2013-06-13(Thu)

20年の闘いの第一歩として 6.16炎の決起集会@大阪【追記あり】

20130613-1.jpg今から45年前、1968年。チェコスロバキアでは人間の顔をした社会主義を求める運動が高揚。 共産党第一書記についたアレキサンデル・ドゥプチェクをはじめとする指導者達は率先して運動を推し進めようとした。
世に言う「プラハの春」である。

しかし、それは宗主国であるソ連の怒りを買い、ブレジネフはソ連軍を主力とするワルシャワ条約機構軍をチェコスロバキアに侵攻させ、占領した。
改革派を一掃し、親ソ派にクビをすげ替え、長い長い「プラハの冬」が始まった。

第一書記だったドゥプチェクは、粛正こそ免れたものの、おそらくは西側への亡命を期待してトルコ大使に左遷し、亡命しないと見ると1970年には共産党を除名され、議員資格も失った。
普通のおじさんになり、故郷の営林署のようなところで機械工として1985年まで働いた。

ここで、大きな教訓が二つある。

一つは、ドゥプチェクが粛正されなかったのは、たぶん国民の人気があまりに高かったからだ。
侵攻してきたソ連軍の将兵に、一人一人話しかけるなど(右の写真)、かなりおとなしい抵抗運動を行ったチェコスロバキアの市民が、もしドゥプチェクを処刑したりしたら、暴動に発展するに違いない、とブレジネフは判断したのだろう。

国民が「絶対に守る」と決意した政治家は、最後の最後ギリギリの線で守ることができる、ということだ。
その気になれば、歴史から存在を抹殺することすら厭わないソ連が、自らの路線を真っ向から否定したドゥプチェクを処刑できなかったのだ。

教訓の二つ目は、チェコスロバキアの英雄だったドゥプチェクは、失脚後、亡命もせず、評論家にも学者にもならず、一労働者として臥薪嘗胆の日々を送ったということだ。まさに、薪を枕に肝を嘗めて雌伏したのである。
機械工として働いていた時期は、実に15年間である。
この胆力を、いま私たちは見ならわなくてはならない。

こうして時は1989年を迎える。
ソ連経済の行き詰まり、冷戦終結、ペレストロイカ、さらにはチェルノブイリ原発事故と、ソ連はかつてのソ連ではなくなっていた。
プラハの春がソ連軍の戦車で圧殺されてから実に21年目の11月、ベルリンの壁が崩壊してから1週間後に始まった学生のデモは、さらに10日後には国民の75%が参加したゼネストに発展し、それは1ヶ月以上続き、共産党独裁政権はあえなく崩壊した。
4年前まで営林署の機械工をしていたドゥプチェクは、連邦議会議長として復権し、歓呼の声で迎えられた。
いわゆるビロード革命である。

もちろん、ソ連という重しがとれたという条件はあったにせよ、ここでも重要な教訓がある。
臥薪嘗胆していたのは、ドゥプチェクだけじゃなく、ほとんどのチェコスロバキア国民がみなそうだったということだ。
21年間も冬の時代を過ごしてきたら、普通だったら政治的な感性はボケボケになり、デモや集会やストライキなどやり方も忘れてしまう。まさに、今の日本のように。

ところが、あっという間にデモ、ゼネスト、政権交代を成し遂げたチェコスロバキア国民は、21年間もあきらめずに、皆で臥薪嘗胆の日々を送っていたのである。
おそらくは、様々な地下組織が活躍し、理論面や行動面で来るべき日に備えてきたのだ。
今すぐに政権交代できなくとも、今すぐに成果を勝ち取れなくとも、来るべき日に備えること。それが本当に大事なことだと言うことを、チェコスロバキアの経験は教えてくれる。

ちなみに、驚くべきことはもう一つあって、ビロード革命から3年後、二つの民族の連邦であったチェコスロバキアは、チェコ共和国とスロバキア共和国に話し合いで分離している。
古今東西、こういうケースでは熾烈な内戦になるものだが、チェコとスロバキアの人々の知恵の深さには驚嘆する。
1つの運動が起きるたびに、3つくらいの内紛が起きる日本の国民性をいきなりかえることはできないが、少しでも見ならうことはできないだろうか。

