2012-10-03(Wed)

孫崎享さんの講演会レポート

日曜日、台風が紀伊半島沖を通過する中で、政治と生活を考える会の政経フォーラムが開かれた。
講師は今もっとも話題の人、孫崎享さん。

第2部の対談では、国民の生活が第一の中村てつじ議員が、かなりディープな話を引き出してくれた。
三宅雪子さんのツイッターによれば、「わが党は今本当に中村議員に頼り切り」だそうで、かなりお疲れのところを、そんなそぶりも見せずに鋭いツッコミを連発していただいた。

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順を追っての詳細レポートは会のブログでの発表を待つとして、私の心に残ったお話しを書きとめておきたい。

まず、第一部は孫崎さんの講演として1時間ほどお話しいただいた。
以下は、私のメモであり、書きおこしではないので端々は実際のご発言とは違っている部分が多々あるのであしからずご了承いただきたい。

「国民が情報を疑い始めた。その出発は原発事故。ドイツ大使館など多くが大阪に避難した。大阪は逃げてくる場所だったが、東京は『逃げられた』ほうで、かなり深刻に考えた。東京が危ない。7~8割の人が原発はやめようよ、ということになった。」

「首相も経産省も東大も、皆ウソをついている。原発事故の後もウソをついている。トランスバロメーターというものがあり、国家公務員は事故前と後で50%→9%。ほとんどの人が信用していない。」

「大飯原発再稼働もTPPもミサイル防衛も みんなウソ」

など、国民がウソに気がつき始めたことを、希望の光として冒頭に話された。

本論部分は、「戦後史の正体」の内容の、エッセンスだけ紹介され、その後、

「(例の朝日新聞の書評について) それくらい、こういう本は出てもらっちゃ困るということ。この本の価値が高いということ(笑)」

「イラクでさえ米国を追い出したのに、日本は閣議でオスプレイを航空法の適用外にした」

「まずは、情報を発信すること。真実を知ることが大事」

と締めくくられた。

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休憩もとらずに突入した第2部は、「戦後史の正体」を読んでいたものにとっても、おおっ という話が続いた。

だいたい 中村てつじさんが質問し、孫崎さんが応える という形。
以下、<>は中村氏 「」は孫崎氏 ※は私のコメント

<戦後史の正体に、GHQの検閲官に日本の高度な教育を受けた5000人が高給で雇われた、と書いてあるが、その後はどうなったのか>

「ソ連にはプラウダという新聞ととイズベスチアという情報誌があった。プラウダは真実、イズベスチアは報道という意味。ソ連では『プラウダにプラウダなし、イズベスチアにイズベスチアなし』と言われていた。東欧圏では、そういう情報リテラシーがあった。中東や中国でツイッターなどが流行るのも、新聞に真実はないと思っているから。
ところが、日本人は新聞に書いてあることを信じている。」

※間接的な回答だったが、どれほど日本の「知識層」が信用できないかを、ソ連や中国と同じなんだよという形で指摘。

<安倍晋三自民党総裁の戦後レジュームの解体についてどう評価するか。彼は尊敬する人物を孫崎先生が自主派とする岸信介と言っているが。>

「岸信介が締結した安保条約には、国連憲章にないことはしないと書いてある。しかし安倍晋三らが今言っている集団的自衛権は別物。
今世界で係争になるのは、領土問題、米国の進出、内乱 くらい。今の集団的自衛権は、この米国の進出に乗るためのもの。
国連優先か安保優先かという考え方自体が間違っている。」

<小沢一郎代表は、国連憲章の枠の中に安保も憲法もある、という考え方だ>

<北岡伸一氏は(中村氏の)高校の先輩だが、吉田茂を持ち上げている>

「吉田茂を持ち上げたのは学会では高坂正堯。彼の門下には前原さんなど従属政治家が輩出。
イラク戦争について、英国では何故やったのか国会で追及された。米国でもパウエルはイラク戦争は人生の汚点だと言っている。ところが、日本ではまったく批判されない。それどころか偉くなって、北岡氏など国連大使までやっている。」

※米国従属していれば、安泰な人生が保障されているんだなあ

<米国は○年間でGDPが2倍になっているが、日本の対米輸出は15%のまま>

「円高にさせられたということ。米国にそのように作られた」

<郵政選挙で(中村氏が)落選したとき、米国大使館から電話があり、「費用全部持ちで米国研修に行かないか。落選したときに菅さんも行った」と勧誘された。政治家は夏と冬の閉会中にたくさん行っているらしい。官僚もあるのか>

