2012-09-06(Thu)

今だからこそ政治を語ろう

「未来をつくるフォーラム」の開催に関わり、実行委員会をやってみて感じたことは、市民運動をしている人たちのエネルギーのすごさと、同時に政治的な諦観(あきらめ)だ。

それは分からないでもない。反原発や色んな問題に、一所懸命に取り組めば取り組むほど、政治が頼りにならないことが実感されるのだから。

避難者支援という、もっとも政治が動かなくてはならない課題についても、実にパワフルな実行委員の面々に政治への期待は見られない。

それでなんとかなるのならば、それでもいい。が、被曝隠し、被曝者棄民のやり口を見ていると、政治にコミットせずに済ますことはできないだろうと考えざるを得ない。
別の言い方をすると、敵は一連の悪事を体系的な因果関係をもって実行してくる。それに対するに、シングルイシューで声を上げても、あまりにも無力なのではないか、という気がしてならない。

もちろん、声を上げること自体は必要だし貴重なことだ。官邸前をはじめとする金曜行動も、これまで無言の圧力の前に、一言半句たりとも意思表示の機会がなかった多くの人が声を上げることに気がついたという意味で、非常に大きな意味がある。

しかし、平和裏のうちに10万人20万人が集まって原発が止まるかというと、残念ながら絶対に止まらない。
なぜ止まらないのか。これだけの声を無視することは、自らの選挙にリスクはあるはずなのに。
要は、どちらのリスクが高いか、ということだ。

いかに極悪民主党といえども、できれば有権者にウケのいいことをやったほうが、選挙で楽なのは言うまでもない。しかし、いまそれをせず、あえて極悪政策を立て続けにおこなっているのは、それをやらなかったときのリスクが、有権者に嫌われるリスクよりも大きいからだ。

官僚のサボタージュに始まり、スキャンダルの暴露、検察による言いがかり起訴、マスメディアによる総攻撃、「米国を怒らせた」という脅迫、暗殺。
選挙のリスクどころか、選挙にたどり着く前に政治家として抹殺されてしまうリスクのほうが、はるかに大きいのだ。

そんな大げさすぎる、というなかれ。暗殺以外は、この2年半のあいだ、小沢一郎をめぐって私たちの眼前で繰り広げられてきたことだ。そのまんまだ。
たぶん、小沢以外の政治家であれば、とっくの昔に消し飛んで、運がよければ陶芸でもやりながら隠居生活、運が悪ければ獄中生活、場合によればあの世で雲上生活だ。

■■
反対の声を上げること自体の意義は大きいとしても、それだけでは困ってしまう問題もある。
その最たるものが、被曝の問題、放射能汚染の問題だ。

前の記事でも書いたとおり、東日本の汚染は、一般に認識されているよりかなりひどい。

早川マップ(7訂版)


放射能による健康障害は、すでに続々と起き始めているが、本格的に白血病や甲状腺ガンが発症するのはこれから数年と言われている。

健康障害は意図的に隠されているので、なかなか体系的な統計が出ないが、下記のサイトがかなり頑張って情報を収集・整理してくれている

みんなのカルテ
ツイッターアカウントは @FRCSRJP

ひとつ、象徴的な話を聞いた。
郊外楽園プロジェクトの仲間が、7月にボランティアで石巻に行ったときの話。
ガレキ整理をしている別のボランティアの青年のズボンに、ガイガーカウンターをあてると、なんと8μSvあったという。

濡れて乾いてで濃縮したと言うことはあるのだろうが、それにしても、宮城県の北にある石巻で、作業をしていただけで8μSvとは・・・
さすがに、この話を聞いたときは絶句した。が、計った本人から聞いているので、間違いはない。

