2016-10-18(Tue)

天下三分の計  新潟県知事選挙の結果から

新潟県知事選挙の結果は、「天下三分の計」の正しさを証明した。

天下三分の計とは、言うまでもなく諸葛孔明が劉備玄徳説いた大戦略。
玄徳の蜀の力ではとうてい中国を統一できないので、まずは魏呉蜀の三国が相互牽制してバランスを保ち、その間に国力を付けようという作戦だ。三国志のメインテーマとも言える。

天下三分の計は、あくまでも当面の策であり、妥協策であると同時に、現状から理想に向かうためのシビアで現実的な作戦である。

では、新潟県知事選挙のどこが「天下三分の計」なのか。
①自民&公明
②民進&連合
③共産&社民&自由&なかまたち

この三つの勢力が競うことで、勝機を見いだせる。
今回は、①と③が拮抗することで、②の分裂をひきだし、それが最後の勝利を決定づけた。
まさに、三国志を見ているかのようであった。

小沢氏がずっと言いつづけている 「野党第一党の民進を中心とした野党共闘」ではなく、今は、「天下三分の計」を取るべきなのだ。
野田民進に「中心になれ」と言いつづけて永遠に時間を浪費するのは無駄としか思えない。
新潟で示されたように、多くの民進の議員が自己保身のために出てこざるを得なくなる状況を作り出す。これに尽きる。



そのためには、③が強くなることが大前提だ。
新潟は、原発立地としての不安が大きかったこと、社民党や自由党(生活)が他県に比べて強かったこと、なかでも森ゆうこ議員が獅子奮迅の活躍をしたこと、現職の泉田知事の後継とみなされたこと、いわゆる市民派が結集したこと、そして候補者の米山氏の覚悟が決まっていたうえにキャラクターも抜群だったこと、などなどの条件が重なっていた。
その結果、国政ではまだ難しい①と③が拮抗するという事態になった。

そこまで行けば、民進のような日和見集団がどうなるか、ものの見事に見せてくれたのが今回の選挙だ。
問題は、では他府県や国政選挙で、①と③が拮抗する、良い勝負をするところまで、どうやって持って行くか だ。

そこにも、小三分の計がある。
③の中の三分である。

③-1 共産
③-2 社民
③-3 自由党&なかまたち

共産と社民 既存の運動勢力と言ってもいい。
②は社民党だけではなく、みどりの党や新社会党や市民運動なども含む。なんやかんや言っても、国政選挙になれば社民党を応援する人たち、ということ。
市民運動の人たちの中には、選挙戦にガッツリ組み入れられるのを嫌う傾向も見受けられるので、その壁を突破することが必要だ。

さて、③の自由党&なかまたち である。
自由党は党名を変え、太郎さんとは分業制にすることにして、自由党本体は保守層の掘り起こしに力を入れることになった。
これは、非常に重要な使命だ。
自公と拮抗する勢力を作り出すためには、安倍自民に辟易している保守層の心をつかむことが絶対に必要だからだ。

これまで野党共闘云々のなかで、野党=革新系のようなイメージが強く、そういう反安倍保守層は遠巻きにして見ていた感がある。
そのイメージを払拭し、保守的な感性をもった人々を糾合する自由党になれるかどうか、ここに三分の計はかかっていると言っても過言ではない。

③-3はもうひとつ「なかまたち」がある。
山本太郎となかまたち のなかまたちでもあるけれど、ここで書いている「なかまたち」は今は無党派だったり投票に行かない人たちのこと。革新とか保守という感覚も全くない人たち。
政治はキタナイとかダサいというイメージだけをしっかりすり込まれている人たち。
それでも、生活に困ったり、将来に不安を感じたりしている人たち。

自由党の共同代表である山本太郎さんが、あえて分業するのは、こちらを担当するからだ。
これまでの政治のやり方とは違う手法を駆使して、エンターテイメントも交えながら、実は不満を抱えている人たちにアプローチしていく。

票が割れるという意見もあるが、どちらに入れようか?と迷うのはかなりコアな支持者だけで、ほとんど重なることはないと思う。
関西の人にしか分からない例え話だけれど、梅田に同一資本の阪急百貨店と阪神百貨店が並んでいるが、それぞれ違う客層をつかんで繁盛している。阪神が阪急に統合された時は、「阪急タイガースなんて誰も応援しない」と大騒ぎになった。