※中村議員の話に驚いてしまって、孫崎氏の回答を失念。

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「孫崎は現役の時は何をやっていたのかと言われる。たとえば、情報衛星の打ち上げにとり組んだ。日本が情報衛星を持たないことは日米の戦略的決定になっていた。結局、防衛省がまず折れて、その後(孫崎氏は)担当を外れた」

石川知裕が逮捕されたとき法務省政務官をやっていた。自白記事が新聞に出て、あきらかに検察がリークしていた。そのことに関して法務省幹部に話を聞いてみたが、彼らに(従米などの)はっきりした意識があるとは思えなかった。本当に検察エリートが他国の政府のことを忖度するだろうか?>

「法務省は知らないので外務相の話を。学生VS若手官僚の弁論大会があり、内容は学生のほうが圧倒していた。その理由を元次官がこういった。(外交上の)問題は次官、局長、担当課長だけがわかっていればいい。その他の人にわかってもらっては困る。
米国との関係の機微などは、数人しか知らない。他の官僚は知らずにやっている。」

<石原都知事が尖閣購入を発表したのは米国でだった>

「日中漁業協定は、漁船の越境があっても戦争にならないような仕組みがある。実際にどのくらいの数が越境しているのか調べたのは中村議員だけ。
ポツダム宣言には、4島は日本。その他の島々は連合国側が決める と書いてある。カイロ宣言には、清国から奪ったものをすべて返す と書いてある。固有の領土という論は成り立たない。
ケビン・メアは文藝春秋の10月号で『尖閣で様々な手打たなければなりません。具体的に言えばF-35戦闘機の調達計画を加速、イージス艦を増やすこと』と発言。」

<自覚した個人が結びつく選挙、という新しいできるかもしれない。チャレンジする>


以上、かなりすっ飛ばしているし、私の勘違いもあるかもしれないので、その辺はご勘弁を。


そのまま質疑応答の第3部に。休憩なしで、孫崎さん、中村さんのテンションはハイレベルのまま。会場もぐっと集中維持。
質問の手も数多く上がり、誰を当てるか司会も大変。

何人目かに私も質問させてもらった。主旨は、以前の記事に書いたこと。

9.11に思う
 (この一番最後の章)

孫崎さんが明らかにした 「自主」と「従属」の関係が日本がどうなるかの軸になっているということ。これは明らか。
だがもう一つ、「大日本帝国の復活」か、「戦争回避」か、という軸も存在したはず。そして、悲しいことに大日本帝国が自主を、戦争回避が従属を引っぱってきた。
それは、そのように仕掛けられてきたから。領土問題で意図的に火種を残されたように、「戦争の反省をさせない」という仕掛けをされた。それが憲法の1条と9条だと思うが、如何お考えか?

ややこしい話を、ひとことで質問しなければならず、相当舌足らずになってしまったが、孫崎さんは意図をくんで下さったようだ。回答の主旨は、

「そういう意味もあったでしょう。
でも、少なくとも現在、大日本帝国復活は勢力になっていない。憲法改正を言う人たちも、旧憲法の復活ではなく米国にとって都合の良い改憲を言っている。
だから現在の一番重要な焦点は、自主と従属ということでいいと思う」

とのことだった。私もこれには同意。

(以下、私のコメント)

現在の、現実的な問題としては、言われるとおりだと思う。
圧倒的に劣勢な自主派が、従属派とたたかうためには、大連合を組むべきだと思うし、それで構わない実体がある。
いつの日にか、勝ち抜いたその先には、様々な問題が広がってはいるけれども。

ただし米国が戦後処理の中で、憲法1条、9条、極東裁判、基本条約などによって、戦争責任を徹底的に玉虫色に処理することによって、日本をものを言えない国にした、という点については、私としてはもっともっと強く言っていきたい。
戦争責任を、キッパリと謝罪し、責任を明確化していれば、日本は日本で言いたいことが言える関係になっていたはずだ。少なくとも、原爆を二つも落とした国にぺこぺこするようなことは、する必要は一切なかった。

