2013-04-28(Sun)
屈辱の日に

「戦後レジームからの脱却」のために改憲だ と息巻いてみせる安倍晋三。
こいつらの脳内をのぞいてみよう。
ところで、単純な疑問を感じないだろうか?
主権回復の日? だったら何故「戦後レジーム」から脱却する必要がある? 主権回復してるなら脱却の必要はないんじゃないの?
実際のところ、安倍晋三が目指すのは「戦後レジームのバージョンアップ」であり「戦後レジームの完成」だ。
脱却というなら日米地位協定も日米原子力協定も破棄してみろ。できないくせに脱却とか言うな!
ところで、そもそも「戦後レジーム」とは何なのか。
誤解を恐れずに言うと、日米安保を守るために平和憲法というエサをぶら下げた状態のこと。
エサとか言うと、護憲派の人に怒られるかもしれない。たしかに1条と9条の「国際紛争を解決する手段としては」以外は完璧だと私も思う。
しかし、1条(戦争責任の放棄)と9条の「国際紛争を解決する手段としては」(自衛ならOK)によって、核心部には穴が開いていることも事実だ。だから、今のこの現状があるのだ。
そうは言うものの、やはりこの憲法に戦後の暮らしは守られてきた。
戦前の指導者が、ごっそりそのまま生き残ったのが戦後の日本だ。その象徴が憲法第1条 天皇である。
実態としても、一部公職追放になったものですら数年後には復帰しており、日本のトップは戦前と戦後でたいして顔ぶれは変わっていない。
つまり、憲法がなかったら、戦前のあの抑圧支配が続いていたということだ。
もしそうなれば、可能性はふたつ。
68年も戦争無しの状態は続かなかった、あるいは、革命が起きていた。
その両方を未然に防止してきたのが、この憲法であったことは間違いない。

中国ではホントに革命が起きていたし、日本国内でもそういう民衆パワーが見られた。
その結果がうまく行くかどうかはこのさい関係なく、政権が革命で転覆する可能性が本当にあった、ということだ。
このくらいの憲法を作らないと、日本のバカな支配者は戦前さながらの圧政を止めないし、そんなことをしたら本当に革命が起きるかもしれない。
革命なんて起きてしまったら、日本をアジアの基地にするという米軍の世界戦略(日米安保)がズタズタになる。
そういう状況だったから作られたのが、この憲法だ。
ただ、口を開けてボーとしていたらマッカーサーがお口に入れてくれたわけではない。
■■
しかし「68年間かけて羊化された日本人には、もうエサは必要ない」というのが改憲であり「戦後レジームの脱却」の正体だ。
3.11から昨年12.16までの21ヶ月で、「日本人の羊化は完成した」と最終的に判定された。
ここまでヒドイ目にあっても、まだ自民党に投票し続ける日本人を目の当たりにして、選対本部にいた安倍晋三ですらが複雑な表情をしていたのを憶えている人も多いだろう。
日本を支配する者たちは、一瞬絶句した後、「な~んだ、余計な配慮する必要なかったじゃないか。ビクビクして損したぜ!」と高笑いしたにちがいない。
だから、12.16以降、怒濤のようにとんでもないことが押し寄せてくる。
これまで必死になって隠してきた原発事故による被曝被害も、もはや隠すのではなく「被害はあるけど我慢しろ」と言い出した。
ふくしま集団疎開裁判 ブログ
これからは、この論法が主流になっていくだろう。
舐められるということは こういうことだ。
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しかし、これからは、これまでさんざんエサ食わせたんだから、もう丸焼きにして食っちゃおう となる。
東西冷戦が終わり、アメリカの経済にガタが来て、1990年代の後半から、いよいよ「丸焼き」体制への移行は始まっていた。
21世紀の訪れとともに、悪夢のようなコイズミ劇場が始まり、それは決定的となる。
そして、3.11の放射能大放出により、一気に加速することになった。
チェルノブイリを知り尽くしている者たちから見て、日本はもう終わっている。
もちろん、壊滅するわけではないが、大量の被曝障害が発生し、広大な国土も使えなくなる。
その対応に追われ、かつての経済大国日本は、沈没していく。
そうなる前に、早いこと収穫をすませよう というのだ。
■■

