2012-12-17(Mon)
未来の党に投票した350万人に訴えたいこと (追記あり)
正直に言ってしまうと、昨日の夜8時から、開いた口がふさがらず、目の焦点も定まらない。
それでも、少しづつ顔面の筋肉を復帰させて、耳目を働かせてみた。
当選者数は、これでもかこれでもかと、イヤと言うほど目に飛び込んできたので、いかに焦点が定まらないと言ってももう充分だ。
まず探したのは、投票率。
案の定、戦後最低の59.32%だという。
これはまさに、マスメディアの作り出した数字だと言える。
「分かりにくい」の大合唱と、「自民圧勝」という公選法で禁じられているはずの人気投票によって、無力感を最大限に演出した。さらには、勘三郎さんなどの芸能人の訃報を延々と流して、選挙そのものへの関心をそぎ落とすことに血道をあげたのが、マスメディアだ。
棄権者数は3000万人から4000万人に、3割も増えたことになる。
3000万人が「どうでもいい」という無関心層だとすると、増加した1000万人は「どうしようもない」というあきらめた人たちということだろう。
この1000万人の諦人(あきらめびと)は、民主党の大裏切りとマスメディアの誘導によって生み出されたと言える。
これが、今回の選挙の第一の特徴だ。
■■
次に見つけたデータは、比例での得票数だ。
自民の比例得票率、大敗した前回選とほぼ同じ
2012.12.17 読売新聞
この記事によると、各党の得票率は
自民27・62%
民主16%
維新20・38%
みんな8・72%
未来の党5・69%
共産も7%前後あるはずだが記事には書いていない
読売は、前回と同じと書いているが、実際は投票率がさがっているのだから、得票数は減っているのだ。
衆院選:自民、比例57 前回並み
2012.12.17 毎日新聞
この記事によれば、前回が1881万票で、今回が1662万票。
実に12%も減っている。
もう一度書く。
自民党の比例の得票数は、前回大敗したときよりも220万票、12%も減っている。
決して、日本の国民が自民党を支持したわけではない。
支持率自体は、12%も減っているのだ。
これで日本もナチスドイツと同じになってしまったと錯覚することなく、冷静にこの数字を見ておきたい。
■■
そうは言っても、結局国民は原発推進、増税賛成、TPP参加を選択したのじゃないか、という見方もある。
これは、否定もできないが肯定もできない。
と言うのは、自民党以外の党に入れた人や、棄権した人の、かなりの割合が原発反対である可能性があるからだ。
テレビ大阪で昨日の深夜にやっていた 「一票の心理学~もやもや総選挙2012」という番組は、なかなか面白かった。
未来の党の政策である「卒原発」「脱増税」などと書いたフリップに橋下の顔写真を貼って、街中の維新支持者にこの政策が良かったのかと質問。番組では維新支持者は誰も間違いに気がつかず、実はこれは未来の党の政策ですと明かされても、ふ~ん という反応。
つまり、維新やみんなや民主に投票した人たちに、原発は賛成ですかと聞けば、かなりの割合で「反対」と言う可能性が高いのである。
仮に、棄権した人の5割がどちらかというと原発反対で、維新とみんなに投票した人の8割、民主に投票した人の3割が、公約を正確に知らずに「脱原発」なのだと思って投票していれば、それに未来、共産、社民を加えると、実に有権者の6割は原発反対なのである。
それを裏付けるデータもある
脱原発 世論6割、当選3割 3大争点すべてズレ
2012.12.17 東京新聞
■■
棄権が増えたことも、政策を知らずに投票した人が多かったことも、結局のところマスメディアにいいようにやられてしまった、ということに尽きる。
ただ、注意しておかなくてはならないのは、少なくとも今回の選挙の直前の数字に関しては、マスメディアの世論調査はかなり正確だったということだ。
それを、選挙期間中に発表することは不正だと思うけれども、それはともかく、直前情勢に関してはかなりの精度があった。
私の勝手な予想では、未来の党は新聞調査の3倍、ネット調査の1/3で支持率10%と見ていた。
しかし現実は、得票率X投票率=3.5% であり、新聞調査のとおりであった。
つまり、マスメディアは、調査をする以前の情報操作ですでに勝利していたのであり、もはや数字を操作する必要も無かったのだ。
それほど、情報戦において投票前に完敗していたということ。
ではどうするか。
未来の党に寄せられた比例票は350万ほど。
そのうちの、1%が立ち上がれば、状況は大きく変わる。
今回の選挙で、積極的にボランティアで関わった人が何人いるか。
