2013-09-11(Wed)
なぜ震災を境に日米同盟は激変したのか
私は専門家でも研究者でもないが、外務省の資料などを見る限りでは、2011年3月11日の東日本大震災を境に、日米同盟の内容が激変しているように見える。
一番分かりやすい資料は、日米両国の外務大臣(国務長官)、防衛大臣(国防長官)の会議である、日米安全保障協議委員会、いわゆる「2+2」であろう。
外務省のHPには共同声明などの資料が公開されている。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/hosho/2plus2.html
震災の前は、2010年1月と5月に開催されている。
1月は日米安保条約50周年であり、5月は沖縄の基地返還のことだけを話し合ったようだ。
ここでは1月のほうを見てみる
日米安保署名50周年にあたっての共同発表
この2ページ目の冒頭にこのように書いてある
「日米同盟は(略)平和と安定を東アジアにもたらしている。」
「この地域における最も重要な共通戦略目標は、日本の安全を保障し、この地域の平和と安定を維持することである。」
「日本及び米国は、(略)米軍と日本の自衛隊との間の協力を含め、協力を深化させていく。」
ここで特徴的なのは、
1.日米同盟が対象とする地域は、基本的に「東アジア」
2.日米同盟の第1の目的は「日本の安全保障」
3.米軍と自衛隊は「協力」の関係
ということだ。これが、3.11後はどのように変化するか。
直後に行われたのは、2011年6月21日だ。まだ3ヶ月しか経っていない。
より深化し,拡大する日米同盟に向けて:50年間のパートナーシップの基盤の上に
「閣僚は,アフガニスタン及び中東における過激主義に対する(略)取組に留意した。これらの課題は,地域の安全及び安定の維持における日米同盟の不可欠な役割のみならず,日米両国が協力を深化させ,拡大させる必要性を強調するものである。」
これは、日米同盟の対象地域を、東アジアとかアジア太平洋という漠然とした言い方から、明確に中東を含めるという拡大宣言である。
すでに自衛隊をイラクに派兵したとはいえ、名目上は復興支援であり米軍と一体にならないことが条件だった。
同盟として中東を対象にする以上は、もうこんな眠たい話は許さない ということだ。
さらに、2012年6月の声明ではこう書かれている。
「二国間の計画を精緻化する努力を行う」
「二国間の政府全体のメカニズムを強化し,米軍及び自衛隊による日本国内の施設への緊急時のアクセスを改善する」
これまでの「協力」関係を越えて「一体化」を進め、緊急時には米軍が日本の施設を自由に使えるようにする。
「能動的,迅速かつシームレスに地域の多様な事態を抑止し,それらに対処するために,共同訓練・演習を拡大し,施設の共同使用を更に検討し,情報共有や共同の情報収集・警戒監視・偵察活動の拡大といった協力を促進する」
シームレスという用語は2010年の防衛大綱で使われたのだが、これは平時と有事の継ぎ目無くという意味で使われていた。
ところが、ここでの意味は、米軍と自衛隊の継ぎ目を無くす という意味にとれる。
さらに
「政府横断的なセキュリティ・クリアランスの導入やカウンター・インテリジェンスに関する措置の向上を含む,情報保全制度の更なる改善の重要性を強調した。」
これはまさに、今進められようとしている秘密保全法そのものだ。
米軍と共有する情報が、自国民に漏れないようにするための法律を早く作れと書いてある。
これら以外にも、全体的に日米「一体化」ととれる話がちりばめられている。
集団的自衛権という言葉は避けられているが、まさにそのものである。
前回の声明からうける印象とは全然違うのだ。
■■ そして日米共同声明
震災から1年以上すぎた5月1日にオバマと野田の日米会談が行われた。
発表された、日米共同声明には、このように書かれている。
日米共同声明:未来に向けた共通のビジョン
「2010年の防衛計画の大綱の下での日本の動的防衛力の構築と,米国がアジア太平洋を重視する戦略を含め,我々はそれぞれのコミットメントを実行していく。
米国によるこの戦略は,地理的により分散し運用面でより抗堪性のある兵力態勢を地域で実現しようとする取組を伴う。」
要点は、「自衛隊が動的防衛力の名の下に、アジア太平洋地域の緊急事態に日米同盟軍として対応する」 ということだ。しかもそれは、「米国による戦略」に沿っておこなわれる。
ここまで来ると、協力とかではなく、自衛隊は米軍の手弁当の傭兵部隊になる ということだ。
これに先立つ4月27日の2+2でも、
日米安全保障協議委員会 共同発表
