2015-10-09(Fri)

日本のベールをはいだ安倍晋三

前回の記事で私は、

国会と市井、議員と生活者が、どのように相呼応できるのか。
その道筋をつくる可能性を感じるからこそ、生活太郎に期待するのである。

と書いた。

では、その道筋の可能性はどこにあるのかを考えてみたい。
その前提に、今日書きたいのは、安倍晋三の登場で、日本の何が変わったのか、ということだ。

■■

集団的自衛権と戦争法案に関して、安倍政権がやったことの批判には、いくつかのレベルがある。

①閣議決定と戦争法案で、これまでは存在した民主主義や立憲主義が壊された

②閣議決定と戦争法案が強行されても、民主主義や立憲主義はまだ存在している

③閣議決定と戦争法案で、もともと日本に民主主義や立憲主義など無いことが分かった。

一番多いのは①であり、②だと信じている人も少なくない。
私はこれまでも縷々書いてきたように、③の立場だ。

民主主義のベールをかぶった植民地というのが日本の実態であり、ちょっと風が吹けばめくれてしまうような偽物の民主主義だったということだ。
そして、安倍晋三の「功績」は、そのベールをわざわざ国民の目の前でめくって見せたということ。

それでも、戦後の日本は民主主義の国だと思い込まされてきた国民は、なかでも政治意識の高い国民は、その民主主義が偽物だった、ひらひらのベールにすぎなかったという事実を認めることができない。
無理も無い。ベールを護るための護憲運動に人生を捧げてきた人たちにとって、そんな残酷な事実は認めがたいだろう。

しかし、いかに残酷で無残なことであっても、現実から目をそらしたところに未来は無い。
安倍晋三が、まざまざと見せつけてくれたように、日本の民主主義や立憲主義など、たかが一内閣が思い立ったら、一瞬で破れ散るようなものだったのだ。

何よりも、政治的な無関心やお任せ主義は、日本人の国民性でも無ければ、たまたまそうなったのでも無い。
用意周到に、70年の時間をかけて、ぎっちりと洗脳し、作られてきた。
政治的な経験を積ませないように、ずっと保育器の中に入れられてきた乳児のような日本人なのだ。
そのことを見ずして、無関心な人々を非難したり、逆に簡単に政権交代が実現するように言ってしまうのは、間違っている。

たしかに、政権交代だけならば、受け皿を用意できれば可能かもしれない。
しかし、そんな「お任せ」の政権交代は、ちょっとしたクーデターを仕込まれたら、あっというまにひっくり返ると言うことを、私たちは苦渋の思いで学んだはずではないのか。

70年間の洗脳を解いて、根っこからの民主主義に立脚する政権交代でなければ、敵は何も怖くないのだ。

■■

だからといって、緊急措置の政権交代、野党共闘を否定するわけでは無い。
とりあえず安倍を引きずり下ろすための暫定政権は、無いよりはあったほうがいい。断然いい。

が、その可能性については、前回も書いた通りだ。
そして、もし実現したとしても、それがお任せ政権であるならば、民主党政権崩壊の二の舞になることは明らかである。

そうやって失敗を繰り返しながら、徐々に民主主義は作られていくという意見もあるだろう。
一般論としては同意するが、長期にわたって計画的に、かなり心の奥深いところまで政治不信を植え付けられてきた日本人のリハビリには、かえって逆効果になることも充分あり得る。

民主党の裏切りは、ただでさえ低い日本の投票率を激減させた。まさに、敵の狙い通りである。
二度目の裏切りが、政治的な乳児である日本人を、どこへ導いてしまうのか、私はまったく楽観していない。

政治的な乳児という見方は、決して日本人をバカにしているのではない。
そういう環境に置かれてきたという事実から目をそらさないということであり、その環境を壊していけばそこに可能性がある、ということだ。
あまりにも悲惨な経験を積んでしまうと、そこには覆しがたい絶望がうまれてしまう。しかし、日本人の戦後の政治的な経験は良くも悪しくもほとんど無いに等しい。
悪く言えば虚弱だが、良く言えば無垢であり、これから作っていく可能性を持っている。

こうした日本の現状から目をそらさず、思い込みで現実を曲げず、絶望の裏の希望を見いだすことからしか、私はこれからの可能性を考えることができないのだと思っている。

そもそも日本に民主主義など無い。
日本人は計画的に政治的無関心に育成されてきた。

この戦後日本の最大の秘密が、安倍晋三の登場によって、明らかにされたのである。

まだ少数ではあるが、かなりの数の人々の目に、その事実が焼き付いたのである。

ここが出発点だ。




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個人的に疑問なのは、民主党を含め、自民党以外が政権を取った時は1度の嘘すら許されないのに自民党がどれだけ嘘をつきまくろうが、自民党だけはすぐに許されるというか寛容なところだと思ってます。これは自民党支持者に言っているのではなく、白痴国民に対しての言葉です。平成に入ってからの自民党の悪行を鑑みていながらよくもまあ、何も考えずに投票で自民党と書くか放棄するかで自民党を復権させるような国民の意識の低さが現状の日本です。己が身に降りかからない限り無関心どころか見聞きもせず真綿で首を絞められることにも気付かず目隠しされて奈落の底へ向かって歩かされている事も分からないのが日本の国民です。私は反安保法デモをまったく評価する気がないのですが、その理由は、シールズや大学生はともかく、社会人は夫婦であろうと年配の方であろうと『この有権者たちが半分ほど選挙に行っていない現実がある』からです。
立て直すならまず日本国民の意識を変えなきゃいけいのでしょうけど、何を言ったって届かない現実があります。特に地方に行けば行くほど、地方ではなく文字通り痴呆の集まりです。しかもこれからは大学において文系廃止の方向なのですから、『考察』、『想像』、『推理』の理論をを奪おうとしているのですからもう何を言わんや……悪く言えば、技術バカの集まりを作って『政』への疑問を感じさせないような国にするつもり満々な訳なので、もうこれは虚弱でも無垢でもなく白痴です。まずはそれを大前提にどうやって改善していくかを考えなくてはならないでしょう。
現状の日本が北朝鮮以下であることすら分かっていない人が大多数なのですから。是非は別にして北朝鮮は曲がりなりにも独立国にして自立国。でも日本は違いますよね?
まあ、個人的に解決方法は『馬鹿は死ななきゃ治らない』か、自分の将来だけを考えるなら『亡命』かなと。

安保法案を廃案にするには

警察・検察を操る官僚権力が、国会、内閣を牛耳っている権力構造のもとで、官僚権力が求める戦時体制づくりに安倍さんが利用されていると見ることはできないでしょうか?明らかに官僚権力が実権維持のために官僚体制の変形である軍部・警察独裁体制づくりを狙っていると思いますから、安倍政権を倒しても安保法案を守るために官僚が警察・検察を動かしてくることは間違いないと思います。
そこまで見れば、この権力構造のことを抜きに、安保法案の廃案を叫ぶだけでは、廃案には至らないと思います。この権力構造をいかに突き崩していくかということをこそ考えなければならないと思うのです。それができれば安倍自公政権を倒すことも可能だと思いますし、安保法案の廃案も可能でしょうが、警察・検察が出てくればお手上げでは、戦う前から勝負はついています。
http://togetter.com/li/884632
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