2014-02-19(Wed)

今ふたたびの「子ども手当」を考える

都知事選も惨敗し、安倍一族の跳梁跋扈をとどめる術もなく、雪に埋もれて死んでいく国民を横目に高級天ぷらに舌鼓をうっていても、誰も辞任要求すらできない。

ここまで追い詰められてくると、いよいよアッチとくっつくとかいうような、政党の再編のことくらいしか話題にならない。
小沢グループ(現・生活の党)も、まったく存在感なく、何を考え何をしているのか、支援者のはしくれである私にもよく分からない。

ある生活の党の関係者の人と話をすると、小選挙区制である以上は、耐え難きを耐えて野党は結集しないといけないと言う。たしかに、総選挙を控えた時期に至ったならそれは否定はできない。どうしようもない現実論だ。

しかし、これから3年間かけて支持者を集めていこうという段階で、政策をすっ飛ばして「ほぼ敵」みたいな政党との再編話をしていたら、間違いなく消滅するのではないか。ただでさえ支持者激減なのに、完全に見放されるのではないか。

今すべきことは、国民の支持を得られる政策と、その本気度を示す行動だ。
それは何なのか。

先述した生活の党の人との話の後、つらつらと考えてみた。2009年の政権交代は、なんで可能だったのだろう。
色んな要素はあっただろうけれど、結局のところ圧倒的な有権者が「民主党」と書いたから政権交代は実現した。
何であの時、「民主党」と書いたんだろう。

当時は小泉改革による生活破壊への反動だという見方が主流だったし、私も概ねそう思っていた。たしかにそれはベースにあるが、それだけでは、いま安倍政権がこんなにも支持されて盤石の自民党体制なのは何故なのか、説明がつかない。

やはり、もっとシンプルな理由があったはずだ。政権交代に期待する何かが。
それはたぶん、子ども手当と年金問題だった。

現金な話と思われるかもしれないが、そう、やはり現金な話だと思うのだ。
私自身が、ひとりの生活者として考えてみると、子ども手当はむちゃくちゃ大きな話だし、50を過ぎた身には年金問題も切実だ。

子ども手当がいかに大きかったかは、年代別の投票率を見ても分かる。

20140219-1.jpg

平成21年の政権交代時に、他の年代と比べて20代30代の投票率が急激に上昇している。
同時に、その次の選挙でいかに「がっかり」しているかも分かる。

あの時国民は、子ども手当に期待したし、年金をちゃんともらえるようにしてほしい と思ったのだ。

■■

子ども手当には、枕詞のように「バラマキ」とメスメディアに叩かれた。
裏を返せば、それだけ国民に浸透していると、自民党側が恐れていたと言うことだ。

いくらバラマキでも、具体的に金額まで示して給付すると言われれば、やはり国民は期待する。
卑しいわけでも何でもなくて、そんなのは当然のことだ。

ただし、子ども手当は票を税金で買うような、本当に卑しい政策ではない。
「次世代を社会が育てる」という、絶対的な理念のシンボルであり、看板であり、第一弾だった。
子育てを個々の親に押しつける日本的なありかたを、ガラッと転換させる画期的な政策の始まりだった。

まさに、子ども手当は、理念と実益を見事に兼ね備えた政策だったのだ。

しかし、民主党の裏切り、小沢グループの党内幽閉、官僚の猛烈な抵抗と巻き返しのなかで、子ども手当は換骨奪胎され、2012年にはその名前すら消滅させられた。
別に名前は残しても支障ないだろうに、あえて児童手当に戻したところに、「子ども手当」に対する官僚どもの恨みのほどが分かる。

子ども手当とセットで実施された扶養控除(15才まで)の廃止だけはちゃっかり実施されているので、国民は詐欺に騙されたような結果になってしまった。
年金も、ねんきん特別便やら定期便やらが送られてくるようにはなったけれど、何がどうなったのか分からず仕舞い。「ああ、いつものようにウヤムヤか」と国民の目には映った。

さて、なんで子ども手当がこれほど激しく潰されたのか。
その理由は、特別会計の闇 にある。

子ども手当については、二言目には「財源はあるのか!」とマスメディアや自民党は非難を浴びせた。それに対する答は、特別会計の埋蔵金を発掘するのだ、ということだった。
しかし、政権交代を実現したものの、埋蔵金の発掘どころか、財務省プロデュースの仕分けショーに興じる姿をテレビに映して終わり。特別会計には、指も触れることがなかった。

