2016-12-02(Fri)

年寄りをいじめるつもりではないけれど・・・(世代格差の実態)

昨日は 大企業と中小零細企業の格差について書いた

実は、これ以外にもかなり激しい格差がある。
世代間格差だ。

この問題は、まるでおおさか維新のように国民どうしのいがみ合いを煽ることにもなりかねないのだが、それでも避けて通れないと思うので、慎重に読んでいただきたい。

以下は、総務省家計調査(2015年)から抜粋した、年代ごとの貯金などのデータだ。

20161202-2.png

住宅ローン残高を差し引いた正味の貯金の合計額が、世帯主が60最未満の世帯と、60歳以上の世帯で、なんと6.5倍以上かけ離れている。
世帯数の合計はほぼ同じなので、60歳未満に比べると60歳以上がいかにカネをもっているかが分かる。

「いやいや、今の若い世代もこれから貯金がたまっていって、歳をとったときには同じくらいになるはずだ」という説もある。
しかし、ちょっと望み薄な気がしている。

20161202-1.png

これは厚労省の国民生活基礎調査のデータをグラフにしたもの。
点線は、1985年にそれぞれの年代だった人の所得が、その後どう変化したかというもの。ちょっと分かりにくいが、水色点線がちょうど私の年代ど真ん中。
日本は年功序列の給料だから、40代、50代でどんどん昇級してここでカネをためるというのがこれまでのパターンだった。うちらの親世代から団塊世代くらいまでのグレー点線が、典型的にそうなっている。
ところが、私のちょっと先輩であるオレンジ点線になると、最後の50代で勢いがなくなり、私らの世代である水色にいたっては、40代、50代になるに従って上昇角度が緩くなってしまっている。

すう勢的に見ると、私らの下の団塊ジュニアからロスジェネの諸君は、もっと緩いことになりそうだ。全体の平均給与が下がり続けている上に、非正規雇用が半数を占める状態だから給料が上がる見込みはないし、将来の退職金だってもらえない。現状の資産マイナス状態から抜け出せるのか、ヒト事ながら心配になる。

■■

ものすごく乱暴な言い方をすれば、日本人の1/4は比較的カネをもっている高齢者。
1/4は大企業の社員とその家族。
1/15は公務員などの安定した職業。
という構成になっている。

もちろん、高齢者でも貧困にあえぐ人もいれば、大企業で過労死する人もいる。様々な例外があることは承知の上で、あえておおざっぱな構成を捕らえておきたい。
要するに、この国の1/4+1/4+1/15≒55%は、まだ目の前が真っ暗になるほどには困っていないのだ。
対するに、45%ほどの中小零細に勤めている59歳以下の人々は、ジワジワと、あるいはかなり強烈に貧困が押し寄せている。

もちろん個人差はすごくあるので、どのくらいがそれを自覚するほどに困っているのかはよくわからない。それでも、昨日書いた中小零細と大企業の給料の差、非正規雇用、現在の資産の世代格差、昇級カーブの鈍化、どうしたってあまり明るい未来は見えてこない。

問題は、格差があることを嘆くことではなくて、どうやって45%の将来を作るのか、その具体的な青写真を示すことだ。

誤解を恐れずに言うけれども、どの党に限らず、政治に関わっている圧倒的多数が45%ではない側に属性をもっている。
政権交代だと頑張っている運動から、60歳以上の高齢者と公務員と大学教授を除いてしまうと、かなり寂しいものになるはずだ。
もちろんやっている本人は、本当に真剣にやっているのであって、それを非難したり揶揄したりするものではない。

ただ、圧倒的に疎外されている45%の側から見ると、疎外されていない「社会の中の人たち」が野党だ与党だと言ってやりあっているように見えはしないか。
ここに格差がある、ということを明確にして、ではどうするかを具体的にしめさない限り、「格差はいけない」とか「若者が輝く社会」とか言ったって、虚しく響くだけだ。