私たちが呼びかけた、「政治を市民の手に!プロジェクト」だけでも、20人くらいの人が実際に各選挙事務所に入ってボランティアをした。
以前からの後援会の人たちを含めると、関西だけでも数百人にはなるだろう。
山本太郎さんのところに駆けつけた人や、都知事選の宇都宮さんのところに駆けつけた人も含めると、1000人は下らないだろう。
これが、10倍になり、そして選挙直前だけではなく、これから数年間を少しづつでも活動していけばどうだろうか。
こうした「政治市民」を増やしていくこと。
■■
毎週日曜の朝2時間だけとか、月に1日だけとか、そのくらいでも1万人が恒常的に動き出せば、この国の空気が変わる。
そして、政治家の認識も変わる。
従来は、ボランティアは政治家のためのお手伝いだった。
しかし、今回の選挙では、脱原発を中心にした政策を実現したい市民運動としてのボランティアだった。
私たちのグループだけでなく、全国でそのような動きはたくさんあった。
そのことを、候補者自身もヒシヒシと感じていた。
マスメディアに何か期待するのは時間の無駄であり、考えが甘すぎる。
敵の塩を期待しているヒマがあったら、自分たちで何ができるか考えよう。
まずは1万人、できれば得票数の1%、3万5千人が政治市民として動き出せば、20万人の集会などそう難しくはないし、選挙になれば万全の体制で望むことができる。
なにせ3万人いれば、1選挙区に100人なのだから。
そのためには、政治家も市民も、双方が変わらなくてはならない。
幸か不幸か(不幸だけど)、「先生」はほとんどいなくなってしまった。
政治家は、政治にめざめた市民と共に捲土重来を期すことに、腹をくくっていただきたい。
団体や組合やなんやかんやでやる選挙は、もう過去の遺物。
古語辞典の中に収納されてしまった。
反原発や食品の問題や障害者のこと、さまざまな生きる困難と格闘してきた市民運動家の人たちとも、積極的に交流を深め、100人の地元の政治市民を味方につけることだ。
そこがまさに川上であり、せき止めるダムにもなってくれる。
■■
と同時に、今回未来の党に投票した350万人にぜひとも訴えたい。
投票するだけでは、変えることはできない。
それは2009年の政権交代ですでに証明されたではないか。
投票結果など、官僚の手にかかれば、あっという間に無力化されてしまう。
そして、政権の中枢すらすげ替えられてしまう。
私たちは2009年から2010年にかけて、官邸前で「普天間国外移設デモ」をやるべきだった。
「鳩山さん 裏切ったらゆるさへんで」の国民運動を起こすべきだったのだ。
たぶん鳩山由紀夫は、あのときそれを期待していた。
しかし、日本人がようやく動いたのは、政権がクーデターで転覆した後だった。
馬の耳すら持たない野田には、20万人の声もハエの羽音くらいにしか聞こえていなかった。
それでも40年の時を超えて、ついに日本人も「声を出しても良いんだ」ということに気がついた。
このうねりに、小沢一郎さんも期待をかけた。
それが「国民の生活が第一」へと踏み切った背景であっただろうし、未来の党にかけた根拠になっていたのだろう。
しかし、結果は散々なものだった。何故なのだろう。
20万人という人数は、決して少なくはない。
欧米のような、デモの権利が確立されている国に比べれば、3.11の当事者国としては全然少ないけれど、40年間表現の自由が無かった国であることを思えば、決して少ない人数ではない。
問題は、人数ではなく濃度だった。
6月の行動から前に進むことなく、集まって叫ぶということだけを延々と繰り返したことは、意味が無いとは言わないが能がなかったと言わざるを得ない。
登竜門としての官邸前や関電前というのは、たしかにあっていいしあるべきだ。
が、それをただただ繰り返して、まして野田に会うことで何かが前進すると思うのは、これは楽観的に過ぎる。
そこに集まった人たちは、少なくともその20人に一人くらいは、金曜の晩にぶらっと立ち寄るだけのところから、本気で脱原発を実現させるための行動に進むべきだった。
国会議員も多数参加し、遅くとも1年後には総選挙があることは分かっていたのだから、具体的な行動に進むべきだったのだ。
■■
政治活動を選挙活動に限定してはいけない。反原発集会も生きるための市民運動も、全部が政治活動だということを、政治家は体感してほしい。
市民運動を政治から切り離してはいけない。予算と法律を握っている政治を無視して、何かできるという幻想を振りまくことはむしろ罪なことだ。
原発は嫌だ、増税は嫌だ、生きやすい社会がほしい、そう思う人は、具体的に動きだそう。
