2016-01-26(Tue)

保革に架かる吊り橋をあえてゆさぶってみる

めざましい成果は出ていないものの、兎にも角にも保守と革新の連携が始まっているのは確かであり、歴史的な地殻変動の兆候といえる。
しかし、抱える課題はかなり大きいと言わなければならない。

■■

まず、保革連携をめざしている勢力自身が、保革連携ということが歴史的であり、戦後史を画することなのだということを自覚していない。選挙に向けての期間限定&課題限定の戦術だと思ってやっているように見える。

無自覚にすごいことをやってしまうということもあるけれども、常に敵との緊張関係の中ですすめるものであるから、やはり自覚的に進めなくては、本当の本質をそらされてしまうのではないか。
敵は、保革連携の本当の「力」を知っているからだ。

戦後史の核は「植民地民主主義」だ。
そういう用語は聞いたことがなくても、あまりに強力な従米と、見せかけの民主主義が戦後史の基本骨格であることは、多くの人に納得してもらえるのではないだろうか。

従順に従米である限りにおいての民主主義。これは、1945年当時、大日本帝国の復活と共産主義革命という二つの「脅威」を押さえ込むためのマッカーサーの戦略である。
大日本帝国の復活をもくろむ勢力に対しては民政局がこれを押さえ、共産主義革命を企む勢力はG2が弾圧した。

そして、日本を形式的に独立させるときに、民政局の機能を革新に、G2の機能を保守に担わせたのである。
巧妙だったのは、それぞれに、錦の御旗を一本ずつもたせたことだ。
保守には「独立」、革新には「民主主義」

1945年から52年にかけて、日本が真にやらなければならなかったことは、自らの歴史を自ら償い、独立した民主主義を確立することだった。しかし、米国の占領政策は、日本人を独立派と民主主義派に分裂させて争わせたのだ。
そして、日本人は見事にその戦略にのっかり、70年間疑いもせずいがみ合い続けてきた。

保革連携が、戦後史を画することだというのは、そういうわけだ。
70年間のマッカーサーの呪いを解くことになる。そして、それにたいする反動もまた、すさまじいものがあるだろう。
小沢一郎さんが徹底的に攻撃されたのは、彼はまさにここに自覚的に手を突っ込んだからだ。
今歩み寄り始めた保守も革新も、仲介を担う人々も、その自覚を持ってもらいたいと切に思う。

■■

ふたつめの課題は、双方にある思い違いである。

どうも見ているかぎりでは、保革それぞれが 「やっとあいつらも分かってきたな」と思っている節がある。
革新は 「保守が昔を反省して革新に近づいてきた」 と思っているし、保守は「革新がやっと本気になって保守に近づいてきた」 と思っている。

要するに、まず自分の立場を痛切に顧みて、痛みをこらえながらの連携にはなっていないように思える。
お互いに寛容の精神だとばかりに、相手の非を責めないことで成り立っている連携は危うい。
これまで連携できなかった要因を、まず自分の側に見いだし、変化する覚悟をもって臨まなければ、ちょっとして行き違いでもろくも崩れていくだろう。

保守にも革新にも、五分の理があり五分の非があるのである。
そのことを、お互いに解きほぐしながら理解していかなければ、選挙期間だけの協力はできたとしても、歴史的な地殻変動にはつながらない。

そして、そうした深い連携でなければ、国民の心にも響かないのではないだろうか。
「しかたない」というのが見え見えの連携は、有権者にもそのようにしか見えない。
違いはたくさんあっても、深いところで理解し合える関係があって初めて、「ひとつの勢力」として国民に訴える力を持ちうるのだ。

そのための作業は、まったく手つかずと言っていい。そういう作業が必要だという話すら始まっていないのが現状ではないか。

■■

もっと簡単なことで言うと、まずは保革がお互いの「違い」を知ることからではないだろうか。

今は、大同小異とか言って、違いに目をつぶって同じ目的だけを口にしているが、そんなオッカナビックリの関係ではことは成せない。
勇気を出して、何が違うのか、じっくりと語り合うべきではないか。
天皇や日の丸について。国家というものについて。お金について。などなど。。。。。

相容れないことももちろんあるだろうし、意外と突き詰めたら同じことだったということもあるかもしれない。
おおざっぱに言って、保守は「清濁が混じっているのなら併せのむべきだ」と言い、革新は「清濁併せのんでいるけど濁は飲んでないことにする」と言う。
保守は、濁りを飲んでるという自覚がある反面それを開き直っている。革新は、濁りを飲んでいることに目をつぶって濁りは濁りだと言い続ける。

真実は、濁りは濁りであり、しかしそれを飲んで生きているのである。
その自覚は、似たもの通しの会話からは生まれない。保守と革新という、正反対の世界で生きてきたものどおしが本音で語り合う中から、新しい世界は生まれてくる。
それを信じて、痛みを恐れずに深い話をすることが、本当の保革連携のための近道ではないかと思う。

今はまだ「しかたない」保革連携を、本当に戦後史を画する保革連携にするために、両陣営のなかの心ある人々が、勇気ある歩み寄りを始めることを期待したい。
私も自らの傷の痛みを感じながら、わずかでもそのような機会作りをしていきたいと思う。



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私は宇都宮健児氏が都知事選に立候補した頃からリベラル保守はもっと左を見ろ。左はもっと右に耳を傾けろ、と言い続けてきました。特にそういう政治家を応援していたブロガーさんには殆ど書き込みしたと思います。
それが今漸く実を結んで来たのかなァ、と思っています。
それでもまだまだ茨の道が続くのでしょうが、先ずは手を結ぼうとする気持ちが出てきただけでも良いと思っています。
憲法を変えられても、防ぐ手立てはある筈です。自衛隊が戦争に駆り出され死者が出てしまっても、何かしらの手は有ると思っています。
 まぁ、一番今が崩壊する方法は株価が崩壊する事でしょうけど(笑)但し、年金が溶けちゃうんですけどねぇ、、。
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