2016-04-18(Mon)

【熊本地震】なぜ政府の対応はこれほど遅いのか

大臣連中や中央官僚が、仮に本心では九州の片隅のことだと思っていたとしても、24日に衆院補選を控え、夏には参院選を目の前にしたこのとき、政府の震災対応の遅さは理解を超えている。

せめて一週間だけでも、必死に対応しているようなポーズをとればいいのに、それすらせずに国会ではTPPの審議を続けようとする。
その審議で民進党の議員に災害対策の質問をされると、まるで絵に描いたようなお役所仕事の答弁を繰り返し、安倍首相に至ってはなんと 「激甚災害指定をしてもしなくても同じだ」と言い放った。

たしかに、激甚災害指定は災害の復旧にあたっての国庫補助であり、緊急の人命救助や避難所支援にかかるものではない。
法律上の手続きがあるのも事実だ。

しかし、激甚災害指定のあつかいは、政府が言う「全力」というのが口先だけなのか、本気なのかを示す指標になる。
指定の方向と決意をハッキリ示せば、被災県や自治体も、財政の心配をあまりせずに救援に注力できる。
しかし、「ゴールデンウイーク前に(指定するかどうかの)結論を出す」などという、あまりにも頼りない返答では、「ああその程度の『全力』なのか」「しょせんお役所仕事の範囲なんだな」 と不安を抱え、後のことを心配しながら目の前の救助に取り組まざるを得ない。

では、激甚災害指定の有無に関係なく、本当に全力で支援しているのかというと、どうもそうでもない。
なによりも、これまでの被災の経験をどれだけ活かしているのか、河野太郎防災担当相はじめとするお歴々からは、まことに不安になる答弁が続いた。

6年前の大震災時にも、決定的に不足するのはロジスティックの専門家だということは指摘されていた。
物資や個々の専門家は揃っていても、あるいは全国から人と物のボランティアの意思はあったとしても、受け入れとマッチングと搬送という部分が被災自治体に丸投げになっているために追いつかず、国会答弁でいくら「充分にやっている」と言っても、現場ではこういうことになる。

20160418-1.jpg(東京新聞 2016.4.18)

たとえば県に50人、自治体に各10人、数百箇所におよぶ避難所に各5人ずつでも常駐派遣してニーズを把握し、調整し、道路状況やインフラの復旧程度も集中的に把握し、周辺地域の運送会社とも交渉するなどすれば、状況は一変するはずだ。
また、均一的な避難所では生活できない障害者や高齢者、乳幼児への対応もできるはずだ。

そんなことは少なくとも6年前にイヤというほど分かっていたのに、ほったらかしにする。
選挙向けの点数稼ぎでもいいから、お見事という対応を見せればいいのに、やらない。

■■

川内原発を動かし続ける対応も不可思議だ。

原発に賛成か反対かという問題ではない。
むしろ、原発を推進したければなおさら、念のため止めておくのが筋ではないか。
1580galの地震が起きているのに、620galに耐えられるので大丈夫と言う丸川大臣の答弁は異様である。

おそらく川内原発の現場は止めたかったに違いない。
まして、気象庁は下記のような警告を出している。

熊本南西で地震増加=16日から、M7.3影響か―気象庁

 南西側の地震は日奈久断層帯に沿って発生している。
 どう広がっていくかは予想できない。


万が一、川内原発が稼働中に大地震に見舞われて異常がおきれば、いよいよ国内での原発再稼働は困難になる。
それを分かっていながら、なぜ「原発推進派」は川内原発を一時的にでも停止しないのか。

私は、東北震災以降の一連の政府対応、今回の点数稼ぎすらしない態度、異様な原発稼働などをみて、「これが日本の近未来のグランドデザインなんだな」と感じた。

どういうことか。

安倍晋三は口先ではGDP600兆円とか言っているが、できないことなど本人も分かっている。
実際は人口半分くらいの国として生き延びていくしかない。
そして、そのために彼らがやろうとしていることは、「お荷物」である地方の切り捨てと、新たな収入源の確保だ。

その二つを両立するものこそ、これだ。

原発推進の正体は「日本列島を核の墓場にする計画」だったのではないか
2011.4.1


福島は彼らにとっても想定外だった。何が想定外かと言えば、核処分場にすることもできないほど酷い壊れ方をしてしまった。
次の格好のターゲットは、薩摩川内である。

だから、危ないからこそ川内原発を止めない。
また、九州は博多から南はほぼ無人の荒野になってくれれば、こんなに好都合なことはない。
熊本が復興することなど望んではいないのだ。

6年前には「まさか」と言っていた人たちも、もしかしたらと思い始めている。
いわゆる陰謀論などではない。
非情な支配者の論理で考えれば、そういう結論に行き着く。

とりあえず自民党で、というあきらめは、こういう地獄へつながっている。




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結局は動かさないでしょう

私は、彼らは処分場すら結局は作らないのではないかと思っています。何をするにもハードルが高すぎます。ではどうするのかというと、核廃棄物はどこにも動かさずに、各原発の敷地内に積み上げていくのではないのでしょうか。どこの原発の敷地も、間もなく満杯になりますが、拡張すればよいのです。拡張であれば新設よりもはるかにハードルは低いですね。

No title

激甚災害に付いては民主党管政権の時は政治家側にどれだけの旨みが有るのか分からない連中ばかりだったので、官僚が簡単に取り仕切れたんでしょう。しかし自民党じゃあそうはいかない。今裏で政治家と官僚が物凄い綱引きしてるんでしょね。それが「簡単には決められない」という本音として出てしまった言葉なんじゃないでしょうか?
そして仰るように九州南部を核の捨て場所にしようとしてるのは感じますね。3.11の後経産官僚が「もう一基吹っ飛んでも動かす」と言ってたそうですから、それが川内なんでしょう。東京からも遠いですしね。
 ということで、熊本鹿児島などは御上から、住民共々見捨てられたということで、、。そこに知事さんなどは気が付いてるのかなァ、、?
それにしても南九州なんて「10万年の安全」からは程遠い地なのに、、。まァ、自分達が生きてる範疇からはかけ離れた歴史という認識なんでしょうな。
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