2012-09-11(Tue)

9.11に思う

11年経った。

あの日、妻の実家でたまたまテレビを見ていた。ユナイテッド航空の激突は、まさにリアルタイムで映像を目にした。もちろん、その後のビル崩壊も。

こんな「テレビでも見ているような」映像が、テレビから流れていることが信じられなかった。
そして、月日が経つにしたがって、本当に信じなくなった。

いまさらここで繰り返さないが、この事件はあまりにも多くの不審事がありすぎる。
ほぼ間違いなく、これは謀略(ヤラセ&誘導)であったろうと私は思っている。
1から10までCIAの自作自演ではないにしても、真珠湾に誘い込まれた馬鹿な日本軍のようなことを、どっかの反米勢力が演じさせられたのだろう。もちろん、ビル崩壊のおまけは、仕込みにちがいない。

なによりも、この一件を引き金にして、世界のありようが変わってしまった。
冷戦後のポジションを決めかねていた米国、なかでも産軍複合体は、水を得た魚のように「テロとの戦い」に乗り出した。

日本においてもまた、小泉というドはずれた従米総理をもてはやし、Show the flag とか言われてついに自衛隊が自衛とは縁も縁もないただの軍隊になってしまった。
日本がこれまでの日本ではなくなった瞬間だったのだが、あいにく国民にその自覚は薄かった。

小泉政治の酷薄さはいくらでもあげることができるが、その全ては「Show the flag」に始まっている、凝縮されているということを理解しておくべきだろう。
米国の属国として、戦場に赴く。そのためには、日本はどうあるべきなのか。そこから全ては導き出されていった。

しかし、あまりにも犠牲の大きなブッシュと産軍複合体のこの戦略には、揺れ戻しがきた。それが、悲願の黒人大統領オバマの誕生であり、日本での政権交代だった。
オバマは、明らかに軍縮を指向し、海外展開軍を国内に引っ込めて、経済の立て直しに専念する構えだった。
鳩山が、普天間基地を「最低でも県外」とぶち上げたのは、そうしたオバマサイドとの何らかのシグナル交換があったのだろう。

しかし、産軍複合体の巻き返しは早く、鳩山はオバマに裏切られ、政権交代の全ての果実をうち捨てて政権を投げ出してしまう。
菅直人による6月クーデター以降のことは、もうイチイチ言葉にするのも不愉快だ。一度や二度の選挙くらいでは、深く深く根をはった従米関係はびくともしないということを見せつけられた。

同時に、オバマもユダヤロビーの猛攻にあい、中東を捨てて米中G2体制へという路線が揺らいでいく。イランの核開発、アラブの春、シリア内戦という、いかにも裏のありそうな事態が次々と続き、オバマは中東から足を抜くことを断念した。そして、その代わりの策として、自衛隊を在日米軍の代わりにアジア地域の番犬にすることを思いついた。

■■

そんな流れが徐々に準備されている最中に、昨年の3.11がおきた。
津波と原発。わけても原発は、日本が無くなるかも知らないという事態にたち至った。このとき、首相官邸にはまったく情報が入らなかったと、菅直人は証言している。
クーデターの張本人の菅直人ではあるが、この点だけはたぶん本当なのではないかと思っている。東電を怒鳴りつけたとか、現場に邪魔しに言ったとか、かなりマスメディアに叩かれているが、私は、この点だけに限って菅直人は正しかったと思う。

 20120911-4.jpg 逆に言うと、これは確証はないが、首相官邸ではない「裏参謀本部」が存在したのではないかという疑いも持っている。米国大使館なのか横田基地なのかはわからないが、現在の官僚の心性を鑑みるに、いよいよのときに首相官邸を頼るか米国大使館を頼るか、自ずと明らかであろう。地球が無くなっても、自分の責任だけは回避する官僚が、誰にも報告を上げずにじぶんが責任をかぶっていたと言うことは考えられない。
SPEEDIの非公開も、一官僚に決められるわけがない。

米国の判断は、当然のことながら冷徹であったろう。原爆を落とし、それをモルモットの如く研究し、またチェルノブイリをも熟知している米国は、日本が番犬として生き残れるかどうかを冷静に計算したに違いない。
そして、福島とその周辺を切り捨てて、その保障に国力を奪われなければ何とかなると読んだ。SPEEDIを公開しないことも、福島を居ながらにして切り捨てることを決断した裏参謀で決められたのだろう。

そして、切り捨てる福島とその周辺は、世界が待ちに待った核ゴミの捨て場にする。
いや、実を言えば、この日のために、地震と津波の巣である日本の沿岸にすき間無く原発を建ち並べさせたのだ。
(参照:原発推進の正体は「日本列島を核の墓場にする計画」だったのではないか