「アジア太平洋地域における平和、安定及び繁栄の促進のために協力(略)を強化することが極めて重要である」
「この文脈で、米国政府は、訓練や演習を通じてこの地域の同盟国及びパートナー国がその能力を構築することを引き続き支援する」
と、日米同盟は、二国間同盟ではないと宣言されている。
アジア太平洋(中東含む)の米国をボスとする軍事パートナーシップの一環である、と位置づけられた。
注意したいのは「同盟国及びパートナー国」と言っていることだ。同盟国とパートナー国の何が違うのか。
より一体化した国がパートナー国と言うことなのだろう。日本は、「格上げ」されたわけだ。
集団的自衛権の行使は、「宣言」されるまえに「実体」ができあがっている。
■■憲法9条はすでに無いも同然
9条を守れば、なんとか日本は戦争しなくて済む とシンプルに信じている人も多いが、申し訳ないがそれは平和ボケというものだろう。
こうして見て来たように、自民党だろうが民主党だろうが、日本の為政者は憲法9条の存在など、喉に引っかかった魚の骨くらいにしか思っていない。
ほぼ無視され、事態はどんどん進行している。
航空、海上、陸上、各自衛隊のHPを見ても、ほとんどいつも何処かで日米合同訓練が行われている。
しかもそれは、沖縄だけでなく、グアムやアラスカでも頻繁に行われ、また、そうした海外の訓練場を日本のカネで作るのだということも、例の2+2の声明の中には書いてある。
どこをどう見ても、9条のある国の姿では、もはやない。
最近の安倍晋三の動きなど見ていると、9条があるから参戦しないのではなくて、いちばん「高く売れる」タイミングを見計らっているのではないかと思える。
シリア参戦は、このままロシア提案がうまくいけば回避できるかもしれない。
ちょっと不思議だったのは、安倍がオバマのかなり強引な要求から、言を左右にして逃げ回っていたことだ。
かつての小泉のように、一瞬のためらいもなく「支持する」「派兵する」と言うのかと思いきや、そして最初はその勢いだったのに、手のひらを返して逃げ回った。
これはおそらく米国の反オバマ、つまりネオコンなどの積極軍拡派の入れ知恵であり、安倍はそちらに付いたということだろう。旧来の日本に根を張るハンドラーズは、基本的に軍拡派だから、オバマの凋落を見越してそのような作戦に出たのだろう。
中国とは手打ちをして中東に全力で向かえというオバマの要求は、反中国の右翼ポーズで支持を集めてきた安倍にすれば、後援会がガタガタになる困った話だったはずだが、それでももし、絶頂期のオバマであったなら、安倍は集団的自衛権行使を宣言して、派兵を表明していたはずだ。
■■ なぜ3.11後に急変したのか
それにしても、なぜこの時期に日米同盟が日米一体化に「深化」し、東アジアが中東まで「拡大」したのか。
背景にはもちろん米国の財政危機があるし、それにともなうイラク撤退やアフガンの出口戦略がある。
しかし、それは2011年の初めに急に起こった事態ではない。
この問題を考えるとき、もうひとつ気になることがある。
「復興に関する日米官民パートナーシップ」のことだ。
ジャパンハンドラーズ軍団とも言われるシンクタンク、CSISが主導し、そうそうたる面々が顔をそろえ、鳴り物入りで始まったこの「復興と未来のための日米パートナシップ」
経団連タイムズ
復興利権をごっそり狙いに来たな、と苦々しく見ていた。
その後の動きも、できるだけ注意していたのだが、2011年11月に「TPPに入れば復興できる」というような適当な報告書を出して、そのまま消えてしまった。
あの津波の惨状を見て、目を覆い涙を流すのはわれわれ庶民だけであって、経済界は即刻「経済効果」を弾いている。
まして、単なる復旧ではなく、街そのものを作り替えるという「ビックビジネスチャンス」を、あの猛者どもがおめおめと見逃すはずはない。
よくよく考えるまでもなく、これは原発事故のせいに違いない。
要するに、半年間ほど様子を見て、逃げ出したのである。
一般の日本人が決して知ることのできない「事実」を知ることができる立場の人たちばかりだから、これはビジネスどころじゃないと逃げ出したのであろう。
「日本は早晩もうダメだ」と彼らは判断したのである。
日本人が全滅するわけではないが、国力はがた落ちになり、今よりも一回りも二回りも国力の小さい国として辛うじて生きていくことになる。
それならば、とれるものは今の内にとっておこう。後先を考える必要はない。
こうした思考法から、経済と軍事の一体化、つまり短期集中の所有移転が決定された。
経済の「一体化」がTPPであり、軍事の「一体化」が集団的自衛権、というわけだ。
なるほど、3.11後から一気に急展開するわけが、こう考えると理解できる。
