2013-04-15(Mon)

原発事故子ども被災者支援法は活かせるのか 学習&討論会 レポート

少し前にお知らせしていたように、一昨日、避難者と未来をつくる会の主催で「子ども被災者支援法の学習・討論会」を行った。

 子ども・被災者支援法は「画期的」なのか 「ザル法」なのか 4.13学習会@大阪

前半は、法案成立にも深く関わった前衆議院議員の服部良一さんのレクチャーと、最近の院内集会の報告、直近の文科省交渉の報告。

IWJがアーカイブしてくれているので、どうぞ



Video streaming by Ustream

服部さんの話は正味30分少々なので、時間のない方はその部分だけでも。

超短く要約すると、まず、支援法のポイントは3つだという。
1.被曝の健康影響が科学的に十分解明されていないことを認めた
2.避難の選択の権利を認めた
3.原子力政策推進について国の社会的責任を認めた

しかし、1mSv/年なのか20mSv/年なのか決着が着かず、支援対象地域が定まらないこともあり、基本法に続くはずの「基本計画」が作られない。
その代わりのようにして出された、支援施策パッケージは新規のものなにもない寄せ集め。
今の通常国会で基本計画が作られるかどうかが大問題。

服部さんの話は、ある程度予備知識を入れていた私としては、とくに新しい内容もなく、基礎知識のおさらいという感じだった。
とくに感じたのは、被曝の許容限界が1mSv/年なのか20mSv/年なのか が焦点になっているという印象だった。


そして後半は、自由討論。冒頭に司会をする私から、このようにお願いした。

「どうする ということを軸に話をしてほしい。べき論はやめましょう。いくらべき論を言っても実現してないのが現実なのだから、じゃあどっから手を付けようか、何からやっていこうか、そっちよりこっちじゃないか、そういう話を出していただきたい。」

後半戦もIWJが取ってくれたので、1時間半と長いけれども、貴重な議論がかなりあるので、これは是非見ていただきたい。



Video streaming by Ustream

これまた超短く要約すると、

・まず地方議会から働きかけてはどうか。堺市で実践している。大阪市では何故か維新の会が発議して意見書を採択している。他でも動きはある。

・議会工作などバラバラで活動している情報をまとめられたら励みになる

・1mSvか20mSvかは大事だが、同時に法的に認められて避難している人たちの声を聞いて、現実を明らかにした方が、国民には説得力がある。

・20mSvではなく1mSvだということは外せない。パッケージ出た後に経産省は「年間20ミリシーベルトの基準について」という文書を公開し、開き直っている。

・補償や訴訟という、時間はかかるが非妥協で正攻法の闘い

・法文で「一定、一定」と書いてある部分を、自分たちで具体的に数字を入れて「基本計画案」をこちらから示し国民に定着させる

・支援法がチェルノブイリ法と違うのは、①主体が「国」ではなく「政府」であり、計画策定に国会がかめないこと。②転地療法の権利がないこと。③収束作業員(被曝労働者)のことがないこと など。運動としては、そうしたところまで求めていく。

私自身は、司会だったので言葉数は多かったが、言いたいことの半分も言えなかった。

いちおう、私の発言したかったことを、最後に補足的に書いておく。

 私の出した例示に噛みつく人があり、話がそれたあげくに、何のための例示なのかも分からなくなってしまったのが残念だった。言いたかったのは、「敵がどういう理由と目的で被曝放置や被曝強要をしているのか、ちゃんと認識しないと、それによってこちらの作戦も変わるはずだ」 ということ。
 無能で放置しているのか、カネがもったいないから放置しているのか、より積極的な理由があって被曝強要しているのか、それによってこちらの作戦は自ずから変わるはずだ。ということを言いたかったのだが、これはちゃんと伝えることができなかった。

 この討論の中では、内部被曝のことをあまり話できなかった。1mSvという話は、ICRPの預託線量の換算で話をしているが、ECRRでは二桁違ったはず。内部被曝を考えるならば、1mSvどころか0.01mSvでなくてはならない。

 小さな市民運動は、風呂の種火のようなものだ。これまで無くなってしまったら、どっちを向いていいのかも分からなくなるし、本当にどうしようもなくなったときの起爆剤になる。再稼働反対運動も、誰にも見向きもされずに何十年も反原発運動をやってきた人たちがいたから起きた運動だ。

