2012-02-07(Tue)
普天間問題・アメリカ大統領選挙・宜野湾市長選選挙
さる2月5日に宜野湾市長選挙が告示された。投票日は12日だ。
基地絶対反対のイハ洋一氏と、仲井真知事が推す佐喜真淳氏の一騎打ちになっている。
1年半前まで、現職の宜野湾市長として、普天間基地の現実と対決してきたイハ氏。
長年基地を押しつけてきた自民党が推薦する佐喜真氏。
どちらが、本気で基地に反対しているのかは、だれでも分かっているだろう。
姑息にも日米政府や日米の利権集団は、基地絶対反対のイハ氏を不利にすべく、情報戦を仕掛けてきた。
おりしも沖縄防衛局長の講話問題で、(潜在的)基地容認派には非常に不利な情勢になっていた。それを何とかしてひっくり返そうという魂胆である。
つまり、「辺野古に反対すると、普天間は固定化される」「だから容認派の候補にしたほうがいい」というキャンペーンである。
そのためには、いかにも普天間が置き去りにされるような印象を作り出さなくてはならない。
在日米軍再編:行程表見直し、首相訪米時に合意へ 「普天間固定化」加速懸念
2012.2.5 毎日
普天間の辺野古移設推進を改めて確認 日米審議官級協議
2012.2.7 朝日
もとより、グアム移転を減らして、そのぶんをオーストラリアなどへ分散移転するという方針は、アメリカの軍事上経済上の都合で生じたことだ。
また、普天間移設と切り離して移転するということも、アメリカの、というかオバマの都合で決めたことに違いない。
なにせ、アメリカは大統領選挙が熱くなっている。オバマは、中間層に手厚くするという方針で、今のところ共和党候補に対して有利に立っている。
米大統領、ロムニー氏をリード=中間層重視奏功か-世論調査
2012.2.6 時事通信
オバマにしてみれば、グアム移転や辺野古建設などにカネを使ってる場合じゃないのだ。
何のためにイラクやアフガニスタンですら、途中でほっぽり出して逃げ帰ったのか分からない。
深刻にカネがないアメリカ政府にとって、福祉も軍事も両方やれる時代は過ぎ去ったのである。
そうしたオバマの姿勢に対して、世界の東西からクーデター的な動きがおきている。
西は、言うまでもなくイスラエルのイラン挑発だ。
イランがIAEAを受け入れているにもかかわらず、イランを爆撃するぞと脅しまくっている。
アメリカにしてみれば、イスラエルにそんなことをされたら、座視するわけにも行かず、かといって手を出すためのカネもない、という二進も三進もいかない窮地に立たされる。
イスラエルとそのロビーは、それを分かったうえで、オバマを脅迫しているのであろう。
東は、もちろん沖縄をめぐる動きだ。
辺野古建設を筆頭として、在日米軍利権とでもいうべきものに食らいついているシロアリどもが、とっとと普天間を引き払って戦線をコンパクトにしたいオバマを阻止してきた。
オバマとしては、カネカネカネ であろう。移転費、移転先の整備費用、その後の運営費にいたるまで、理屈をつけて日本に負担させることができれば、移転先が辺野古である必要は全然ない。
むしろ、たまーに使うかどうか分からないような辺野古を作るくらいなら、そのカネをグアムに使ってほしいと思っているだろう。
ところが、日本の官僚組織と密接に関係を築いてきた日米軍事利権集団は、米軍が日本にいてもらわなくては困る。これまでの人脈=カネの流れが使えなくなってしまう。
そこで、オバマの方針を半ば握りつぶす形で、シファー国防次官補代理などが、辺野古建設を絶対に降ろさせなかった。
しかし、オバマにとっても尻に火が付いている。沖縄に巣くうシロアリの相手をしているのも、もう限界。
いよいよ、普天間移設と切り離して、部隊の移設を進めるということに決定した。
さすがに、シロアリどもも握りつぶしきれないと見て、その発表のタイミングを計った。
それが、2月4日。
そう、宜野湾市長選挙が告示される前日だ。
本当は米議会は「辺野古断念」と言っているにもかかわらず、地元紙以外はそれを報じず、むしろ、「辺野古に反対したら普天間はこのまま置き去りだ」というキャンペーンにしてしまった。
そして、オバマの意見表明は、投票日の次の日、13日に行うというのである。
