2014-08-30(Sat)

「最後は金目でしょ」と言われて「はいそうです」と回答してしまった福島県知事

福島県の佐藤雄平知事は、今日にも中間貯蔵施設の受け入れを正式に表明し、9月1日にはあろうことかあの石原伸晃と会談して受け入れ回答をするらしい。

県、建設を事実上了承 中間貯蔵施設 30日受け入れ最終判断
福島民報 2014/8/30


せめて石原の首と引き替えにすることすらせず、当の本人に「1000億なら拒否するけど3010億円なら受け入れます」と回答するというのだから、開いた口がふさがらない。

中間貯蔵施設 福島県28日受け入れ表明 地権者2000人と交渉へ
産経新聞 8月22日


この佐藤知事の立候補を待っている「野党」の方々も、よく目を見開かれた方がいい。

さて、感情的なことだけではなく、この中間貯蔵施設というのがどのような意味をもっているのか、時系列で考えてみたい。

2011年3月  福島第一原発事故
2011年12月 国が県と町村に検討を要請
2012年11月 県が調査の受入表明
2012年12月 反対する双葉町の井戸川町長に不信任決議
2013年4月  現地調査開始
2013年12月 国が県と町に受け入れ要請
2014年6月  石原環境相「最後は金目でしょ」
2014年8月  福島県が受け入れ決定

という流れなのだが、ここにもう一つの流れを重ねるとこうなる。
少々煩雑だが、目を通していただきたい。

2009年3月  楢葉町が使用済み核燃料の最終処分場に応募
2011年3月  福島第一原発事故
2011年7月  モンゴルに最終処分場の話が浮上するも拒否される
2011年12月 国が県と町村に検討を要請
2012年1月  六カ所の再処理工場が目処たたずと報道
2012年8月  経産省 再処理しない直接処分の研究へ
2012年9月  青森県 「原発ゼロなら核廃棄物拒否も」

2012年11月 県が調査の受入表明
2012年12月 反対する双葉町の井戸川町長に不信任決議
2013年4月  現地調査開始
2013年12月 核最終処分場 国の責任で候補地提示の方針
2013年12月 国が県と町に受け入れ要請
2014年1月  原子力学会「放射性廃棄物地層処分の学際的評価
2014年5月  放射性廃棄物WG中間とりまとめ 発表

2014年6月  石原環境相「最後は金目でしょ」
2014年8月  福島県が受け入れ決定

オレンジ色が使用済み核燃料の最終処分に関する問題。 黒い字は除染で出た物質の中間貯蔵施設に関することだ。

注目すべきは、
① 楢葉町はもともと2009年に最終処分場候補として手を上げていたということ。
② 震災直後にモンゴルへ移動させる計画を日米でしたけれども、モンゴルに拒否されたと言うこと。
③ 六ヶ所村の再処理工場が全然目処が立たない。

③について少し説明を加えると、再処理を口実に六カ所には膨大な使用済み核燃料が実質的に中間貯蔵されている。もし、再処理が無理とか、青森県がもう嫌だとか言いだしたら、この膨大な核ゴミの行き場が無くなるのだ。

こうした使用済み核燃料の最終処分場の問題と並行して、いわゆる除染物質の中間貯蔵施設の話は進められている。
即死はしないレベルの放射性破棄物であったとしても、一度廃棄場になった場所が、何年かたってから他の場所に移しますなんてことになるのは、まず考えられない。絶対と言ってもいいほどだ。

なし崩しに、徐々に高いレベルの廃棄物が捨てられ、近い将来には使用済み核燃料の最終処分場にされていくことは、ほぼ間違いないのではないだろうか。

■■

今年1月に発表された原子力学会の「放射性廃棄物地層処分の学際的評価」 を見ると、まず執筆責任者が 田中知 と書いてあることに気がつく。

次に26Pを見ると、こんなことが書いてある

「原子力の恩恵を受けた現世代の責任」を果たす方法には、本来は多様な選択肢がありうる。例えば、(略) 地層処分を段階的に進めることで現世代の責任と将来世代の選択権を両立しうることを示した例がある。これは、現世代が地層処分の完了までの道筋を一括して決定することこそが将来世代の責任を軽減するものだとする考え方とは異なるが、どちらも、将来世代に対する現世代の責任を真剣に考えた末に導かれる結論である。
(引用以上)

要するに、「放射能が消えるまで道筋を一括して決定するのではなく、とりあえず埋めるところまでが「原子力の恩恵を受けた世代」の責任で、あとのことは将来世代にお任せだぜ!」 ということだ。 さすが田中知さんだけある。