■■

振り返って日本。

日本には運動の地下水脈のようなものは、ほとんど存在しない。
小さい小さい、自分の組織のための方法論は細々と受け継がれているのかもしれないが、国民レベルで言うならば皆無と言っていい。

共産党は自分の組織にしか目が行かないし、社会党は自衛隊を合憲と言った時点で歴史的に終了し、その崩壊した欠片である社民党は、国民全体を視野に入れるだけのスタンスを持ちえなくなってしまった。
そこで私が注目し、期待したのが小沢一郎だ。

保守政治家である小沢一郎の見解に、何もかも賛同するものではない。だいたい私は自衛隊だろうが防衛軍だろうが、軍隊は要らないと考えている。
自衛隊は予算も人員もそのままそっくり「国境なき災害救助隊」に再編し、世界中のあらゆる国で救助して回る。イランでもイスラエルでも、米国でも北朝鮮でも、分け隔て無く災害があれば救助する。
日本ほど災害救助の経験がある国は少ないのだから、予算をかければまちがいなくダントツ世界一の救助隊になり、世界中の国から一目おかれる日本になることができる。
いわば、世界中に出かけていって「トモダチ作戦」をやるのである。

20130423-4.jpg そんなこんなはあるけれども、それでも私はこの数年来、小沢一郎を支持し、応援し、彼の率いる政党の手助けをわずかながらやってきた。
それは、小沢一郎の目線は、常に日本国民全体にあるからだ。自分とこの支持者層だけしかみない偏狭な存在ではない。
そして、今の日本が苦しいのは、何よりも米国に食い物にされているからだという時代認識をはっきり持っている。
この2点を基礎に 「国民の生活が第一」というスローガンを掲げた時点で、私は迷いなく支持することに決めた。

さらに、小沢一郎の向かう方向は間違っていないということを、権力そのものが証明してくれた。
正しくて、強力なものが、弾圧されないとしたら、どこか胡散臭い。
陸山会事件があったからこそ、小沢一郎の正統性は満天下に明らかになった。

小沢一郎が自民党を割って新生党を作ってから、この6月でちょうど20年。
何十年という時間軸でものごとを進めるという意味でも、やはり彼は希有の存在だと言える。

ただし、保守政治家としての限界も感じることはある。
理念としては国民が主役ということは常々言っているところだが、現実の運動では議員が主役になっているように見える。
主役と言って支障があるならば、代行と言ってもいい。
議員や候補者が決めて実行し、それを国民は判断するという構図だ。

個別の問題では市民運動などの形で長年の経験を持つスペシャリストがたくさんいる。
彼らの知恵を借り、協力を仰いで進めていくという観点が欠けている。
最近になって、小出先生に話を聞きに行ったり、少しずつされているようだけれども、その人選をみただけでも、基礎知識が充分に伝わっていないのだなと思わざるを得ない。

もちろん、これは伝える努力をしてこなかった私も含めた市民の側の問題でもあり、双方向の問題だが、とにかく現状認識としてはおさえておきたい。
そして、そういう面がかなりショッキングな形で出てしまったのが、今回の生活保護法改正案に賛成してしまった事件だろう。

ラターシュに魅せられて晴天とら日和日々坦々、など逆境の小沢一郎を支持してきた有名ブロガーも、呻吟しながら今回の賛成票を批判している。
私のところに寄せられた意見も、中には鬼の首を取ったようなのもあったけれども、多くは苦しく悲しいうめき声としての批判だった。

貧困問題に現場で長年取り組んでいる人たちの意見をちゃんと聞けば、問題の所在は自ずから明白だったろうに。
しかし、それを嘆いても仕方のないことで、問題は「ではどうするか」だ。

今現状は、生活の党としては、モヤモヤしたよく分からない言い訳をHPに掲載し、各議員や候補者はほぼ沈黙状態。
多くの支持者は、選挙前だから黙っておこう と気を使って悶々としている。
私は、この悶々モヤモヤ状態が、いちばん問題だと思う。

お互いに言いたいことは言って、率直に議論できる関係でなければ、本物の支持者とは言えない。
間違いや意見の違いはあってもいい。あるのは当然。
でも、今回のことで多くの支持者がうめき声を上げているのは、「国民の生活が第一」という政治家の感性に関わることだからだ。
本当にこの人大丈夫かな? と心の中で思いながら、でも選挙前だから・・・ などと黙っていて、魂の入った応援なんてできない。

