2015-01-28(Wed)

一郎さんと太郎さんの会見を聞いて

ある会社がありました。

人の役に立つとてもいい商品を開発し、勇さんで売り出しました。
最初はすごい勢いで売れ、粗悪品を売っていた他社を圧倒しました。

同業他社はマスコミを巻き込んで、新商品を開発した社長のスキャンダルをねつ造して徹底して叩きました。
連日の大バッシングに、やむなく社長と専務が交代してマスコミの鎮静化を図り、ついにトップシェアを獲得しました。

ところが、いくらいい商品でも、解決すべき様々な問題を抱えていました。
専務から急きょ交代した新社長は、そのなかでも快活の難しそうな問題を、わずか10か月で解決すると宣言してしまいました。

時間はあっという間に過ぎていきます。
社長はあれこれ策を試みますが、秘書も部下も解決のために努力をしません。
それどころか、社長の作戦をマスコミに平気でリークしてしまう始末。

なぜ社長の言うことを聞かないのでしょうか。
それは、社長が宣言した問題解決のためには、親会社に逆らう必要があったからです。
親会社に見捨てられるのを恐れた部下たちは、親会社の指示をうけ、社長に対しては徹底して面従腹背を続けたのです。

新商品を開発し、大躍進の功労者だった専務(前社長)は、経営会議に出ることも禁じられてしまいました。
10か月が過ぎたとき、案の定なんの解決もできなかったこの会社へのバッシングは熾烈を極めました。

耐えられなくなった社長は、親会社には逆らえませんと宣言し、辞任会見を開きます。
そして不可解なことに、社長は自らの辞任会見の場で専務の辞任も求めたのです。
横暴な親会社の影響を減らし、新商品で躍進しようとした功労者を、道ずれ辞任させてしまったのです。

ふたりの抜けたこの会社は、親会社のロボットのような重役と、同業他社に内通する幹部に牛耳られ、一気に転落していきました。
あろうことか、同業他社の粗悪品と見分けのつかない劣悪な新商品を売り出し、期待していた人々に完全に見切りをつけられてしまいました。

かつて躍進の功労者だった元専務は窓際に追いやられ、やがて心ある社員とともに退社し、独立しました。
新会社は、少ない資金と、なによりもイメージをそこなった痛手は大きく、経営は困難を極めました。
いい商品を売り出してもさっぱり売れません。
社長は寄る年波にも負けず、毅然として踏ん張りましたが、同業他社からもかつての同志からも敵視され、事態は悪化していきました。

そしてついに、昨年の暮れに、倒産の危機をむかえました。
古い馴染みのひとびとに支援を頼んで回りましたが、ことごとく断られました。

万策尽きたかと思ったその時、意外にも支援を申し出たのは新進気鋭の若い一匹オオカミでした。
会社組織を持たない彼は、徹底して人々の中にわけいり、困っていること、解決すべき問題を聞き取っていました。
そして、商品開発を会社が勝手にやるのではなく、その困っている人々とともに作ろうと考えていました。

業界の経験が豊かな老社長と、進取の精神にあふれる若者は意気投合し、ふたたび躍進することを誓いました。

**************************

イマココ である。
何の話をしてきたのか、もちろん読者の方々はよくお分かりのことと思う。
昨日の 小沢一郎さんと山本太郎さんの共同記者会見を聞いての、わたしの感想を書く前に、これまでを振り返ってみた。
できるだけ客観的にみるためには、寓話にしたほうがいいかと思いこんな仕立てにしてみた次第。

■■

小沢さんや太郎さんの支援者の中でも、みっつのパターンが考えられる。
① めっちゃうれしい
② うれしいけど 微妙
③ うれしくない

それぞれの中にも、分類があろう。

①の中には、二人のコラボに期待する人もいれば、生活の党が残ったことを喜んでいる人もいる。

②の「微妙」には、太郎さんの支持者の中にある小沢さんに対する微妙な不信感、その逆で小沢さん支持者の中の太郎さんへの微妙な不信感、また、自分は信じているけれどもそうした不信感が火を噴かないかという不安 などがある。

③は、どちらかへの不信感が決定的なケース。あるいは、小沢支持者の中には、太郎さんの合流には文句はなくても共同代表になったことには反発もあるかもしれない。
私自身は、もちろん二人のコラボを信じているし、ずっと以前から「一郎+太郎=日本の未来」と言い続けてきた。
ただ、では単純に喜んでいるかというと、じつは微妙な気分がある。それは、②や③の人が少なくないということが予見できるからだ。

小沢さんの支持者の中に、太郎さんのことをちゃんと見てきた人がどれだけいるだろうか。単なるタレント議員とは見ていないだろうが、原発反対以外の主義主張や時代観を聞いたり読んだりした人は意外と少ないのではないだろうか。
むしろ、市民運動といっしょになって機動隊と対峙したりする姿に、快く思っていない人もいるだろうし、何の経験もない若造と軽んじている人もいるだろう。

太郎さんの支持者の中の小沢さん評は、おそらくパックリと二分されるだろう。私のように喜んでいる者もいれば、生活の党に合流したから太郎さんの応援をやめたという人もかなりいると思われる。わたしが直接見聞きする範囲だけでも、それ類する話はたくさあんある。

