2016-12-08(Thu)

カジノ推進法で一番喜ぶのは。。。

カジノの害とか闇とかは、他の人たちもたくさん書いているので、ここでは繰り返さない。

ここで問題にしたいのは、何のために安倍晋三たちはここまで無理矢理に法案を成立させようとしているのか、ということ。
そして、モラルや人倫はおいといて、本当にカジノが経済成長に寄与するのか、ということを考えてみたい。

まず、カジノを推進する立場から、かなり正直にカジノの経済効果を書いている論考を見てみる。
 
なぜ日本のカジノは莫大な利益を生むのか
関東、関西2施設計の年間営業利益は3000億円
2014.7.9 東洋経済 小池隆由


カジノ施設の収益規模を決定する要素はきわめてシンプルで、エリアの国民金融資産の量と施設数により規定されます。国民金融資産はカジノの潜在市場規模を示し、施設数は潜在市場のシェアを示します。日本のように、単一大型経済圏で、政府が施設数をコントロールする場合、事業者はほぼ確実かつ永続的に莫大な利益を確保できます。
(略)
日本の富裕層の個人金融資産量は約450兆円とアジアではトップであり、それに対して施設数は10カ所程度が想定されています(IR議連の考え方)。日本の「一施設当たり個人金融資産量」は平均45兆円と世界最大級です。アジア各国は中央政府が施設数をコントロールしますので、事業者は大きな利益を確保しています。

(引用以上)

この著者は、別の稿ではこのように言っている。

「カジノは日本のとくに富裕層の個人金融資産の一部を吸い上げる事業です。日本にとって個人金融資産の蓄積は最大の経済資源であり、その一部を開発するわけです。」

世界の金持ちが集まるから経済成長になるんだ、というようないい加減な話よりも、的確にカジノの経済効果を表現している。

ちなみに、法案に対する反対議論の中では、依存症や破産や自殺や、そうした議論がまず取り上げられるが、カジノの側からするとそれらの被害者は本命の客ではない ということのようだ。
マグロをのはえ縄に、たまたま小魚がかかってしまったようなもので、小魚が破産しようが自殺しようが、カジノにとってはどうでもいいことなのだろう。

それはともかく、カジノの経済的な効果は、富裕層の莫大な貯金を、市場に引き出すことだという。
まるで返済する必要のない国債のようにも聞こえる。
450兆円の金持ちの貯金が、毎年1%ずつでも吸い上げられて、日本経済に再投資されれば、たしかに経済効果はあるかもしれない。

しかし、カジノで1億円失うのと、事業で失敗して1億円なくなるのと、どちらが経済効果があるだろうか。
カジノでは基本は1億円の所有権が移動しただけで、その場の運営費以外はまったく経済効果は無い。
しかし、1億円投資して失敗した場合は、その金は給料や下請けの売り上げなどに使われているので、本人は損しているけれども社会的には経済活動になっている。

まずその意味で、カジノそのものは、ほとんど経済効果は無い。
少なくとも、動く金額に比して、著しく効果は低い。
別の言い方をすれば、最小限のコストで莫大な利益を上げることができる。

なので、カジノと経済効果の関係は、客から吸い上げたカネを、ちゃんと国内の生産活動に再投資するかどうか にかかっている。
富裕層の貯金を吸い上げて、それを生産活動ではなくて貯金にしてしまったり、マネーゲームにつっこんでしまったら、通帳の名義がかわっただけということになる。

まずこれが問題だ。



日本経済を動かすほどの巨額のカネを富裕層から吸い上げたとすると、国債の売れ行きに影響が出ないか、ということも心配だ。
1000兆円という巨額の国債は、日本人の金融資産に支えられている。富裕層の450兆円は日本国債を買い支えている原資でもある。それを食い荒らしていった時、国債は大丈夫なのか。

だったらいっそ、競馬のように公営にすればまだマシなのではないか。
富裕層から吸い上げたカネは、一般会計に入れられて、税収と同じあつかいになれば、それこそ返さなくていい国債ということになる。
ところが、IR推進法案では、国は規制をして入場料はとるけれど、運営は民間任せ。
(公営じゃないのに入場料だけ取る てのも不思議な話だが)