太郎さんが狙うのは、これまで政治や選挙を横目で見ていた人、目の前の問題には気が付いていても、政治に結びついていない人、頭では分かっていても政治に絶望している人、そういう人たちだろう。
だから、「どっちに入れよう」と迷うくらいのコアな人は、迷わずに自由党に入れたらいいと思う。

その上で、実は自由党と「なかまたち」は、その内容においてほぼ同一だ。
違うのは、保守という自覚があるかないか、だけ。
だから、党としてひとつであることは、なんら矛盾はない、と私は思っている。



私自身の感覚がどこに一番近いのだろうか。
実は20代の時は一度も選挙に行ったことがない私としては、棄権する人たちの気持ちはかなり分かるような気がする。
しかも、自分が保守だとは思っていない。
10年くらい前までは、あえて分けるなら革新系というか左翼だと自覚してたけれど、今はそうやって分けること自体だ罠だということに気が付いてしまったから、今は保守とも革新とも思っていない。
 → 右と左という宿痾

ただ、新旧で言うならば、やはり私は旧の部類に入るのだろう。これは憲法フェスをやってみて思い知った。
旧態依然の運動を自己満足的にやっていくつもりはサラサラないが、これまでの様々な積み上げを改善し、最後はひとつのゆるやかな組織にしていく発想しか、私にはできない。

行き着くところは、10-100-1000 だと思っている。
各小選挙区に、10人のリーダー、100人のアクティブ(運動員)、1000人のロジスティックス(兵站、カンパ) だ。
 → 政権交代の戦略を考えてみる

共産&社民&自由&なかまたち の総合力でこの組織が実現できれば、間違いなく政権交代はできるし、少々の逆風が吹こうがびくともしない。
現状では、共産党にオンブにダッコになってしまうので、それ以外の力をどれだけ付けて、共産党と対等なプレゼンスで地域活動ができるようになれるか、そこにかかっている。

こういう発想なので、やはり自分の足場は自由党になるのだろう。
そこで、天下三分の計のさらに小三分の計の一翼を作ることから取り組んでみよう。

革新系の気持ちの分かる自由党、昔は政治家なんて大嫌いだった自由党、まあそんな立ち位置であちらこちらに出没しようと思う。




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政権交代への道筋

「 民進に寄りかからない野党共闘という選択肢」の記事にてコメントしてした者です

先のコメントで民進党主導ではない形での政権交代とその為に必要不可欠な旗印が必要と書かせていただきましたが、先の新潟県知事選は正にその好事例でした。

おれが民進党主導ではない形での野党連携の勝利の図式であり、新潟での旗印は米山氏。その旗印の元に共自社の3野党と市民が結集して、その流れの過程を経て、結果として民進党代表がその連携に追随しましたよね。

これは当然の帰結であり、これは勝利の為の縮図であり、国政選挙でも同じ事を追求すれば、当然ながら同じ結果を享受出来る事になります。そして、それは行く行くは最短の時間軸で政権交代に至ります。

何年も前からこの事を訴えておりましたが、反論はあれど賛同意見は皆無。
しかし、目に見える形で現実とした結果は出ております。

民進党の存在はいても困るし、かといっていなくても困るのです。

野田幹事長は3野党側に風を吹かせる為の格好の広告塔であり、本人の意図とは裏腹に彼等執行部の行動は放置しておけば自動的に国民側を利する結果となります。

何故勝てないかと言えば、それは我々国民が目的を正確に認識していないからであり、それが明確でない為に手段が浮かばない

しかし、目的は国民自身が自らの心に手を当てて考えれば既にその答えは在るのです

それは、安心と安全と安定を求めているのであり、それを希求している為に自公に反対する、民進党でも駄目だとなるのです。

しかし、現状の政治状況をどうしても変えたい。それは国民自身の生活が脅かされつつある事を皆直感的に感じているから。

このきな臭い状況を何とかして変えたいのだがどうしていいのか分からない。
これが現状です。

しかし、自公政治も駄目、民進党での政治運営も駄目、でも現行の政治は変えたい。

この気持ちそのものが既に答えであり、答えとは即ち行動の根拠となる目的なのです。

この目的を理解すれば自ずと手段は決まります。それは3野党側に野党間の主導権を握らせる事。民進党も嫌なのですからそもそもそれ以外は心情的に受け入れる事が出来ません。