右の図は日本の1955年から2011年までの経常収支だ。
(クリックすると巨大化するので見にくい方はどうぞ)
簡単にいうと、どんだけドルを稼いだか。
これはGDP比なので、実際の額にするともっと山は大きくなる。
とにかく、1980年代から30年間、ずーとドルを稼いできたことが分かる。
その累計、実に250兆円といわれている。
それに対する金利が、グラフの斜め線の部分であり、なんとGDPの2%もある。
すげー 金満国家じゃないか。
ところが、ここに落とし穴がある。
250兆円の資産も、毎年の金利も、実態は全部ドルだ。円じゃない。
さっさと円に両替して持って帰ってくればいいじゃないか、と私ら素人は思うけれど、ドルはドルのままドルの国で運用されているのである。
日銀総裁の黒田東彦がマネーなんたらを2倍にして270兆円にするとか言って、世間はすごいすごいと驚きわめいているが、実は日本持って帰って来れず、直接日本の経済に使うことのできないマネーが、250兆もドルの国で動き回っていることはあまり誰も言わない。
いや、実は250兆という話もしかけがあって、別々の会社の赤字と黒字を相殺したものが、統計上の250兆なのであって、ドル資産そのものはどうやら700兆円くらいある。
ドル建ての取引だから、赤字は円をドルに両替して支払わなくてはならないが、黒字はドルのまま貯まっていく。
それが700兆円。
詳しく見たい人は、こちらの日銀資料の「対外資産負債残高」をご覧あれ
http://www.boj.or.jp/statistics/br/bop/
よほど残高の合計は知られたくないのか何なのか、この図表でも合計欄がないので、自分で計算する必要がある。
繰り返すけれども、これは実態は全部ドル。
当然、ドルの国で運用されている。
日本ではデフレだデフレだと騒ぎながら、アメリカでは700兆円ものジャパンマネーが動いているのだ。
会社への投資が91兆円、米国債などの証券投資が313兆円、その他貸し付けなどが152兆円、などなど。
もちろん、これらが、いつでも返してもらえる金なら文句はない。
しかし、「米国債を売りたくなるときがある」と、ぽろっと言ったばっかりに失脚した橋下龍太郎の例を見るまでもなく、まあほとんど返ってこない。
分かりやすくいうと、あなたが一所懸命働いて給料をもらうときに、会社の社債を強制的に買わされるようなものだ。
ごっそり天引きされて、しかもそれは返ってくる見込みがない。
これで貧乏にならないワケがない。
円安や消費税などの=輸出優遇策が取られるのも、実はここに理由がある。
輸出が好調でなければ、アメリカに貫流させるジャパンドルが生まれてこないからだ。
■■
これまでは、こういう仕組みで日本はごっそり絞られてきた。
しかし、いくらアベノミクスで円を刷りまくろうとも、日本の経済はアメリカを支え続ける力を持ち続けることはできない。
アベノミクスというか黒田バズーカというか、この円放出を最後っ屁にして、日本収奪のトレンドは大きく代わる。
それがTPPだ。
もう、まだるっこしいことは抜きだ。
日本におけるありとあらゆる商業行為、お金の動くところ収奪あり、という様相を呈していくだろう。
これら21分野を見て、オレんとこの商売は関係ないよ と言える人がどれだけいるのだろう。

条件がそろってしまったということだ。
・米国経済の根本はまったく修復されていない
・日本経済も長いことはない
・原発事故の影響が明らかになる前に獲れるものは獲ってしまえ
・この期に及んで自民党に投票する羊化された日本人に手加減はいらない
■■

この羊は吸血鬼になって人間に襲いかかるらしいが、吸血鬼まではいかなくても、やられたことにはきっちり復讐する、というか忘れない、許さない という根性が必要だ。
羊だって、見た目はおとなしそうだが、結構どう猛らしい。
ぼやぼやしていたら、本当に丸焼きだ。
12.16選挙で、がっくりと力を落として冬眠してしまった皆さんも、そろそろ春です。
穴から出てきませんか。
そう簡単に勝てるものではないのだから、1回や2回の敗北でいつまでもウダウダしているわけにはいかない。敵の思うつぼだ。
その点、反原発の市民運動を長年やっている人たちは強い。怒られそうだが、負け慣れしている。しぶとい。
こういう大敗北を喫したことのない小沢グループ支持の人々は、ある意味見習った方がいい。
一方で、負け慣れしてる(失礼)市民運動の人々は、そのしぶとい力を政治の力にかえることを真剣に考えて欲しい。
市民運動は大事な種火ではあるけれども、種火だけではお湯は沸かないのだ。
そんなことを、今日、屈辱の日に考えた。
■■■お知らせ■■■
先日見学会をした、古民家再生の家@宇陀市、人数限定で見学できます
4月30日(火) 11時~18時
連絡いただいてから時間は調整します
→ info@mei-getsu.com まで


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