2015-09-21(Mon)

野党大連合の可能性について

すでに多くの方が、若干の驚きをもって聞いている通り、共産党が野党の大連合を呼びかけた。
民主党の岡田も、どちらかというと乗り気らしい。

前の記事にも書いた通り、現実的に早期に政権交代を実現し、目の前の戦争の危機を回避するには、この方法しかないだろうと思う。

これは共産党の党利党略だという批判も多いし、たぶんそれはその通りなのだろうが、それでも良い方向に進む党利党略ならば、当面は共存できるはずだ。

ただし、長い目を置き忘れて、直近の野党連合に全身全霊を捧げてしまうと、また(いつものように)裏切られた時に立ち直れなくなる。
例え風前の灯火でも、灯がともっていることの意義は大きい。その灯が全部消えてしまうことのないように、常にイザというときの心構えをしておかなければならない。
裏切られた時に、みんな揃って心が折れてしまうのが最悪のシナリオであり、そういうシナリオがどこかで書かれていないとも限らない、くらいのドライな感覚は持っておくべきだ。

■■

そのうえで、具体的な票の行方を見てみたい。
細かい話ではなく、ざっくりと2009年から2014年までの有権者の動向を眺めてみる。

20150921-1.jpg
(クリックで拡大)

この票は、棄権もひとつの意思表示と考えて、自公:中間:反自公:棄権 という区分にしている。
なお、比例票で100万以下のものはその他にさせてもらった。

するとまず、自公は安定しているということがわかる。
まあ、何があってもほぼ2500万票前後ということだ。

次に、2009年の民主党3000万のうち2000万がどこへ行ったのか、ということだ。
これは、半分は棄権になり、半分は一度中間派を経由してから棄権になった。
大きな流れとしては、自公には行っていない。

要するに、自公2500万:反自公1800万:棄権3000万 くらいが固定票。
残りの2500万が民主になったり、中間派になったり、棄権になったりと流動している。

この2500万の人たちを、どうやって獲得するのか、が当面の問題だと言える。

■■

これまでの流れで見ると、2500万の人たちは、明確な反自公にはなかなか寄ってこないという傾向がある。
いくら共産党が躍進しても、この層が共産党に流れることはなさそうだ。
社民党にも、たぶん生活太郎にも、主張がきっぱりしているところには流れない。

と同時に、アベノミクスにそそのかされて、自公に流れるということもない。
本当に生活が向上するのかどうか、役に立つのかどうか、判断する能力を持っているといえる。

ここから二つのことがわかる。

かなりリアルに政権交代の可能性が出てくれば、反自公の政策は現実的に「生活の役に立つ」ものになるので、彼らは動き出す可能性がある、ということだ。
いくら良い政策を言っても、負けると分かっている戦には、彼らは出てこない。

もうひとつは、野党連合が「戦争法案廃案」だけで走った時には、彼らは動かないかもしれない、ということだ。
彼らの価値観は、反自公ではなく、「より良い生活」「ちょっとでも楽になる生活」であって、自公がそういう政策を出さないから自公に投票しないだけだ。

だから、野党連合は、反戦争法案一本ではなく、戦争にあまり危機感はないけど、生活はちょっと苦しい、という人たちに向けた、現実的かつわかりやすい目玉政策を掲げなければならない。
あの子ども手当と高速道路無料化のような。

■■

当然ながら、自公はこのような分析は百も承知だろうから、なんとしても中間派を作ろうとするだろう。
公明党が中道の色を完全に失い、維新が分裂してしまったので、現在は中間派がほぼ存在していない。

橋下は大阪都構想を実現して、○○組に借りを返さないと大変なことになるので、もはや国政に構っている場合ではない。政党名に「おおさか」をつけたのは、そういう意思表示だろう。

可能性が大きいのは、民主+松野維新=新民主+新中間派 という再構成だ。
元気の会あたりもふくめて、民主と維新からそれぞれ分裂させて、新中間派をつくろとするのではないか。