石巻は、上記の早川由紀夫先生の汚染マップでも、それほどひどい地域ではない。
それで、8μSv。

ましてや、福島市などの中通り地方や南相馬などは、即刻避難すべき場所なのではないか。
東京の東部だって、石巻よりもかなり濃いのだ。

しかも、早川先生のマップには、ストロンチウムなどは入っていない。セシウムがあるところには、一定の割合でストロンチウムがあると見るべきだ。そして、ストロンチウムは体内に入った場合、桁違いに少ない量で健康被害を引き起こす。

少なくとも100万人にかなり深刻な健康リスクを与え、1000万人の生活に影響をもたらし、海と食品を介して全国に被曝は広がっていく。
これほど、どうしようもなく巨大な問題だからこそ、政治は無視抹殺することを決定し、強固な意志をもってそれを貫徹しようとしている。

この被爆者を見えない檻に閉じ込めて見殺しにしようという政策を、変えることができる可能性は、やはり政治にしかない。そして、その政治とは、革命に等しいくらいの覚悟をもった政治でしかありえない。

今の為政者達に、いくらお願い運動を展開しても、決してなにも解決はしない。
妥協の余地のある問題は、そういう手法もとるべきだが、巨大すぎる問題には、今の為政者(民・自・公)は絶対に手を触れない。触れば自らの命取りになることを本能的に知っているからだ。

■■
何が政治家にとって命取りか。その最大のものが「アメリカの意向に逆らうこと」だ。
これは、外交や防衛だけの問題じゃない。
日本というのはアメリカのアジア戦略のコマだ。コマとしてのあり方は、政治、産業、国民生活の全般に及んでいる。その重要ポイントにおいて、アメリカの意向に逆らっていないかどうか、それを政治家は敏感に察知しながら態度を決めている。

オバマ政権が発足して以来、日本のネオコン=小泉一派はなりを潜めてきた。が、大統領選をひかえて共和党が息を吹き返すとともに、亡霊のように小泉の暗躍が始まり、民・自・公の内部でも、大統領選の代理戦争ような様相を呈している。

橋下維新は、一度はアメリカの奴隷頭の権利を約束されていた。が、オバマによるアジア戦略のなかで、従来の日米安保マフィアがやや勢力を失い、かわって野田がオバマの忠実な僕として機能しはじめた。

5月の日米会談で、橋下は登りかけたはしごを外されて転落しかけた。
ところが、ふたたび勢いを吹き返した共和党系の安保マフィアに拾われて、小泉・安部と組んで野田から主導権を奪おうとしている。

奴らの目には、被災者も被爆者も国民も、まったく映ってはない。
そして、アメリカからの指令は、どっちに転んでも、補償をするな だ。

オバマが野田にやらせることは、直接カネをむしり取ることと、自衛隊に米軍の肩代わりをさせること。
安保マフィアが橋下・安部にやらせたいのは、軍事や復興の利権をガッツリと搾り取ること。

言ってみれば、オバマはこれまで飼ってきた鶏を潰して食おうとしている。
安保マフィアは、もっと卵を産ませて全部食おうとしている。

手法は違うが、食い物にされるのは同じ。
そして、どっちに転んでも、巨額の被曝補償や避難には1円たりとも出したらいけない、という強固な統一された意思が貫徹されている。

■■
おそらく、一定の空中線量の地域にいたことの証明される甲状腺ガンの人だけが、被曝による健康被害と認定され、それ以外の一切が「気のせい」だの「酒の飲み過ぎ」だのと言われて切り捨てられるだろう。

市民レベルでの避難支援の活動は、できるだけのことはしていきたいと思う。
「未来を作るフォーラム」の実行委員会は、「避難者と未来をつくる会」として、これからも健康相談会等々、避難する人たちに必要なことをやっていく。
協力いただける方には、ぜひ一緒に参加していただきたい。

が、しょせん規模の大きさからみればごまめの歯ぎしりだ。
悔しいけれど

これを変えるには、やはり政治を変えるしかない。
アメリカの顔色をうかがいながら戦々恐々としている連中、口だけは威勢がいいがいざとなったら決断できない連中から、国民の命のために実行してくれる政治家に権力を預けるしか、打開する方法は思いつかない。

