2012-02-22(Wed)

どうでもいいはなし

たまにはどうでもいい話を

小学生の頃から、町に出ると本屋に行くのが定番だった。
何十年もつづけた習慣が、昨年の3月以来途絶えている。

本屋に行かないわけではないが、意味もなく本を眺め歩いたり、ダラダラと時間を潰すことはなくなった。
本屋にいても、昔のように気持ちが落ち着かなくなってしまったのだ。
むしろ、並んでいる本を見ていると、なぜかイライラが募ってくる。

書架の本を乱暴に大別すると、「こんなことがある」と書いてある本、「おれはこんなにすごい」と書いてある本、あとはフィクションだ。
フィクションはまだいい。それでも、荒唐無稽なのは見る気もしないし、かと言ってやたらとリアルな経済小説はやはり読みたくない。
自然とハズレのない推理小説なんかに流れていく。何も考えたくないときは北森鴻か逢坂剛。
(北森鴻は一昨年の末に亡くなっていたことを、先日知った)

でも、こんな小説で現実逃避をしても限界がある。何よりも、ただでさえ足りない睡眠時間を削ってしまうので、体力がもたない。
で、否応なく娑婆に戻ってくると、「こんなことがある」と、「おれはこんなにすごい」がオンパレード。もうええ! と言いたくなる。

たしかに新聞やテレビがウソ八百並べるから、本や雑誌は時事的な問題でも貴重な情報源になっている。原発事故についても、たくさんの本がこの1年足らずで出版された。
いままでゲンパツなんて関わりになると怖いって思っていたような人たちが、ホントのことを知ったことは大きい。

でも、誤解を恐れずに敢えて言うと、「こんだけひどい」という事実をこれでもかこれでもかとねじ込まれると、「もうわかったから、勘弁して」という気持ちになってしまう。
解決策どころか、解決の希望のカケラもない今の状態っていうのは、気持ちをキープするには相当ヘビーだ。

実は、そのへんに橋下徹のようなファシストが跳梁跋扈する原因がある。夢も希望もない、あまりにもヘビーな状態におかれると、多くの人は(ほとんど詐欺と分かっていても)現実逃避させてくれるリーダーに依存してしまう。

そういう目で本棚を眺めてみると、橋下ほどではないにしろ、まあ似たり寄ったりのが並んでいる。まあ、どうしてこんなにエラそうに人にものが言えるんだろう、てな調子の本がどこまでもどこまでも続いている。

同じ原稿を何回も何回も使い回して、「てにをは」とちょっとしたエピソードだけ入れ替えて新しい本にして、売り続ける。
ただの思いつきを、まるで世界の法則のように断言して、何でもかんでもその論法で説明してしまう。

荒稼ぎする自分を見る醒めた自分はいないのだろうか。
いったい、どうやったらあんなハイテンションを維持できるのだろうか。
文章に、ウソが混じったと感じた瞬間に、書くことが苦痛にならないのだろうか。

羨ましいと感じることもある。
自分の提案に、絶対の確信を持って、喧伝しまくることができたら、どんなに幸せだろう。

しかし、どんなに良い提案を考えても、かならず欠点はある。100%なんてアリエナイ。
まして住まいのような複雑系では、常に答えは比較級でしかない。
ベターはあるが、ベストは存在し得ない。

世の中何でも同じだと思う。
けども、そうやってゴニョゴニョ言っているのは、ぜんぜんウケない。
ウケないけれども、今日もまたゴニョゴニョと言い続けるしかないんだな。
あ~あ
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comment

No title

しかし、今朝の朝日新聞のインタビューみたいに小沢氏までがファシスト橋下氏を大絶賛するに及んでは、もはやどうしよもない、ということになるのでしょうか。あるいは、これは「戦略的」なものであり、小沢氏は橋下氏とは違うんだ、ということなのでしょうか。まともに橋下批判してる勢力といったら、共産党だけになってませんか。如何でしょう。ご意見を伺いたいです。

No title

訂正、

橋本サン、橋本イズム(誤)→橋下サン、橋下イズム(正)

No title

それでも現実は次々と新たな事実を突き付けてくるが、植草氏が橋本サンの本質を見事に喝破している。
ヒトのアタマをお借りして客観 把握するのも一策。


橋本イズムは、・・対米隷属・市場原理主義・官僚利権温存が三本柱ということになると、これは、ほとんど、小泉竹中政治と同じものになる。
 
 恐らく、いや、必ず自民党の小泉・竹中組、すなわち小泉進次郎が合流して来るだろう。すべてはメイドインUSAなのだ・・(以下に)http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/post-4965.html
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