ならば、3野党を強力に後押しすればよく、その実例が先の新潟県知事選なのです。

結果は明確に出ているのです。

更に言えば国政選挙は不正があるもいう意見も昨今では散見されますが、勿論、この不正を防止する方法も当たり前ですが知恵を絞れば簡単に分かる筈。

先ずは3野党連携側の後押し。
当然の帰結ですね。

政権交代への道筋

「 民進に寄りかからない野党共闘という選択肢」の記事にてコメントしてした者です

先のコメントで民進党主導ではない形での政権交代とその為に必要不可欠な旗印が必要と書かせていただきましたが、先の新潟県知事選は正にその好事例でした。

おれが民進党主導ではない形での野党連携の勝利の図式であり、新潟での旗印は米山氏。その旗印の元に共自社の3野党と市民が結集して、その流れの過程を経て、結果として民進党代表がその連携に追随しましたよね。

これは当然の帰結であり、これは勝利の為の縮図であり、国政選挙でも同じ事を追求すれば、当然ながら同じ結果を享受出来る事になります。そして、それは行く行くは最短の時間軸で政権交代に至ります。

何年も前からこの事を訴えておりましたが、反論はあれど賛同意見は皆無。
しかし、目に見える形で現実とした結果は出ております。

民進党の存在はいても困るし、かといっていなくても困るのです。

野田幹事長は3野党側に風を吹かせる為の格好の広告塔であり、本人の意図とは裏腹に彼等執行部の行動は放置しておけば自動的に国民側を利する結果となります。

何故勝てないかと言えば、それは我々国民が目的を正確に認識していないからであり、それが明確でない為に手段が浮かばない

しかし、目的は国民自身が自らの心に手を当てて考えれば既にその答えは在るのです

それは、安心と安全と安定を求めているのであり、それを希求している為に自公に反対する、民進党でも駄目だとなるのです。

しかし、現状の政治状況をどうしても変えたい。それは国民自身の生活が脅かされつつある事を皆直感的に感じているから。

このきな臭い状況を何とかして変えたいのだがどうしていいのか分からない。
これが現状です。

しかし、自公政治も駄目、民進党での政治運営も駄目、でも現行の政治は変えたい。

この気持ちそのものが既に答えであり、答えとは即ち行動の根拠となる目的なのです。

この目的を理解すれば自ずと手段は決まります。それは3野党側に野党間の主導権を握らせる事。民進党も嫌なのですからそもそもそれ以外は心情的に受け入れる事が出来ません。

ならば、3野党を強力に後押しすればよく、その実例が先の新潟県知事選なのです。

結果は明確に出ているのです。

更に言えば国政選挙は不正があるもいう意見も昨今では散見されますが、勿論、この不正を防止する方法も当たり前ですが知恵を絞れば簡単に分かる筈。

先ずは3野党連携側の後押し。
当然の帰結ですね。

ネットは怖い

山岸氏のように、また森裕子氏のようにも、地面に張り付いて活動することが大事だと思いますね。あの「メディアも分かったでしょ。」と云った時の森氏の目力は凄かった(笑)あんな人を私の埼玉選挙区の反自公候補者にも欲しいと思いました。どうも温いんですなァ、、。明日にでも党員にハッパ掛けに行って来ますわ(笑)
その点でいくとですね、ネットに頼った選挙は如何なもんなんだか、という事象を思い知らされました。今米国でのデリバディブが400兆ドル超え?というのが話題になってるんです。そこで私も検索したら一発でヒット!翌日他に書き込もうと再度検索したら、出ない、、!どんなに深堀しても出て来ない、、。そうしたらYahooが米国情報部にデータを提供している、というニュースが飛び込んで来ました。CEOが米国の法律に則って行っていると発言していました。Googleは沈黙してるそうです。という事はですよ、私のアドレスが、彼らにとって都合が悪い奴として、紐付けされて表示されないようになっているということですよね?こんなチンケな人間の情報でさへもコンピュータ内部では、監視されてるってことでしょう。
そうなれば山本氏どころか三宅氏なんかは、人が監視してると思って間違いないかも、と思っちゃうんですが如何でしょう?今後伸びてくれば引き釣り下す作業が始まるでしょうね。それを阻止するには、泥水を啜る覚悟で地べたを這ってでも活動する。これが肝要だと思います。さて、これが彼らに出来るかだな?ネットに頼っている限り、相手に全て見透かされているってことに気づかなきゃね。
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