2012-08-15(Wed)
静かなるアウシュビッツ
アウシュビッツのような阿鼻叫喚が、目の前で繰り広げられているわけではない。
ゲシュタポによって、目に見える暴力で収用されているわけでもない。
ガス室のように、一人残らず即死するわけでもない。
しかし、一見フツウに見える街の姿に、アウシュビッツ収容所のイメージが重なる。
早川由紀夫さんが発表されている地図の裏面に、こんな資料がある

チェルノブイリ事故に対するウクライナの基準をあてはめて、同じ縮尺で比較した地図。
福島県の都市が集中する中通りが移住権利区域にあたり、東京東部をふくむ広範な地域が放射能管理強化区域
になっている。
この地図に示されているのはセシウム137による外部被曝だけであり、他の核種は入っていないし、何より内部被曝は考慮されていない。
その基準においてすら、このような状況なのである。
※ ウクライナの避難基準について詳しく知りたい方は、→ 今中哲二さんの論文「ウクライナにおける法的取り組み」
チェルノブイリでは、このような措置をとったにもかかわらず、事故後5年以上が経過してからであり遅きに失したこと。そもそもこの基準では不十分だったことなどから、甲状腺や白血病を始め多くの健康被害が出てしまった。
振り返って、今の日本。
ピンクの中に、何百万人もの人びとが、まるで何事もないかのように暮らしている。
実際には、微量でも重大な内部被曝を引き起こすストロンチウム90は、ピンクの外側でも検出されている。
だから、ピンクの地域は「最低限」の範囲。本当はもっと広範囲のはずだ。
にもかかわらず、そこにはまるで3.11前と変わらないかのような暮らしがある。
「がんばろう」とか「絆」とか言われながら。
もちろん、中通りなどの目に見えて線量の高い地域の人々は、心の中は不安で一杯のはずだ。
しかし、それを口に出すと「放射脳」とののしられる。
避難したくても家族に遮られるという事態さえ珍しくないという。
見えない壁に閉じ込められた収容所と言ったら言いすぎだろうか。
低線量の放射線は毒ガスのように即死はさせないが、どんなにがんばってもDNAの絆を破壊し続ける。
それがどんな結果をもたらすのかは、広島、長崎、チェルノブイリの経験が物語っている。
福島県外にいたっては、危ないという認識すら薄い。
しかし、放射性物質は、県境を見分けることはできない。
■■
これまで3回の悲惨な経験を持ちながら、なぜ日本政府は何の対策もとらないのか。
その疑問の回答は、ふくしま集団疎開弁護団の柳原弁護士の言葉にあった
「6.24」一周年の思い――なぜ、ふくしまで集団疎開が実現しないのか
日本政府くらいチェルノブイリ事故から学び尽くした連中は ほかにいないのではないか。だから、3.11以降の日本政府も三大政策を曲がりなりにも着々と実行できた。
(引用以上)
三大政策 とは 「情報を隠すこと」 「 事故を小さく見せること」 「様々な基準値を上げること」
日本政府が福島や関東東北の人びとを放置しているのは、無能なのではなく、確信犯だったのだ。
無能どころか、チェルノブイリに学び尽くした結果、絶対に責任を取らないという覚悟を決めて進めていることだったのだ。
1年半という時間は、すでに様々な健康障害を引き起こしている。
日本では報道されないので、海外の報道を逆輸入する必要がある。
同じく ふくしま集団疎開裁判のブログから
【世界が注目】今、ふくしまの子どもたちが危ない、と欧米の専門家が警鐘
部分的な引用はしないので、元記事を読んでいただきたい
米国のニュースサイト「Business Insider」に掲載された記事の訳文である
■■
行動を
何もしないことが、言われるままに行動することが、何を結果するのか。
敗戦記念日の今日、心をえぐって省みたい。
一人でも多くの避難を。
汚染の実態を知らしめること。
被曝の、なかでも内部被曝の危険を周知すること。
それを可能にする政治を手にすること。
まず、できることから始める。
8月31日(金) 未来を作るフォーラム ~原発事故避難者と私たち
関西へ避難してくる人のために、健康相談を充実させていきたい。
何か手伝いたいけど、一人じゃ無理 と思っている方にも、ぜひ集まっていただきたい。
イベントは平日の昼なので参加できなくても、今後の活動に関心のある方は、メールください
(左サイドにメールフォームあります)
そしてもうひとつ
8月19日(日) 政治と生活を考える会 政経フォーラム
国民の生活が第一 の 中村てつじ議員、三宅雪子議員、熊谷貞俊議員 の講演
質疑応答も充実
政治と生活を考える会は、市民運動として政治家の活動とつながろうという、画期的なプログラム。
こちらもご参加を
■■
今進行しているもう一つの、というか、おそらくもっとも大きな枠組みの事態は、日本を世界の核廃棄物処分場に という動きだ。
私情を排して、世界から日本がどう思われているか、考えてみよう
「津波と放射能で可哀想」という同情もあるだろう
その一方で、「どうせ汚染されてしまったし、極東の離れ小島なんだから・・・」と、虎視眈々とヨダレを垂らして狙っている目がある。
時間がなくなってきたので、これまでも何度も引用した過去記事のリンクのみ
原発推進の正体は「日本列島を核の墓場にする計画」だったのではないか
「フクシマを核処分場にする計画」を改めて検証してみる
ひとつだけ、注意を
「どうせ汚染されてしまったし、極東の離れ小島なんだから・・・」
これ、どっかで聞いたことありませんか?
「どうせ汚染されてしまったし、福島に集めておこう」
まったく同じロジック。
モラルハザードだと言うことに、脱原発を言う善意の人びとまでが気がつかない不思議。
そこには、責任 ということばが完全に欠落している
日本オンカロ計画については、また別の記事で検討してみたい


