2013-03-17(Sun)

阿片 憲法 TPP

阿片には、他国を侵略するための3つの機能がすべて備わっている。

20130317-1.jpg 1.惑溺させる
2.反撃力を破壊する
3.収奪する

このすべてが備わっているとき、理想的な占領政策が遂行できる。
植民地が、結果的にボロボロに衰滅してもいいときは。

まず、強面で占領を始めると、大きな反撃に遭い失敗の可能性が高い。少なくとも、初期の軍事的な占領に大きなコストを払う必要があるが、甘い香りと共に侵攻すれば、被占領民は歓呼の声で占領軍を迎えるだろう。

しかし、イザと言うときの反撃力をそぎ落としておかなくては、当初は歓迎した人民も、占領軍の正体を見たとたんに歯向かってくるかもしれない。そのためには、早期に人格崩壊などの措置をこうじる必要がある。阿片はまさに理想的な道具である。

そうやって完璧に占領したとしても、そもそも富の収奪ができなければ何のために占領したのかわからない。社会の隅々にまで浸透して、ありとあらゆる階層から持てる富を収奪する必要がある。軽くて高価で中毒性の高い阿片は、この点でも充分な機能を兼ね備えている。

イギリスはこの阿片の機能を十二分に使い尽くして中国を占領した。
そして、日本人はあまり知らないけれども、日本もまた、阿片を最大限に活用して満州帝国をねつ造した。

その阿片をもってしても、完全に中毒患者に仕立てることのできた中国人は、数%だったと言われている。それでも、絶大なチカラを発揮したのではあるが、日本は最終的に敗北した。米国に敗北したと同時に、広大な後背地をもつ中国にも完敗した。

■■
日本を占領した米国は、阿片は用いなかった。
即効性もあり、莫大な利益を吸い上げることはできるけれども、その絶対的な効用は社会の数%にしか及ばないこと。日本のように敗北することもあり得ること。そうした教訓を充分にくみ取ったのだろう。

阿片の代わりに米国が用いたのは、圧倒的な物質文明と、   憲法だった。

憲法は阿片だった。
そんなことを書くと、右翼は大喜びし、このブログの読者は「山岸は右翼に転向したらしい」と思うかもしれない。

どう思われようといいのだけれども、何故こんなことを言うのかは、ちゃんと書いておきたい。
私が憲法に納得できないのは、二つの点だ。

ひとつは、1条と9条は完全に矛盾する ということ。
ふたつは、民主主義を謳う憲法が、民主的に決められなかったこと。

1条は「戦争責任を問わない」という意味であり、9条は「交戦権の否定」である。
東京裁判でトカゲのしっぽ切りをする以外は日本の戦争責任は問わない。そのかわり武装解除して交戦権は認めない。
これが憲法の根本精神である。

戦争責任を取らせたら、革命や暴動が起きてしまうかもしれない。そうなったら占領どころじゃなくなるわけで、米国は困った。
天皇を無傷で残しておけば、「本当は日本は悪くなかったんだよ」という象徴になるから、右翼はそれで押さえられる。
と同時に、世界唯一の不戦条項を設ければ、左翼も中国などの被占領国も納得するだろう。

このような思惑を込めて、日本国憲法は作られた。
崇高な理念の元に美しくも気高い憲法が作られたわけではない。

さらに、この憲法の最初に書いてある言葉はこれだ。

20130317-2.jpg 「朕は、日本国民の総意に基いて、新日本建設の礎が、定まるに至つたことを、深くよろこび、枢密顧問の諮詢及び帝国憲法第七十三条による帝国議会の議決を経た帝国憲法の改正を裁可し、ここにこれを公布せしめる。 御名御璽」

現憲法を制定したのは、大日本帝国憲法下でおこなわれた第22回総選挙で選ばれた国会である。
大日本帝国憲法の第5条 「天皇は帝国議会の協賛を以て立法権を行ふ」
だから、現憲法の最初には御名御璽 と書いてあるのだ。

憲法制定会議を民主的に選んで決めたのではなく、「大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス」の旧憲法のもとで決められたのだ。
より正確に言うと、占領国である米国が、大日本帝国憲法をうまく利用して造ったのである。

