2006-05-26(Fri)

あらためて岡本太郎

こういう緊迫した毎日だからこそ、あらためて岡本太郎の言葉に耳を傾けてみたい。
Under The Sun のバナーに太陽の塔もいることだし。

 ほとんどの人間はあきらめて、適当にやっています。だれでも、子どものときには、人生ってもっとすばらしいものだと思っている。大きくなったら、と夢想していた。にもかかわらず-毎日毎日の生き方がなにかほんとうではない。こんなものではないはずだ、とあせります。しかし、そういうふうに矛盾を感じる人は、極めて感受性のすぐれた、良心的な人なのです。多くはそんな疑問さえもちえない。絶望的な状態です。そして知らずしらずに、自分をいつわりつづけている。
(略)
 自分自身に充足する。-電気冷蔵庫をおいたり自家用車をもって、生活が楽になる。そんないわば、外からの条件だけが自分を豊かにするのではありません。他の条件によってひきまわされるのではなく、自分自身の生き方、その力をつかむことです。それは、自分が創りだすことであり、言いかえれば、自分自身を創ることだといってもいいのです。


「今日の芸術」(光文社)から。
勝ち組負け組の類に惑わされない、自分の充足。法律や政治が最悪のコースを進みつつある中でも、なお強い意志で生きていこうというギリギリの希望を持つよろこび。

同じ本から

 家を建てれば、要不要にかかわらず、かならず床の間という型どおりの場所をもうけます。そこにまた同じように型どおりの、この類の符丁を掛けものとしてブラさげる。そうしておけば格好がついた気になるというわけです。はじめから鑑賞などということはどうでもよいらしい。
 自分が好きだから、とか、ほしいから、というのではなく、世間体と見栄だけで環境をつくる。生活自体が、おのれ自身の生きた現実を土台にしていないのです。


以前に、ラジオのDJが「戦争の反対は創造」と言った言葉を紹介したが、自分の感性と頭で考えることができること、これが戦争の反対。「こういうものだ」という有言無言の圧力にひしがれてしまうことが、一番恐ろしい。

もうひとつ

 とりわけ、大会社などで生活する個人は、比喩的に言えばむなしい迷宮のなかに暮らしているようなものだ。カフカの「城」のように、目に見えぬものにがんじがらめにされ、そこから脱れる方法はないからだ。
(略)
 まさに、システムの複雑化だけに巻きこまれた自己喪失だ。確かに一種の迷路だが、純粋に生きる人生の神聖感に満ちた迷宮ではない。
 古代は、運命である迷宮と、現実生活の場の迷宮、いわば精神と自然とが確かにからみあっていた。だが、現代の社会では、人は、巨大なシステムにただ機械的にふり回され、ふみ迷っているのだ。(略)なれあい、ごまかしあい、これが今の社会。(略)だから、他をも判断できないし、自己をも確認できない。(略)
 だが、真の迷宮の内部では、全責任をもって、自分のナマ身を確かめ、精神を燃えあがらせ、さらに、自分の外にある状況を血肉をもって感じ、受けとめる。この生き方こそが真の迷宮だ。


「迷宮幻想」(日本ブリタニカ)より
僕の前に道はない。僕の後に道が出来る。と言った高村光太郎は戦争詩人になってしまった。
迷宮をこそ希望を持った人生としてとらえる岡本太郎の言葉には、高村の詩に漂う悲壮感など、微塵も感じさせない強さがある。

もし、このまま世の中が転がっていってしまったとしても、ココロが押しつぶされないようにこの言葉を思いだそう。太陽の塔を眺めながら。
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