2015-10-15(Thu)

日本の貧困化を直視しよう

左右を問わず、日本の貧困化への自覚が薄いようにおもう。

団塊以上の世代では、まだ貧困は少数の問題かもしれないが、それ以下の世代ではメジャーな話になっている。

こちらのサイトを見ると、貧困化の諸相がまとめられている
→ http://matome.naver.jp/odai/2141075738235341301

日本経済がアジア諸国から収奪して成長してきたことを問題視してきた「左」の人々ほど、日本の貧困を直視できていないのかもしれない。
たしかに収奪はその通りではあるが、今や日本は加害者であるだけではなく、間違いなく被害者になっている。

経済学というのは、簡単なことを難しくして一般の人に分からなくする学問らしい。
なぜ日本がこれほど急速に貧困化しているのか、ぱっと見て分かるように説明してくれる学者がなかなかいない。

■■

なぜ人は貧乏になるのか。

① 働かない

② 働いても商品が売れない

③ 商品が売れても代金を回収できない

④ 儲けても多額の税金を取られる

⑤ 儲けをだれかが独り占めする

⑥ 収入以上に出費が増える

これ以外に、何か理由があり得るだろうか。
学者さんはややこしいことを言うかもしれないが、端的に言うとどれかに当てはまるはずだ。

日本の場合を大くくりで考えると、①ではない。

②は、超長期のスパンでは物が増えすぎて需要が減ったということはありうるが、中期的にはむしろ貧困の原因では無く、貧困の結果である。財布が寂しいからものは売れないのだ。

③の回収は、輸出企業において発生している。支払いはされているのだが、ドルを日本に持ち帰ることができず、そのまま海外の銀行においたまま、という巨額の資産がある。2014年で945兆円と言われている。
その企業にとっては損失ではないかもしれないが、日本の国内ではお金が回らない。
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO87132860S5A520C1MM0000/

④は言わずもがな。財務省のグラフでも、国民負担の激増が分かる。
→ https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/241a.htm


⑤も激しい。こちらのブログがまとめてくれているが、企業の利益や配当は増え続け、給料は減り続けている。そしてそれは、日本だけだ。2012年までのデータなので、その後の安倍時代でもっと酷くなっていないかどうか検証の必要がある。
→ http://blogs.yahoo.co.jp/norrie_sky/25468004.html

⑥については、物価は上がっていないというかもしれないが、「必要」なものが激増している。「売れない」のを補うために、少ない給料から巻き上げるための項目が増えている。スマホなどの通信費、塾などの教育費、7年で壊れる家電 などなど。
コンビニ飯の大盛況に見られるように、貧困になるほど時間を金で買わざるを得ず、より貧困化していく。

これだか苛斂誅求(かれんちゅうきゅう)の扱いを受けながら、それでも何とか生きてこられたのは、それまでの経済力がそれなりにあったからだ。ゼロから始まっていれば、ホームレスの数は今の数倍になり、街を見ただけで貧困は隠しようも無くなっていただろう。
しかし、日本の場合は紛いなりにも高度経済成長で高所得を実現していた。プラスからの転落なので、まだ大丈夫のような気がしている。その幻想は、あと数年で消え去るだろう。

いや、もうすでに「まだ大丈夫」は幻想だ。
すでにプラマイゼロのラインは割り込んでいる。

そしてその原因は、GDPの2倍もの金を海外に置きっ放し(回収不能)にしていること、大企業と株主(その3割が外資)が儲けを独占していること、社会保障を含む税負担の激増、この三つだ。
それ以外は、ハッキリ言って枝葉末節。貧困の現実を原因を隠すための、詭弁にすぎない。

■■

戦争法案の廃案は、たしかに絶対的に必要なことだ。
その一点で、多異はおいて共闘することは、これも必要なことだ。

しかし、日本の貧困化を直視せず、その対策を提示しない勢力は、決して選挙では勝てない。

自公2500万 : 反自公1800万 : 非自公流動2500万 : 棄権3000万 これが日本の大きな票割りだ。
http://sensouhantai.blog25.fc2.com/blog-entry-1419.html

非自公の流動票を、棄権させずに反自公に投票させること。
このカギは、貧困対策である。
言葉として貧困対策というのは抵抗があるかもしれないが、本質的にそれだ。

子ども手当、教育の無償化、医療費の無償化、生活保護の有効化、最低賃金を生活できるレベルにする。
今は株式に投じている巨額の公的資金を、新たな仕事作りに回して雇用対策をする。
社会保障を含む税負担の、極端な金持ち優遇をやめる。
特別会計をガラス張りにして、負担自体を減らす。
対外資産を回収して国内経済に投じる仕組み作り。

そうした、「生きる青写真」を提示しなければならない。

それが、来年参院選にむけて、真の野党がやらなければならないことだ。



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