2015-03-14(Sat)

小沢一郎の戦略と、山本太郎のビジョン

ちょっと時期尚早だったとはいえ 「生活の党と山本太郎となかまたち」には大いに期待した。

なにせ、誰よりも早く(?)2013年7月の参院選前から、私は小沢一郎と山本太郎しかいない。この2人が希望の光だと言い続けてきた。
それは、ふたりに通底する思想と本気が、伝わってきたからだ。

そして実際に、合流して週に1回はふたりで会見に臨んでいる様子を見ても、阿吽の呼吸で進めている。
周囲の人に聞いても、お互いにリスペクトしていい関係を作っているようだ。

しかし

今わたしは戸惑っている。
とくに、生活フォーラム関西をどうしたらいいのか、凍結状態である。

まずは、地方統一選が三分割されていること。
「生活の党と山本太郎となかまたち」、小沢グループ、山本グループ
一つの党でありながら、地方選の候補が三分割されている。

例えば、京都や大阪では山本グループの推薦候補はいるのだが、「生活の党と山本太郎となかまたち」の公認や推薦は一人もいない。
あえて党ではなく山本太郎議員だけに応援依頼するということは、「生活」とか「小沢」という色が出たら嫌なのだろうなあと思わざるをえない。

生活フォーラム関西は、なにせ小沢色は鮮明なので、ヘタに応援に行くこともできない。
フォーラムとして推薦するわけにもいかない。

地方選は、国政に比べ、地域事情や候補者個人の事情が非常に多岐多様なので、勝手に押しかけるような無神経なことはできない。
また、生活フォーラム関西にしろ、私個人にしろ、あちらこちらにネットワークを張ってきたつもりではあるが、しょせん微少勢力であり、何かが動き始めるとどこからも声もかからず情報も入ってこない。
周辺に方々に聞いてみても、なんだか言葉を濁されてしまう。

そして

もっと困り果てているのが、来年の参院比例区も、「生活の党と山本太郎となかまたち」と「山本太郎となかまたち」は、別々に戦うというのだ・・・・
これは、記者会見でも言われているし山本太郎議員のHPにも書いてあることなので、秘密でも何でもない。

もう、支援者としては何が何だか・・・

これも周辺の人に聞くと、小沢氏は民主を中心にして維新も含んだ野党連合をイメージし、太郎氏は政策的な妥協をせず旗印を鮮明にしたグループを率いる ということで、お二人の間では合意事項らしい。

言いたいことは分からなくはない。
が、あまりにも政治家の目線ではないのか。
支援者や、もっと客観的な有権者の目線で見たときに、こんなことがまかり通るのだろうか。
ふんふん なるほど と受け取られるのだろうか。

どんなに本質的な理があったとしても、「一緒にやろう」と言い続けてきた二人が、別々に選挙をたたかうなどということが、歓迎されるとは思えない。
歓迎するのはむしろ、勝ち負けよりも面子や「正義」を重んじる一部の人たちだけではないのか。お二人はこうした人たちを諫めながら、勝つためにどうするか、ということを誰よりも真剣に考えてきたのではないのか。

一つの戦略の中の二つの戦術として統一的に提起されるのならばまだしも、今の地方選での動きを見ていると、バラバラに情報が乱れ飛ぶのであろう。
そうなれば、支援者同士の「そっちの責任だ」というなすりつけ合いをふくめて、ろくでもない結果が目に見える。

■■

小沢氏は一貫して、民主党を中心とした野党連合の構想を語っている。維新まで入れるという。

とくに大阪の人間から見た橋下維新は、政治家カテゴリーというより、チンピラのカテゴリーであり、橋下と協力しろなどと言われたら、私を含めて確実に拒否するだろう。
むりにやったら、ウツ病になるかストレスで高熱が出て倒れそうだ。

しかし、色々見ていると分かるのは、橋下の縮小コピーみたいなのばかりがゾロゾロ並んでいるのは大阪だけで、他所に行くと少し事情が違う。 東京目線で見ると、民主よりマシなのではというような面もあったりする。
維新中央が、橋下を切るならば、野党連合というのも、ギリギリがまんできる範囲なのかも知れない。

しかし、小沢氏の考える野党連合、もっと原点を言うならば、二大政党の構想は、そんな事情はほとんど考慮していないのだと思われる。
むしろ、少々食えない目くそと鼻くその闘いくらいのことを想定しているのではないかと思う。

これは、小沢氏を批判しているのでは、断じてない。そうではなくて、小沢氏の時代認識のすごさを讃えているのだ。
いままでは、あからさまに書いてはいけないかと思って黙っていたけれども、今は語るべきときになってしまった。


なぜ、目くそと鼻くその二大政党でなくてはならないのか。
それは、日本が独立していないからだ。実質的な米国の植民地から脱却できていないからだ。
それゆえ、いまだかつて民主主義を手にしたことがないからだ。