また30Pには、学際的な協働の目標として、こんな文章がある。実に回りくどいので、改行を入れておく。

そもそもは活断層の存否について専門的な見解を示すことが求められたはずの専門家の判断が、わが国の原子力発電利用の今後についての大局的な判断に直結しかねないような状況が見受けられる。

科学技術に関する重要な社会的意思決定においては、専門家の学際的な協働が社会の多面的な議論に役立つことが求められる。しかし、現状では、そうした活動を促し、その成果を適切に活かす仕組みの整備は十分とはいえない。

高レベル放射性廃棄物処分に関する学際的な協働の最終的な目標は、科学技術に関連する研究や技術開発だけでなく、人文・社会科学分野での研究も継続して実施し、それらを常に相互に参照して学知の質を高めて行くことで、多様な社会の要求と科学技術的な実現性を少しでも高次に両立した解を追求することなのである。

(引用以上)

要するに、「科学技術で危ないと判断されても、「人文・社会科学」的な観点から実現しちゃえ!」ってことだ。 う~ん さすが田中知さんだ。

こうして、もうゴチャゴチャ言わずに、処分地を国が決めて、「人文・社会科学」的な観点で作るんだという動きが、今年に入って猛烈に加速していく。

■■

昨年12月に示された 「候補地は国が決める」 という方針は、4月のエネルギー基本計画で閣議決定され、5月には
 放射性廃棄物WG中間とりまとめ という形でまとめられた。

概略が下記の資源エネルギー庁の資料の10Pに出ている

高レベル放射性廃棄物の最終処分に向けた取組の見直しについて

これまでのようにNUMOが公募して自治体が手を上げる式ではなく、国が科学的により適性が高いと考えられる地域=科学的有望地をパキッと示す ということだ。
有望さは科学的に判断し、リスクは「人文・社会科学」的に無視することで、とっとと決めてしまえということになっている。

こうした流れの中で、ふくいち地元自治体での中間貯蔵施設の話は進められている。
除染物質の中間貯蔵施設が、使用済み核燃料の最終処分場になるまで、何年の猶予があるだろうか。

これはただの思いつきで言っているのではない。
より詳しい検討を2011年に書いているので、もし見ておられない方は読んで見ていただきたい。

原発推進の正体は「日本列島を核の墓場にする計画」だったのではないか(2011.4.1)


「フクシマを核処分場にする計画」を改めて検証してみる (2011.5.21)

脱原発・脱被曝を言う人々の中でも、「使用済み核燃料はふくいちの周りに埋めるしかない」と言う人が多い。
私はそうは思わない。それはモラルハザードだ。原発を立地に押しつけ、基地を沖縄に押しつけてきた価値観を、自ら認めることになる。
多数の快適のためには少数は犠牲になれ。これを、横暴な権力に抵抗している人たちまでが認めてしまったら、この国の最後の光が無くなる。

怖い、イヤだ、というエゴイスティックな、でもある意味当然な感情も含めて、真剣に話し合う必要がある。たたき合うのではなく。

■■

とまあ それにつけても、やはり政治を何とかしなくては、いくらここで文句を言っても田作の歯ぎしりになる。
歯ぎしりの快感に酔うのが好きな方はともかくも、私はそれは好きじゃない。

同意していただける方には、ぜひこちらに参加してもらいたい。
小沢支持者だけでなく、「小沢一郎なんて嫌い、だけどやっぱ気になる」という方にこそ、ぜひともナマオザワを見に来ていただきたい。 会場からの質問も受けるので、例えば福島県知事選のことを質問されるのもいいかもしれない。 

名 称 小沢一郎が語る「世界の中の日本と政権交代の道のり」
日 時 2014(平成26)年9月13日(土) 18時開場 18時半開演
場 所 大阪市北区民センター
          
大阪市北区扇町2-1-27  TEL 06-6315-1500
入場料 500円
主 催 生活フォーラム関西 (事務局)吹田市江の木町9-23-306
       公式ブログ http://seikatu-forum.blog.jp/
申 込 参加される全員のお名前、ふりがな、ご連絡先をメール、FAX、お電話でお知らせ下さい。
 メール:info@mei-getsu.com FAX:06-6720-8051 TEL:090-8467-8877(山岸)

 20130209-4.jpg予約なしでも入れますが、準備の都合上、できるだけ事前に申し込んでください











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