2016-02-03(Wed)
STAP事件に思うこと
「あの日」が大反響だそうである。
Amazon1位の座は小泉今日子に譲ったようだが、異常なバッシングで生業を失った小保方さんにとっては何よりのことだ。
かりに論文の不正はあったとしても、上司と上司の仲間と会社と出身大学とマスメディアが、精神的集団リンチ、精神的殺人と言えるほどの仕打ちをしていいはずがない。
しかも、その後の経緯を見ると、ちょっと驚くことが多い。
弁理士の栗原潔氏ブログ(STAP細胞特許出願の現状について)によると、2016年2月2日現在でも、
日本のSTAP特許出願は、放棄はされておらず審査請求待ちの状態
米国特許出願は、2015年11月時点でも必要書類の提出が行なわれている
とのこと。
また、昨年12月10日にはこんなニュースもあった
ネイチャーにマウスの体細胞が初期化して多能性を持つ「STAP現象」がアメリカの研究者により発表されました。
また、小保方氏に決定的なダメージを与えたこの記事についてだが、
刑事告発が受理された!小保方晴子さんを追い込む警察捜査「我々は本気だ」
2015.05.22 FRYDAY
事実はこちらだ
STAP問題で告発状受理 「何者かがES細胞盗んだ」 兵庫県警
2015.5.15 産経
世間では100人中99人くらいが小保方氏がES細胞を盗んだ、と思い込んでいるだろうが、実際は元上司の同僚が被疑者不詳で告発しておいて、マスコミには「小保方を告発した」とばかりに発表したのだ。
STAP細胞があろうとなかろうと、私は1円も儲からないし損もしないので、そんなことはどうでもいい。
そして、実は大騒ぎしているほとんどの人が、私と同じはずだ。
にもかかわらず、容易に集団リンチがまかり通るということに、私は心底怒りを覚えるし、恐怖も感じる。
巨額の利権にからまる一握りの人々の都合に振り回され、利用される私たち大衆のマイナスエネルギーは、まさにファシズムと同根である。
小保方氏がこうした負のエネルギーに対して、とにかく生き延びて口を開いたことは、そこに書かれていることがどれだけ事実なのかはともかくとして、何よりだったと思うのである。
■■
それにしても、なぜバッシングのさなかにこのような反論をしなかったのか、ということは疑問に残る。
あくまで推論だが、可能性としては、なんらかの取引があったということではないのか。
理研とすれば、複数の関与する不正を小保方氏ひとりに押しつけたいという思いは強かっただろう。年若い研究者の個人的な不正であれば、理研そのものの傷は浅いという判断は、当然したはずだ。
また、コピペなどの不正という弱みのある小保方氏にすれば、甘い処分との引き替えに沈黙を強要されれば断れなかったのではないか。
実際、理研から小保方氏への処分は、論文掲載費60万円の返還だけだったらしい。言われているような意図的な不正な実験がなされていたのならば、異様に軽い処分と言わなければならない。
これも、日本人の縮図のような気がしてならない。
大小にかかわらず会社の不正を知ってて言わない人は多いはずだ。
コンプライアンスなんてものが100%機能してしまった日には、検察がパンクするし、そもそも検察庁が内部告発でエラいことになるのではないか。
常に下っ端が共犯だと思い込まされ、巻き込まれていく。
イザとなったら切り捨てられ、中にはこん畜生とばかりに暴露する人もいるけれども、たいていは「後々のことを思って」自分が背負って悪者になる。
ここには「他人のせいにするのは卑怯だ」という日本的美学のようなものも働いている。
しかし、「美学」なんてものは、支配者が支配しやすいように価値観を作っている場合が多い。
とくに、日本の伝統とかいいながら、実は明治時代になってから作られたようなものは、ほとんどその類だ。
「道徳」なんてものは、江戸時代のわずか7%程度だった武士の学問だった儒教に帝国主義を混ぜ合わせて塗り固めたもので、日本の伝統でも何でも無い。
私たちは、知らないうちにこうしたものにがんじがらめにされているのだ。
現役政治家としては私は最高評価をしている小沢一郎さんも、「お天道様が見ている」といって明確な言い訳をしない点だけは、最低点を付けたいと思っている。
「言うべきことは言う」
STAP事件を見ていて、そして今回の手記の出版を聞いて、私が一番強く思ったことはこれだ。