オバマが「辺野古よりも移転費用もっと出せ」と言ってしまっては、シロアリどもにとって元も子もないので、そこまで押さえたのであろう。
そうしておいて、「辺野古に反対すると、宜野湾市民は損するよ」とキャンペーンを張り、自民党推薦候補を勝たせようとしている。
しかし、それは逆に言うと、イハ氏が勝てば、正真正銘「辺野古断念」と発表される可能性が高いということである。
本当に追い詰められているのは、じつはシロアリども、日米の軍事利権集団のほうなのである。
沖縄タイムスによれば、再編見直しのニュースが流れる直前、3日4日のの段階ではイハ氏がやや有利だったようだ。
宜野湾市長選:本紙情勢調査を実施
2012.2.7 沖縄タイムス
が、このキャンペーンはイハ氏にとって非常に厳しい風になっているはずだ。
宜野湾市民の皆さんには、真のリーダーを選んでいただきたいと、切に願うばかりである。
■追記
辺野古断念との報道のあった2月4日以降の沖縄タイムスを見ると、日米軍事利権屋がもくろむ沖縄の分断は、そう簡単にいかないことを実感する。
沖縄タイムス 普天間問題
何度も何度も煮え湯を飲まされ、それでも抵抗を続けてきた沖縄の人びとは、狭い範囲の利害だけでなく、辺野古断念というニュースをわがこととして喜んでいる。
そのうねりは、苦渋の容認をしてきた人たちにまで及んでいるようだ。
とは言え、選挙は腕力の闘いにちかいものがある。楽観はできない。
■追記2
最初の断念ニュースを流した、沖縄タイムスの平安名記者は、地元でも非常に評価の高い記者らしい。この反イハ キャンペーンのためにニュースを流したと言うことは、絶対に無さそう。
ただし、流した米側関係者の意図はまた別だ。
おそらくは、断念という部分は伏せておいて、部隊だけ移動→普天間の固定化 という部分だけの情報を流そうとしたのだろう。大手新聞は、みなこの線で横並びだ。
ところが、平安名記者のアメリカ現地での取材力で、「断念」という情報まで流れたので、日米軍事利権屋どもも焦っているのだろう


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基地絶対反対のイハ洋一氏と、仲井真知事が推す佐喜真淳氏の一騎打ちになっている。
1年半前まで、現職の宜野湾市長として、普天間基地の現実と対決してきたイハ氏。
長年基地を押しつけてきた自民党が推薦する佐喜真氏。
どちらが、本気で基地に反対しているのかは、だれでも分かっているだろう。
姑息にも日米政府や日米の利権集団は、基地絶対反対のイハ氏を不利にすべく、情報戦を仕掛けてきた。
おりしも沖縄防衛局長の講話問題で、(潜在的)基地容認派には非常に不利な情勢になっていた。それを何とかしてひっくり返そうという魂胆である。
つまり、「辺野古に反対すると、普天間は固定化される」「だから容認派の候補にしたほうがいい」というキャンペーンである。
そのためには、いかにも普天間が置き去りにされるような印象を作り出さなくてはならない。
在日米軍再編:行程表見直し、首相訪米時に合意へ 「普天間固定化」加速懸念
2012.2.5 毎日
普天間の辺野古移設推進を改めて確認 日米審議官級協議
2012.2.7 朝日
もとより、グアム移転を減らして、そのぶんをオーストラリアなどへ分散移転するという方針は、アメリカの軍事上経済上の都合で生じたことだ。
また、普天間移設と切り離して移転するということも、アメリカの、というかオバマの都合で決めたことに違いない。
なにせ、アメリカは大統領選挙が熱くなっている。オバマは、中間層に手厚くするという方針で、今のところ共和党候補に対して有利に立っている。
米大統領、ロムニー氏をリード=中間層重視奏功か-世論調査
2012.2.6 時事通信
オバマにしてみれば、グアム移転や辺野古建設などにカネを使ってる場合じゃないのだ。
何のためにイラクやアフガニスタンですら、途中でほっぽり出して逃げ帰ったのか分からない。
深刻にカネがないアメリカ政府にとって、福祉も軍事も両方やれる時代は過ぎ去ったのである。
そうしたオバマの姿勢に対して、世界の東西からクーデター的な動きがおきている。