植民地日本、宗主国とその手下である官僚組織が目を光らせているこの日本で、どうやって民主主義を根付かせていくのか。その戦略を、小沢氏は必死で考えたのだろう。

その戦略は、あけすけに言うと「民主主義のママゴト」だ。
自民党と自民党よりちょっとだけマシな野党が拮抗し、選挙毎に国民が喧々諤々(けんけんがくがく)しながら選挙を経験していけば、宗主国に睨まれずに少しずつ民主主義のリテラシーを身につけることができる。
小沢氏の戦略は、たぶんそういうことだったのだろう。

最初から今の生活の党みたいな党では、すぐに宗主国にツブされてしまってママゴトすらできない。
だから、ほんのちょっとだけマシくらいがちょうどいいのだ。

その意味では、2009年の民主党は、マトモ過ぎたのである。
小沢氏の戦略の本筋は、2007年の福田康夫と画策した大連合のほうだった。
あのときは私も、何を考えているんだ!と憤慨したものだが、今になってその意味が分かる。

しかも、2009年の民主党は、ツブされるために政権を与えられたフシがある。
一度期待させておいて、思いっきり裏切ることで、芽吹きかけた国民の民主主義の意識を、根絶やしにする敵の戦略である。

2009マニフェストは、確かに良くできているけれども、今の日本で、民主主義がない日本で、民衆の力を集める術をもたないこの日本で、あのマニフェストは「出来過ぎ」だったのである。

しかも、3.11 とくに原発事故の現実は、自民党よりちょっとマシ という程度の存在を許さなかった。
平時ならば民主党に残る選択もできたのだろうが、2012年7月に「国民の生活が第一」を結党したことは、小沢氏の戦略の破綻ではあったが、やむをえない選択でもあった。

話を小沢戦略、民主主義の学校の構想に戻そう。

では、どうやってママゴトをしながら密かに力を付けるのか だ。
その鍵が、小選挙区制なのだ。

今や小沢氏自身がその陥穽にはまってしまった小選挙区制は、当初から非難囂々(ごうごう)、私も批判的だった。
しかし、民主主義のママゴトをするならば、大きな選挙区では困難だ。全県区とか地方ブロックとか全国区などは、一般ピープルが出る幕がない。カネとマスコミと有名人の世界になってしまう。
一般の国民がママゴトに参加するには、市町村とか自治会くらいの大きさでなければ無理だ。

小選挙区の意味は、実はそこにある。
これは、私が自分で選挙にかかわってみて実感したことだ。

ただし、

小沢氏の戦略には、あるものが決定的に欠けている。
民衆運動の視点だ。

小沢氏のママゴト、もう少し良く言えば「民主主義の学校」は、議員がいて秘書がいて、そこに有権者が参加する という形だ。その形以外は、まったく想定されていない。
この民主主義の学校を運営する資金は、主に政党助成金だ。政党助成金も、小沢氏が虎視眈々と準備してきた民主主義への伏線なのだ。

しかし、この小沢学校は、ある程度の議員数を維持できている間は維持できるが、議員が一桁になり、浪人中の総支部長を養うこともできない状態になると、とたんに運営不能に陥る。
全国300選挙区に総支部長を維持しようと思ったら、最低でも4年で60億くらいのカネは必要だ。議員数が一桁の政党助成金では、小沢学校は立ち直るきっかけすら作れない。

■■

こうした状況のなかで誕生したのが、政治家・山本太郎だ。

私が彼に大注目したのは、脱原発運動ではなくて、2013年5月のある会合だ。

→ 山本太郎さんが提案した統一名簿を巡る各党の議論は今後を考える上で貴重な資料

これと、太郎氏が当選したときの、あのニコリともしない会見を見て、私は、一郎+太郎=日本の未来 と言い続けてきた。

太郎氏の言動をずっとウォッチしていると、彼の思想は小沢氏に非常に近い。
巷の太郎ファンは悲鳴を上げるかも知れないが、両者の言葉をちゃんと聞いている人は、ほとんど感じているはずだ。

民主主義を守ろう というユルユルの話ではなく、民主主義がないから作るんだというリアルな認識。
そしてそのために、何をどうしたらいいのか、具体的に詰めるリアリティ。
揺るぎなき本気さ。

ただ、太郎氏が小沢氏と違うのは、現場主義と民衆運動の目線だ。
主に脱原発・脱被曝の運動の中で、全国の現場を回り声を聞いた彼は、議員-秘書-後援会-有権者 ではない国民のチャネルがありうることが分かっている。

ここまで来てしまった今、この太郎氏のビジョンこそが、次の一歩を見出す唯一の鳥羽口なのだ。
議員や候補や秘書が何かやり出すまで、じっと待っているこれまでの小沢グループのやり方では、気がついたら戦争が始まっていることだろう。もはや、そんな悠長な時代ではないのだ。

食品や子育てやオンブズマンや何やかんや、現場で動いている人は、実はこの日本にも何十万人もいる。
今は何もしていないけれども、キッカケさえあれば一歩踏み出す人も、多数存在するはずだ。

そうした現場に入り込んで、民主主義の学校を復活させるのだ。
小沢学校、太郎学校、名前はどうでもいいが民主主義のリテラシーを身につけていくのだ。
トップが少々弾圧されても、謀略で混乱されても、「自民党以外」を選択できるような、日本人の「地力」を培っていくのだ。

