2006-07-10(Mon)

一気に実現しそうな「敵基地の先制攻撃」

昨日のエントリーから1日でこんなに動くのかというほど、
「敵基地の先制攻撃」が一気に激動している。

このわずか24時間で、安倍ジョンイルたち権力者どもは、実験か演習かデモンストレーションか、いずれにしても「攻撃」とはかけ離れたテポドン発射を、あたかも「いつミサイル攻撃されてもおかしくない」という話にすり替えてしまった。

とんでもないことだ。まさに、麻生太郎が金正日に感謝する理由はここにある。

やや長くなるが、時系列を追って、マスゴミの報道を引用する。

日経
敵基地攻撃能力の検討を・防衛庁長官

 額賀福志郎防衛庁長官は9日、記者団に対し、北朝鮮の弾道ミサイル連続発射を踏まえ、現在自衛隊が保有していない発射基地などへの敵基地攻撃能力について「独立国家として、一定の枠組みの中で、最低限のものを持つという考え方は当然だ」と述べ、憲法の範囲内で可能な装備を検討すべきだとの考えを示した。(中略)
 これに関連し麻生太郎外相は同日のNHK番組で「(核が)ミサイルにくっついて日本に向けられているのであれば、被害を受けるまで何もしないわけにいかない」と述べ、一定の条件の下で北朝鮮のミサイル基地攻撃は自衛権行使の範囲内との見解を示した。
 額賀氏は同日のフジテレビ番組で敵基地攻撃に関し「敵国が確実に日本を狙って攻撃的手段を持ち、ピストルの引き金に手をかけたようなときは、日本を守るため(攻撃の)判断が許されると解釈される」と述べた。(2006年7月9日16:22)


この報道を見て昨日のエントリーを書いた。「核弾頭ミサイルが日本を狙っていて、いつ発射されるかわからない」という
、デマ、風評による、日本国民に対する脅迫を始めたのだ。

産経
韓国「日本は騒ぎ過ぎ」 大統領官邸が声明

 韓国青瓦台(大統領官邸)は9日、北朝鮮のミサイル発射問題に関する声明を発表、「無理に日本のように未明から大騒ぎする必要はない」と述べた。声明は盧武鉉政権が同問題で積極的な対応を取っていないとの国内からの批判に反論したものだが、日韓の姿勢の違いが浮き彫りになったことで、今後の連携に影響が出る可能性もある。
 また青瓦台の宋旻淳・統一外交安保政策室長は同日、聯合ニュースに、日米などが国連安全保障理事会に提出した制裁決議案の効果に疑問を呈し、制裁自体にも批判的な見方を示した。
 青瓦台の声明は、韓国政府の「落ち着いた」対応は、国民を不安にさせないようにとの大統領の意思によるもの、と説明。過去に独裁政権が南北関係を緊張させ政治的に利用してきた歴史から抜け出さねばならないと訴え、「(ミサイル発射は)政治的な事件にすぎず、安保上の非常事態に至るものではない」と主張した。
 その上で、朝鮮半島の緊張を高めることは問題解決につながらないと強調。「大騒ぎで国民を不安にさせてはならず、大きな声を上げずに少しずつ対応している」と、日本政府との対応の違いを取り上げて韓国政府の方針を説明している。
 一方、宋室長は制裁決議案に「ミサイル計画を食い止める効果があるのか、判断が難しい」と話し、外交努力を強めるべきだとの考えを強調。(07/09 23:53)


これが、普通の対応だろう。韓国とて、というよりも韓国のほうがはるかに北朝鮮の脅威を感じているはずだが、その韓国がこういう対応をしているのに、なぜ日本だけヒステリックに叫びだしたのか。
魔のトライアングルが手を携えて、戦争実行への階段を上がりだしたのだ。

朝鮮日報
【ミサイル発射】麻生外相が金総書記に感謝したワケ

 「金正日(キム・ジョンイル)に感謝しなければならないようだ」
 日本の麻生太郎外相は8日、広島の講演先で北朝鮮ミサイル発射に関し、このように語った。麻生外相は「先月、モスクワで開かれたG8外相会談での関心はイランに集まった。私が北朝鮮の拉致・核・ミサイルについて発言しても、あまり反応がなかった。ところが突然テポドンが飛んできたから、(主要国の間に) “日本が言ったのはこのことだったんだな。とても重大なことだ”と、証明された」と。(2006年07月10日08時00分)