にほんブログ村
応援お願いします
ゲシュタポによって、目に見える暴力で収用されているわけでもない。
ガス室のように、一人残らず即死するわけでもない。
しかし、一見フツウに見える街の姿に、アウシュビッツ収容所のイメージが重なる。
早川由紀夫さんが発表されている地図の裏面に、こんな資料がある

チェルノブイリ事故に対するウクライナの基準をあてはめて、同じ縮尺で比較した地図。
福島県の都市が集中する中通りが移住権利区域にあたり、東京東部をふくむ広範な地域が放射能管理強化区域
になっている。
この地図に示されているのはセシウム137による外部被曝だけであり、他の核種は入っていないし、何より内部被曝は考慮されていない。
その基準においてすら、このような状況なのである。
※ ウクライナの避難基準について詳しく知りたい方は、→ 今中哲二さんの論文「ウクライナにおける法的取り組み」
チェルノブイリでは、このような措置をとったにもかかわらず、事故後5年以上が経過してからであり遅きに失したこと。そもそもこの基準では不十分だったことなどから、甲状腺や白血病を始め多くの健康被害が出てしまった。
振り返って、今の日本。
ピンクの中に、何百万人もの人びとが、まるで何事もないかのように暮らしている。
実際には、微量でも重大な内部被曝を引き起こすストロンチウム90は、ピンクの外側でも検出されている。
だから、ピンクの地域は「最低限」の範囲。本当はもっと広範囲のはずだ。
にもかかわらず、そこにはまるで3.11前と変わらないかのような暮らしがある。
「がんばろう」とか「絆」とか言われながら。
もちろん、中通りなどの目に見えて線量の高い地域の人々は、心の中は不安で一杯のはずだ。
しかし、それを口に出すと「放射脳」とののしられる。
避難したくても家族に遮られるという事態さえ珍しくないという。
見えない壁に閉じ込められた収容所と言ったら言いすぎだろうか。
低線量の放射線は毒ガスのように即死はさせないが、どんなにがんばってもDNAの絆を破壊し続ける。
それがどんな結果をもたらすのかは、広島、長崎、チェルノブイリの経験が物語っている。
福島県外にいたっては、危ないという認識すら薄い。
しかし、放射性物質は、県境を見分けることはできない。
■■
これまで3回の悲惨な経験を持ちながら、なぜ日本政府は何の対策もとらないのか。
その疑問の回答は、ふくしま集団疎開弁護団の柳原弁護士の言葉にあった
「6.24」一周年の思い――なぜ、ふくしまで集団疎開が実現しないのか
日本政府くらいチェルノブイリ事故から学び尽くした連中は ほかにいないのではないか。だから、3.11以降の日本政府も三大政策を曲がりなりにも着々と実行できた。
(引用以上)
三大政策 とは 「情報を隠すこと」 「
日本政府が福島や関東東北の人びとを放置しているのは、無能なのではなく、確信犯だったのだ。
無能どころか、チェルノブイリに学び尽くした結果、絶対に責任を取らないという覚悟を決めて進めていることだったのだ。
1年半という時間は、すでに様々な健康障害を引き起こしている。
日本では報道されないので、海外の報道を逆輸入する必要がある。
同じく ふくしま集団疎開裁判のブログから
【世界が注目】今、ふくしまの子どもたちが危ない、と欧米の専門家が警鐘
部分的な引用はしないので、元記事を読んでいただきたい
米国のニュースサイト「Business Insider」に掲載された記事の訳文である
■■
行動を
何もしないことが、言われるままに行動することが、何を結果するのか。