そして、もうひとつだけヤツらの関心事は、20km圏内に核の墓場を作ることだ。
「日米同盟」が利用できる「核の最終処分場」を、福島に作るために、IAEAを現地に派遣した。
TUNAMIの国の海岸に原発を54基も作れば、50年に1度くらいは福島のようなことになるのは、原発を作っていた側もよくよく分かっている。原子力マフィアの下の方、つまり洗脳されていた連中は分からなかったかもしれないが、洗脳していた側は当然のこととして予期していた。
そして、事故後は「核処分場にしか使えない」場所が確保できる、ということも予め想定していた。
福島の事故は、「やっとおきた」「待ちに待った」事故だったのである。
恐ろしすぎて、考えることを拒否してしまいそうだが、冷静に論理的に考えれば、そういうことになる。
原発推進の正体は「日本列島を核の墓場にする計画」だったのではないか
「フクシマを核処分場にする計画」を改めて検証してみる
TPP、集団的自衛権、そして水面下で進む核処分場。
これらは、棄民された日本から、最後の一滴を搾り取ろうとする冷酷無比な仕打ちに他ならない。
もちろん、ここで「棄てないで」と米国の裾にすがりつくようなことをするるもりはない。
これまでの「食わせてやるからおとなしく言うことを聞け」という奴隷政策から、あからさまな棄民政策に変わったということは、長年精神を「休養」してきた日本人が、120年ぶりくらいに目を覚ます時代になったということでもある。
もちろん、目を覚ます前に頭から食われてしまう可能性もあるが、そうならない可能性もゼロではない。
そのためには、TPP、集団的自衛権、そして水面下で進む核処分場という、もっともあからさまな棄民政策を、広く知らせることだ。
■■ 10月13日 集まろう
ということで、10月13日(日)に集会をやることにした
討論集会 集団的自衛権の正体 ~いったい何を衛るつもりなんだろう?~
講師 孫崎享さん 糸数慶子さん 豪華ダブルキャスト!!
会場 PLP会館(大阪扇町)
会費 1000円 定員 200人
主催 政治を市民の手に!プロジェクト
申込 info@mei-getsu.com(山岸) まで 名前、連絡先を
このお二人の話を一度に聞ける機会は、滅多にありません。
まして関西では、貴重な機会。
ぜひぜひぜひ ご参加を!
「知ること」から 「意思表示をすること」へ
「意思表示をすること」から 「人に伝えること」へ
少しだけ前に進もう
希望は、その一歩の総和の中に存在する


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一番分かりやすい資料は、日米両国の外務大臣(国務長官)、防衛大臣(国防長官)の会議である、日米安全保障協議委員会、いわゆる「2+2」であろう。
外務省のHPには共同声明などの資料が公開されている。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/hosho/2plus2.html
震災の前は、2010年1月と5月に開催されている。
1月は日米安保条約50周年であり、5月は沖縄の基地返還のことだけを話し合ったようだ。
ここでは1月のほうを見てみる
日米安保署名50周年にあたっての共同発表
この2ページ目の冒頭にこのように書いてある
「日米同盟は(略)平和と安定を東アジアにもたらしている。」
「この地域における最も重要な共通戦略目標は、日本の安全を保障し、この地域の平和と安定を維持することである。」
「日本及び米国は、(略)米軍と日本の自衛隊との間の協力を含め、協力を深化させていく。」
ここで特徴的なのは、
1.日米同盟が対象とする地域は、基本的に「東アジア」
2.日米同盟の第1の目的は「日本の安全保障」
3.米軍と自衛隊は「協力」の関係
ということだ。これが、3.11後はどのように変化するか。
直後に行われたのは、2011年6月21日だ。まだ3ヶ月しか経っていない。
より深化し,拡大する日米同盟に向けて:50年間のパートナーシップの基盤の上に
「閣僚は,アフガニスタン及び中東における過激主義に対する(略)取組に留意した。これらの課題は,地域の安全及び安定の維持における日米同盟の不可欠な役割のみならず,日米両国が協力を深化させ,拡大させる必要性を強調するものである。」
これは、日米同盟の対象地域を、東アジアとかアジア太平洋という漠然とした言い方から、明確に中東を含めるという拡大宣言である。
すでに自衛隊をイラクに派兵したとはいえ、名目上は復興支援であり米軍と一体にならないことが条件だった。