理想的な政治家はいないかもしれない。でも、話ができる政治家、政策は共有できる政治家なら見つけることはできる。
その政治家の事務所に押しかけて、自分の考えをぶつけてみよう。考えの違う部分はあっても、話し合える信頼関係が作れるならば、違いを認め合った上で自分たちの代表に押し上げることを考えてみよう。
100人からの市民が、そうやって政治家を取り囲み、喧々諤々(けんけんがくがく)を繰り返しながら支援活動を続けていけば、そこにはお互いをリスベクトしながら化学反応が生まれてくる。
本当の市民政治家が生まれてくる。
35万人くらいの市民と、その中の100人くらいの政治市民が、一人の市民政治家を生み出す。
1選挙区100人、全国で3万人の政治市民が立ち上がるかどうか。ここに、私たちと私たちの子どもや孫の未来がかかっている。
■■
最後に、小沢一郎さんに注文です。
14日に官邸前に行かれたことはとてもうれしい思いでした。
しかし、半年遅すぎです。
国民の生活が第一、結党のときから反原発市民運動との連携による選挙態勢を全力でやっていれば、今回の結果も違ったものになっていたでしょう。
それと、正面に立ってください
しょせん、いくら無役になっても、小沢さんの存在感は変わりません。
むしろ、一兵卒になったことで、様々な反感を買っていることを知って下さい。
今回敗れた同志たちも、どうせ敗れるならできれば小沢さんのもとで討ち死にしたかったのではないでしょうか。
もちろん、民主に残って落選した人びとは、立ち直れないほどのダメージを受けているだろう。
その点、未来の人たちは、より前向きの悔しさを噛みしめているはずです。
しかしそのうえで、小沢さんは「自分は嫌われている」と思いすぎです。
大嫌いが半分、支持者も半分。で充分じゃないですか。
我がことは無責任に棚に上げて、あえて言います
ど真ん中、真正面に立ってください。
【追記】政治市民プロジェクトのブログに、「開票立会人体験記」がアップされています。
http://seijishimin.blog.fc2.com/blog-entry-12.html
不正投開票がなかったとは言えないけれど、あまりそこに目を取られると本筋が見えなくなるという警告にもなっています。
敗因は敗因でちゃんと総括しましょう。


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それでも、少しづつ顔面の筋肉を復帰させて、耳目を働かせてみた。
当選者数は、これでもかこれでもかと、イヤと言うほど目に飛び込んできたので、いかに焦点が定まらないと言ってももう充分だ。
まず探したのは、投票率。
案の定、戦後最低の59.32%だという。
これはまさに、マスメディアの作り出した数字だと言える。
「分かりにくい」の大合唱と、「自民圧勝」という公選法で禁じられているはずの人気投票によって、無力感を最大限に演出した。さらには、勘三郎さんなどの芸能人の訃報を延々と流して、選挙そのものへの関心をそぎ落とすことに血道をあげたのが、マスメディアだ。
棄権者数は3000万人から4000万人に、3割も増えたことになる。
3000万人が「どうでもいい」という無関心層だとすると、増加した1000万人は「どうしようもない」というあきらめた人たちということだろう。
この1000万人の諦人(あきらめびと)は、民主党の大裏切りとマスメディアの誘導によって生み出されたと言える。
これが、今回の選挙の第一の特徴だ。
■■
次に見つけたデータは、比例での得票数だ。
自民の比例得票率、大敗した前回選とほぼ同じ
2012.12.17 読売新聞
この記事によると、各党の得票率は
自民27・62%
民主16%
維新20・38%
みんな8・72%
未来の党5・69%
共産も7%前後あるはずだが記事には書いていない
読売は、前回と同じと書いているが、実際は投票率がさがっているのだから、得票数は減っているのだ。
衆院選:自民、比例57 前回並み
2012.12.17 毎日新聞
この記事によれば、前回が1881万票で、今回が1662万票。
実に12%も減っている。
もう一度書く。
自民党の比例の得票数は、前回大敗したときよりも220万票、12%も減っている。
決して、日本の国民が自民党を支持したわけではない。
支持率自体は、12%も減っているのだ。
これで日本もナチスドイツと同じになってしまったと錯覚することなく、冷静にこの数字を見ておきたい。
■■
そうは言っても、結局国民は原発推進、増税賛成、TPP参加を選択したのじゃないか、という見方もある。