メディアに大々的に持ち上げさせて、経済政策をぶち上げることで、自公VS野党連合の一騎打ちに水を差し、2500万のうち半分を吸収できれば自公は逃げ切れる、ということなる。

まあ、非常に悪意のある見方をすれば、共産党から声をあげたということは、そういう動きを誘発するためだったのでは、とも思ってしまう。
民主や維新の反共的な議員には、分裂するための格好の口実になるからだ。

いずれにしても、野党連合は、中間派が無責任に良いそうな口当たりのいい経済政策に負けないだけの魅力ある「暮らしの政策」を現実的根拠をもって示すこと。
ここをおろそかにすれば、中間派が形成されたらもちろん、分裂しなかったとしても2500万を獲得するのは難しい。

■■

以上は、2016~2018年を考えての、当面の話だ。

根本的には、そもそも 自公2500万:反自公1800万:棄権3000万 の構成を変えなくては話にならない。

まず、棄権3000を半減させること。
これは即ち、日本を民主主義の国にするということであり、独立を勝ち取ることでもある。

なぜこのように棄権が多いのか。日本人がバカだからではない。
70年間にわたって連綿と、政治に関心を持たないように徹底的な教育がなされ、環境がつくられててきたからだ。
こんな環境に育てば、何人だろうが無関心が激増する。

その根本的な構造を変えなければ、たとえ一時的な野党連合で政権交代したとしても、中長期的にはあまり良い方向に進むとは思えない。

そのことを忘れて、野党連合に興奮して全勢力を消耗してしまわないように、重々注意したい。

その意味では、野党連合の動きの中では埋没して行くであろう小沢さんや太郎さんを「ちゃんと残す」ことも大切だ。
徹底した議事妨害を主張した小沢一郎、それを一人でもやってみせた山本太郎、この二人はいまや議会内野党の過激派といってもいい。いや、本当は他の野党議員が過温派なのだが。

野党連合のなかで、その火をかき消されないように、自立と共生、日本の独立と反戦を両立させる勢力を失わないように、私にできることを考えていきたい。




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良い記事でした

 とても賛同することが多く、思わず書き込みをしたくなりました。ということで、すこしだけ、コメさせてください。

 日本の人々を物言わぬ羊にした文教政策は、大成功でした。この政策と、マスゴミをコントロールし、事大主義や誰にでもある欲をくすぐる政策は、日本国民をこれ以上ないほど、洗脳しました。噂に聞くところ、北関東の水害で家を空けた方々のすくなからずの家が空き巣に狙われたそうです。もしこれが本当であれば、何とも言えない空虚感に一時占領されました、流された家に積もった泥を掻き出している自主的らしき人たちのひたむきな映像を見ながら。つまり、ひとり一人の人間は矛盾に満ちた泥臭い存在なのだから、それを忘れて、正論ばかり述べても、多くの人たちはついて行かないかなー、と思ったりします。日々の経済的にも、社会的にも生きづらい困難を盛り込んだ分かりやすいスローガンが、まず絶対ですね。
 さいごに、本日のA新聞に、戦争法案に反対する人々は感情的に判断し、理性的判断すれば、このような戦争法案しかない、賛成しかない、との賜っている京大教授がいたけど、酷いすり替えの議論ですね。かりに反対論の根拠の一つに、戦争は×、人の死は悲しい、ことがあるとして、賛成論の根拠の一つに外交防衛上の論点から賛成だというのであれば、それぞれの論拠のカテゴリーが全然違うだろう、とかの先生には言いたい。簡単に言えば、賛成論を振りまいている先生に対して、あなたが、あるいはあなたの身内が戦地で戦うことを前提にして、賛成していますか、と言いたい。権力者とか、社会的栄達を極められた方々の発想には、想像力乏しい判断が多い、感じている今日この頃です。否、そんなことは承知の上で賛成されいる方々は、度しがたく、まさに悪・・といえるのでは。
 すいません、勝手なことを言いました。
 
 

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