2015-06-18(Thu)

政治とデザイン

暗い話ばかり続けてので、ちょっと違う話を書いてみよう。

市民運動やら政治活動と デザインの関係について。

あちらこちらに顔を出していると、ある種固有のデザインの傾向やファッションセンスというのがあるのに気がつく。
集会に行ってみても、服装やその雰囲気がある。
労組の人。古くからの市民運動の人。3.11以降の脱原発の人。山本太郎さんの街宣に集まってくる人。陸山会事件からの小沢派の人。昔は自民党だった人。
まあ、こういういろんな人たちが、一堂に会することも珍しくなくなったのだから、それはそれで歴史の進歩なのかもしれないが、今日のテーマはそっちじゃなくて、デザイン。

他方で、街頭でチラシを配ってみると、如実にわかるのは、ごっつファッショナブルなお兄さんやお姉さんはほぼ取ってくれない、ということ。目線を1mmも動かしてくれない。まあ、99.99%くらいの確率で受け取らない。

う~ん、ファッションやデザインと政治的な関心は反比例するのかなあ~ と思ったりしていたが、どうも逆かな、と思うようになった。
こっちにセンスないから 「政治はダサい」 と思われている可能性大である。

最近話題のSEALDs を見ていて、どうもそうらしい と思うようになった。
彼らは、目新しいことを言っているわけでもなく、やることもほぼ昔ながらの集会とデモだ。
しかし、そのデザインセンスは、これまでの市民運動や政治運動とは、一線も二線も画するものになっている。
あまりレベルが高いので、本当に学生か?などとケチつける人がいるほどだ。
それくらい、最近の若い連中のデザインレベルは高いということだ。

こういう世代に向かって、ダサダサのおっちゃんおばちゃんが、「ガンバロー」とか「ちゃんと考えよう」などと言っても、あっちの世界の話にしか聞こえないのだろう。
若者の政治離れとか、低投票率とかいうことの、一つの原因は、実はそのへんにもあるのではないか という気がしてきたのだ。

といっても、こういうセンスは一朝一夕でどうにかなるものではないし、無理すればそれこそ学芸会の大根役者で、見るも無惨な結果になるのは目に見えている。
ただ、反省しなければならないのは、いわゆる保守も革新も、これまで政治に関わってきた人間は、デザインやファッションについて、むしろ享楽的で「よくないもの」のように考えてきたのではないか。進んで、反ファッショナブルな格好をしてきたのではないか。

保守の人は一律に背広。革新の人はくすんだ色のジャンパー。
街で普通に見かければ、なるほど最も面白くない、あえて近寄りたくはない格好を、わざとしてきたのではないか。

チラシやポスターのデザインも同じこと。
電通や博報堂に作らせたものですら、あえてダサダサに作ってある。
彼らのマニュアルには 「政治案件はダサくしないと OKでない」 と書いてあるのだろう。

まして、素人のつくったものは 見るも無惨なものが多い。
「読めれば良いだろ」 「読むのが正しい」 「読まないヤツが悪い」 と言わんばかりである。

「デザインとは問題解決の過程である」 とある先生が言っていたが、まさにその通りなのである。
「読まない」から 「読む」 に解決していく過程が デザインなのであって、そこを完全にスポイルしてきたのが、実はこれまでの政治や市民運動だったのではないか。


日本では、あの一休禅師の戒めにもあるとおり、見かけに囚われてはいけない という倫理観が強くある。
今の50代以上は、そう教えられて育ったはずだ。

それは、自分への戒めとしては大事なことだけれども、膨大な街の人々にそんな説教をしても、それこそダサダサな、あっちの世界の話にしか聞こえないだろう。

ファッションにはからきし弱いけれども、建築設計というデザインの世界に関わるものとして、これはちょっと考えなくてはならないぞ と思い始めた次第。

市民運動家のためのファッション講座でもやってもらおうか・・・・




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