戦争責任を日本に「とらせない」ことで、永遠に弱みを作り、いざとなればそこを突く、というのが、米国の60年余りの戦略なのである。
元従軍慰安婦の女性に「証拠を出せ」と破廉恥な暴言を吐く橋下などは、まさにこの戦略に踊らされているのだ。

(以上)

最後に、大阪宣言の会の西岡さんと私が前に呼ばれ、政治を市民の手に!プロジェクトについて、ひと言だけアピールをさせてもらった。

さて、2時間半にわたる講演が終わるや否や、豪雨の中を会場移動で、懇親会へ。

数十名のかたが懇親会まで参加されていた。
こちらも、同じテーブルになった方々も一家言お持ちの方、様々な活動をされている方がおられ、興味深いお話しをさせていただくことができた。

また、このブログの読者の方にもたくさんお会いすることができた。
ただ、なかなかお一人お一人の方とゆっくりお話しすることができず、申し訳ないことをしてしまった。この場をお借りして、お礼とお詫びを申し上げる。

どうやって情報収集しているのかとか、家を建てようかと思ったけれども今は資産を持つことに疑問を感じているとか、いろんな話題があった。またいずれ時間があればお話しをさせてもらえればと思います。

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最後には、馬場慶次郎さんの誕生パーティー(?)もあり、大盛会のウチに終了。




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No title

米上院「米国の尖閣防衛義務」全会一致で可決 国防権限法案に修正案追加へ
http://higedharma.blog90.fc2.com/?no=1551

孫崎さん終了じゃないですか?

No title

素晴らしいレポートありがとうございます。詳細のレポートも期待してまってますのでよろしくお願いします。それにしても豪華な顔ぶれですね。中村てつじ氏、三宅雪子氏、そして孫崎亭氏、本当は、その会場に居たかったです。山岸さんの、日本の戦争責任を取らせない論に関してはある程度同意します。ただ僕は海外に対しての戦争責任より、日本国内の戦争責任を重視しています。在米中、ドイツ人、イタリア人達と第二次世界大戦のことについて話す機会が何度かあったのですが、イタリア人なんて、米国によってムッソリーニからイタリアを開放してもらったと考えているのには笑ってしまいました。彼等には全てをファシズムとムッソリーニの悪で片付けています。ドイツ人...彼等は米国に開放されたとは思ってませんが、二次元論的ですが、ナチとヒトラーが悪で、彼等が外国に迷惑をかけたと考えているようでした。イタリア人もドイツ人も人ごとのように気楽に戦争責任を話します。日本人だけが、妙に後ろめたい思いで、アジアの人と接しているように感じました。(と言っても、あんまりしつこく戦争責任とか、日本人は無知で、間違った教科書で歴史を勉強しているから真実を知らないとか、日本人は野蛮民族とか言われるとカチンときましたが。でも僕は仲が険悪になったのは一部の中国人と韓国人だけです。ベトナム人、タイ人、インドネシア人を始めとする、その他のアジア人とはずっと良好な人間関係を築けています。ベトナムなんて日本軍が食料を強奪したから何百万人単位の餓死者を出したのに、個人的な関係の仲で戦争責任とか言われたことは一度も有りません。それどころか本当に色々良くしてもらってます。)

人によっては、当時の国家元主の戦争責任を叫ばれる方もいますが、僕は、それより当時の官僚システムに致命的欠陥があるのではないかと考えています。陸軍、海軍は官僚機構で、制御装置無しに勝ってに自己保身のための計画、行動をし、日本を戦争に導き、日本を破滅させたと思ってます。そして一部の人間だけが戦犯として処罰され、官僚統治機構は戦後にも引き継がれたと思ってます。米国が日本を容易にコントロールするために使えるものは使ったのではないでしょうか? 小沢一郎と国民の生活が第一の議員の方は、そのことを理解している方が多いように感じています。自民は向こうのエージェントみたいですし、民主党議員は、鳩山氏、小沢氏への攻撃を目の辺りにして、民主党内のエージェント議員になびいて、管政権、野田政権が発足したのでは無いかと考えてます。そう言えば戦前は、軍部は皇軍だから政治かからの指図を受けないとか言ってましたよね? 現在は、民意に添う政治をすることはポピュリズムで国を滅ぼす行為のように蔑んで報道しているように感じます。何か、この辺の構図も戦前、戦後、何も変化が無いように感じています。すみません、長々と、しょうもない話で。
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