1条と9条によって、国民を惑溺させ、同時にその二つを共存させることによって、日本人から論理的な思考能力を奪った。
天皇が無罪ならばあの戦争は悪くなかったのであり、戦争放棄する理由がない。
軍隊を放棄するほどあの戦争が悪かったのならば、統治者である天皇は死刑だ。
これが、論理的ということだ。

ところが、戦後の日本の最高法規は、悪かったけど悪くない。悪くないけど悪かった。という訳の分からない屁理屈でできている。
そこから、何でもかんでも玉虫色が日本的なんだ。これでいいのだ。という「文化」ができあがっていった。
教育を始めとして、論理的に考えると言うことを徹底して排除していった。

念のために書いておくと、私は自衛隊すら要らないという徹底不戦論者だし、改憲にも絶対に反対だ。
けれども、護憲派ではない。
護憲という概念は、残念ながら憲法に仕掛けられた惑溺効果にはまってしまった結果だからだ。

もちろん改憲派でもない。
憲法改正 という概念もまた、憲法に仕掛けられた惑溺効果にはまってしまった結果だからだ。

護憲派と改憲派の争いは、しょせん憲法に仕掛けられた手のひらの上の争いにすぎないのだ。
占領国アメリカが憲法という手段に期待した「惑溺」と「無力化」の二つの機能は、護憲VS改憲という茶番として見事に花開いてしまった。

それでもVSの構図があるウチはよかった。
いまや、惑溺と無力化の効力は、日本全国通津浦々にいきわたり、原発が爆発しても慌てず騒がず粛々として日常生活を送るほどにロボトミー化されている。
憲法の威力をまざまざと見せつけられた。

■■
これほどに強力な占領の道具であった日本国憲法も、収奪の手段はもっていない。
阿片は、それ自体が収奪の手段まで備えていたけれども、憲法は直接カネは奪えない。

60年間も太らせてきた家畜を、そろそろ解体して商品にしなくてはならない。
そのためには、憲法とは別の道具を用意する必要がある。
そこで出てきたのが、TPP である。

関税撤廃も大変なことだけれども、たぶんもっとすごい話になるのが非関税障壁のほうだ。
たとえば私の領域で考えてみると、国産材を使うための補助金。
国も都道府県も市町村も、いろいろな補助金を用意している。
しかしこれは、木材を日本に輸出したい米国林業からすれば、歴然とした非関税障壁だ。

20130317-3.jpg こうしたことが、日本中のありとあらゆる局面でおきてくる。
そうやって、日本の総資産8000兆円。毎年生み出す500兆円。これを何割奪い尽くすかということが進行していく。

しかも、ノンビリやっていたら収奪し尽くす前に獲物の命脈のほうが先に尽きてしまうので、収奪は迅速苛烈を極める。
従来の米国の収奪は、フローである500兆円からの収奪が主だった。しかし、TPPを使っての収奪は8000兆円のストック本体と、500兆円のフローを生み出す仕組みに切り込んでくる。

■■
2万人近い人が亡くなり、数十万人が避難を余儀なくされ、数千万人が被曝させられながら、その原因を作ってきた自民党を圧勝させる日本。
世界から見れば、北朝鮮以上に理解不能な日本。

それを良いとか悪いとか言ってみても、何の意味もない。
その理由を冷静に考える必要がある。
それなしには前に進むことができない。

繰り返しになるが、私は今の憲法は変えるべきではない、と考えている。
戦争責任を問うことのできるその日までは、今の憲法は一言一句たりとも変えるべきではない。

ただ同時に、その憲法は戦争責任を有耶無耶にし、日本人から思考能力を奪うためのものでもある、と自覚しなくてはならない。
護憲教という神棚に祭り上げて手を合わせているようでは、今のこの不思議の国・日本は変わることができない。



■■■■ お知らせ

古民家再生 完成見学会

日時 3月31日(日)11:00~16:30
    説明できる人間が私一人なので、いずれかの時間に来ていただけると助かります
    ①11:00 ②14:00 ③15:30

場所 奈良県宇陀市 (近鉄大阪線 榛原駅 徒歩10分)

申込 info@mei-getsu.com まで お名前、ご住所、電話番号、来訪予定時間 を
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謹言

あへん尽き深夜高速バスの旅、たぎり忙しく窓の内闇

No title

だからこそ、小沢先生のいう憲法「無効」宣言が必要なのですよ。

http://www.ozawa-ichiro.jp/policy/04.htm
自由党 近畿ブロック
国民の生活が第一!
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