2016-02-18(Thu)
信金さんと話をしていて思ったこと
最近、うちのようなミニマムな事務所にも信金さんが営業に来る。
わずかな貯金でも、メガバンクにおいとくよりは信金のほうが悪いことに使われる可能性が低いし、住宅ローンの利子だってホントはメガバンクには一円だって払いたくないから損をしないならば借り換えしてもいいよ、てな話をしていた。
信金さんもなかなかしっかり者で、あれこれ言いながら、月に1万円でいいから積み立てをしてくれと言う。まあ、これもいつでも解約OKだというので考えてみようかと思ったその時、信金さんは不思議なことを言った。
「毎月○日頃に、集金にお邪魔します」
へええ、今時てくてく集金に来るなんてことするのかと尋ねると、やはり地回りの営業は顔を会わせてナンボのものらしい。
自動引き落としにしてしまうと、訪問しても「何しに来たの?」と言われたりするので、できるだけ集金にしているのだそうだ。
ああなるほど、これが地域で活動するということなんだな、と妙に納得してしまった。
私の仕事は木の家の設計で、もともとレアな需要なので、地域密着ではほとんど仕事にならない。お客さんは関西のあちらこちらから声をかけていただく。電車で2時間までならばありがたく引き受けることにしている。
現在はなぜか東京でも1軒やらせてもらっているが、新幹線の中はけっこう仕事できるので、思ったより負担は大きくない。
それはともかく、とにかく私は地域密着にはほど遠い暮らしをしてきたので、信金さんの話は新鮮だった。
そういえば、昨年は自分の設計事務所を始めてから10年をすぎて、やっと地元で設計をさせてもらった。知り合いの工務店からの紹介だったのだが、その工務店の営業さんも、まさに地元密着。施主さんの家族が入院したら病院までお見舞いに行くほどで、時間をかけて信頼を得ている様子だった。
こういう世界は私はとっても苦手で、実は独立以前に勤めていた会社もけっこう地元系だったけれども、地回り系の動きは避けて通っていた。
家の設計は、イヤでも建てる人の感覚やプライバシーに立ち入らざるをえないので、むしろ一線を引いておかないとお互いに距離が保てなくなる気がするせいもあるが、やはりなんと言っても、苦手なのだ。
■
信金さんが私の虎の子の1万円札を握りしめて帰った後、やはり例の政権交代の戦略「10人ー100人-1000人」を思い出してしまった。
選挙も地回り営業も、ほとんど一緒なのじゃないか と。
自民や公明が強いのは、こういう地回り営業をやって、小渕優子ワインや稲田朋美のともみの酒を配ったりしているからだ。ポイントは、酒や観劇もあるけれども、やはり日頃後援会が顔と顔をつないでいるというところにある。
共産党も自公ほどではないだろうけれども、赤旗ネットワークでつながっているし、民商の確定申告やら、定例の署名運動やらでつながりを絶やさないようにしているようだ。
「地域のリーダーになる10人」までは、これまでの延長で探すことができそうだ。その次の「活動できる100人」も、ある程度空中戦というかネットなども活用することができる。しかし、その先の「支える1000人」は足と顔しかない。
そういう活動を広げていくためには、やはり「道具」がいる。
私のように地回りが苦手な人ばかりではないかもしれないが、それでも何かきっかけが無ければ、他人の家を訪ねて回るのはやはり気が引けるものだろう。
まさかワインを配るわけにはいかないので、やはり何らかのお便りということになる。
月に1回、お便りを届けに行き、ポスティングのお願いや勉強会のお誘いなどしつつ、少しばかり話してくる。
そしてそのお便りは、生活実感に根ざしたものでなければならないし、本気で政権交代して良くするためのものでなければならない。
ざっくりした意見広告のようなものでダメだ。
信金さんも、少しでも金利の安い住宅ローンの借り換えやら、ちょっとでも客のためになるものを探して持ってくる。
ワインや観劇ではない利益とは、「本気で良くする」ということだ。
その本気さと現実性が伝わらないような夢物語や意見広告では、日々に忙しい人々は取り合ってくれない。
寒い中、ウチのような金のない自営業者まで営業にまわる信金さんの姿を見て、そんなことを思った。
■■明月社から完成見学会のお知らせ■■
2016年3月21日(月祝)
大阪府箕面市(阪急箕面線牧落より徒歩15分)
①11:00 ②13:30 ③15:30
杉、土、漆喰、和紙を使った木の家です
ご希望の方は info@mei-getsu.com 山岸まで
住所・氏名・お電話番号を明記のうえお申込ください