今でこそモンゴルと最終処分場の交渉をしたりしているが、原発が量産されたのは冷戦時代だ。共産圏の手の届くところにプルトニウムを捨てるわけにはいかない。
かといって、米国に影響のない地球の反対側でなければならない。もちろん、革命もおきる心配がないおとなしい国がいい。
世界中で、日本以外にこんな場所があるだろうか。

話を戻そう。
3.11から一両日は、危機感をもって動いていた菅直人は、ほどなくしてパペットの役割を思いだし、おとなしくなった。あとは、いかに「何もしないか」に専念していたと言っていい。
20120606-3.jpg  一方で、ふくいちの現場は、裏参謀の思惑を越えて危機的な状態になっていった。メルトダウンまでは想定しただろうが、3号機の使用済みプールの爆発は想定外だったに違いない。
被害は、福島だけでなく、北関東から東京まで広がり、静岡茶にまでセシウムが染みこんだ。

1mSv/年という従来の基準を適用すれば、少なくとも1千万人規模の移住が必要になる。
また、健康被害への補償は、いったいどのくらいの規模になるのか見当も付かない。
それをやってしまえば、日本の国力はがた落ちになり、在日米軍に代わる番犬の役割も果たせないし、TPPで吸い取るべき富も残らない。

3.11は、日本をフル活用して、急場をしのいで大統領選に再選するというオバマの戦略には、大きな桎梏となった。そこで、出された指令が「消費税の増税」だ。

津波と原発で、いまだ現場は血と汗と涙にまみれている中で、原発収束でもなく、被災地復興でもなく、「増税に政治生命をかける」と言い出したときは、誰もが何を血迷っているのかと感じた。
ところが、完全に歩調を合わせてマスメディアが「増税」一緒に染まり、徐々に人びとも「増税内閣」への違和感を薄れさせた。
この政・官・材・報 のぴったりと足並みのそろった増税キャンペーンこそが、増税が「指令」であったことの証明だ。

同時に、「放射能と闘おう」「逃げるのは卑怯」という、一見被災者に寄り添うかのような、実は心の牢獄が作り出される。
すべては、「被曝者にカネを出すな」「カネはいつでも上納できるように準備せよ」という指令の下にある。
いみじくも山下俊一が言うように、本当に被曝救済にとり組んだならば、国家財政が傾くほどの被害なのである。それ故に、被曝を切り捨てる。全員死ぬワケじゃない。甲状腺癌は治療すれば治る。その他の症状は心配しすぎる「放射脳」のせいだ。

これが人の世か。
放射能が見えない故に、この煉獄も目に見えない。
はだしのゲンのような血やウジ虫は、目には見えない。
しかし、私の目には、この世の様とは信じられない光景に映る。

■■

増税だけでもたいがいなのに、ここに来て急に騒ぎ出したのが、尖閣問題だ。
実効支配している側が、なにをガタガタ騒ぐ必要はないはずなのに、石原慎太郎のスタンドプレーに引きずられるかのようにして、国有化を言い出した。

20120911-5.jpg ここで注目すべきは、クリントンの言動だ。
クリントンは日本に対しては、「日米安保の適用対象」だといいつつ、中国に対しては「領土問題に特定の立場をとらない」と言っている。
つまり、日本をそそのかしながら、いざとなればハシゴをはずすことを中国には臭わせている。米国がやる典型的な紛争創造プロジェクトだ。

これは、クリントンによる自衛隊の「実技試験」なのだ。
今年の5月に、野田は「動的防衛力」でアジア太平洋の米軍の肩代わりをします、とオバマに約束した。
本当にそれができるのか、クリントンは試しているのだ。

習近平への権力移譲を控える中国にたいし、米国は「無責任な」掣肘を加えておきたい、という希望ももちろんある。それを、自衛隊の実技試験として行おうというのである。

11月の大統領選の結果にもよるが、オバマが勝って、脱中東・中国重視路線が継続されるならば、年明けくらいに尖閣での小規模な戦闘があるのではないかと私は見ている。
中国軍は、極力避けたがっているが、自衛隊が出て行けば座視し得ずに出てくる
だろう。そこで局地戦をドンパチやったところで、オバマが恩着せがましく仲介役として出てくるはずだ。

日本国内は、脱原発もなにもかも吹っ飛んで「反中国」のナショナリズムが吹き荒れ、まるで9.11直後の米国のような空気の中で、野田は解散総選挙にうって出る。
野田・石破連立内閣の誕生とあいなる。
というのが、現在オバマ陣営が、日本をコントロール(食い尽くす)ために描いているシナリオではないか。