これは、否定もできないが肯定もできない。
と言うのは、自民党以外の党に入れた人や、棄権した人の、かなりの割合が原発反対である可能性があるからだ。
テレビ大阪で昨日の深夜にやっていた 「一票の心理学~もやもや総選挙2012」という番組は、なかなか面白かった。
未来の党の政策である「卒原発」「脱増税」などと書いたフリップに橋下の顔写真を貼って、街中の維新支持者にこの政策が良かったのかと質問。番組では維新支持者は誰も間違いに気がつかず、実はこれは未来の党の政策ですと明かされても、ふ~ん という反応。
つまり、維新やみんなや民主に投票した人たちに、原発は賛成ですかと聞けば、かなりの割合で「反対」と言う可能性が高いのである。
仮に、棄権した人の5割がどちらかというと原発反対で、維新とみんなに投票した人の8割、民主に投票した人の3割が、公約を正確に知らずに「脱原発」なのだと思って投票していれば、それに未来、共産、社民を加えると、実に有権者の6割は原発反対なのである。
それを裏付けるデータもある
脱原発 世論6割、当選3割 3大争点すべてズレ
2012.12.17 東京新聞
■■
棄権が増えたことも、政策を知らずに投票した人が多かったことも、結局のところマスメディアにいいようにやられてしまった、ということに尽きる。
ただ、注意しておかなくてはならないのは、少なくとも今回の選挙の直前の数字に関しては、マスメディアの世論調査はかなり正確だったということだ。
それを、選挙期間中に発表することは不正だと思うけれども、それはともかく、直前情勢に関してはかなりの精度があった。
私の勝手な予想では、未来の党は新聞調査の3倍、ネット調査の1/3で支持率10%と見ていた。
しかし現実は、得票率X投票率=3.5% であり、新聞調査のとおりであった。
つまり、マスメディアは、調査をする以前の情報操作ですでに勝利していたのであり、もはや数字を操作する必要も無かったのだ。
それほど、情報戦において投票前に完敗していたということ。
ではどうするか。
未来の党に寄せられた比例票は350万ほど。
そのうちの、1%が立ち上がれば、状況は大きく変わる。
今回の選挙で、積極的にボランティアで関わった人が何人いるか。
私たちが呼びかけた、「政治を市民の手に!プロジェクト」だけでも、20人くらいの人が実際に各選挙事務所に入ってボランティアをした。
以前からの後援会の人たちを含めると、関西だけでも数百人にはなるだろう。
山本太郎さんのところに駆けつけた人や、都知事選の宇都宮さんのところに駆けつけた人も含めると、1000人は下らないだろう。
これが、10倍になり、そして選挙直前だけではなく、これから数年間を少しづつでも活動していけばどうだろうか。
こうした「政治市民」を増やしていくこと。
■■
毎週日曜の朝2時間だけとか、月に1日だけとか、そのくらいでも1万人が恒常的に動き出せば、この国の空気が変わる。
そして、政治家の認識も変わる。
従来は、ボランティアは政治家のためのお手伝いだった。
しかし、今回の選挙では、脱原発を中心にした政策を実現したい市民運動としてのボランティアだった。
私たちのグループだけでなく、全国でそのような動きはたくさんあった。
そのことを、候補者自身もヒシヒシと感じていた。
マスメディアに何か期待するのは時間の無駄であり、考えが甘すぎる。
敵の塩を期待しているヒマがあったら、自分たちで何ができるか考えよう。
まずは1万人、できれば得票数の1%、3万5千人が政治市民として動き出せば、20万人の集会などそう難しくはないし、選挙になれば万全の体制で望むことができる。
なにせ3万人いれば、1選挙区に100人なのだから。
そのためには、政治家も市民も、双方が変わらなくてはならない。
幸か不幸か(不幸だけど)、「先生」はほとんどいなくなってしまった。
政治家は、政治にめざめた市民と共に捲土重来を期すことに、腹をくくっていただきたい。
団体や組合やなんやかんやでやる選挙は、もう過去の遺物。
古語辞典の中に収納されてしまった。
反原発や食品の問題や障害者のこと、さまざまな生きる困難と格闘してきた市民運動家の人たちとも、積極的に交流を深め、100人の地元の政治市民を味方につけることだ。
そこがまさに川上であり、せき止めるダムにもなってくれる。
■■
と同時に、今回未来の党に投票した350万人にぜひとも訴えたい。
投票するだけでは、変えることはできない。
それは2009年の政権交代ですでに証明されたではないか。
投票結果など、官僚の手にかかれば、あっという間に無力化されてしまう。
