2014-05-19(Mon)

永遠にゼロにならない利子負担 ~貧困の原因を探る 4~

このシリーズも4回目になります。
これまでの当ブログの雰囲気とかなり違うので、戸惑っている方もおられるでしょう。アクセス数もあまり多くはありません。

私は、暇を持て余しているわけでも、急に経済が趣味になったわけでもありません。あいかわらず、頭の中は「国民の生活が第一」をなんとか実現したい。そのためには「政権交代」だ、という思いに占領されています。
にもかかわらず何でこのシリーズをしつこく書いているかと言えば、ここが「政権交代」へのキモだと思うからです。

今、安倍政権の暴政に対して、多くの人々が多くの運動をやっています。集団的自衛権、憲法、秘密保護法、消費税、原発、被爆、復興、オリンピック、TPP、特区、雇用、、、、どれをとっても大悪政を、これでもかこれでもかと絨毯爆撃のように投下していくのに対して、反撃する側は数少ない人々がそれぞれの戦線に分断され、あまつさえ仲たがいすらしながら、バラバラに闘っています。

もちろん、どれをとっても放っておけないのは確かで、仕方ないと言えば仕方ないのでしょうが、しかしこれでは各個撃破は時間の問題です。
さまざまな戦線で頑張っている人たちが、一致して国民にうったえて、どんなにマスメディアがごまかしてもごまかしきれない世論にする「一点」が必要です。そして、その世論を政権交代につなげなくてはなりません。

その「一点」はなにか。私は「生活不安」だと思うのです。
すでに「生活苦」の域にまで至ってしまった人も多いでしょう。さらに広範に広がっているのは、来年、10年後、老後を考えたときに、「生きていけるんだろうか・・・」という生活不安です。

この生活不安~生活苦に対して、その原因を糾弾し、かつ、リアルな処方箋を提示することです。
万年野党を前提にした口だけの糾弾や政策は、有権者に見透かされます。そんなものに付き合っているほど、直面している生活不安は緩いものではないのです。
なるほど、ここに手をつければ何とかなりそうだな と多くの人が納得する政策を、実現可能に思える勢力が提示すること。安倍政権の暴走を食い止め、政権交代にむかう世論を作っていけるかどうかのキモは、ここにあると思うのです。

ここで「実現可能に思える勢力」というのは、今のところ私は小沢一郎さんだと思っています。同じ政策であっても、この人なら本当にやりそうだな、というリアリティがある人が言わなければ意味がありません。好き嫌いは激しくあっても、そういうリアリティを感じる政治家は、残念ながら今は小沢一郎さんしかいません。

そういう意味で私は生活の党に期待しているのですが、これまた残念なことに生活の党からは政策も作戦も何も出てきません。皆無です。
結局のところ、小沢さんが何とかしてくれるだろうと後ろからついていく人ばかりで、自分が神輿を作って小沢さんを載せて担ぐんだという気概を感じることができません。

かく言う私も、政治家ではないものの、文句ばかり言っている体たらくで、これじゃあいかんなあと痛感した次第。
ならば、一介の建築家に過ぎない私ではあるけれども、もし機会あれば「これで行きましょう」と提案できるような、政策の素の素を練ってみようと思い立ったわけです。

ということで、この「貧困の原因を探る」シリーズは、ひまつぶしではないのです。

■■

ここまでの復習を少し。

① 新たな富を生み出す源泉は3つある。
1.原価がタダの自然エネルギー
2.余分の原価がかからない人間の工夫
3.再生のための原価を支払わない資源エネルギー

①-2 膨張を続ける付加価値の押し売りのために貧困な人口爆発が作られる

② 価値の源泉のうち資源エネルギー(石油)が圧倒的であり、それを握っている者に富は集中する

③ 世のおカネのほとんどは日銀券ではなく市中銀行が原資もないのに貸し出しをした借金である

とくに③については、一般に売られているものの価格の25%が利子という説も紹介した。ものの価格の25%というより、支払うカネの25%が利子と言ったほうがいいのかもしれない。
わかりにくいので、もう少し説明してみる。

だいたい会社の売り上げに対する借金の利子負担というのは3%前後と言われている。5%以上は不健全で2%未満だと優良企業、とか。
ということは、100円の商品のうち3円はお店が銀行に払う利子のぶんだ。もちろん、100円の中にはメーカーからの仕入れ値、運送費、店の家賃、電気代、広告費、店員さんの給料、などなどが含まれている。これらのうち店員さんの給料以外は同じように3%が含まれており、給料だってさまざまなローンなどの利子に消える分がある。さらにそれぞれの原価をたどっていくと、何層にも3%が積み重なっている。

さらに、表向きは見えない利子もある。支払いの遅延である。いつもニコニコ現金払いであれば問題は起きないけれども、商売ではかならず〆支払となって、商品を渡してからお金を受け取るまで1か月以上待たされる。ひどいのになると半年なんていうこともある。
これは、仕入れ先から金を借りているのと同じことで、何か月か後に支払った代金のうちいくばくかは、伝票にそうは書いていないけれども利子なのである。

身近なところで、住宅の場合を考えてみると、土地建物あわせて3000万円だとすると、実際に支払う額は5000万円近くなる。つまり、支払額の40%である2000万は直接銀行に払う金利。また、それぞれの原価の中に、何層にも金利負担分が転嫁された金額が含まれている。そうなると、おそらく利子負担率は50%を超えるだろう。
このように、ものを買うためのローンという、もっとも直接的な金利ももちろん存在する。