因みに、共和党ロムニーが勝った場合は、少々路線は変わってくるが、どのみち食い物にされる運命は変わらない。

■■

こうした近い将来を見渡したとき、重要な軸は二つあろう。

一つは、孫崎享氏の「戦後史の正体」で明らかにされた、従米と自立

もう一つは、排外主義と協調主義。排外主義はレイシズムともほぼ同義だ。

孫崎氏の「戦後史の正体」を読んで、大いに意義のあるすばらしい本なのだが、一つだけ物足りなかったのは、後者の軸がなかったことだ。
もちろん、前者の軸に絞って書くとはっきり断っているけれども。

20120911-6.jpgもっとも象徴的に書かれている吉田茂と岸信介。吉田が徹底して従米だったのは間違いないだろう。
ただ、その動機が何だったのか、ということ。徹底した従米は、どういう動機から生まれたのか、という点まで知りたかった。

あの時代の日本の歴史には、「大日本帝国への先祖返り」というもう一つの軸があったと思うのだ。
本当の悲劇は、先祖返り=戦争国家への回帰を防ごうと思った多くの勢力が、吉田のみならず共産党を含めて、極端な米国万歳になってしまったこと。誤解を恐れずに言えば、ならざるを得なかったこと。
これが、日本の戦後の本当の悲劇ではないのか。


逆に、少なくとも冷戦終結までは、自立派の動機には先祖返り=「戦争のできる国作り」という動機が間違いなくあった。
だから、岸信介がもし自立派であったからと言って、私は寸毫も支持しようという気にはならない。
(岸=自立派という孫崎氏の説には、今のところ完全に納得はできないが)

最大の問題は、反戦や非戦の思いがなぜ米国万歳になってしまったのは何故かだ。
この悲劇はなぜ生まれたのか。

それは、自ら反省する機会を奪われたからだ。
償う機会を奪われたからだ。

奪われたというのは、主体性のない無責任な言い方かも知れない。
が、占領下であったのだから、そう言っても良いだろう。

20120911-7.jpg 天皇存続と非戦の9条という、どうにも説明のできない矛盾を埋め込まれたこと。
賠償をすることなく政治決着してしまったこと。
大きな視点での、戦争の原因を究明できなかったこと。
芯からの戦争の反省をすることを、わざとスルーさせられたのである。

その結果、日本は精神的に自立できなかった。
米国という、すべてを「与えてくれた」存在にすがらなくては、生きることができなくなった。
そこからの自立を志すには、自らの戦争の過去を開き直る必要があった。

日本人がもし、みずから戦争の責任者を裁き、みずから二度と戦争をしない憲法を作り、能う限りの謝罪と賠償をしていれば、内心忸怩たる思いを何十年も持ち続けることなく、自立した精神を取りもどすことができたはずだ。
そのとき初めて、自らの残虐を反省するとともに、原爆を含めた戦勝国の非道を攻めることもでき、世界史の中の戦争という大きな構図を省みることもできたはずだ。

しかし、日本人はそうした動きをすることができず、もちろんマッカーサーはそのようなことは絶対にさせず、「謝ることも開き直ることもできない」身動きのできない従属民族を作り出した。
柵のない放し飼いなのに、決して逃げていかない不思議なニワトリだ。

今、米国は60数年間飼い太らせてきた日本というニワトリを、絞めて食おうとしている。
自らのクビならばまだしも、自分だけは難を逃れて、国民のクビを差し出そうとする従米政・官・財・報どもの言いなりになるのは、絶対に嫌だ。
その意味では、断固自立 と思う。

その一方で、先祖返りを夢見る排外主義の自立派と共に歩むことはできない。進むべき先が真反対なのだから。
希望は、多くの人びとの覚醒だ。

従来の自立派の夢は「独自武装、交戦権、改憲」だった。
しかし、今の自立を望む声は「生活防衛」だ。庶民の生の声になっている。それに、自立派の中のかなり多くの人が気がついてきた。
小沢一郎と生活党が、まさにその立ち位置にある。孫崎さんや天木直人さんなども、きっとそうなのではないか。

他方で、自立を危険思想と思い込んでいた反戦やら護憲やらの勢力の中で、従米からの自立がカギなのだと言うことにやっと気がつく人が増えてきた。
改憲反対と護憲は全然違うんだと言うことが、やっと理解される土壌ができはじめた。

逆に、従米派が偽右翼に流れているという現象がある。あまりに惨めな自らの姿をカモフラージュするために、反中や嫌韓などをわめいている。
小泉純一郎の靖国参拝が象徴的だった。
自分たちは正体を隠すためにやってるのかも知れないが、実は中身をさらけ出してくれてご苦労さん というところだ。

この、好ましいねじれ現象をもっともっと進めて行くことだ。
自立を求めて排外に堕さず。

9.11という日を迎えて、そんなことを考えた。


■■

9月30日 政治と生活を考える会 政経フォーラム
孫崎享氏 『最大のタブーに迫る! 戦後史の正体』

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