同盟として中東を対象にする以上は、もうこんな眠たい話は許さない ということだ。
さらに、2012年6月の声明ではこう書かれている。
「二国間の計画を精緻化する努力を行う」
「二国間の政府全体のメカニズムを強化し,米軍及び自衛隊による日本国内の施設への緊急時のアクセスを改善する」
これまでの「協力」関係を越えて「一体化」を進め、緊急時には米軍が日本の施設を自由に使えるようにする。
「能動的,迅速かつシームレスに地域の多様な事態を抑止し,それらに対処するために,共同訓練・演習を拡大し,施設の共同使用を更に検討し,情報共有や共同の情報収集・警戒監視・偵察活動の拡大といった協力を促進する」
シームレスという用語は2010年の防衛大綱で使われたのだが、これは平時と有事の継ぎ目無くという意味で使われていた。
ところが、ここでの意味は、米軍と自衛隊の継ぎ目を無くす という意味にとれる。
さらに
「政府横断的なセキュリティ・クリアランスの導入やカウンター・インテリジェンスに関する措置の向上を含む,情報保全制度の更なる改善の重要性を強調した。」
これはまさに、今進められようとしている秘密保全法そのものだ。
米軍と共有する情報が、自国民に漏れないようにするための法律を早く作れと書いてある。
これら以外にも、全体的に日米「一体化」ととれる話がちりばめられている。
集団的自衛権という言葉は避けられているが、まさにそのものである。
前回の声明からうける印象とは全然違うのだ。
■■ そして日米共同声明
震災から1年以上すぎた5月1日にオバマと野田の日米会談が行われた。
発表された、日米共同声明には、このように書かれている。
日米共同声明:未来に向けた共通のビジョン
「2010年の防衛計画の大綱の下での日本の動的防衛力の構築と,米国がアジア太平洋を重視する戦略を含め,我々はそれぞれのコミットメントを実行していく。
米国によるこの戦略は,地理的により分散し運用面でより抗堪性のある兵力態勢を地域で実現しようとする取組を伴う。」
要点は、「自衛隊が動的防衛力の名の下に、アジア太平洋地域の緊急事態に日米同盟軍として対応する」 ということだ。しかもそれは、「米国による戦略」に沿っておこなわれる。
ここまで来ると、協力とかではなく、自衛隊は米軍の手弁当の傭兵部隊になる ということだ。
これに先立つ4月27日の2+2でも、
日米安全保障協議委員会 共同発表
「アジア太平洋地域における平和、安定及び繁栄の促進のために協力(略)を強化することが極めて重要である」
「この文脈で、米国政府は、訓練や演習を通じてこの地域の同盟国及びパートナー国がその能力を構築することを引き続き支援する」
と、日米同盟は、二国間同盟ではないと宣言されている。
アジア太平洋(中東含む)の米国をボスとする軍事パートナーシップの一環である、と位置づけられた。
注意したいのは「同盟国及びパートナー国」と言っていることだ。同盟国とパートナー国の何が違うのか。
より一体化した国がパートナー国と言うことなのだろう。日本は、「格上げ」されたわけだ。
集団的自衛権の行使は、「宣言」されるまえに「実体」ができあがっている。
■■憲法9条はすでに無いも同然
9条を守れば、なんとか日本は戦争しなくて済む とシンプルに信じている人も多いが、申し訳ないがそれは平和ボケというものだろう。
こうして見て来たように、自民党だろうが民主党だろうが、日本の為政者は憲法9条の存在など、喉に引っかかった魚の骨くらいにしか思っていない。
ほぼ無視され、事態はどんどん進行している。
航空、海上、陸上、各自衛隊のHPを見ても、ほとんどいつも何処かで日米合同訓練が行われている。
しかもそれは、沖縄だけでなく、グアムやアラスカでも頻繁に行われ、また、そうした海外の訓練場を日本のカネで作るのだということも、例の2+2の声明の中には書いてある。
どこをどう見ても、9条のある国の姿では、もはやない。
最近の安倍晋三の動きなど見ていると、9条があるから参戦しないのではなくて、いちばん「高く売れる」タイミングを見計らっているのではないかと思える。
シリア参戦は、このままロシア提案がうまくいけば回避できるかもしれない。
ちょっと不思議だったのは、安倍がオバマのかなり強引な要求から、言を左右にして逃げ回っていたことだ。
かつての小泉のように、一瞬のためらいもなく「支持する」「派兵する」と言うのかと思いきや、そして最初はその勢いだったのに、手のひらを返して逃げ回った。
これはおそらく米国の反オバマ、つまりネオコンなどの積極軍拡派の入れ知恵であり、安倍はそちらに付いたということだろう。旧来の日本に根を張るハンドラーズは、基本的に軍拡派だから、オバマの凋落を見越してそのような作戦に出たのだろう。