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わずかな貯金でも、メガバンクにおいとくよりは信金のほうが悪いことに使われる可能性が低いし、住宅ローンの利子だってホントはメガバンクには一円だって払いたくないから損をしないならば借り換えしてもいいよ、てな話をしていた。
信金さんもなかなかしっかり者で、あれこれ言いながら、月に1万円でいいから積み立てをしてくれと言う。まあ、これもいつでも解約OKだというので考えてみようかと思ったその時、信金さんは不思議なことを言った。
「毎月○日頃に、集金にお邪魔します」
へええ、今時てくてく集金に来るなんてことするのかと尋ねると、やはり地回りの営業は顔を会わせてナンボのものらしい。
自動引き落としにしてしまうと、訪問しても「何しに来たの?」と言われたりするので、できるだけ集金にしているのだそうだ。
ああなるほど、これが地域で活動するということなんだな、と妙に納得してしまった。
私の仕事は木の家の設計で、もともとレアな需要なので、地域密着ではほとんど仕事にならない。お客さんは関西のあちらこちらから声をかけていただく。電車で2時間までならばありがたく引き受けることにしている。
現在はなぜか東京でも1軒やらせてもらっているが、新幹線の中はけっこう仕事できるので、思ったより負担は大きくない。
それはともかく、とにかく私は地域密着にはほど遠い暮らしをしてきたので、信金さんの話は新鮮だった。
そういえば、昨年は自分の設計事務所を始めてから10年をすぎて、やっと地元で設計をさせてもらった。知り合いの工務店からの紹介だったのだが、その工務店の営業さんも、まさに地元密着。施主さんの家族が入院したら病院までお見舞いに行くほどで、時間をかけて信頼を得ている様子だった。
こういう世界は私はとっても苦手で、実は独立以前に勤めていた会社もけっこう地元系だったけれども、地回り系の動きは避けて通っていた。
家の設計は、イヤでも建てる人の感覚やプライバシーに立ち入らざるをえないので、むしろ一線を引いておかないとお互いに距離が保てなくなる気がするせいもあるが、やはりなんと言っても、苦手なのだ。
■
信金さんが私の虎の子の1万円札を握りしめて帰った後、やはり例の政権交代の戦略「10人ー100人-1000人」を思い出してしまった。
選挙も地回り営業も、ほとんど一緒なのじゃないか と。
自民や公明が強いのは、こういう地回り営業をやって、小渕優子ワインや稲田朋美のともみの酒を配ったりしているからだ。ポイントは、酒や観劇もあるけれども、やはり日頃後援会が顔と顔をつないでいるというところにある。
共産党も自公ほどではないだろうけれども、赤旗ネットワークでつながっているし、民商の確定申告やら、定例の署名運動やらでつながりを絶やさないようにしているようだ。
「地域のリーダーになる10人」までは、これまでの延長で探すことができそうだ。その次の「活動できる100人」も、ある程度空中戦というかネットなども活用することができる。しかし、その先の「支える1000人」は足と顔しかない。
そういう活動を広げていくためには、やはり「道具」がいる。
私のように地回りが苦手な人ばかりではないかもしれないが、それでも何かきっかけが無ければ、他人の家を訪ねて回るのはやはり気が引けるものだろう。
まさかワインを配るわけにはいかないので、やはり何らかのお便りということになる。
月に1回、お便りを届けに行き、ポスティングのお願いや勉強会のお誘いなどしつつ、少しばかり話してくる。
そしてそのお便りは、生活実感に根ざしたものでなければならないし、本気で政権交代して良くするためのものでなければならない。
ざっくりした意見広告のようなものでダメだ。
信金さんも、少しでも金利の安い住宅ローンの借り換えやら、ちょっとでも客のためになるものを探して持ってくる。
ワインや観劇ではない利益とは、「本気で良くする」ということだ。
その本気さと現実性が伝わらないような夢物語や意見広告では、日々に忙しい人々は取り合ってくれない。
寒い中、ウチのような金のない自営業者まで営業にまわる信金さんの姿を見て、そんなことを思った。
■■明月社から完成見学会のお知らせ■■
2016年3月21日(月祝)
大阪府箕面市(阪急箕面線牧落より徒歩15分)
①11:00 ②13:30 ③15:30
杉、土、漆喰、和紙を使った木の家です
ご希望の方は info@mei-getsu.com 山岸まで
住所・氏名・お電話番号を明記のうえお申込ください


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