応援するからこそ聞きたい 応援するために聞きたい そうハッキリ言うのが誠実な態度だと 私は思う。

■■

これから20年かかるのか何年かかるのかは分からないけど、長い長い闘いを、日本で続けて行かなくてはならない。
その時、何よりも大事なのは同志がいる ということ。
だれが仲間なのか、分かっていると言うこと。

臥薪嘗胆するにしても、一人っきりではナンボ何でも無理。
できるだけ多くの仲間と、少しずつ予行演習を重ね、仲間を増やしながら来るべき日に備えること。

その意味で、この参議院選挙は大きなステップになる。
いくら言ってることは正しくても、恐ろしく信用できない行動をとる政治家もいる。
逆に、不器用だけれども首尾一貫している政治家もいる。
しっかりと見抜くことだ。

コーディネーターとして関わっている 「政治を市民の手に!プロジェクト」では、生活の党・はたともこ参議院議員をリスペクトすることにした。

彼女は、もっとも有効に原発を止めるために、天然ガスコンバインドサイクル発電の効用を前面に掲げ、あえて当たりのイイ自然エネルギーへの代替を言わない。自然エネルギーしか認めないような事を言う連中は、隠れ原発派じゃないかと思っていた私としては、わが意を得たりという感がある。

20130613-2.gifまた、薬剤師としての知識を活かし、官民挙げての接種キャンペーンを繰り広げた子宮頸がんワクチンの危険性と無効性を徹底的に国会の場で暴き出し、世の中の常識をひっくり返した功績がある。
巨大な利権に怯まず、あのACの広告(→)など圧倒的なマスメディアのキャンペーンをはね返したエネルギーは、実に見事と言える。

これと言ったらこればかり、ガンガン話されるので、日本的なアイマイを好む感性には好き嫌いはあるかもしれないが、はたともこさんのキャラクターは、私はとても貴重だと思っている。

次の日曜日、6月16日には、はたさんは自前の宣伝カーと共に朝から大阪に来られ、各ターミナルなどで街宣を行う。
そして、14時からは、肥後橋の大阪YMCAで 炎の決起集会!

先ほど書いたように、生活保護法の問題についても、タブーにはしない。
鬼の首とった発言は、集会の趣旨に反するので主催者権限でカットするかもしれないが、支持するからこそ納得できない という意見はしっかり受け入れるし、そのことは はた事務所も理解されている。

もちろん、この件に限らず、「これを言いたいんや」という方がおられたら、ぜひご連絡を。
胸中スッキリして、この夏と、そしてこれからの長い闘いに向かっていこう。

 
6月16日(日)14:00 大阪YMCA 10階101号
国民の生活を守れ! 炎の決起集会
主催:政治を市民の手に!プロジェクト
講師:はたともこ参議院議員(生活の党)

詳しくは 前のエントリーを

また、終日はたさんたちと同行して、街宣の手伝いをしてくれる方も大募集。
私も行きますので、ご一緒に!

【追記】

16日の集会には、生活の党・衆議院議員・村上史好さんが来てくれることになりました。

貴重な貴重な(!)現職の代議士です。
はたともこ参議院議員の基調講演とともに、ぜひ話を聞きに来てください。

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天然ガスについてはロシアや東南アジア、オーストラリア、中東方面から分けて輸入すれば良いかと思います。日本以上の原発推進国であるフランスもロシアやノルウェー、オランダ、アルジェリアなどから輸入していますし。問題は「北方領土」でナショナリズムが始まることです。エストニアという国がありますが、ここもロシアとはロシア系住民や国境線などで対立していますがロシアからは天然ガスを輸入しています。こういう現実をマスコミはもっと伝えるべきですね。そもそも、「311以降変わらなきゃいけない!」という話も、何が変わったのかもよく分かりませんし。※あと、小出先生は「政治は嫌いだ」と言っているそうですが実際は専門外のことには関わらないことにしているんでしょう。利用されるってことぐらいはさすがに分かるだろうし。先生と言えば、堀茂樹先生もインチキ臭いですけど。
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