中国とは手打ちをして中東に全力で向かえというオバマの要求は、反中国の右翼ポーズで支持を集めてきた安倍にすれば、後援会がガタガタになる困った話だったはずだが、それでももし、絶頂期のオバマであったなら、安倍は集団的自衛権行使を宣言して、派兵を表明していたはずだ。
■■ なぜ3.11後に急変したのか
それにしても、なぜこの時期に日米同盟が日米一体化に「深化」し、東アジアが中東まで「拡大」したのか。
背景にはもちろん米国の財政危機があるし、それにともなうイラク撤退やアフガンの出口戦略がある。
しかし、それは2011年の初めに急に起こった事態ではない。
この問題を考えるとき、もうひとつ気になることがある。
「復興に関する日米官民パートナーシップ」のことだ。
ジャパンハンドラーズ軍団とも言われるシンクタンク、CSISが主導し、そうそうたる面々が顔をそろえ、鳴り物入りで始まったこの「復興と未来のための日米パートナシップ」
経団連タイムズ
復興利権をごっそり狙いに来たな、と苦々しく見ていた。
その後の動きも、できるだけ注意していたのだが、2011年11月に「TPPに入れば復興できる」というような適当な報告書を出して、そのまま消えてしまった。
あの津波の惨状を見て、目を覆い涙を流すのはわれわれ庶民だけであって、経済界は即刻「経済効果」を弾いている。
まして、単なる復旧ではなく、街そのものを作り替えるという「ビックビジネスチャンス」を、あの猛者どもがおめおめと見逃すはずはない。
よくよく考えるまでもなく、これは原発事故のせいに違いない。
要するに、半年間ほど様子を見て、逃げ出したのである。
一般の日本人が決して知ることのできない「事実」を知ることができる立場の人たちばかりだから、これはビジネスどころじゃないと逃げ出したのであろう。
「日本は早晩もうダメだ」と彼らは判断したのである。
日本人が全滅するわけではないが、国力はがた落ちになり、今よりも一回りも二回りも国力の小さい国として辛うじて生きていくことになる。
それならば、とれるものは今の内にとっておこう。後先を考える必要はない。
こうした思考法から、経済と軍事の一体化、つまり短期集中の所有移転が決定された。
経済の「一体化」がTPPであり、軍事の「一体化」が集団的自衛権、というわけだ。
なるほど、3.11後から一気に急展開するわけが、こう考えると理解できる。
そして、もうひとつだけヤツらの関心事は、20km圏内に核の墓場を作ることだ。
「日米同盟」が利用できる「核の最終処分場」を、福島に作るために、IAEAを現地に派遣した。
TUNAMIの国の海岸に原発を54基も作れば、50年に1度くらいは福島のようなことになるのは、原発を作っていた側もよくよく分かっている。原子力マフィアの下の方、つまり洗脳されていた連中は分からなかったかもしれないが、洗脳していた側は当然のこととして予期していた。
そして、事故後は「核処分場にしか使えない」場所が確保できる、ということも予め想定していた。
福島の事故は、「やっとおきた」「待ちに待った」事故だったのである。
恐ろしすぎて、考えることを拒否してしまいそうだが、冷静に論理的に考えれば、そういうことになる。
原発推進の正体は「日本列島を核の墓場にする計画」だったのではないか
「フクシマを核処分場にする計画」を改めて検証してみる
TPP、集団的自衛権、そして水面下で進む核処分場。
これらは、棄民された日本から、最後の一滴を搾り取ろうとする冷酷無比な仕打ちに他ならない。
もちろん、ここで「棄てないで」と米国の裾にすがりつくようなことをするるもりはない。
これまでの「食わせてやるからおとなしく言うことを聞け」という奴隷政策から、あからさまな棄民政策に変わったということは、長年精神を「休養」してきた日本人が、120年ぶりくらいに目を覚ます時代になったということでもある。
もちろん、目を覚ます前に頭から食われてしまう可能性もあるが、そうならない可能性もゼロではない。
そのためには、TPP、集団的自衛権、そして水面下で進む核処分場という、もっともあからさまな棄民政策を、広く知らせることだ。
■■ 10月13日 集まろう
ということで、10月13日(日)に集会をやることにした
討論集会 集団的自衛権の正体 ~いったい何を衛るつもりなんだろう?~
講師 孫崎享さん 糸数慶子さん 豪華ダブルキャスト!!
会場 PLP会館(大阪扇町)
会費 1000円 定員 200人
主催 政治を市民の手に!プロジェクト
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