2014-01-07(Tue)

年頭だ。さてどうしよう

年頭にあたって とか 年頭によせて とか 書き始めたけれど、固すぎて言葉が続かなくなった。

正直なところ さてどうしよう だ。

今年の正月は、例年通り東京の実家に孫を見せに帰り、必死の抵抗にもかかわらず妻子によってネズミーシーに連行された。
仕方ないので、エアカウンターを持参してあちこち空間線量を測ってみたが、ネズミ-はかなり除染をしているらしく、通路でも植え込みでも0.05~0.09μSv程度であった。
ただし、草木が密集して土の入れ替えが難しそうな場所で、タマリュウの上に載せて測ったら0.18μSvあった。

ちなみに、実家は杉並にあり、当然事故前よりは高いのだろうが、室内もその周辺の公園も0.08程度だった。
食べ物は実家でも注意しているので、自分たちの行動範囲については、短期の滞在には大きな問題はないと私的には判断した。

さて、朝の5時半に家を出て、夜12時過ぎに戻ってくるという過労死すれすれのネズミ-行きで、つくずく感じたことがある。
入るのに行列、できあいの遊具に行列、メシ食うのに行列、ネズミやクマと写真を撮るのに行列、たかがポップコーンを買うのに行列、トイレにも行列。高いカネ出して行列する連中の、なんと喜々としていることか。2時間待ち、3時間待ちがザラなのに、危機ではなく喜々である。

世界中にネズミ-ランドは浸食しているが、本場のネズミ-ワールドでも1時間以上並ぶことはまれだという。おそらく、並ばされ、待たされて喜ぶのは、人類65億の中でも日本人だけだろう。
本国で軒並み3時間も待たせたら暴動が起きるか、誰も行かなくなって倒産するだろう。

ネズミ-ランドがどうなろうと知ったことではないが、この喜々として行列をつくる人々は、まぎれもなくわが同胞なのである。少なくとも、私と同じ国の選挙権をもった人々とその予備軍なのだ。
原発が爆発しても抗議のデモには20万人しか集まらない国で、ネズミ-ランドに並びに行く人は年間2750万人もいるのだ。

これは容易ならざることだなあと 改めて しみじみと つくづくと 感じ入った。

思えば、120年前に自由民権運動が壊滅させられ、日清戦争に突入して以来、日本は甘い汁を吸い続けてきた。1945年敗戦の前後数年だけはボロボロになったが、それとても「国体」を護持してマッカーサーの懐柔策に乗っかり、ほとんど反省もせずに「戦後」を満喫した。

これは、CIAによって作られた自民党はもちろんだが、いわゆる護憲派も、マッカーサーの手のひらの上で踊ってきたという意味では同じ穴の何とかだったとも言える。
日本は、反省の代わりに国を挙げて「甘い汁」に群がったのである。

あの戦争体験でさえ本格的に変えることのできなかった日本の「甘い汁」体質は、原発が爆発したくらいではそうそう変わるものではない。
皆と同じ場所に行き、皆と同じ行列に並ぶことが、命よりも大事なのだ。

しかし、日本人が有史以来そうだったのかと言えば、そうではない。
江戸時代の民百姓は、実に果敢に闘った。しかも、単に食うだけではなく誇りをかけて闘った。
年貢が高いから一揆を起こすだけではなく、代官(官僚)が嘘をついて騙したからと一揆で闘った。

自由民権運動も、教科書に書いてあるような板垣退助や中江兆民だけでなく、明治憲法制定までは津々浦々の国民に広がっていたようだ。様々な歴史的な要因を含みながらも、政治を自分たちの手に入れようとした、日本で最初で最後の闘いだった。国会の開設を求め、国会で憲法を決めよ という民主主義革命運動であった。

この闘いが議会内闘争でも、学者の論争でもなく、民衆の闘いであったことの一つの証が、歌である。
たとえばこの 民権数え歌。自由党の壮士 植木枝盛が作ったと言われている。



君が代とは、天と地ほども違う。
いっそ、これが国家になっていれば、私もちゃんと歌うのだが。。

都々逸もある。

娘十八番茶も出はな 二十三ではちと遅い

明治14年の政変で大隈重信らを追放した明治政府は、10年後の明治23年に国会を開設することを決めた。
そしてこの10年間は、自由民権運動が最も激化し、秩父蜂起を始め各地で農民蜂起がおきた時期でもあった。
しかし、秩父蜂起などが鎮圧された翌18年。国会よりも先に内閣制度がつくられ、伊藤博文が総理大臣になる。
内閣は、国会が決めるのではなく 天皇が決めることになった。

この過程を、さらっと歌ったのがこの歌だ。

なにより、演歌というのが、もともとは自由民権の演説歌だったというのだから驚きだ。
今では愛だの恋だの恨みだの、小さな幸せ逃げないで と180度の変貌を遂げているが。

このように、明治の前半まで、つまり、民権運動が帝国議会と欽定憲法に押し切られるまでは、日本人もごくごく日常的に政治にかかわり、流行歌にすらなっていたのだが、これを最後に、本当の意味での草の根の民衆レベルの政治運動は、日本では起きていない。演歌も艶歌になりはてた。

以来120有余年。
自由を求めるDNAはその奥底に秘めながらも、甘い汁につられ続けてきたわれらが日本人。
良いとか悪いとかではなく、まずその現実を認めるところからしか、始まらないのではないか。

そして、今現在に目線を戻すならば、甘い汁につられてきたのは、護憲派とか反原発とかいろいろやってる50~70代の私たち自身が、その最たるものだということを、激しく自省しなければならない。

一歩ひいて今の状況を眺めると、これまで甘い汁を存分に吸ってきた食える世代が、もう汁の残っていない食えない世代に、無関心はけしからんと説教している図が見える。
半数が非正規雇用、正社員でも給料は年金以下。そんな2~30代から見れば、食える世代の説教など、正論であればあるほどバカらしくて聞いてられない。その端的な表れがこれだ

首相の靖国参拝、20~30代は「評価」の声が多数
2014.1.6 産経


首相の靖国参拝の評価を世代別にみると、30代は「評価する」が50.6%と半数を超え、「評価しない」の41.4%を10ポイント近く上回った。20代も評価する(43.2%)が評価しない(41.6%)を上回っている。特に30代の男性に限定すると「評価する」は64.3%に達した。
(引用以上)

そもそも安倍政権の支持率を見ると、ハッキリと若年層の支持が高い。
自民党は今やオジンの党ではない。若者の党なのである。

安全地帯から正論を吐く中高年よりも、戦争で強い日本を取り戻すと叫ぶ安倍晋三に、食えない若者は希望を見いだしリアリティを感じている。この状況を、護憲とか反原発とかの運動をやっている人々が ハッキリと自省し、認識しない限り、日本はもう終わったも同然だ。

まずはここから。

ま、あまり肩肘らはずに、都々逸でも口ずさみながら。



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