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Amazon1位の座は小泉今日子に譲ったようだが、異常なバッシングで生業を失った小保方さんにとっては何よりのことだ。
かりに論文の不正はあったとしても、上司と上司の仲間と会社と出身大学とマスメディアが、精神的集団リンチ、精神的殺人と言えるほどの仕打ちをしていいはずがない。
しかも、その後の経緯を見ると、ちょっと驚くことが多い。
弁理士の栗原潔氏ブログ(STAP細胞特許出願の現状について)によると、2016年2月2日現在でも、
日本のSTAP特許出願は、放棄はされておらず審査請求待ちの状態
米国特許出願は、2015年11月時点でも必要書類の提出が行なわれている
とのこと。
また、昨年12月10日にはこんなニュースもあった
ネイチャーにマウスの体細胞が初期化して多能性を持つ「STAP現象」がアメリカの研究者により発表されました。
また、小保方氏に決定的なダメージを与えたこの記事についてだが、
刑事告発が受理された!小保方晴子さんを追い込む警察捜査「我々は本気だ」
2015.05.22 FRYDAY
事実はこちらだ
STAP問題で告発状受理 「何者かがES細胞盗んだ」 兵庫県警
2015.5.15 産経
世間では100人中99人くらいが小保方氏がES細胞を盗んだ、と思い込んでいるだろうが、実際は元上司の同僚が被疑者不詳で告発しておいて、マスコミには「小保方を告発した」とばかりに発表したのだ。
STAP細胞があろうとなかろうと、私は1円も儲からないし損もしないので、そんなことはどうでもいい。
そして、実は大騒ぎしているほとんどの人が、私と同じはずだ。
にもかかわらず、容易に集団リンチがまかり通るということに、私は心底怒りを覚えるし、恐怖も感じる。
巨額の利権にからまる一握りの人々の都合に振り回され、利用される私たち大衆のマイナスエネルギーは、まさにファシズムと同根である。
小保方氏がこうした負のエネルギーに対して、とにかく生き延びて口を開いたことは、そこに書かれていることがどれだけ事実なのかはともかくとして、何よりだったと思うのである。
■■
それにしても、なぜバッシングのさなかにこのような反論をしなかったのか、ということは疑問に残る。
あくまで推論だが、可能性としては、なんらかの取引があったということではないのか。
理研とすれば、複数の関与する不正を小保方氏ひとりに押しつけたいという思いは強かっただろう。年若い研究者の個人的な不正であれば、理研そのものの傷は浅いという判断は、当然したはずだ。
また、コピペなどの不正という弱みのある小保方氏にすれば、甘い処分との引き替えに沈黙を強要されれば断れなかったのではないか。
実際、理研から小保方氏への処分は、論文掲載費60万円の返還だけだったらしい。言われているような意図的な不正な実験がなされていたのならば、異様に軽い処分と言わなければならない。
これも、日本人の縮図のような気がしてならない。
大小にかかわらず会社の不正を知ってて言わない人は多いはずだ。
コンプライアンスなんてものが100%機能してしまった日には、検察がパンクするし、そもそも検察庁が内部告発でエラいことになるのではないか。
常に下っ端が共犯だと思い込まされ、巻き込まれていく。
イザとなったら切り捨てられ、中にはこん畜生とばかりに暴露する人もいるけれども、たいていは「後々のことを思って」自分が背負って悪者になる。
ここには「他人のせいにするのは卑怯だ」という日本的美学のようなものも働いている。
しかし、「美学」なんてものは、支配者が支配しやすいように価値観を作っている場合が多い。
とくに、日本の伝統とかいいながら、実は明治時代になってから作られたようなものは、ほとんどその類だ。
「道徳」なんてものは、江戸時代のわずか7%程度だった武士の学問だった儒教に帝国主義を混ぜ合わせて塗り固めたもので、日本の伝統でも何でも無い。
私たちは、知らないうちにこうしたものにがんじがらめにされているのだ。
現役政治家としては私は最高評価をしている小沢一郎さんも、「お天道様が見ている」といって明確な言い訳をしない点だけは、最低点を付けたいと思っている。
「言うべきことは言う」
STAP事件を見ていて、そして今回の手記の出版を聞いて、私が一番強く思ったことはこれだ。


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