さらに、税金で行われる公共サービスや工事にも同様に金利は含まれる。しかも、税金の半分は国債であり、その多くを銀行が所有している。銀行は、本来ならば民間企業に貸し出すために日銀から低利で借りた金で、国債を買って利ざやをかせいでいる。
だから、私たちが支払っている税金もまた、かなりの割合が銀行に金利として吸い込まれていく。

そんなこんなを総合計していくと、私たちの懐から出ていく金の25%くらいは「利子」になるのではないか、という話だ。
これはある本の中に出ていた数字なのだが、ハッキリしたデータは見つけることができなかったので、仮説ということにしておく。どなたか、詳しいことご存じの方は教えていただきたい。

■■

ではなんで利子負担が大きいと問題なのか。

簡単だ。利子は不労所得だから。利子という価値を生み出すための源泉がない。

一般に利子というのは、お金を持っている人が、それを人に貸してしまったために自分で儲けられなかった損失の補償と言われる。
しかし、お金をもっているだけで、何もしていない人が生み出された新しい価値を吸いとっても良いのだろうか。共同経営して、生み出したものの一定割合を受け取るというのなら話はわかるが、お金を右から左に動かしただけで、まったく何もしていない人が、事業が成功しようが失敗しようが一定の割合を持っていくという「利子」という制度は、経済的に合理的なのだろうか。

①で書いたように、自然と人力と石油から新しい価値を生み出しても、そのほとんどは石油を押さえている一握りの人たちにあらかじめ天引きされ独占される。一般企業に分配されるのは、まず最初からそのおこぼれである。
そして、そのおこぼれから、さらに金利が差し引かれる。直接の3%程度だけならばともかく、ここまで書いてきたように重層的に積もり積もって売上の20%以上である。
これを単純に引かれたら立ちゆかないので、当然ながら金利負担は価格に上乗せする。こうしてどんどんと堆積していく。

要は、企業にしても労働者にしても、25%増しで価値を作り続けなければじり貧になって立ちゆかなくなる。
逆に見れば、金を持っている、いや、実際は持ってなくても持っているふりをするだけで金利をかせぐことができる銀行という制度をなくして、金利負担がこの世から無くなれば、私たちは25%豊かになれる。あるいは、25%楽に同じ暮らしができる。

もちろん、石油利権を中心とした不平等はあるけれども、それでも今よりはずっと楽になる。
不平等と、金利の天引きという二重苦だったものが、すくなくとも片方はなくなる。

■■

実は、もうひとつ重大な不労所得がある。地代と家賃である。
とくに、地代。家賃はまだしも建物を準備するという原価がかかっているが、地代はただ土地を持っているだけ。完全な不労所得だ。

固定資産税とわずかな維持費以外は、よくよく考えてみればなんでお金を取られるのかわからない。
自分で何かやれば儲かるはず、というのならやればいいのである。地主が企業家になって日本の経済と雇用を支えてもらいたい。
それができない。使い切れない場所は、何もできない土地なのだからカネを取る理由はない。

さすがに銀行の錬金術のように、無い土地を貸して地代をとるようなあこぎな真似はできないものの、何も生み出さない地主が濡れ手に泡で地代を貯め込むと、その分だけ価値に見合わない価格の上乗せになり、企業も暮らしも苦しくなる。

金利に比べると軽微に見えるが、日本の地価総額は1000兆円を超え、だいたい地代と金利は同じくらいになるらしい。と言っても全部賃貸ではないので、数兆円といったオーダーだろう。
GDPのデータを見ても、賃貸料というのが6兆円くらいあるので、原価ゼロの不労所得はその何割かというところ。

■■

銀行も地主も、個別に見れば儲かったり儲からなかったりしているけれども、全体で見ると原価のかからない不労所得は一方的に貯まっていく。
その資金が国債を買い支え、米国債をも買い支え、さらには「金融」の世界にあふれ出していく。

ここまで書いてきた、新しい価値の増殖、そのための貧困の創造、石油利権による不平等、錬金術と不労所得による天引き、という世界は、実は「もの」の世界の話だった。
例の3源泉を使ってモノやサービスを作り、不平等と天引きで一部の人々が溜め込んでいく。常に割増しで生産しなければならず、市場も常に拡大を求められる。企業や個人は、溜め込んでいく人たちを支えるために、フラフラになりながら新しい価値を作り続け、作ってしまったものを売るために、貧困を作り出してまで世界中に市場を作って押し売りし、飢餓を作り出しさえする。

これだけでもかなり救いのない話だが、実はこれはまだ序章なのである。
不平等と天引きで膨大に溜め込まれた資金、分かりやすく代表的なものでいうと、オイルマネーやロックフェラーやロスチャイルドなどの巨額資金は、巨額すぎてモノやサービスでは使い切れなくなってしまった。

いくら貧困人口を爆発させても、どんなに先進国では要らないモノを買わせても、人口と資源には限りがある。
そこで溢れたお金は、自己増殖を始める。お金自体を商品にして、お金で売り買いする。

この化け物どものことについては、次の回に書いてみよう。

 金融という化け物 ~貧困の原因を探る 5~




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「銀行はいらない」「地代はいらない」という”本質”が分かっているのであれば、「生活の党」じゃなくて、共産主義政党(共産党にあらず)になってしまいますよ(^^)
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