敗戦記念日の今日、心をえぐって省みたい。
一人でも多くの避難を。
汚染の実態を知らしめること。
被曝の、なかでも内部被曝の危険を周知すること。
それを可能にする政治を手にすること。
まず、できることから始める。
8月31日(金) 未来を作るフォーラム ~原発事故避難者と私たち
関西へ避難してくる人のために、健康相談を充実させていきたい。
何か手伝いたいけど、一人じゃ無理 と思っている方にも、ぜひ集まっていただきたい。
イベントは平日の昼なので参加できなくても、今後の活動に関心のある方は、メールください
(左サイドにメールフォームあります)
そしてもうひとつ
8月19日(日) 政治と生活を考える会 政経フォーラム
国民の生活が第一 の 中村てつじ議員、三宅雪子議員、熊谷貞俊議員 の講演
質疑応答も充実
政治と生活を考える会は、市民運動として政治家の活動とつながろうという、画期的なプログラム。
こちらもご参加を
■■
今進行しているもう一つの、というか、おそらくもっとも大きな枠組みの事態は、日本を世界の核廃棄物処分場に という動きだ。
私情を排して、世界から日本がどう思われているか、考えてみよう
「津波と放射能で可哀想」という同情もあるだろう
その一方で、「どうせ汚染されてしまったし、極東の離れ小島なんだから・・・」と、虎視眈々とヨダレを垂らして狙っている目がある。
時間がなくなってきたので、これまでも何度も引用した過去記事のリンクのみ
原発推進の正体は「日本列島を核の墓場にする計画」だったのではないか
「フクシマを核処分場にする計画」を改めて検証してみる
ひとつだけ、注意を
「どうせ汚染されてしまったし、極東の離れ小島なんだから・・・」
これ、どっかで聞いたことありませんか?
「どうせ汚染されてしまったし、福島に集めておこう」
まったく同じロジック。
モラルハザードだと言うことに、脱原発を言う善意の人びとまでが気がつかない不思議。
そこには、責任 ということばが完全に欠落している
日本オンカロ計画については、また別の記事で検討してみたい


にほんブログ村

- 関連記事
-
- 津波被害はなぜおきたのか (2013/03/04)
- 「放射性物質汚染対処特措法」というわかりにくい法律のウラで全国に流通する放射性肥料 (2013/02/15)
- ライブミーティングを終えて (2013/02/02)
- 「被曝強制内閣」とたたかうために(前編) (2013/01/06)
- 「即時廃炉」の夢想と、「即時停止、10年以内廃炉」の政策の違い (2012/11/27)
- 11/7「汚染がれき受け入れNO!近隣7府県一斉アクション」について (2012/10/27)
- 8/31未来をつくるフォーラム~原発事故避難者と私たち 実行委員会の風景から (2012/08/24)
- 静かなるアウシュビッツ (2012/08/15)
- 胸を張って逃げる権利を! 8月31日未来をつくるフォーラム@大阪 (2012/08/06)
- 【本日18時!】 紫陽花「行動」へ (2012/07/06)
- 警察とは「正しく」対決しよう -紫陽花革命進行中- (2012/07/05)
- 今すぐ 大飯のライブ映像を見て下さい (追記あり) (2012/07/01)
- それ 言っても良いんだよ -紫陽花革命進行中- (2012/06/28)
- 【徹底拡散】日本学術会議が「核ゴミの地層処分は無理」と報告 (2012/06/20)
- ガレキについてまず言うべきは「燃やすな」 (2012/06/12)