100兆円ちかく貯め込んだアメリカ国債を、ちょこっと売り払えば、かなりの補償はできる。
特別会計にばっさりとメスを入れれば、ベクレル測定も、広範囲な農漁業の補償も、被曝を前提にした健康診断も治療もできる。

そこにある国民のカネを、国民のために使うことが、こんなに難しい。。。
外交も、メディアも、検察も、あらゆる既存権力を、一気呵成に解体再編しなければ、また鳩山政権の二の舞になる。
だから、革命に匹敵する覚悟と実戦が必要だ、と書いたのである。

正直な感想として、今の「国民の生活が第一」に、そこまでの力があるかというと、かなり心許ない。小沢一郎の頭の中には青写真はあるかもしれないが、党としての力量はかなり難しいような気はする。
しかし、陸山会事件と、6月クーデターという2回の強烈な体験を乗り越えてきた分、2年前の民主党小沢グループよりは力を付けてこられたはずだ。

一朝一夕というわけにはいかないかもしれないが、放射能は止まっていてはくれない。被曝は進み、すでに被曝した細胞の障害は進行していく。

一刻も早い、再政権交代をどうやって成し遂げるのか。
それを考えるための礎として、今話題の孫崎さんの「戦後史の正体」は必読だ。

9月30日、大阪で孫崎さんのお話を聞ける 政治と生活を考える会「政経フォーラム」が開かれる。
懇親会まで参加すれば、直にお話しができるかもしれない。

詳細はこちらを →  緊急開催!「第7回 政経フォーラム」 『最大のタブーに迫る! 戦後史の正体』

被爆の問題をはじめとして、ほんとに困ったことが山積みの今だからこそ、政治を語ろう

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政府は"特権集団"の権益を増大するために存在している

我ら人民は決して特権集団ではない Prof. John Kozy 2012年7月13日 johnkozy.com 雇用を清算せよ、株を清算せよ、農民を清算せよ。不動産を清算せよ。それにより、体制から腐敗が一掃されるだろ

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> そんな大げさすぎる、というなかれ。暗殺以外は、この2年半のあいだ、小沢一郎をめぐって私たちの眼前で繰り広げられてきたことだ。そのまんまだ。

今日9/11の孫崎氏Twitter:手紙を投函されたところ、その内容が第三者によって勝手にFAXで流されたらしい。「手紙も書けない」と。
孫崎氏にしてみれば、試しに魚肉を海に放り込んだら、すぐにサメが寄って来てガブッとやって、「おお、やっぱりそこに居たか!」というところだろう。
だが、こんな「犯罪」を放って置いていいのか?!

> それを考えるための礎として、今話題の孫崎さんの「戦後史の正体」は必読だ。

孫崎氏Twitterによると、外務省には「何で君が孫崎の本など読むのか」と訝る人もいるという。
これは、「アメリカの犬のどこが悪い」と開き直っている。死ぬまで変わらないだろう。
だが、今の若い人もケッコウこのDNAをしっかり受け継いでいるのではないか。

孫崎氏が講演で冗談を言われる-「もし重光外相がGHQに逆らわないで、公用語を英語にされていたら、皆さんはもっと英語が達者になっていたでしょう(笑」

そこで身近な若者にこの話をしたら、ポカ~ンとして、「何で公用語が英語じゃいけないんすかね」と返されてしまった。仕事はよくできてもこれである。

先日ご出演のFM J-WAVEでも「戦後史の正体」を語られていたが、番組の合間に度々入るナレーションは殆どネイティブ発音の英語で、流す音楽もまた然り。「八木節」など、絶対にかからないのである。

「アメリカ第一」の浸透ぶりは深刻だ。天木直人氏が「『戦後史の正体』が世に出たここからが始まりだ」と言われていたのも頷ける。
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