ。

だから、理念としては犠牲者ゼロというべきだが、現実的な施策としては「減らそう」ということになる。
しかし、原発災害はちがう。

加害者は東電と国である。
それに連なる東芝とか御用学者とか、ウジャウジャいるけれども、とにかく主犯は東電と国だ。
これは明確で、だれも文句のつけようがない。

そして、被害者には100%落ち度はない。
仮に車が暴走してきても、歩行者はよけることができるかもしれない。
しかし、原発被害は、被害者は全くどうにもこうにもならない。
空から飛行機が落ちてきたのと同じだ。

落ちるとわかっている飛行機を飛ばして、やはり落ちたようなものだ。
その時、乗客や下敷きになった住民を、一人残らず助けなければならないのは、あたりまえのことだ。

ところが、今、東電と国がやっていることは、「あなたは足の骨折れただけだから我慢しなさい」「あなたは内臓破裂だから病院に入っても良いけど自分で判断しなさい」「あなたは頭がい骨骨折だから強制入院です」 というようなこと。

被害者全員の命を、責任もって救助するという意識は毛頭無い。
統計的に、この程度の被害におさえておこう。だから、この程度の被害者は助けて、それ以下は放置しよう、という考えだ。

20mSv問題で辞任した小佐古氏も、あの数字は「校庭における放射能の許容水準を超える学校が17校にとどまるよう、政府は許容水準を比較的高いレベルに設定した」と白状している

日本の放射能問題は深刻=元内閣官房参与・小佐古氏
2011.7.2 ウォールストリートジャーナル


加害者が明確であり、被害者に100%の落ち度がない場合、こうした統計的な生命観はぜったいに許されない。被害を「減らす」という発想は、許されるものではない。

被害者は100%救助するつもりでなければならないし、結果として100%補償されなくてはならない。
東電と国の、あまりに厚顔無恥の対応に、国民のほうがだまされつつあるが、当事者である被害者はそんなこと言ってられない。

だまされることは、被害者を孤立させ、見捨てることにつながる。
国と東電は、原発災害の被害者を100%助ける義務があるんだと言うことを、国民全員が強く思い続けることが大事だと思う。





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