それでも、国内の企業が運営するのであれば、国内にいくらかでも再投資されるだろうが、こんなニュースもある。

「日本版カジノにぜひ」IR法案の行方にらみ米カジノ王、日本進出に熱い視線
2016.10.22 産経


世界一のカジノ運営会社、米ラスベガス・サンズ社のシェルドン・G・アデルソン会長は「法案が通れば日本進出に手を挙げたい」と意欲を示した。
(引用以上)

そう、サンズのシェルドン・アデルソンといえば、これを作った人だ。

20161208-1.jpg

そして、こちらの話題でも名前を聞くことが多かった。

トランプ大統領「就任式」運営委員が決定 カジノ業界の大物が多数
2016.11.20 フォーブス


委員会を率いるのはフォーブスの長者番付、フォーブス400にも選ばれた、ロサンゼルスでプライベートエクイティ企業Colony Capitalを運営する大富豪のトム・バラック。バラックは7月の共和党大会で「トランプとは40年来の親友だ」と述べていた。
(略)
残る19名のうちの4名もフォーブス400に登場する富豪たちだ。3名のカジノ王(シェルドン・アデルソン、フィル・ラフィン、スティーブ・ウィン)と、米国で最も成功した女性起業家にあげられるダイアン・ヘンドリックスがここに含まれる。4名の資産額の合計は407億ドル(約4.5兆円)に達する。

(引用以上)

アデルソンがトランプの強力な支援者なのは周知の事実で、奥さんも就任式運営委員だという。
右の二人が アデルソン夫妻。

20161208-2.jpg
Signs Of The Times というサイトより)

これまで頓挫してきたIR推進法案は、今国会でもやや及び腰で議員立法というかたちになっている。
上程はされたものの、なかなか衆議院の審議には入れていなかった。
ところが、

20161208-3.jpg

11月17日に安倍晋三がトランプ詣でをやらかした直後から、空気が変わった。
22日には二階幹事長が審議入りすると明言し、26日には公明党が審議入り了承、29日は菅官房長官が「IR法案をお願い」発言(議員立法で政府側が要請は異例)、30日衆議院内閣委員会で審議入り、12月2日にはわずか6時間の審議で内閣委員会で強行採決。
と、さすがの読売や産経までもが 口を極めて非難するほどのトンデモナイ議事運営で、強引にカジノ法を通そうと動き始めた。



さて、ここでクエスチョン

だれが一番カジノ法案を通したがっているのでしょうか?

もうひとつ

アデルソンさんは、儲けた金を日本のために使ってくれるでしょうか?


今日から参議院で審議入りして、来週冒頭には強行成立されそうな IR推進法案=カジノ解禁法案は、こういうものだ。
もし仮に、暴力団を排除して、依存症を克服したとしても (それはあり得ないけど、もしかりに)、それでも通してはいけない法律だ。

日本の金持ちの資産を、アメリカの超金持ちが吸い上げて、持ち帰ってしまう。

それが一番の本質なのだ。



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一段と輝く東京

不夜城こと東京市。宇宙から見ると,他の都市より一段と輝いて見えるようです。その東京をはじめ複数の都市にCasinoが出来るようで,慶賀に堪えません。
 電力が余っているのに,原発を再稼働させる理由はいくつかありますが,Casinoで使われる電力量とはどのくらいのなのでしょうか。
 リニア新幹線も相当な電力を使いますので,自然・再生エネルギ-による電力だけでは足りません。こちらは電力「爆食い」であることが知られています。すなわち,新たな原発が必要です。
 核分裂利用発電=原子力発電=原発は,廃止されるどころか,Casino,リニア新幹線のために使われそうです。誰がこんな計画を思いついたのか,思いついた人の構想力に脱帽です。
 とにかく,日本の富裕層の資産ばかりでなく,核のゴミも持ち帰ってくれることを,ただただ祈るだけです。
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