 でも、種火で風呂は沸かない。今衆議院の90%が原発派だ。この状況で、なにをやっても大きな成果は望めないのは自明。政治を変えなくてはならない。

てなことを言って、一応の中締めとした。

最後に、明日判決の出る「大飯原発差し止め仮処分裁判」についてのアナウンスがあり、終了した。


なお、話として出なかったけれども、さらに何点か書いておくと、

 政治家の中にも放射能についての知識が足りない。(これはユーストのコメントにもあり)
とくに、生活の党の方々は、原発は勉強しているが、被曝についてはどこまで理解しているのか・・・
なので、参考文献などをカテゴリーごとにきちんとまとめる作業を、市民サイドがする必要がある。政策提言のさらに前段階の作業だ。

 生活の党の現職、前職の何人かにも案内をしたけれども、お一人も参加いただけなかったのは非常に残念。アクティブな市民と自発的につながる努力をせずに、どうやって組織を作っていくつもりなのだろうか。

 もう一つ残念だったのは、服部さんからは結局べき論しか聞けなかったということだ。後半の冒頭に「べき論は止めましょう」と言ったのは、失礼ながら誰よりも服部さんに言ったつもりだったのだが。
 その意味では、生活の党は余りにも政治のリアリティにとらわれすぎ、逆に服部さんは政治のリアリティを受け止め切れていないという印象だった。今ごろ、立法主旨が・・と言ったところで虚しいだけだ。

 その一方で、十数名とはいえコアな人々が集まって、工夫を凝らし、実践に基づいた議論ができたことは、大いに意義があった。
 今回の議論から、ある程度の作戦を考えて、より実践的な提案と作戦会議を、次回はやりたいと思っている。


この日は、早朝に地震でたたき起こされ、午後は建築現場でこけて腰をぶつけ、夜はこの会の司会をやってと、何ともヘビーな一日だった。
最後を串カツとビールで締められなかったのが、心残りではある。

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ  応援お願いします


関連記事

comment form

管理者にだけメッセージを送る

comment

自由党 近畿ブロック
国民の生活が第一!
KINKILOGO.png
自由党
jiyutoulogo.jpg
山本太郎となかまたち
bnr_nakamatachi.png
生活フォーラム関西
なんとしても政権交代を!
20140723-3.jpg
カレンダー
02 | 2017/03 | 03
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
森友事件 リンク
安倍晋三記念小学校こと森友学園の疑惑について、重要な資料を提供してくれるリンクです
リンク1
貴重な情報をいただいています
(順不同)
リンク2
ブログ内検索
twitter
田中龍作ジャーナル
20140723-4.gif
マガジン9条
パレスチナ・オリーブ
パレスチナで作られたオリーブオイルやオリーブ石けん。これはお勧め。
palestineolive.jpg
RSSフィード
blogranKing.net

カウンター
最近の記事
プロフィール

明月 こと 山岸飛鳥

Author:明月 こと 山岸飛鳥
木の家プロデュース 明月社 主宰
一級建築士
趣味 キコリ 畑
取り柄 貧乏
Email : info@mei-getsu.com

明月社のアルバム
明月社の作品や家づくりのアイディアなど ちょくちょく更新しています
アルバムLOGO
木の家プロデュース明月社
私のホームページ
meigetsusha.jpg
明月社へのご連絡

名前:
メール:
件名:
本文:

明月社 facebookページ
六甲菜園ブログ
郊外楽園プロジェクトの六甲菜園
rokkou-sides.jpg
おすすめの本
こんな時代だから、お薦めしたい本。アフィリエイトではありません。

自伝的戦後史(羽仁五郎) jidentekisengosi.jpg

おすすめの本 2
日本はなぜ「基地」と「原発」を止められないのか

nihonhanaze.jpg

おすすめの本 3
日本はなぜ「戦争ができる国」になったのか
nihonnhanaze2.jpg
おすすめの本 4
世界超恐慌の正体

sekaichoukyoukou.jpg

おすすめの本 5
そして、日本の富は略奪される

sositenihonnno.jpg

おすすめの本 6
コンクリートが危ない

conclete.jpg

おすすめの本 7
家を建てる。家づくりはたたかいだ

iewotateru.jpg