2012-07-13(Fri)

いわゆる「いじめ」問題についてのメモ

大津市の中学校の件について、連日マスメディアの報道は過熱している。

私が気になる、というか非常に嫌な印象をうけるのは、この事件が、特殊な教育委員会と特殊な教師と特殊な生徒による異常な事件であるかのように、報道されることだ。
テレビを見て「けしからん」とか言ってるあなたは、自分の地域の学校のことを分かっているのか?と言いたくなる。

悲しいことに、この国は毎日100人が自殺している。未成年が1日に2人、中高生に限っても毎日1人に近い。また、学校問題が原因とハッキリしているだけでも5日に1人。
大津市のようなことは、この国のいたるところにゴロゴロしているということだ。
しかも、今に始まったことじゃない。ここ何十年も、毎日毎日一人ずつ中高生は自殺し続けている。

20120713-1.jpg

問題は、なぜこのような袋だたき的な報道がなされるのか、ということと、じゃあどうするんだ ということ。
答えなどサラサラとでるわけないが、思いついたことをメモしておきたい。

もちろん、教育委員会も教師も生徒も、叩かれるに値することはやっていたのだろうと思う。
しかし、なぜここに集中するのか、いわば無関係の全国民がこぞってバッシングを続けるのか。どうにも腑に落ちない。

すくなくとも、この事件の余波は、全国の学校の管理強化と道徳教育の「充実」ということになっていくだろう。
問題を起こした(発覚させた)教師は、厳しく評定される。問題を起こしそうな生徒は(加害被害を問わず)早急に退学させる。万が一事件が起きたときは、ためらわずに警察に通報する。

その一方で、道徳の時間を増やして御為ごかしを並べる。もちろん、何かやってますよというアリバイ作りのために。
だいたい、エラそうなヤツほど中身は腐っているのであって、道徳教育など腐った中身を隠すラップに過ぎない。

学校の総元締めの文科省は何をやったか。
SPEEDIの速報を隠蔽し、何十万人、何百万人に防げるはずの被曝を強要した。この、究極の自己保身と隠蔽の組織が、道徳教育など片腹痛い。

隠せる限りは徹底的に隠す。隠しきれないときは、ばっさり退学させる。
万が一の時はすぐに警察をよんで、個人の問題にする。

今、全国の学校では、生き残りをかけて、発生(実は発覚)防止策を練っているだろう。シュレッダーゴミの量はハンパ無いはずだ。

こうした流れの中で、それでも学校で生き続けなければならない子どもたちは、いよいよ追い詰められていく。
じゃあどうしたらいいのか。

学校にまだ何か期待をするべきなのか。
あるいは、そういう幻想は捨てて現実的に危機的な子どもを保護することに専念するべきなのか。

夜回り先生こと水谷修さんは、この事件に関しては後者の立場で発言している。

(以下引用)

http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00226921.html

実はいじめの問題って非常に難しくて、僕は、学校や教育委員会は、この例を見てもわかる通り、もう分析もできなければ、反省もできない、対処もできないですよ。
だって当事者じゃないですか、学校自体も。当事者が当事者を裁いたりとか、正確な判断はできない。
例えば原子力発電所の事故に関しても、第3者機関をきちっと設立する、それを作ればいいんだけど、作らなくても実はあるんです。
いじめというのは、すでに法務省が人権侵害として認定しています。
人権侵害に関しては、人権擁護局というものが動きまして、すべての全国のこの中学校の学区にも、何人かの人権相談員の方がおられて、そこが客観的に判断をして、いじめの事実がどういうものだったか。そこには、例えば刑法犯的な要素があれば、警察に介入していただいたり、速やかにこれ、教育委員会じゃなくて、人権擁護局の方に、人権侵害事案として、きちっと第3者に判断してもらわなければ、何の解決にもならないと思います。


(引用以上)

目の前の問題に関しては、こうした手法をとらなくては、ぼやぼやしているうちに命が尽きてしまうということは、切実であり説得力がある。

しかし、それは親がかなりサポートできる場合に限られるし、毎日毎日をすごす学校はどんどん殺伐とした場所になっていく。
子どもの自傷や自殺全般の問題では、親が一番の「加害者」であるという可能性もあったりする。

話の通じない親で、隠蔽体質の標準的な学校に通っている子どもが、ひとたび何かトラブルになると、もうホントに逃げ場がない。

一人一人の救済という意味では、水谷さんの言うような策をとらなくてはならないだろうが、少しでも子どもの行き場(生き場)を作ったり、イジメの連鎖を減らしたりするのは、やはり政治のテーマだ。

政治も教育と同様に、絶望とあきらめでしか語られないから、政治で何とかしようという話は冷笑をもって迎えられそうだ。
しかし、そのあきらめが、実は諸相の根源なのだ。

押し寄せる洪水には避難する必要があるが、洪水を少なくしたり水のでない場所での都市計画なども、当然ながら必要だ。
その都市計画が、いま東北で行われているような大資本や外資主導の儲け話になってしまうのか、住民主体の計画ができるのか、これはやはり政治のテーマだ。

教育だってそう。政治で全てが解決できないし、目の前の子どもを救うことはできないが、これから生まれ生きていく子どもたちのためには、あきらめてはいけない。

先日結党された「国民の生活が第一(KSD)」を、私は色んな意味で応援したいとは思っているが、来週発表される政策のなかで、教育や子育てに関してどのような見識をもって望むのか、先入観無く注目し評価したいと思う。


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comment

> いわば無関係の全国民がこぞってバッシングを続けるのか。どうにも腑に落ちない。

無関係の全国民の多くは明月さんのように「のびのび」と生きてはいないからだと思う。
しかも互いに暗黙の了解で自らそう仕向けて居候のように肩身を狭くして暮らしている。
そこへ今度のような事が聞こえてくると、「同じ居候のくせに羽目外しやがって、生意気なんだよッ!」となるのである。
そんな「ちまちま」した生き方を当然だと思わされていると、実はそう追い込んでいる元凶は悪徳家主であっても、決してそこには憎悪は向かわない。もっぱら、叩くのにハードルが低い同類に向かうのである。
つまりは、国民一人ひとりを自立した人間に育てようとしてこなかったこの国のツケだ。

後半

小沢さんに任せるなんて書いてないですが、オザワという単語を耳にしただけで拒否反応を起こして、冷静に判断できなくなるという構造も、ある意味イジメと同じなんじゃないでしょうか。
実に多くの人にその傾向は見られますが

前半賛成、後半反対

おはようございます(いま7月14日4:00頃です)

前半賛成、後半反対です。

前半、特に夜回り先生の言葉。現場から意見には共感します。
いじめの定義「一定の関係にあるこどもから攻撃されて精神的な苦痛を感じればいじめととらえる」
だから、たまたま機嫌の悪いとき精神的苦痛を感じたら、それもいじめなんですよね。
神でない限りそれと自殺の関係は特定できないでしょう。
でも、それにしてもまだベターな方法として人権擁護局もひとにゆだねるってあるでしょう。

後半、その神の判断を小沢さん「国民生活第1党」に任せるって、僕にはできないです。そう思ってるひとも少なくないでしょう。
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