西は、言うまでもなくイスラエルのイラン挑発だ。
イランがIAEAを受け入れているにもかかわらず、イランを爆撃するぞと脅しまくっている。
アメリカにしてみれば、イスラエルにそんなことをされたら、座視するわけにも行かず、かといって手を出すためのカネもない、という二進も三進もいかない窮地に立たされる。
イスラエルとそのロビーは、それを分かったうえで、オバマを脅迫しているのであろう。
東は、もちろん沖縄をめぐる動きだ。
辺野古建設を筆頭として、在日米軍利権とでもいうべきものに食らいついているシロアリどもが、とっとと普天間を引き払って戦線をコンパクトにしたいオバマを阻止してきた。
オバマとしては、カネカネカネ であろう。移転費、移転先の整備費用、その後の運営費にいたるまで、理屈をつけて日本に負担させることができれば、移転先が辺野古である必要は全然ない。
むしろ、たまーに使うかどうか分からないような辺野古を作るくらいなら、そのカネをグアムに使ってほしいと思っているだろう。
ところが、日本の官僚組織と密接に関係を築いてきた日米軍事利権集団は、米軍が日本にいてもらわなくては困る。これまでの人脈=カネの流れが使えなくなってしまう。
そこで、オバマの方針を半ば握りつぶす形で、シファー国防次官補代理などが、辺野古建設を絶対に降ろさせなかった。
しかし、オバマにとっても尻に火が付いている。沖縄に巣くうシロアリの相手をしているのも、もう限界。
いよいよ、普天間移設と切り離して、部隊の移設を進めるということに決定した。
さすがに、シロアリどもも握りつぶしきれないと見て、その発表のタイミングを計った。
それが、2月4日。
そう、宜野湾市長選挙が告示される前日だ。
本当は米議会は「辺野古断念」と言っているにもかかわらず、地元紙以外はそれを報じず、むしろ、「辺野古に反対したら普天間はこのまま置き去りだ」というキャンペーンにしてしまった。
そして、オバマの意見表明は、投票日の次の日、13日に行うというのである。
オバマが「辺野古よりも移転費用もっと出せ」と言ってしまっては、シロアリどもにとって元も子もないので、そこまで押さえたのであろう。
そうしておいて、「辺野古に反対すると、宜野湾市民は損するよ」とキャンペーンを張り、自民党推薦候補を勝たせようとしている。
しかし、それは逆に言うと、イハ氏が勝てば、正真正銘「辺野古断念」と発表される可能性が高いということである。
本当に追い詰められているのは、じつはシロアリども、日米の軍事利権集団のほうなのである。
沖縄タイムスによれば、再編見直しのニュースが流れる直前、3日4日のの段階ではイハ氏がやや有利だったようだ。
宜野湾市長選:本紙情勢調査を実施
2012.2.7 沖縄タイムス
が、このキャンペーンはイハ氏にとって非常に厳しい風になっているはずだ。
宜野湾市民の皆さんには、真のリーダーを選んでいただきたいと、切に願うばかりである。
■追記
辺野古断念との報道のあった2月4日以降の沖縄タイムスを見ると、日米軍事利権屋がもくろむ沖縄の分断は、そう簡単にいかないことを実感する。
沖縄タイムス 普天間問題
何度も何度も煮え湯を飲まされ、それでも抵抗を続けてきた沖縄の人びとは、狭い範囲の利害だけでなく、辺野古断念というニュースをわがこととして喜んでいる。
そのうねりは、苦渋の容認をしてきた人たちにまで及んでいるようだ。
とは言え、選挙は腕力の闘いにちかいものがある。楽観はできない。
■追記2
最初の断念ニュースを流した、沖縄タイムスの平安名記者は、地元でも非常に評価の高い記者らしい。この反イハ キャンペーンのためにニュースを流したと言うことは、絶対に無さそう。
ただし、流した米側関係者の意図はまた別だ。
おそらくは、断念という部分は伏せておいて、部隊だけ移動→普天間の固定化 という部分だけの情報を流そうとしたのだろう。大手新聞は、みなこの線で横並びだ。
ところが、平安名記者のアメリカ現地での取材力で、「断念」という情報まで流れたので、日米軍事利権屋どもも焦っているのだろう


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