■■

残念ながら、このドン底から這い上がっていくには時間がかかりそうだ。
そして、その時間の中には、かなりの悲劇が挟まれてしまうだろう。

それでも、問題をごまかしてじり貧になるよりは、事態は悪くなっても「何が問題なのか」誰の目にも明らかになる方がいいのかもしれない。

悪い事態を被るのが、それを作ったオッサン世代ではなく、責任の無い子どもらだということが、あまりにも理不尽で泣きそうだが、これからの日本はその恨みもかかえながら、それでもどうにか生きていくしかない。

だからこそ、だからこそ! わずかな希望の光は消したらいけない。

小沢氏の戦略も、太郎氏のビジョンも、私なりに理解しているつもりだが、それがバラバラにまき散らされるのは、風前の灯火に息を吹きかけるようなものだ。

どうやって手を携えていくのか、その見本を示すのが 「生活の党と山本太郎となかまたち」の使命であり希望なのではないか。
始めからあきらめて 「バラバラに戦います」では、腹に力が入らないだけではすまない、深刻な問題を引き起こすだろう。

どうか、考えていただきたい。
支援者の目線で、国民の目線で、考えていただきたいと思う。







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卑劣な監視者が

反戦な家づくり 山岸様

業務多忙の中、日夜選挙にご奮闘していただきありがとうございます。
全国で少しでも生活系の候補者が当選して欲しいと願っています。
安倍首相の軍国主義復活路線は立ち止まることを知らず、ばく進あるのみというところです。
ネットでも、工作員と呼ばれる小銭で釣られた小物のコピペ屋が自由投稿サイトや2チャンネルで跳梁跋扈し言論封殺に暗躍しています。ネット選挙解禁もこれらの体制構築と実績を自公政権に優位と見てなされたものと考えています。
元締めは、内調、警察、公安調査庁、軍隊諜報機関、政府各省などで、進歩的なブログなどには、常時これらの閲覧があると記されています。
容易に想像できることは、暗躍機関が手先らを使い都合の悪い言論を炎上などの卑劣な手段で圧殺を仕掛けてくることです。
事理を判別できない者には、自公政権と官僚機構が国民と国家をボッタクル輩などとは知る由もないのでしょうか。



「生活の党と山本太郎となかまたち」

政党助成金をむしり取るための野合

民衆の運動

「民衆の運動」の視点がない小沢氏…そうなんですよ、山本太郎は「運動」の中から出てきたニュータイプ、片や「民衆」に依拠せず、「権力者」内の力関係をあやつりながらやってきた小沢氏…この2人がうまくいくハスがありません。
「小沢支持者」の中には、「彼ならなんとかやってくれるだろう」という、他力本願的なところが、まだまだあるのではないでしょうか…
もう「小沢氏」は、乗り越えましょう、民衆の運動から、「民主主義」を作ってゆく時代です。「オール沖縄」も、民衆の粘り強い闘いの中で、十数年かかって出来たことなのですから…

公金の使途を監視する。

反戦な家作り山岸様
いつも楽しく読ませてもらっています。

とはいっても庶民に深刻な政治状況は、ますます悪化の一途。それが山岸様の文章で十分以上伝わってくると言う意味です。

国内最高レベルの有資格者のある団体の一部の会員などが作る公金の使途を監視すると標榜する団体(回りくどい。)が、近頃特に力を入れている分野が地方議員の政務調査費または政務活動費(生活費)と呼ばれている議員歳費とは別に地方議員に支給されている費目の使途だそうです。
最高クラスの支給額は、議員一人当たり月額60万円。年額700万円から800万円です。国、国会の場合は、政党助成金にあたると思います。
この生活費の議員個別の報告書から不当と見られる支出をやり玉に挙げ、返還せよと監査請求などをしています。
やり玉に挙げているのは都道府県市町村議員で、違法・不当な支出に対する法的制度があるからです。
国会議員の政党助成金約350億円などはまったく問題にされません。なぜならこれを民間の側から違法・不当だと問題にすることはできてもそれを是正させる法的措置がないからです。
国会で論戦になったり告発することはできます。

一般会計予算が約100兆円。特別会計予算は403兆円だそうです。
地方の政務調査費、国の政党助成金これらを全部合わせてもめったに1000億円にもならないでしょう。
監視団体が特に目を付けている費目の数千倍の合計予算が与党と一部野党の協力で成立。お手盛りで使い放題化されてる現状に対するこの0,01%程度に対する監視が何らかの社会的啓発の効果を生むでしょうか。
どちらにしても、国家予算への是正措置などは、何ら制度がなくマスコミ・風に頼るしか方法がありません。

戦争と軍国主義への予算が大通りを大行軍している今日、目の前にある暴圧と負担と徴兵の三重苦に喘ぐことを阻止することこそ、最喫緊の課題ではないかと感じられるこの頃です。
自由党 近畿ブロック
国民の生活が第一!
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自由党
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