以上は、昨年末に合流が発表された時点で予見されたことだ。

ところが、今回、太郎さんが共同代表になったことで、新たな火種が心配になってきた。小沢さんにずっとついてきた人たちから見れば、いきなり乱入してきた太郎さんが、あの小沢さんのパートナーになり、見様によっては後継指名されたわけだから、これは心穏やかではない。
ケツの穴の小さいことを言うんじゃないよ と思いつつも、気持ちはわからないでもない。理屈ではわかっても、感情が着いてこないということはある。

ここはかなり丁寧に火種を消しておかなければならないと思う。私にできることは、心配を述べることと、自分の周りの人たちに理解を促すことを企画することぐらいだが。

■■

こうした懸念はなぜ生じるのか。

結局は、「反省をしない」という日本の政治や市民運動の風土にあると、私は思っている。

反省というのは「悪うございました」と謝ることではなくて、自分たちの歩いてきた道をちゃんと振り返って客観的に評価する ということだ。
自分ではこれが正しいと思って歩いてきても、実は様々なバイアスがかかったり、思わぬ影響を受けていたりすることは珍しくない。むしろその方が普通だ。

だから、自分たちの歩いてきた道を、ほかの人の道も含めて、上空から鳥の目で眺めて評価しなおす作業は、節目節目で行う必要がある。

まして、倒産寸前まで追い込まれた今日、なぜこうなったのかと「過去」を振り返らずに、安易に「未来」を考えることは非常に危険、無謀ともいうべきであろう。
冒頭の寓話に即して言うならば、売れない商品を抱えて倒産しかけている会社が、なぜ売れないのかを深刻に反省せずに、思い付きで次の商品を作るようなものだ。会社ならば当たり前のことが、政治の世界ではなかなか通用しない。

会社は結果がシビアに問われるが、政治ではどうしてもそれが緩くなるようだ。が、選挙という結果でそれは厳密に問われるということは明らかで、その選挙の結果がどんな事態をもたらすのかは、この2年間の安倍自民の暴走で分かったはずではないか。

2010年からずっと負け続け、ここに至ってしまったことを、冷静に分析し反省し、そこから次の商品開発=方針を考えるならば、一郎太郎新党の誕生に不信感を抱いたり、不快感を感じたりすることはなくなるし、そんな余裕はないということが実感できるはずなのだ。

■■

鳥の目で反省するには、その視点を定めることが必要になる。これが難しい。
そんなとき、絶好の本が出版された。すでに読んだ人も多いかもしれない。

「日本はなぜ「基地」と「原発」をやめられないのか」

この本は、日本がいかにアメリカに支配されているかを実証的に書いた本として評価されているが、私はちょっと違う角度で読んだ。私たち戦後の日本人が、どいういうバイアスの下で意識形成してきたのか ということだ。
この視点が、自らを振り返るときに、非常に大事になる。まさに鳥の目を与えてくれると思う。

占領し支配するものは、支配される国民との間に、占領VS被占領 支配VS被支配 の構図にならないように策を講じる。違う対立軸を作り出し、国民を分断する。
日本の場合は、それが保守と革新であった。長年にわたり二つの政治文化が作られ、交流を妨げ、相互不信を深めていった。

これは一朝一夕で解消するものではない。沖縄ですらオール沖縄の保革連合が成立するまでには多くの苦しみと長い時間を必要としたし、相互の不信感が完全に払しょくされているわけではない。

ましてまだ沖縄ほどの危機感を持たない本土において、保守的な文化で育ってきた人たちと、革新系の文化で生きてきた人たちは、同じ問題に同じ目標をもって同じ言葉で話している時でも、その眼はちょっと違う光景を見ているということがよくある。
お互いに「そいういうこともある」と客観的に理解しあうことから始めないと、ちょっとしたことが不信感につながり、やっとたどり着いた協力関係が瓦解することになりかねない。

そのためには、鳥の目で、自らの来し方を反省することだ。 前を向くために、一度じっくりを振り返らなくてはならない。 けっして楽しい過去ではないから、振り返るのはつらい作業だが、それでもここでそれをすることが、私は絶対に必要だと思う。

小沢さんと太郎さんの共同会見を見て、私は改めてそのことを感じた。

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良くできた寓話

初めましてこんにちわ。
いつも読ませてもらっています。
今回の寓話がとても面白く、コメントいたしました。

景気が芳しくなくて、26年間住んでいた家を売りに出していますが、
売価を下げてもなかなか売れません!
年老いて経済難民になっています。
小沢さんの「政治とは生活である」と言う事が身に染みて感じられる今日この頃です。

「国民の生活が第一」の政治が実現できるように、
自分でできる事から取り組んでいきます。

No title

共産党や岡田民主党は政権批判を控えているので実質大政翼賛会が出来上がっていますよね。残念ながら実質的な野党は社民党と生活の党と山本太郎と仲間たちだけになってしまいました。そう考えると政党助成金欲しさの野合とは言えないと思います。でも必ず野合と言いたい人たちはいるでしょうね。小沢一郎を意地でも抹殺したい人たちが大勢いますから。

政党助成金欲しさの野合だからだろう

 
自由党 近畿ブロック
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なんとしても政権交代を!
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