中小零細企業が儲かるようにする というのも それと根っこは同じ。
ちなみに、各政党の中小企業対策を比較したサイトがあったので貼っておく

 政策比較表2016参院選【雇用・労働・中小企業対策】

民進、共産、社民 はどれも労働者がわの政策。まあ、かつかつでやり繰りしている中小零細の社長は(たぶん社員も)、こんなのできれば苦労しないよ と感じるだろう。
そのなかで、有効性も善し悪しもべつにして、なんだかパッと見ると中小零細のことわかってんじゃないの、と思わせるのがおおさか維新だ。キレイゴトじゃなくて、実態がわかっている かのような印象を持つだろう。
このあたりにも、おおさか維新の強さがあるのだろう。

キレイゴトや方程式じゃなくて、本当にこの現実をどうするのか、10年後、50年後、どうやって私たち(あくまでも45%がわ)は生きていられるのか、社会の経営計画をたてなくてはならない。

政権交代を目指す政党の、必須の課題である。




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comment

貯金に関して申し上げると、今の高齢者世代の貯金が多いのは、昭和の金利が高い時代に貯蓄していたことも関係あると思います。銀行の定期預金で5%なんてのがザラで、利息だけで生活している人がいたぐらいですからねぇ。
バブル崩壊後の1995年以降、日本は20年以上に渡って低金利で、みんなそれに慣れているのですっかり忘れ去られている話だとは思いますが。

No title

>圧倒的に疎外されている45%の側から見ると、疎外されていない「社会の中の人たち」が野党だ与党だと言ってやりあっているように見えはしないか。

ブログ主さんの問題設定が正しいのか間違っているのかはともかく、野党が多くの国民から信用されていないのは事実です。といいますか、野党が信頼されてないというよりは左派やリベラルが、国民の多くから全く信頼されていないといった方が正しいのかもしれません。

例えば、新潟県知事選挙では野党共闘側が勝利しましたが、勝利した野党統一候補の米山隆一氏はバリバリの保守です。もしも、野党統一候補がリベラル系の候補だったら、米山氏と同じような主張をしたとしても勝てなかっただろうし、勝てないどころか大惨敗していた可能性もあったと思います。

安倍政権になってから、低所得層や下層中産階級はほとんど何の恩恵も受けていないと思うのですが、下記URLの『世帯年収ごとの支持政党』のデータでは、左派やリベラルよりも自民党の方が低所得層や下層中産階級から信頼されています。

http://www.asahi.com/articles/photo/AS20160326000102.html

世帯年収が300万円未満の所得層【ちなみに、厚生労働省が行った国民生活基礎調査によれば、2014年における世帯年収が300万円未満の所得層は国民全体の34.8%です】の政党支持率は、自民党が36%で、リベラル系(保守リベラルも含む)の民主党と左派(左翼)系の共産党の支持率を合計した9%+6%=15%よりも、自民党の支持率はかなり高く、自民党は低所得層からも非常に高い支持を得ているのに対して、左派やリベラルは低所得層の多くからも信用されていません。

安倍政権や自民党の支持率がこれだけ高いのは、野党もしくは左派やリベラルに比べれば、安倍政権や自民党の方がマシ(安倍政権は酷いが、野党もしくは左派やリベラルはもっと酷い)ということなんだろうと思います。

もしも本気で自公政権を倒したいのであれば、どうすれば、或はどういった主張をすれば、反自公系の政治勢力の支持層が増えるのか?ということを反自公系の政治勢力の人々は真剣に考えるべきでしょうね。

安倍政権を叩いているだけでは自公政権は倒せないと思います。米国の大統領選挙でも、ほとんどの米国メディアがトランプを叩いていたのにも拘らず、トランプは当選しました。

敵対する政治勢力を叩けば選挙闘争に勝てるわけではないし、却って逆効果になる場合もあります。民主制の社会では、自分達の政治勢力自身が多くの有権者(より正確に言えば、取り込みたい有権者層)にとって魅力的にならない限り、選挙闘争には勝てません。

No title

維新の
>「下請けいじめ」等を防止するため、独占禁止法の優越的地位の濫用禁止規定や、下請け代金支払遅延等防止法を厳格に運用する
昨日政府からのアンケートが来ましたよ。どう考えても厳格に運用するなんてシっこない。だってしてもらえた事が無い。それこそ紙上の空論。
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