小沢一郎が掲げた「特別会計の廃止」は、陸山会事件という冤罪弾圧をも使って、官僚の圧勝という結果に終わった。

■■

なぜ子ども手当は潰されたのか、国民はそこまでは考えているヒマがない。
ただ、騙された という苦い思いを胸に刻んでいるだけだ。
そこに、ふたたび「子ども手当」を掲げたところで、「またかぁ」と思われるのがオチである。

しかし、特別会計を解剖して、ここにこんだけ脂肪がたまっている ということを明らかにし、だからふたたび「子ども手当」と言えれば、話は違ってくる。
ふたたびの「子ども手当」は、やはり特別会計の解体とセットでなければ戯言にすぎない。

原発にしても特別会計にしても、敵の「核心的利益」に触れようとする者は、相応の報復を覚悟しなければならない。「子ども手当」は、選挙向けのニコポン政策ではなく、政治家にとっては命がけの政策なのだ。

陸山会事件による官僚の反撃で第1ラウンドは一敗地にまみれた。
同じ敗北をくりかえさず、この苦境から巻き返すには、どうしたらいいのか。

それは決して奇策ではなく、支持者を集めることだと思う。
2009政権交代は、草の根の支持者なしで、風を吹かせて実現した。だからこそ、負けるときはあっけなかった。抵抗力がなかった。
支持者は、ウイルスに対する抗体のようなもので、先頭に立つ政治家を孤立させず、弾圧を可視化して容易に潰させない力を持たなくてはならない。投票だけするのでは、画期的な政策は間違いなく潰される。

今度は、この抗体としての支持者を厚くすることだ。
そのためにも、今は再編がどうだとか、どことくっつくとか、そんな話は置いておいて、「国民の生活が第一」を実現できる政策を研究し、語ることが重要だ。

この看板はふたたびの「子ども手当」であり、核は「特別会計の解体」であると、私は考える。

ちなみに、原発や被曝の問題も、次世代を社会が育てるという理念から、結論は自明となる。
ただ残念ながら、3回の選挙から、脱原発メインでは勝てないということも明らかになってしまった。悲しいけれども、僻地に押しつけた原発のことを都市住民は深刻には考えていないし、目に見えない放射能を耐え難いともまだ感じていない。
これは、数字で表れているので、どうしようもない現実として受け入れざるを得ない。
なんとなく脱原発は多いけれど、それは投票行動になるほどのものではない、ということだ。

その現実を嘆いていても仕方がない。ここから出発するしかないのだから。
今語るべきは ふたたびの「子ども手当」と「特別会計の解体」だ。

■■

もうひとつ、3年後に向けて考えておかねばならないことがある。

都知事選で図らずしも露呈した、日本人の討論力の欠如である。

罵倒、言いっぱなし、回し蹴り、などはとても上手な日本人だが、相手の話をちゃんと聞きながら自分の言いたいこともちゃんと伝える、という普通の討論がまったくできない。
おどろくほどできない。

相手が自分と違う、という前提で論を闘わせる ということができないから、まるで子どものケンカのように罵詈雑言の投げ合い、感情的な爆発、後先考えないネガキャンが華やかに繰り広げられる。

「俺は納得しないけど、お前はこういう風に考えているんだな」という思考が何故できないのか。
その理由と背景を書き始めると、それだけでまた何時間もかかるのでそれはおいといて、対策を考えなくてはならない。

まずは、討論力をみがくために、場数を踏むことだろう。
お互いに対立する意見のもの同士が落ち着いて議論する。結論を求めるのではなくて、相手を理解すること、自分を理解してもらうこと、そういう議論のあり方を経験する。

もちろん、その目的は安倍政権の打倒であり、「国民の生活が第一」の政治を実現することだから、その一点では共通しているというのが前提だが、あとは全然思想信条のちがう人たちが、組んずほぐれつ、にこやかに論を闘わせる、討論場を全国に作っていくことだ。

幸い大阪には討論バーなるものもあるので、そういう場所を活用しつつ、微力ながら私も企画をしていきたいと思っている。




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