語るに落ちるとはこのこと。

朝日
安倍長官、敵基地攻撃「検討研究必要」

 安倍官房長官は10日の記者会見で、北朝鮮のミサイル発射を受けて議論されている敵基地攻撃について「誘導弾等による攻撃を防ぐために他に手段がないと認められる限りにおいて誘導弾等の基地をたたくことも法律上の問題としては自衛権の範囲内として可能との(国会)答弁がある。日本国民と国家を守るために何をすべきかという観点から、つねに検討研究を行うことは必要ではないか」と述べた。(2006年07月10日12時30分)


安倍ジョンイルも吼える。戦争になっても自分らは決して戦場に立つことは無いと確信している安倍晋三。本当に卑劣なヤツだ。
9日の額賀発言では、「装備の検討」だったのが、ここに来て「検討研究」と範囲が広がっている。

東京新聞
『基地攻撃能力保有を』政府内で意見浮上

 政府内で九日、北朝鮮が新型長距離弾道ミサイル「テポドン2号」を含むミサイルを連続発射したのを受けて、北朝鮮のミサイル基地を攻撃する能力を、自衛隊に持たせるべきだとの意見が浮上した。敵基地攻撃能力の保有は「専守防衛」の国防方針の大転換につながる可能性がある。小泉純一郎首相の退陣前に結論が出る見通しはなく、次期政権の大きな課題になりそうだ。(中略) 
 ただ、そのために空母や戦略爆撃機、大陸間弾道ミサイルなどを保有することは自衛の範囲を超えると解釈、現在の自衛隊は、こうした兵器は装備していない。(2006.7.10)


そして、あっと言うまに「検討研究」から「攻撃能力の保有」まで来てしまった。

産経
敵地攻撃能力「法整備あれば積極的に検討」 自民幹事長

 自民党の武部勤幹事長は10日の記者会見で、額賀福志郎防衛庁長官がミサイル発射基地などへの敵基地攻撃能力保有を検討すべきだと発言したことについて「能力を持つにはさまざまな問題がある。国民によく説明責任を果たして、法整備などがあれば積極的に取り組むべきだ」と述べた。
 敵基地攻撃能力に関して「ミサイルを撃ち込まれるのが分かっていて、なすすべがないというのは許されない」と強調(中略)
 公明党の神崎武法代表は敵基地攻撃能力の保有について、首相官邸で記者団に「基地を攻撃することになれば、全面戦争になる。慎重に検討すべきだ」と否定的な考えを示した。(07/10 19:14)


ついに、極めて具体的に「法整備」まで出てきた。24時間で
「装備の検討」から「法整備」まで突き進んだ。このものすごい展開を、何事もないかのように情報垂れ流すマスゴミの非道さによって、いかに大事件かが分かりにくくなっている。

「装備の検討」は、「やるとしたらどんなモノがいるか」という話だ。
それに対して、「法整備」は「やるための準備」だ。

「やるとしたら」から「やるための」に24時間で突き進んだ、安倍ジョンイル一派。ドキドキ、ワクワクしながら時間を追ってプレスリリースしてゆく息づかいが聞こえてくるようだ。

この緊迫した状況で、新聞はベタ記事扱い。批判無し。
アブナイ。本当にアブナイ。

そんなに戦争したいのなら、安倍晋三、まず君が先制攻撃弾の弾頭になって、どこへでも飛んでいくがいい。私の子どもらと、日々を生きる多くの民を殺すな。

卑劣なる公明党・創価学会の対応にも触れておく。言うまでもないが、「基地を攻撃することになれば、全面戦争になる」とか言いながら、いざ法整備ということになれば「賛成」するのが公明党だ。ウソつき指数は自民党よりも高い。
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はじめまして。

>「攻撃」とはかけ離れたテポドン発射を、あたかも「いつミサイル攻撃されてもおかしくない」という話にすり替えてしまった。

テポドンが攻撃ではないからといって、「ミサイル攻撃は無い」という話にすり替えてしまわないでください。重要なのは、すでに運用ノウハウが蓄積されたスカッドやノドンが日本を射程に捉えていることです。
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