そして、政権の中枢すらすげ替えられてしまう。
私たちは2009年から2010年にかけて、官邸前で「普天間国外移設デモ」をやるべきだった。
「鳩山さん 裏切ったらゆるさへんで」の国民運動を起こすべきだったのだ。
たぶん鳩山由紀夫は、あのときそれを期待していた。
しかし、日本人がようやく動いたのは、政権がクーデターで転覆した後だった。
馬の耳すら持たない野田には、20万人の声もハエの羽音くらいにしか聞こえていなかった。
それでも40年の時を超えて、ついに日本人も「声を出しても良いんだ」ということに気がついた。
このうねりに、小沢一郎さんも期待をかけた。
それが「国民の生活が第一」へと踏み切った背景であっただろうし、未来の党にかけた根拠になっていたのだろう。
しかし、結果は散々なものだった。何故なのだろう。
20万人という人数は、決して少なくはない。
欧米のような、デモの権利が確立されている国に比べれば、3.11の当事者国としては全然少ないけれど、40年間表現の自由が無かった国であることを思えば、決して少ない人数ではない。
問題は、人数ではなく濃度だった。
6月の行動から前に進むことなく、集まって叫ぶということだけを延々と繰り返したことは、意味が無いとは言わないが能がなかったと言わざるを得ない。
登竜門としての官邸前や関電前というのは、たしかにあっていいしあるべきだ。
が、それをただただ繰り返して、まして野田に会うことで何かが前進すると思うのは、これは楽観的に過ぎる。
そこに集まった人たちは、少なくともその20人に一人くらいは、金曜の晩にぶらっと立ち寄るだけのところから、本気で脱原発を実現させるための行動に進むべきだった。
国会議員も多数参加し、遅くとも1年後には総選挙があることは分かっていたのだから、具体的な行動に進むべきだったのだ。
■■
政治活動を選挙活動に限定してはいけない。反原発集会も生きるための市民運動も、全部が政治活動だということを、政治家は体感してほしい。
市民運動を政治から切り離してはいけない。予算と法律を握っている政治を無視して、何かできるという幻想を振りまくことはむしろ罪なことだ。
原発は嫌だ、増税は嫌だ、生きやすい社会がほしい、そう思う人は、具体的に動きだそう。
理想的な政治家はいないかもしれない。でも、話ができる政治家、政策は共有できる政治家なら見つけることはできる。
その政治家の事務所に押しかけて、自分の考えをぶつけてみよう。考えの違う部分はあっても、話し合える信頼関係が作れるならば、違いを認め合った上で自分たちの代表に押し上げることを考えてみよう。
100人からの市民が、そうやって政治家を取り囲み、喧々諤々(けんけんがくがく)を繰り返しながら支援活動を続けていけば、そこにはお互いをリスベクトしながら化学反応が生まれてくる。
本当の市民政治家が生まれてくる。
35万人くらいの市民と、その中の100人くらいの政治市民が、一人の市民政治家を生み出す。
1選挙区100人、全国で3万人の政治市民が立ち上がるかどうか。ここに、私たちと私たちの子どもや孫の未来がかかっている。
■■
最後に、小沢一郎さんに注文です。
14日に官邸前に行かれたことはとてもうれしい思いでした。
しかし、半年遅すぎです。
国民の生活が第一、結党のときから反原発市民運動との連携による選挙態勢を全力でやっていれば、今回の結果も違ったものになっていたでしょう。
それと、正面に立ってください
しょせん、いくら無役になっても、小沢さんの存在感は変わりません。
むしろ、一兵卒になったことで、様々な反感を買っていることを知って下さい。
今回敗れた同志たちも、どうせ敗れるならできれば小沢さんのもとで討ち死にしたかったのではないでしょうか。
もちろん、民主に残って落選した人びとは、立ち直れないほどのダメージを受けているだろう。
その点、未来の人たちは、より前向きの悔しさを噛みしめているはずです。
しかしそのうえで、小沢さんは「自分は嫌われている」と思いすぎです。
大嫌いが半分、支持者も半分。で充分じゃないですか。
我がことは無責任に棚に上げて、あえて言います
ど真ん中、真正面に立ってください。
【追記】政治市民プロジェクトのブログに、「開票立会人体験記」がアップされています。
http://seijishimin.blog.fc2.com/blog-entry-12.html
不正投開票がなかったとは言えないけれど、あまりそこに目を取られると本筋が見えなくなるという警告にもなっています。
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